2023年3月16日木曜日

ニューブリテン島の恐竜 ~ ニューギニアン・イグアノドン


■ニューブリテン島の恐竜 ~ ニューギニアン・イグアノドン

オーストラリア北方に浮かぶビスマルク諸島最大の島、ニューブリテン島で恐竜に似たUMAの目撃があります。

いわゆるネオダイナソー (Neodinosaurs) と総称される恐竜系UMAに属するもののひとつです。

ネオダイナソーの多くはアフリカ大陸の目撃であり、かつ20世紀初頭、せいぜい20世紀半ばぐらいまでで目撃が途絶えているものが多いです。

科学的には20世紀初頭でも現代に恐竜が生息しているという説は一蹴されるものでしたが、現在よりも太古の自然を彷彿とさせる多くの自然が残されていたアフリカ大陸では「ワンチャン、生き残っているのでは?」と冒険家や未確認動物学者たちを惹きつけました。

(ニューギニア近海で超絶珍しいキロデクテス・マキュラトゥスが撮影されたのも記憶に新しいところです)
(image credit by Dorian Borcherds via The Gurdian)

パプアニューギニアはアフリカ大陸と比較すればこじんまりとしているものの、今でも自然は多く残されており、実際、近年になっても次々と新種の生物が発見されています。

さて、そんな新種たちに混じって?というわけではありませんが、ネオダイナソーの目撃としては驚くほど最近、21世紀に入ってからの目撃証言があります。

目撃されたのはニューブリテン島の北東に位置する東ニューブリテン州のティンガナンヴドゥ (Tinganavudu) 村。

2004年3月、この村の住人たちが相次いで体高3メートル、頭部が犬、尾がワニに似た巨大な生物を目撃したと主張しました。

目撃した村人たちによればその生物は「恐竜」に似た姿をしていたといいます。

(19世紀に描かれたイグアノドンの旧復元図、現代とはまるで別の生き物です)
(image credit by Wikicommons / Public Domain)

具体的な恐竜の名前は市民の口から出ていないものの、その目撃情報による特徴からのちにこの怪物はニューギニアン・イグアノドン (New Guinean Iguanodon) と呼ばれるようになります。(もしくはパプアン・イグアノドン (Papuan Iguanodon))

同じくティンガナンヴドゥ村の住人であるクリスティーン・サメイ (Christine Samei) さんはその噂を耳にすると興味を持ち怪物を探しに森へと入りました。

「とても大きくて醜い生物でした」

噂に違わぬ巨獣との遭遇に歓喜するも束の間、身の危険を感じ、間一髪のところで逃げおおせたと地元の記者団に彼女は語りました。

その報告を受け武装した警察隊が現場へ向かいますが、その生物が実在することを示唆するめぼしい証拠は残念ながらなにひとつ発見できませんでした。

このニューギニアン・イグアノドンは、もともとティンガナンヴドゥ村ともほど近い東ニューブリテン州の州都ココポ (Kokopo) の外れに棲んでいるといわれる怪物の伝説から来ている可能性もあります。

ココポのアルバート・ブアンガ (Albert Buanga) 市長はこの騒ぎを歓迎しており、もしその恐竜が実在するというのであればネス湖のように観光地としてココポも大きな成功をおさめらるだろうと期待をよせます。

なんて寛大な市長なのだろう、と思いますが、逆に観光客目当てで市民たちと組んで起こした捏造騒動では?なんて疑いの声もあります。

それではニューブリテン島を含むニューギニアに誤認されるような動物はいるでしょうか?

クマがベストですがニューギニアには生息していません。

ニューギニアはオーストラリア同様、有袋類の楽園で固有の種が多いのですが、いかんせんこちらもオーストラリアと比較すると小型の種類が多いです。

(ドウイロフクロネコ)
(image credit by Wikicommons)

調べてみないと分かりませんが、めぼしいところで体長2フィート (約60センチ) のドウイロフクロネコ (Dasyurus viverrinus) がニューギニアに生息する最大クラスの有袋類でしょうか。

爬虫類に目を向ければハナブトオオトカゲ (Varanus salvadorii) がいます。

このトカゲはニューギニア島に生息しニューブリテン島には生息していませんが、まあそこは許容範囲ということで。

ハナブトオオトカゲはクロコダイル・モニター (Crocodile monitor) という英名から日本では直訳して「ワニオオトカゲ」と呼ばれる場合もあるトカゲの巨大種です。

(ハナブトオオトカゲ)
(image credit by Wikicommons)

体重的にはずっしりとしたコモドオオトカゲ (Varanus komodoensis) に遠く及びませんが、尾の長いハナブトオオトカゲの最大クラスの個体ともなるとコモドオオトカゲより体長的には上回ります。

大型個体の体長は9フィート (約2.7メートル) オーバー、現存する標本は8フィート (約2.4メートル) ほどですが11フィート近い (3.3メートル) ものが生物学者によって捕獲され調査された例もあります。

ニューギニアン・イグアノドンの正体としてハナブトオオトカゲは、体長はもとより頭部や尾の特徴も申し分ないのですが、いかんせん支えなしで直立するのはかなり厳しい生物です。

このUMAが実在するのであればコモドオオトカゲやハナブトオオトカゲ級の巨大なトカゲの新種を期待しちゃいますね。

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