■ロシア、ヴェドロゼロ湖に潜むアクア・マン ~ ウォーター・ゴブリン
フィンランドとロシアに跨るカレリア地方。
カレリアの自然や建造物はまさにおとぎの国のから抜け出してきたかのような非現実的な美しさに溢れています。
そしてこの地にはヴェドロゼロ湖 (Lake Vedlozero) という、これまた大変美しい湖があります。
ここにもし未確認生物が存在するというのであれば、それはきっと妖精のような姿をしているに違いありません。
さて、そんな怪物とは無縁そうなこの湖ですが、ちょっとばかり不思議な話がありました。
この湖のそばにある村の老人、P.F.ヤゴノフ (P. F. Yegorov) さんは、生前、この湖に光り輝く物体が空から降ってきたと常々語っていたのです。
決してパラノーマルの現象としてではありません、おそらくそれは隕石だった可能性があります。
(カトレアの建造物)
(image credit by Wikicommons)
ヤゴノフさんは既に亡くなっており目撃したのがいつだったのか正確な期日は分かりませんが、この噂を聞きつけ1990年代に入り湖底の調査が行われました。
その空から降ってきたもの、おそらく隕石、が湖底に眠っているかもしれない、しかし残念ながらその調査では何も発見することはできませんでした。
この探検隊に参加したメンバーの中にはロシアの未確認動物学者ヴィクトル・サプノフ (Viktor Sapunov) 氏も名を連ねていました。
収穫なしでさっさと撤収、というのもなんですからこの湖になにか他の伝説はないかと近隣の住民に聴いて回りました。
ダメもとの聞き取り調査、しかし驚いたことに地元住民たちの口から思いもかけない情報が引き出せたのです。
この湖では丸い頭の謎の小柄なヒューマノイド、「ウォーター・ゴブリン (Water Goblin)」なる未確認生物が目撃されていたのです。
水棲の獣人でしょうか?
それは妖精タイプなのか、それとも醜悪なタイプなのか。
サプノフ氏の情報は限定的であったため詳しいことは分かりませんでしたがそれでも十分過ぎるほどの大スクープです。
元々はソ連の機関紙であり現在はロシアの大手新聞プラウダはサプノフ氏の話を聞きつけると、もっと住民たちに詳しい話を聞こうと現地調査に乗り出しました。
ところがです、プラウダの記者たちがこの村に訪れ住人に話を聞いたところ、住人たちは誰一人としてそんな生物を見たこともなければ噂すら聞いたことがないというのです。
「あの湖で見たことのある変わったもの?アザラシぐらいかな」
この湖と地理的に近いヨーロッパ最大のラドガ湖にはワモンアザラシ (Pusa hispida) が生息しており、河川で繋がっていることから稀にこの湖にも訪れることがあるといいます。
しかし住民たちは彼らをちゃんと「アザラシ」と認識しており怪物とは思っていません。
上記の通り、ラドガ湖から来ていることすら理解しています。
ウォーター・ゴブリンは探索時にたまたま目撃したワモンアザラシからヒントを得たサプノフ氏の完全な捏造だったのか?
一説には怪物話を詮索する余所者のサプノフ氏にからかい半分でほら話をふっかけたとも言われています。
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