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2024年5月22日水曜日

南米アマゾンに巨大ナマケモノがいる ~ マピングアリ


■南米アマゾンに巨大ナマケモノがいる ~ マピングアリ

マピングアリ (Mapinguari / Mapinguary) は南米、ブラジル及びその周辺国、ベネズエラやパラグアイで目撃されるUMAです。

もともとはブラジルの民間伝承上の生物で、北米のビッグフットに似た獣人タイプのUMAです。

伝説によればそのマピングアリはその巨躯で人類を襲うと、いとも簡単に頭をひねってもぎ取ると頭をかち割って食べるとというとんでもないやつです。

未確認動物学者の名コンビ、アイヴァン・T・サンダーソン (Ivan T. Sanderson) 氏とベルナール・ユーベルマン (Bernard Heuvelmans) 氏は当然のようにマピングアリをビッグフットの亜種と位置付けました。

まあ無難なところです。

しかし、アメリカ人の鳥類学者にして、ブラジル鳥類専門家のデヴィッド・コンウェイ・オーレン (David Conway Oren) 博士がマピングアリの正体に関し新設を唱えたため、上記ふたりの未確認動物学者の提唱したブラジリアン・ビッグフット説は吹き飛びます。

オーレン博士はイエール大学およびハーバード大学の博士号を取得したエリートであり、まさかの未確認動物学への参入でした。

驚いたことに彼はマピングアリの正体を現生種ではなく、絶滅した巨大ナマケモノではないかと仮説を立てたのです。

南米大陸に地上棲の巨大ナマケモノは確かにたくさん存在していました。

既知種の最大種はメガテリウム (Megatherium) で体長6メートル、体重は6トンとアフリカゾウ並みの巨躯を誇りました。

他にもエレモテリウム (Eremotherium) やミロドン (Mylodon) 等、南米大陸は巨大な地上棲ナマケモノの楽園でした。

しかし、、、当然ながらオーレン博士の説は正当な古生物学者からは非難殺到、全く支持されることはありませんでしたが、UMAはそんなんでいいんですよ。

正当路線を歩んできた博士がキャリアを失いかねないマピングアリの新設ですが、当初は本人すらただの民間伝承にすぎないと思っていたようです。

しかし、アメリカ人ながらブラジルの鳥類学研究という仕事柄、自ずとブラジルでの滞在は長くなり、マピングアリの噂も現地住民らから自然と入ってきます。

しかも地元住民の話を聞いているとどうもこれはただの民間伝承上の話ではなく、現在進行形のように思われるのです。

いつしかマピングアリにどっぷりとのめり込むようになると独自に調査を進め、総勢100人以上から目撃談が集まりました。

オーレン博士の考えでは11,000年程前には南米大陸から姿を消したと考えられている巨大ナマケモノが現在でも細々と生きながらえているというものです。

高々11,000年前なんて地球の歴史からみれば昨日みたいなものですから、「恐竜生存説と比べれ」ば全く可能性は高いです、恐竜と比べれば、ですよ。

なお、有史以前の遠い昔、人間と巨大ナマケモノは共存していた時代があるともいわれ、マピングアリは本当に巨大ナマケモノが起源となっている可能性はあるかもしれません。

にしても、いくら先史時代のナマケモノが大きかったにせよ、草食性のナマケモノが人間の頭をかち割って食ってたとは思えませんが?

最近の研究結果によればミロドンは完全なベジタリアンではなかったともいわれており、さすがに動物を襲ってまでは食べなかったものの腐肉食動物であり動物の死骸等からも栄養を摂取していた可能性も示唆されています、

動物の死骸を食べていた巨大なナマケモノを見て「人喰い」の伝説も加わったかもしれません。

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2024年5月21日火曜日

正真正銘の殺人毛虫 ~ ロノミア・オブリクア


■正真正銘の殺人毛虫 ~ ロノミア・オブリクア

今回は久しぶりに猛毒生物を紹介しましょう。

毛虫を嫌う人は多いですし、実際そのトゲで刺されると肌が爛 (ただ) れるなど実害があるものも少なくありません。

そういった意味で素手で触るのはもちろんご法度ですが、ただ日常気を付けているかというそこまでの人はいないでしょう。

確かに海外産のものだと刺されると激痛のものもいますが、死ぬほどでもないですし、どちらかというとその見た目の嫌悪感で嫌っている人の方が多そうな気がします。

さて今回は南米、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイ、アルゼンチンに棲息するヤママユガの仲間 (Saturniidae)、ロノミア・オブリクア (Lonomia obliqua) を紹介します。

(ロノミア・オブリクアの幼虫 (Lonomia obliqua))
(image credit by Wikicommons)

成虫のウイングスパンは10センチほどとなかなか大きいので成虫も嫌われるでしょうが、問題は幼虫、つまり毛虫のほう。

暗殺毛虫 (Assassin Caterpillar) やら殺人毛虫 (Killer Caterpillar) の異名を持ち、さすがにそれは大げさで人を殺すまではいかないだろうとお思いのあなた、本当に致死性の毒を持ちます。

毎年数名の死者を出すことで知られているものの、実は大幅に過小評価されているともいわれ、実際の数はもっともっと多いのではないかと推測されています。(貧困層の住むリモート地での自己はほとんど報告されていないため)

幼虫時の体長は大きくても5センチほど、1匹に刺されて死ぬことはまずないものの、この毛虫は大量、数十から数百で集団でいることが多く、また木の幹や地面に擬態した体色であるため、気付かずにその毛虫が密集している幹や地面に手や体を押し当てる等してしまい、一度に致死量の毒を注入されてしまうことがあります。

(ヤママユガの一種の幼虫)
(image credit by Wikicommons)

サイエンスダイレクト (ScienceDirect) によれば、ブラジルで把握されているだけで年間100以上の自己が報告されており、致死率は全体の2.5パーセント。

毛虫に刺されただけで100人中2~3人が亡くなるとは驚きの致死率です。

またデータとして死者の63%が男性、20歳未満が45%となっており、20歳以下の男性が刺されたら高確率で死にそうな感じですが、これには分母が記載されておらず、単に20歳未満の男性の刺されている絶対数が多いだけの可能性があります。

例えばロノミア・オブリクアが棲息するような野山で遊んでいる20歳未満の男性は、女性や他の年代の男性より多く、刺される機会も多いだけでは?ということです。

ちなみにロノミアは14種ほど知られていますが、致死性なのは本種、もしかするとロノミア・アケロウス (Lonomia achelous) も危ないかもしれません。

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2024年5月20日月曜日

半霊半獣の亡霊犬 ~ スナーリー・ヨー


■半霊半獣の亡霊犬 ~ スナーリー・ヨー

スナーリー・ヨー (Snarly Yow) はウェストバージニア州やバージニア州、テネシー州、ノースカロライナ州、ジョージア州、ペンシルベニア州等々、アメリカの中北西部に広く知られるUMAです。

アパラチア地域 (Appalachia) も含むため、アパラチアの民間伝承のUMAとしても登場します。

スナーリー・ヨーを簡単に表現すればイヌ科の特徴を備えたUMAで、その姿はオオカミに似ているといいます。

またこのスナーリー・ヨーという名は鳴き声 (遠吠え) から来ており、「ヨーと唸 (うな) るもの」といった意味です。

夜な夜な森から聞こえるスナーリー・ヨーの鳴き声は「ヤー・ウー・ヨー・オー・ウー・オー・ヨー」といった感じだといいます。

イヌ系のUMAと聞くとありがちな感じですが、スナーリー・ヨーに限っては他のイヌ系UMAとは一線を画します。

スナーリー・ヨーはスピリチュアルな要素を変え備え、その存在はイギリス全土に伝わる黒犬と似ています。

このスナーリー・ヨーは非常に特殊なハイブリッド系かつシェイプシフター系で、これを聞くと、『ああ、複数の動物に姿を変えるあれね~』おそらく想像するでしょうがいい意味でその期待は裏切られます。

このハイブリッドとは複数動物の融合を意味するものではなく、実体と非実体のハイブリッドです。

実体と非実体のハイブリッド的存在であるこの生物に2つの形態を備えます。

ひとつはまさに亡霊犬。

姿こそ影のように漆黒のオオカミですがその輪郭がぼやけ、完全な実体として存在していません。

この形態の時、スナーリー・ヨーは非常に攻撃的であり、人々に襲い掛かるといいます。

唸り、吠え、咬み、、、しかし実体のない彼らの攻撃は人間の体にダメージを与えることはありません。

オオカミの形態を保つ霧のような存在であり、攻撃も実体を持ちません。

ならなんでもないじゃん?と思う人もいそうですし、実際そのような人もいるかもしれませんが、体に触れずともその恐怖体験は凄まじく、PTSD (心的外傷後ストレス障害) により、以後苦しむ生活になるといいます。

そしてもうひとつの形態は実体を持つ存在です。

この非実体⇒実体へのシェイプシフトには15分ほどかかるといいます。

実体を持ったスナーリー・ヨーですが、やはり輪郭は少しぼんやりしているといい、完全な実態とも言い切れない存在のようです。

とはいえ非実体ではないため、この形態のスナーリー・ヨーに襲われれば今度こそ身体はただでは済みません。

しかし不思議なことに実体を持ったスナーリー・ヨーは非実体のときとは打って変わって穏和になります。

人を襲うこともめったになくなるといいます。

実体を持つことで人間に対し物理的な攻撃を加えることができることになると同時に、自分たちも反撃を受け傷つき死に至る可能性もでてきます。

実体にシェイプシフトするのは諸刃の剣となるようです。

山間部などでイヌを轢いてしまったと思ってもそのまますり抜け、その当たった衝撃ももちろんイヌの死骸も見つからなかった、なんて話はよくありますが、これはスナーリー・ヨーの非実体と遭遇していたのかもしれません。(※ファルマス・シャドーなんかご参照どうぞ)

(参照サイト)

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2024年5月19日日曜日

アフリカから日本へテレポート?テレポート・アニマル ~ 和歌山のライオン


■テレポート・アニマル ~ 和歌山のライオン

何度か取り上げているテレポート・アニマル (Teleporting animals)。

今回は和歌山のライオン (Wakayama lion)。

「テレポート・アニマル」とは「その動物自体は既知生物」であるものの本来生息していない地域で目撃される動物たちの総称です。

つまり、「他の地域からまるでテレポートでもしてきたような生物」を意味する和製英語で、テレポーティング・アニマル (Teleporting animals) と呼べば海外でももしかすると通じるかもしれません。

ちなみに日本でいうテレポート・アニマルは英語圏では「ファントム〇〇」「ゴースト〇〇」「エイリアン〇〇」等、厳密に決まっておらず様々な呼ばれ方をしています。

テレポート・アニマルはあくまで「絶対その場所に存在するはずがない」ということが前提条件で、例えば日本でいうアメリカザリガニやブラックバスのような外来種を指す言葉ではありません。

アメリカザリガニやブラックバス等、海外から持ち込みや放流実績があるもの、あとは船のバラスト水などに混じって紛れ込んだ可能性が高いと容易に判断できる生物はテレポート・アニマルから除外されます。

では和歌山のライオンの話に入りましょう。

話はとてもシンプルです。

ご存じの通り、和歌山に、というか日本にライオンは生息していません。

日本の多くの動物園でその姿は誰でも見られますが、元々野生には存在しませんし、動物園から逃げようものなら大ニュースになること間違いなしです。

ですから野生化したライオンも存在しません。

そんな絶対に野生下で目撃されるはずのないライオンが、1971年、和歌山県和歌山市でパトロール中の警官によって目撃されたのです。

正真正銘、完全なテレポート・アニマルです。

それはメスライオンに酷似している生物で、雑木林近くの岩の上でゴロゴロしていたといいます。

大変可愛いです。

通報するも何も目撃したのが警察であるため、大騒動となったようです。

日本は特に「警察官は嘘をつくはずがない」という都市伝説、いや信仰がありますから余計にことは大きくなっていったと思われます。

ライオンがそこら辺を闊歩しているなんて尊像するだに恐ろしい、多くの人員を割いてライオンを捜索しましたが幸か不幸かライオンは発見されませんでした。

しかし一度騒ぎが出ればチェーン・リアクションが起こります。

それ以降、翌年の1972年まで和歌山のライオンを目撃したという情報は続くことになります。

現在であれば簡単にスマホで撮影、画像解析でその真偽を確認することはできますが半世紀以上の前の話です、それは叶いません。

結局、目撃情報は終息し、その正体は一体何だったのか現在でもそれは謎のままです。

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2024年5月18日土曜日

学校長の釣り針に四肢の怪物がかかった! ~ド ゥー湖の怪物


■教師の釣り針に四肢の怪物がかかった! ~ ドゥー湖の怪物

イギリスの北アイルランドの湖、ドゥー湖 (Lough Dubh)。

この北アイルランドで湖を指す単語「ラク (Lough)」は特に入り江のような細長い湖を指し、またそのまま入り江を意味する場合もあります。

ラクと呼ばれる湖は非常に小さいものも多く、北アイルランドは北海道の1/5以下の国土にして驚くべきことに湖の数は1668にも上ります。

北アイルランドの大小入り混じるコネマラ (Connemara) 湖沼地帯ではウマウナギ (Horse eel) と呼ばれる巨大なウナギ系のUMAが目撃されることでも有名です。

さて今回注目するドゥー湖、アイルランド語で「黒い湖」を意味しそのままブラック・レイクも呼ばれますがという意味しますがそれが水の色に由来するのかは分かりません。

さて本題に入りましょう、今回はド ゥー湖の怪物 (Lough Dubh monster) です。

1961年 (もしくは1962年)、学校長を務めるアルフォンサス・ムラニー (Alphonsus Mullaney) 氏は息子とドゥー湖に釣りに来ていました。

すると校長の針になにかがかかりました、大物の手ごたえです。

しかし巨大魚が針にかかったという予測は外れ、とんでもないものが湖から顔をのぞかせました。

それは四肢のある豚のような短い毛に覆われたダークグレーの生物で大きさはロバほどもありました。

四肢は短くずんぐりとしており、頭部は幾分ブタに似ていましたが吻 (鼻先) の先端には短い角が生えていました。

陸上する前にラインは切れ、その生物はまた水の中へ消えていったといいます。

見たことのない生物です。

この生物をスピリット (精霊) と解釈する人もそれなりにおり、この生物はドゥー湖の守護的な存在である、真逆に邪悪な存在に違いないという人もいます。

ムラニー校長は非常に攻撃的な生物であったと主張していることと「黒い湖」という名前から連想されるイメージでスピリットであるなら後者のほうが理にかなっているように思えます。

しかし実在する生物 (UMA) と考えたらどうでしょう?

大きさや角は全く当てはまりませんが、やはり水棲生物かつ四肢動物であるならカワウソは外せません。

ビーバーはどうでしょう?

グレートブリテン島ではかつでビーバーが棲息していました17世紀前後に絶滅させられており、再導入で現在繁殖が確認されているもののそれは21世紀以降、ビーバーである確率は低いでしょう。

そして目撃証言とその行動には矛盾はあるものの一番確率が高いのは容姿的にイノシシです。

イノシシの鼻面に角はありませんが下あごから生える湾曲した牙は角に見間違える可能性は高いです。

イノシシの牙は上下左右に計4本生えていますが、下あごから生えた牙の一方が折れるなどして欠落している場合、一本角の野獣と誤認しても不思議ではありません、なにせほんの一瞬の出来事ですしね。

ただね、イノシシは泳ぎが得意とはいえ、すっぽり体が隠れるほど潜っているわけもなく、釣り糸にかかればそのまま上陸し校長親子に向かってきそうなもので、そこら辺はやはりイノシシとは断定できないところですけどね~

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