(image credit: NetNoticias.mx / Cropped)
■国境の農場に現れた白い捕食者 ~ フアレス・クリーチャー (エル・セル・デル・バジェ・デ・フアレス)
今回は、メキシコ北部のフアレス渓谷(Valle de Juárez)で目撃された謎の生物、エル・セル・デル・バジェ・デ・フアレス(「フアレス渓谷の存在」の意, El Ser del Valle de Juárez)。
英語圏ではバレー・オブ・フアレス・クリーチャー(The Valley of Juárez Creature)や、フアレス・バレー・プレデター(The Juárez Valley Predator)とも呼ばれます。
いずれにしても日本人にとっては長すぎるので、シンプルにフアレス・クリーチャー(Juárez Creature)と呼ぶことにしましょう。
全身が白く、手足の長い人型の生物で、夜な夜な農場に現れては家畜を襲うという、まるで映画の怪物のような存在です。
その姿は『ストレンジャー・シングス』のデモゴルゴンにも似ており、現地では新たなチュパカブラ(ニュー・チュバカブラと呼ばれる場合も)の出現ではないかと騒がれています。
― 監視カメラが捉えた白い怪物 ―
(image credit: NetNoticias.mx / Cropped)
この生物が大きく注目されたのは、つい先日の2026年10月。
メキシコの著名なUFO研究家、ハイメ・マウサン(Jaime Maussan)氏のチームが、フアレス渓谷で撮影されたトレイルカメラの映像を公開したことがきっかけでした。
そこに映っていたのは、全身が白っぽく、毛のない奇妙な生物。
体長は約1.8メートルといわれ、その半分近くを非常に長い尻尾が占めています。
頭部は人間とも大型のトカゲともつかない形状で、胴体に比べて手足が長く、皮膚は爬虫類を思わせる質感をしています。
その姿だけでも十分に不気味ですが、さらに奇妙なのは移動方法です。
地面を四足で這うだけでなく、時には人間のように二本足で直立して歩き、レンガ造りの壁を垂直に登ったり、木から滑るように降りたりする姿も目撃されています。
― 夜の農場を襲う貪欲な捕食者 ―
(image credit: NetNoticias.mx / Cropped)
地元の農民たちによれば、この生物は夜間に農場へ侵入し、ニワトリや七面鳥、ウサギなどを襲っているといいます。
その食欲は凄まじく、一晩で20~30羽もの家禽を襲ったという話まであります。
しかも、単純に獲物を食い荒らすのではなく、血を吸うかのように家畜を襲うというのです。
この特徴から、海外では早くも新たなチュパカブラではないかという声が上がっています。
チュパカブラといえば、1990年代にプエルトリコで家畜の血を吸う怪物として話題になり、その後は中南米からアメリカ南部にまで目撃情報が広がったUMAです。
今回の生物も、家畜を襲うこと、毛のない不気味な外見という点では、確かにチュパカブラを連想させます。
ただし、今回の怪物には、もうひとつ興味深い仮説が存在します。
― あのメテペック・クリーチャーの成体なのか ―
(メテペック・クリーチャー)
マウサン氏は、この生物の姿が2007年にメキシコ中部のメテペックで話題になった謎の生命体、メテペック・クリーチャー(Creature of Metepec / El Ser de Metepec)に酷似していると指摘しています。
実は、このメテペック・クリーチャーもマウサン氏が関わった有名な騒動でした。
当時、農場で捕獲されたという小型のエイリアンのような生物が公開され、大きな話題を呼びました。
ところが後年、その正体はリスザルの仲間(Saimiri)、もしくはキイロミミマーモセット(Callithrix aurita)の皮を剥いで加工したものだったことが判明。世紀の発見どころか、かなり悪質な偽物だったのです。
それにもかかわらず、マウサン氏は今回のフアレス渓谷の生物について、あのメテペック・クリーチャーの成体ではないかという仮説を披露しています。
つまり、2007年に発見された個体は赤ん坊であり、今回のものは成長した姿だというのです。
もっとも、メテペック・クリーチャーの正体が判明している以上、なかなか大胆な説ではあります。
― 異次元からやってきたハンター ―
さらにマウサン氏は、この生物が「地球外の生命体」である可能性についても言及しています。
ただし、遠い宇宙からUFOに乗ってやってきたという、一般的なエイリアン像とは少し違うようです。
彼の見解では、この生物は「我々の世界(地球)とまったく同じ空間に重なって存在する、別次元(パラレルワールド)の住人」なのだそうです。
つまり、ふだんは目に見えない次元の壁の向こう側にいる生物が、何らかの理由でこちらの世界へ迷い込み、夜な夜な家畜を襲っているのではないか、という説です。
なんともSFチックで壮大な話ですが、UFO研究家のマウサン氏にしてみれば、あの不気味な映像の正体を説明するには「私たちの常識が通じない別次元のハンター」とするのが一番しっくりくるのかもしれません。
― 行政機関は被害を把握していない ―
オカルト界やSNSでは大きな話題になっていますが、現地の行政機関や警察の反応は実に冷ややかなものでした。
フアレスの市民保護局(Civil Protection)は、家畜が謎の生物に襲われたという被害報告も、不気味な生物を目撃したという正式な通報も、一切受けていないと発表しています。
さらに、国境を挟んだアメリカ側のテキサス州エルパソ警察も、不審な生物や家畜の不審死に関する報告は確認していないとしています。
つまり、農場を襲う怪物の存在を裏付ける公的な記録は、現在のところ見つかっていないのです。
専門家や野生動物の関係者からも、映像に映った生物を未知の動物と判断するには材料が乏しく、既知の野生動物の誤認や映像加工の可能性が指摘されています。
映像のインパクトに対して、肝心の被害実態が追いついていない。どうやら、今回の騒動は少々先走っているようです。
― 正体は毛の抜けた動物なのか ―
一方、現実的な見方をすれば、今回の生物にはいくつかの候補が考えられます。
まず有力なのが、重度の疥癬(かいせん)に感染した既知の野生生物です。
疥癬はダニの寄生によって皮膚に炎症を起こす病気で、重症化すると全身の毛が抜け落ちてしまいます。
痩せ細った体に露出した皮膚、骨格が浮き出た手足。こうした姿は、夜間の赤外線カメラで撮影すると、さらに奇妙に映ることがあります。
完全に毛が抜けてしまうと、見慣れているはずの動物とはかけ離れた姿に変貌してしまうことから、UMA騒ぎに発展することは茶飯事です。
体長や、そのシルエットからフアレス・クリーチャーが、仮に既知の野生動物が正体であったとするなら、コヨーテ(Canis latrans)、アカハナグマ(Nasua nasua)が有力です。
特に、低い姿勢、小さな耳のシルエット、垂直の障害物を登ることができる、といった特徴を考慮すると、後者のアカハナグマに軍配が上がります。
細長い体に非常に長い尻尾を持ち、木登りが得意な動物です。後ろ足で立ち上がることもあり、暗闇の中でその姿を見れば、人型の怪物と誤認する余地はあります。
そして、もうひとつ無視できないのが映像そのものの問題です。
公開されたトレイルカメラの映像は解像度が低く、細部を確認するのが困難です。
さらにCGによる加工や、白い衣装を着た人間による悪戯という可能性も指摘されています。
現時点では、農場を襲う未知の捕食者が本当に存在するのかというところから、検証が必要な状況です。
それでも、2007年のメテペック・クリーチャーを赤ん坊とするなら、今回のフアレス渓谷の生物は実に19年ぶりの成長報告ということになります。
あのときの赤ん坊は、ずいぶんと大きくなったものです。
(参照サイト)
(関連記事)





.jpg)
.jpg)
.jpg)

























%20(1).jpg)








