このブログを検索

2024年6月20日木曜日

1年のほとんどをずっと寝て過ごすカエル ~ コーチスキアシガエル


■1年のほとんどをずっと寝て過ごすカエル ~ コーチスキアシガエル

ダライアス・コウチ (Darius N. Couch)。

彼はアメリカの軍人で南北戦争では北軍の少将でしたが、彼の名を持つカエルがいます、黒米に生息するコーチスキアシガエル (Couch's spadefoot toad) で、学名にスカフィオプス・コウチイ (Scaphiopus couchii) とちゃんとコウチ少将の名が入っています。

なぜかというと、実はコウチ少将は軍人にして博物学者でありり、このカエルの標本をはじめて発見したのは彼だったため献名されたのです。

このカエル、体長は最大9センチほどになる大柄なカエルで、英名のスペードフット (スペード状の脚) というのは後肢が鍬 (スペードとは「鍬 (すき)」のこと) のような形状になっていることに由来します。

地中棲のカエルで1年の10ヶ月ぐらいを土の中で暮らします、暮らしているというか寝ています。

早起きの場合は8ヶ月ぐらいのものもいるようですが棲息地やその年の気温等にも左右されるようです。

とにかくよく寝ます。

活動期間は雨期の僅かな期間のみ、この期間で交尾、産卵を済ませないといけません。

雨季と気付くやオスは目覚め地上へと向かい、水たまりを確認するや鳴いてメスを起こします。

この中に産卵し、オタマジャクシになってもらって、さっさとカエルになってもらわないといけません。

なにせこの水たまり、雨季にできた一時的なものですぐに干上がってしまいます。

速攻で産卵まで済ませないといけません。

オスの号令でメスも眠い目をこすりながら土から這い出てくると交尾を済ませその一時的に出来た水たまりに産卵します。

地中棲のカエルの中には卵の中でオタマジャクシのステージを過ごし、孵化と同時にカエルとして登場するものもいますが、コーチスキアシガエルの卵から孵るのは残念ながら通常カエルと同様、オタマジャクシです。

雨季と言えどいつ欲し上がってもおかしくないただの水たまり、ここに産卵するというのだからこのカエル、度胸があります。

通常のカエルだと卵から孵化する間に数日要し、さらにオタマジャクシからカエルになるまで早くて1ヶ月ぐらいかかり、合計で40~60日ぐらいかかってしまいます。

基本、オタマジャクシは鰓呼吸なので絶対に水が必要です。

ということは最低でも1ヶ月、できたら2ヶ月は水たまりがないと全滅してしまいます。

ですがこの雨季でできた水たまり、雨季と言えど安定して雨が降ってくれない場合、カエルになる前に干上がってしまいます。

というわけで、コーチスキアシガエルは産卵からカエルになるまでのスピードを大幅に短縮することに成功、その速さは尋常ではなく産卵から最短7~9日で肺呼吸できる成体へと成長します。

そんなギリギリの生活しないで永続的に水のある沼や池に卵を産めばいいのに、と思いますが、このいつ干上がるかもしれない水たまりも悪いことだけではありません。

沼や池と比べ、水の量が格段に少ないことから水温はあっという間に上昇し、代謝が高まることでオタマジャクシの成長速度が加速、オタマジャクシの期間は無防備であり短いに越したことはありません。

また、一時的にできた水たまりには魚類等が棲息しているはずもなく天敵の数も池や沼と比べ圧倒的に少ないという利点があるんですね。

この短い期間に1年分の食事を一気に平らげたら、あの「スペードフット」で穴を掘ってあとは寝るだけです。

(関連記事)




2024年6月19日水曜日

16世紀に目撃されたインドの人面トラ ~ タナクト (サナクス)


■16世紀に目撃されたインドの人面トラ ~ タナクト (サナクス)

タナクト (or サナクス, Thanacth)。

16世紀、フランス人司祭にして探検家アンドレ・テヴェ (Andre Thevet) 氏がインドで目撃したとされる謎の生物です。

半人半獣的なUMAで頭部は人間に似て吻が短く顔の周辺は縮れた毛で覆われており、体は黒っぽい毛皮のトラに似た四肢動物として描かれます。

また、前肢は人間の手に似ており、後肢はトラ、しかし尾はないといいます。

インドには大型のネコ科動物としてベンガルトラ (Panthera tigris tigris) もインドライオン (Panthera leo persica) も棲息していますが、目撃者の頭部・前肢の特徴から言ってどちらでもなさそうです。

いずれも人間にとっては大変危険ですが、タナクトにはそう言った記述もないことからあくまで体つきが大型ネコ科動物ほど大きかったか、トラのような模様があったかいずれかでしょう。

これはおそらく決してトラなどではなく霊長類と思われますが、「尾がない」つまり類人猿となると大型のものあオランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボの4種に限られてしまい、いずれもインドには生息していません。

となると小型類人猿、テナガザルということになります。

(オスのフーロックテナガザル)
(image credit by Wikicommons)

インド北東部国境ギリギリのところには世界で二番目に大きな体長90センチのテナガザル、フーロックテナガザル (Hoolock hoolock) が棲息しています。

オスとメスで毛色が異なり、オスは真っ黒、メスは薄い褐色、タナクトは黒いといわれているので、フーロックテナガザルが正体だとすればオスということになります。

ちなみにテナガザルの最大種はマレー半島とスマトラ島に生息するフクロテナガザル (Symphalangus syndactylus) で、大きさ的にはフーロックテナガザルを僅かに上回る程度です。

しかしいずれのテナガザルも大きさ的にも体つきも大型ネコ科動物を全く彷彿とさせない、という欠点があります。

大型ネコ科動物を正体とする場合よりは欠点は少ないですが、それでもこれで決まり!というほどしっくりは来ません。

そういうわけでインド以外の霊長類からも候補が出され、スローロリスキツネザルらも検討に入れているようですが、スローロリスはあまりに小さすぎますし、キツネザルはマダガスカルにしかいない上に長い尾を持ち、それならテナガザルの方がまだいいのでは?

(関連記事)








2024年6月18日火曜日

ステゴサウルスはアフリカに溢れているようだ ~ ムフル


■ステゴサウルスはアフリカに溢れているようだ ~ ムフル

今回はムフル (Muhuru)。

剣竜ステゴサウルス (Stegosaurus) によく似たUMAはアフリカでよく目撃されますが、ムフルはまさにそのタイプです。

一番有名なのはおそらくコンゴ共和国のムビエル・ムビエル・ムビエル (Mbielu Mbielu Mbielu)、またコンゴ共和国と国境を接するコンゴ民主共和国ではングマ・モネネ (Nguma-monene) が、そしてコンゴ民主共和国からウガンダ共和国・南スーダン共和国を挟んでケニア共和国で目撃されるのが今回のムフルです。

いずれも完全なステゴサウルス風というわけではなく、それどころか基本は水棲であるため恐竜ではありません。

但し、すべてのUMAにはステゴサウルスのトレードマークである骨板 (プレート) が確認されています。

ムフルはケニヤのリフトバレーで目撃されましたが、実は同地域ではリフトバレー・モンスター (Rift Valley Monster) も目撃されています。

ディメトロドン (Dimetrodon) やエダフォサウルス (Edaphosaurus) に姿の似た「単弓類」タイプですが、こちらも背中にステゴサウルスとはまた違った大きな帆を張って居ました。

ムビエル・ムビエル・ムビエル、ングマ・モネネ、リフトバレー・モンスター、そして今回のムフル、その骨板の形状は異なるものの骨板を有しているという大きな共通点であり、また生息域も比較的近い、ヘタすると重複しているというものもあります。

ということで、これらって実は全部同じ生物を指しているんじゃないの?疑惑が持ち上がっていますが、後処理が面倒になるので、全部別物で勝負したいと思います。

しかしムフルの目撃情報に限ってはいうほとステゴサウルス風でもなく、水棲でもないため別種と判断して構わないと個人的には思っています。

ムフルを最も詳しく目撃したのはカル・ボンベイ (Cal Bombay) 氏と妻のマリオン (Marion) 氏によるものです。

「それは人生の中で最も衝撃的な体験でした。

1963年ごろだったと思いますが、わたしたちは旧型のシボレーに乗ってケニアの道路を走っていました。

道路は狭くまた状態は良くなかったため、シボレーはあまりにこの道路には大き過ぎでゆっくりと走らざるを得ませんでした。

フホロニ (Muhoroni) と呼ばれる丘陵地帯を走っていましたが、近くのリフトバレーよりもこちらの方が険しかったです。

丘を登り頂上が近づいた時です、9フィート (約2.7メートル) はあろうかという生物に遭遇しました。

最初はワニかなと思いましたが、こんな乾燥地帯にいるわけもなく、そもそも背中から尾にかけて三角形の隆起した突起を持っていることで、それがワニであるはずがありませんでした。

わたしたちは車を停めてその生物を間近で10分ほど観察しました。

その生物は自分たちに気付きこちらを向きましたが、特に驚いたようなそぶりも見せずそのままの姿勢で留まっていました。

ダークグレーの体色にワニのようなごつごつした体表、鱗の有無までは確かめられませんでした。

似たような生物は本で見たことはありましたが、この生物と全く同じものは見たことがありません。

『先史時代の生き物』そんな言葉が頭をよぎりました『現実とは思えない』

カメラを持ってこなかったことをこんなに後悔したことはありません。

その後、わたしはこの生物について人々に尋ね、時には博物館にも訪れこの生物について情報を聞き出そうとしました。

しかし信じてもらうことはできず『それはあなたが創り出した産物に過ぎないでしょう』と真に受けてもらえませんでした。

オーケー、そうかもしれません、それはわたしの妄想だった。

しかし、これはわたしだけではなく妻も一緒に見たのです、しかも車から降りて至近距離で10分ほども見ていたものが妄想と?

地元のアフリカ人たちにも聞きましたがそれはオオトカゲに違いないといいます、しかしいまだかつて背中に三角形の突起を持つトカゲなんて見たことがありません」

これほどはっきりと見たと証言しているにもかかわらず、全く取り合ってもらえないボンベイ夫妻が不憫なこと不憫なこと。

(関連記事)





2024年6月17日月曜日

九州の巨大ミミズ ~ フッキー・ワーム (ミニョ太郎)



■九州の巨大ミミズ ~ フッキー・ワーム (ミニョ太郎)

今回はUMA本にもネットで探しても載っていないUMAです。

これは旧サイト時に読者の王里さんから情報をいただいたUMAで、福岡県で目撃された巨大なミミズと思われる死骸です。

1997~1998年ごろ、学校の裏にある松林で遊んでいた当時小学生だった王里さんが見つけたのは円筒形の切断されたミミズのような物体でした。

ミミズ系UMAの大御所といえば南米のミニョコン (ミニョカオ / Minhocão) ですが、是非とも九州の巨大ミミズも海外へ羽ばたいて欲しいところです。

ということで、ミニョ太郎改め英語圏でも覚えやすい「福岡のミミズ」を意味する「フッキー・ワーム (Fukkie Worm)」と呼ぶことにします。

(王里さんが描いた目撃スケッチ)
(image credit by 王里 / CRYPTO)

直径は20センチ、長さは30センチほどの円筒形、断面は切断されたようで肉が露出し、死んでかなり時間が経っていたためでしょう、大量のウジが湧いており大変グロテスクだったといいます。

目撃スケッチでも分かる通り、ミミズのように体は細かく体節がありました。

また、ミミズの体の前方には帯 (環帯 / かんたい) と呼ばれる体節よりも長く他の部分よりも色が薄い部分がありますが、この死骸にも薄い色の部分があったといいます。

これをミミズと仮定すれば、体の前方部分だったと推測できます。

この直径で、通常目にするミミズと同じ比率の長さをもつと考えた場合、軽く6~10メートルになるでしょう。

何度も登場していますが、ミミズの最長のギネス記録は南アフリカ、ウィリアムズタウンの道端に落ちていたミクロカエトゥス・ラピ (Microchaetus rappi) の6.7メートルです。

しかし直径は僅かに2センチ、通常のミミズと比べればとんでもない太さではありますが、長さを考えると随分と控えめであることが分かります。

ちなみにいくら補足ボリュームがないといってもこれだけの長さです、体重は1.5キロもありました。

「ゾウの時間ネズミの時間」(本川達雄署) によれば循環器系を持たないミミズは長くなることはできても決して太くなれず、計算上、直径1.3センチメートルが限界と著書の中で述べています (もう手元にないので定かではありませんが)。

が、実際のところそれ以上の直径を持つミミズはたくさん発見されており、直径5センチ10センチと大幅に超えるわけではありませんが、計算上の2倍以上に実際は太くなれるようです。

以前に紹介したオーストラリアの巨大ミミズ、ディガステル・ロングマニ (Digaster longmani) は体長2メートル、直径3センチにもなります。

また、同じくオーストラリア産のメガスコリデス・アウストラリス (Megascolides australis) も体長3メートル、直径は2センチ以上になります。

と、既知種のミミズを軽く見てきました。

福岡のミミズの正体は一体なんだったのでしょう?

ミミズであればもちろん文句なしに最高ですが、巨大なミミズに誤認されやすいものとしてまずは大蛇、それから一部のアシナシトカゲ (Anguidae) やミミズトカゲ (Amphisbaenia) 等、ヘビ以外、直径20センチを超えることは不可能ですが、これら爬虫類を候補に挙げておきましょう。

あとは陸で見つかったからと陸生の生物でない場合もあります。

遺棄されてしまえばそれまでですから、細長い体型のウナギ類 (Anguillidae) のウナギ・アナゴ・ウツボ等も候補です。(番外編としては遺棄された極太ハムのブロック)

いずれにしても日本に巨大なミミズのUMAがいるなんて誇らしいです。

他にもオリジナルの未確認生物を目撃したがある人はコメント欄に気軽にどうぞ!

(関連記事)