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2024年8月31日土曜日

ビデオにも撮られた!? ~ 阿寒湖の竜


■ビデオにも撮られた!? ~ 阿寒湖の竜

マリモ (Aegagropila linnaei)。

その名の通り、藻が毬 (まり) のように球状に成長しますが、これは実際には細く小さい糸状体 (しじょうたい) の集まったもの (集合体) です。

英語でも日本語そのままに "Marimo" と呼ばれますが、「毬藻」を直訳してモス・ボール (Moss ball) とも呼ばれます。

マリモといえば球状のイメージがありますが、実際は糸状体がそのまま浮遊したり (浮遊型)、多くの藻がそうであるように岩等に付着する着生型の大きく3種の形態をもちます。

中心部に核をもたないにもかかわらず綺麗に放射状に成長する不思議な藻で成長速度はとんでもなく遅くいろんな説がありますが、確認されている最大のマリモは直径34センチ、この大きさに成長するには10~30年以上、寿命は300年なんていわれています。

さて別に巨大マリモ風UMAの話をしようとしていたわけではありませんが、今回の舞台はマリモで有名な北海道釧路市にある阿寒湖 (あかんこ) です。

阿寒湖は北海道で5番目、全国で24番目に大きな湖です。

阿寒湖のマリモは特に綺麗な球状に育ち国の天然記念物となっています。

自然が美しい観光スポットでUMAとは無縁そうですがこんな美しい湖でなんと竜が目撃され、自分は未確認ですが動画にも撮影されたというのです。

このUMAはそのまま「阿寒湖の竜 (Lake Akan dragon)」と呼ばれます。

UMAといっても「竜」とか「鬼」とか聞くとさすがにあまり現実感が湧きませんが、少なくとも「竜」であれば「(未確認の) 大型爬虫類」と言い換えることができます。

詳しい情報はUMA本でも確認できずその全体像はつかめません。

日本にはコモドオオトカゲ (Varanus komodoensis) やハナブトオオトカゲ (Varanus salvadorii) といったオオトカゲ類 (Varanidae) は棲息しておらず、日本最大のトカゲは体長40センチのキシノウエトカゲ (Plestiodon kishinouyei) です。

キシノウエトカゲは温暖な宮古列島、八重山列島の固有種で、寒冷な北海道にオオトカゲ類が棲息し、かつ水中を泳ぐとは考えづらいところです。

写真や動画を確認できないため、あくまで一般的な竜のイメージで考えると、現実的で夢のな説で申し訳ないですが、ヒグマ (Ursus arctos) であったりエゾシカ (Cervus nippon yesoensis) が泳いでいたのを誤認した可能性があります。

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2024年8月30日金曜日

島根県仁多町 (奥出雲町) の怪 ~ ニタゴン


■島根県仁多町の怪 ~ ニタゴン

1996年6月23日、島根県仁多町 (にたちょう) 三沢で謎の生物が捕獲されました。

発見された仁多町にちなみニタゴン (Nitagon) と名付けられました。

尚、ニタゴンの名前の由来となった仁多町は2004年、横田町 (よこたちょう) と合併し奥出雲町 (おくいずもちょう) となり、現在その地名は消滅しています。

ニタゴンはUMAにあるまじき小柄さで体長僅か40センチ、頭部にはピンと立った大きな耳、口には鋭い牙を有していました。

鼻面 (吻) は細長く、鹿や犬のそれに似ていました。

ウサギやカンガルーのように跳躍して前進するもののぎこちなく、山へと続く斜面ではバランスを崩し何度も転んでいたといいます。

全体的な印象はウサギよりもむしろカンガルーに似ていたといい、もっとも奇妙だったのはニタゴンは毛皮を纏っておらず茶色の皮膚が剥き出しだったことです。

見るに見かねた地元の人によってニタゴンは保護され地元の警察に届けられました。

UMAが捕獲されるという超絶レアケースです。

ウサギ、カンガルー、鹿、犬、と多くの哺乳類のハイブリッドのような姿です。

但し、鋭い牙を持つことからウサギやカンガルー、鹿でないことだけは確かです。

ま、正直それほど神秘的ではありませんが、日本の野生には存在しない (はずの) カンガルーが含まれている点は幾分UMA的ではあります。

保護された先では治療を受けミルクをがぶ飲み、豚肉やソーセージを食べていたといいます。

いずれにしても捕獲されているので正体が判明するのは時間の問題。

しかし「捕獲されたUMAは高確率で消えてしまう」の法則がありますが、ニタゴンは大丈夫でしょうか。

ニタゴンは保護された先で一晩過ごし、翌日戻ってみると保護施設から逃走!

とはならず、ちゃんとそこにいました。

(キツネの親子)
(image credit: Wikicommons)

鑑定の結果は残念ながら生後3か月のキツネの赤ちゃんだったようです。

皮膚病 (疥癬) で全身の毛が抜け落ちて謎の生物になっていたようです。

チュパカブラの正体もそのほとんどはイヌ科 (コヨーテ、キツネ、イヌ) の動物が皮膚病で毛が抜け落ち瘦せ細った個体の誤認であることから、ニタゴンは日本のチュパカブラ事件の先駆けともいえますね。

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2024年8月29日木曜日

400頭の羊を殺した伝説の野犬 ~ エンナーデイルのガート・ドッグ


■400頭の羊を殺した伝説の野犬 ~ エンナーデイルのガートドッグ

300人を喰い殺したといわれる伝説の人喰いナイルワニ、ギュスターヴ

この殺害した人数はかなり過大評価 (誇張) された数と考えられていますが、それでも長期にわたって人々を恐れさせた実在するクロコダイルです。

日本でも、北海道標茶町 (しべちゃちょう) で4年にわたり家畜を襲ったヒグマ、「OSO18(おそじゅうはち)」も記憶に新しいところです。

OSO18が初めて被害が確認されたのが2019年7月16日、以降、神出鬼没に現れてはウシを襲い、2023年7月30日にハンターにより射殺されるまで66頭のウシを襲い、うち32頭を殺害しました。

さて、今回紹介するのは「エンナーデイルのガート・ドッグ (Girt Dog of Ennerdale)」

ギュスターヴのように人を襲うことはありませんでしたが300~400頭のヒツジたちを殺した伝説の野犬です。

ガート・ドッグが現れたのは19世紀のイングランド北部カンバーランド (Cumberland)。

初めてその存在が確認された1810年5月10日といわれています。

出没するのはほぼ夜間であることからその姿をはっきりと確認することは難しく、目撃証言によるガート・ドッグの特徴も統一性がなくバラバラでした。

ガート・ドッグ (Girt Dog)」という名前からも分かる通り「犬」であることは認識されていたようですが、とにかく大きくトラのような縞模様を持つ、といったものやライオンに似ているといったようにイギリスには存在しない大型ネコ科動物の特徴を持つと考えられていました。

現在でいう、イギリスの代表的なUMA、ABCことエイリアン・ビッグ・キャット (Alien Big Cat) の犬バージョン、エイリアン・ビッグ・ドッグ (ABD) といった存在だったのでしょう。

19世紀初頭の古い記録ということもあり、誇張された可能性は否定できませんが、一晩で複数頭 (最大8頭とも) を襲っていたことは確かでこの野犬が食事以上に殺戮を楽しんでいたのは疑いようもありません。

目撃証言の中には獲物を完全に仕留めずに生きたまま貪り食っていた、頸動脈から直接血を吸っていたというような信じ難いものも含まれます。

ガート・ドッグを射殺するため有志たちが集まり最大200人による捜索隊が組まれるもこの犬は逃げおおせ、狩猟犬すら臭いを嗅ぎつけると逃げ出すといった噂まで流れ始めます。

もはや「パラノーマル (超自然的)」な存在に近付いていたようです。

しかしそれは人々が思うような決して霊的な存在ではなく完全に実在していました、というのも1810年9月12日、ジョン・スティール (John Steel) という名のハンターによりついに射殺されたからです。

それ以降、ヒツジが襲われることがパッタリと止んだことからも、それがガート・ドッグだったに違いありません。

体重は112ポンド (約51キログラム)、かなり大きいことは確かですがパラノーマルな噂が立つほどの大型犬ではありませんでした。

ガート・ドッグはむしろその殺戮を楽しむかのような気性に問題があったのでしょう。

(最期のタスマニアタイガー、ベンジャミン)

その後ガート・ドッグは剥製にされケズィックのハットン博物館に19世紀末まで展示されていましたがそれ以降は倉庫にしまわれ、1950年代に再発見された時には保存状態の悪さから廃棄されてしまいました。

剥製にされたにもかかわらずそのまま廃棄、写真すら残っておらず、その正体はただの「気性の粗い雑種犬」に過ぎなかったとの説が有力ですが実物がない以上、確かなことは不明です。

そのため初期の目撃情報に縞模様があったという証言から、オーストラリアから連れてこられサーカス団に帯同していたタスマニアタイガーことフクロオオカミ (Thylacinus cynocephalus) が脱走したもの、という説もそれなりに説得力があります。

但しフクロオオカミは平均体重が55ポンド (約25キロ) 程度、大型で66ポンド (約50キロ) ぐらいしかなく、ガート・ドッグの正体がフクロオオカミだったとしたら飛び抜けて大きな個体だったことになります。

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2024年8月28日水曜日

砂漠の巨大重戦車、巨大化したラーテル ~ ジャイアント・ラーテル


■砂漠の巨大重戦車、巨大化したラーテル ~ ジャイアント・ラーテル

ラーテル (Mellivora capensis) の英名はハニー・バッジャー (Honey badger)、
蜂蜜のアナグマ」という意味ですね。

そのため和名はミツアナグマ、雑食性ですがその名に違わず蜂蜜やハチの幼虫を好みます。

但し特段蜂蜜を発見する能力に長けているわけではないためミツオシエの仲間、特にノドグロミツオシエ (Indicator indicator) と共生関係にあり、蜂の巣のありかを教えてもらい蜂の巣を襲撃します。

ミツオシエの役割はラーテルを蜂の巣まで誘導するだけ、これにて終了。

ラーテルは恐ろしく分厚い毛皮で覆われているため猪突猛進で蜂の巣に急襲を仕掛け、まんまと蜂の巣を破壊し好物にあり付きます。

ミツオシエはその様子を近くに木の枝にでも止まって高みの見物、ラーテルは綺麗に食べるわけではないためそこかしこに蜂の巣の残骸が散らかっており、ラーテルが去った後にノーリスクで蜂蜜をゲットできるというわけです。

一番危険なのはラーテルに蜂蜜のありかを教えるために低空飛行をしている最中で、なんでも食べるラーテルはガイド役のミツオシエさえ食べようとします。

さてこのラーテル、体長は60~70センチ前後、体重も13キロ程度、イタチ科の中ではかなり大柄な方で、実際アフリカ最大のイタチ科の動物です。

ただ四肢が短く重心が低いため、いうほど大柄には見えません。

ましてや猛者ひしめくアフリカの大地ではなおさらです。

しかしこのラーテル、進行方向にライオンのような猛獣がいても回り道せずそのまま中央突破する、というか、時には攻撃すら仕掛けるとんでもない習性があります。

この体格にして強気でいられる理由はハチの攻撃も寄せ付けなかった6ミリもある分厚く柔軟性のある毛皮で全身が覆われているからです。

この毛皮はライオンやヒョウの爪や牙にも有効で、まあ彼らと戦って勝つ (捕食する) ことは万が一にもないでしょうが、とにかく気性が荒く厄介な毛皮を持つラーテルなのでライオンたちも好んで捕食することは少ないようです。

さてこの体重差が1/10~1/20にしてこの気性の荒さです、もしこの気性を持ち合わせたまま体が大きくなったとしたら?

実はそんな夢のようなジャイアント・ラーテル (Giant Ratel) なるUMAが存在します。

その存在を主張しているのが未確認動物学者ベルナール・ユーヴェルマンス (Bernard Heuvelmans) 博士で、中央アフリカ・東アフリカを中心にいくつかの目撃例があるといいます。

ラーテルは頭部から背中にかけて体の上部が白 (もしくはグレー)、そこから下が黒というツートンカラーで色分けされてるのも特徴のひとつですが、ジャイアント・ラーテルは全身真っ黒という噂もあります。

小柄であるにも関わらずライオンやヒョウに立ち向かうほどの気性の粗さ、唯一の欠点は体が小さいこと、その欠点が解消されたのです。

まあ体が大きくなってもそのまま性質 (気性等) まで一緒とは限りませんが、仮に既知のラーテルそのままに巨大化したらいったいどれほど凶暴な生物になることやら。

但し、このジャイアント・ラーテルの目撃証言から具体的な大きさは分かりません。

既知のラーテルよりひと回りふた回り程度大きいだけかもしれませんし、ライオンほどあるかもしれませんし、とにかく既知種より大きいことから「ジャイアント・ラーテル」と呼ばれているだけです。

ひと回り、ふた回り程度大きいのであれば、既知のラーテルのメラニズム (黒変種) の大型個体かもしれません。

それよりも大きく具体的には頭胴長が1.5メートルを超えるようなラーテルだとしたら、それは他の動物の誤認の可能性もありますが、ラーテルの新種である可能性が高いでしょう。

ユーベルマン博士はこの巨大ラーテルに "Mellivora ratel maxima" なる学名を提唱していますが、現時点では存在が確認されていないためもちろん無効です。

尚、ユーベルマン博士はジャイアント・ラーテルの存在をナンディ・ベアとの関連性も指摘しています。

2024年8月27日火曜日

ワニみたいなアライグマ見たんですけど? ~ クーニゲーター


■ワニみたいなアライグマ見たんですけど? ~ クーニゲーター

今回は、アメリカ、バーモント州モンペリエ (Montpelier) の森林で目撃された奇妙なハイブリッド系UMA、クーニゲーター (Coonigator) です。

クーニゲーターとはアライグマの英名ラクーン (racCOON) とアリゲーター (allIGATOR) のかばん語 (合成語) で、その名から分かる通り両者のハイブリッド系UMAです。

一見するとその姿はアライグマということなので、大きさ的にはそれほど大きくなく、ネコよりちょっと大きいぐらいでしょうか、実際アライグマを近くで見ると大きいですけどね。

しかしクーニゲーターの特徴は何と言ってもその頭部、アリゲーターのように吻 (鼻先) が長いといいます。

アライグマに見えるという証言から全身は毛で覆われモフモフであり、既知・未知に関わらず、 クーニゲーターの正体は哺乳類に違いありません。

でもワニみたいな頭部の哺乳類ってなかなか、というか全然思いつきません。

まあUMAなのだから既知動物にいなくて当然といえば当然ですが。

しかし、そうはいっても既知動物の可能性を全部排除してこそ真のUMAが生まれます。

(キタオポッサム)
(image credit by Wikicommons)

そういうわけで、クーニゲーターの正体として、オポッサムが候補に挙げられています。

オポッサムは南北アメリカに生息する有袋類で、ネズミのように尖った吻をもつのが特徴です。

通常、あまり大きくない生物ですが、最大種のキタオポッサム (Didelphis virginiana) はかなり大きく成長する個体もあり、最大クラスにもなると7キロ以上に達します。

6~7キロ級のオポッサムだとアライグマほどの大きさ (一見すると子熊レベル) になるので、頭部をはっきり見ないとアライグマと誤認してしまうかもしれません。

森で後ろ向きのアライグマを見つけたと思い近づいて、振り返るや顔が全然違う!

(オポッサムの必殺技「リアルな死んだ振り」)
(image credit by Johnruble (Wikipedia))

オポッサムの存在すら知らない人は一体目の前で何が起きているのか分からなくなるでしょう。

後日、知人等に「アライグマの体なんだけどワニ (アリゲーター) みたいに長い吻をもつ動物を見たんだよな」と証言すればクーニゲーター誕生です。

でもまあ、正直なところオポッサムはどう転んでもアリゲーターには見えませんが。

ちなみにバーモント州にはオポッサムが棲息するほぼ北限であり目撃してもなんら不思議ではありません。

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