2019年11月29日金曜日

インドネシアで目撃されるUMAヴェオの正体は?


■インドネシアで目撃されるUMAヴェオの正体は?

インドネシアのリンチャ島 (Rinca) には、全身がウロコで覆われた「馬ほど」もあるヴェオ (Veo) と呼ばれるUMA (未確認生物) の目撃情報があります。

その姿は巨大なセンザンコウアリクイに似ているといわれています。

空腹になると山から下りて来るもののヴェオはアリやシロアリを食べる大人しい性質ため、人々はヴェオを恐れないといいます。

と、この時点でヴェオの特徴は大きさを除けばセンザンコウそのものです。

(image credit YouTube "zefranc1")

センザンコウはアジアやアフリカに生息し、その姿は「鎧を身にまとったアリクイ」といった感じの生物です。

ヴェオの問題はその大きさで、「馬ほど」という表現がイマイチはっきりしないのですが、おそらく体長が2メートル以上という意味ではなく、ボリューム的に馬を思わせるほど大きいということでしょう。

中央・西アフリカに生息する現世種最大のオオセンザンコウ (Smutsia gigantea) は最大体長2メートル、体重33キロに達しますが、体高は低く体長の半分は尾であるため決して「馬ほど」と表現されるような生物ではありません。。

さらに、東南アジアに生息するセンザンコウは1メートルを超す程度でこれほど大きくなりません。

日本で動物園から逃げ出した場合、見慣れないだけに大騒ぎになりUMA化する可能性は十分考えられますが、リンチャ島には元々センザンコウが生息しており野生のセンザンコウを目撃しただけでUMA化する可能性はまずないでしょう。

UMAの正体として恐竜もしくはその時代の海生爬虫類が候補に挙げられるのが常ですが、たとえば鎧を身にまとい体型の似ているノドサウルスなどが候補に挙がってもおかしくないですがヴェオについてはそういったことはありません。

その代わり、ヴェオの正体として挙げられるのは、地理的に近所であるジャワ島などで化石が発見されている巨大センザンコウ、マニス・パレオジャバニカ (Manis paleojavanica) です。

マニス・パレオジャバニカは4万年以上前にアジアに生息していた巨大なセンザンコウで、英名はそのものずばりアジアン・ジャイアント・パンゴリン (Asian giant pangolin, 「アジアの巨大センザンコウ」の意) といいます。

(image credit YouTube "zefranc1")

体長はアジア現世種の2倍以上の体長2.4メートルほど、地元では見慣れたセンザンコウでもマニス・パレオジャバニカをもし目撃したら驚くこと間違いなしです。

ヴェオの正体として現実的なものとしてはUMAの特徴のひとつと、現存種のハイブリッド化が挙げられます。

UMAは複数の異なった生物の目撃情報が1つの生物として語られることにより体の部分部分が異なった生物で構成されてしまうことがあります。

もともとセンザンコウ、そしてコモドドラゴン (コモドオオトカゲ) が生息する地域であり、これらの2つ、つまり「センザンコウの外見」と「コモドドラゴンの大きさ」のハイブリッドです。

通常よりも大きめのセンザンコウを目撃したものと、その噂を耳にした住民が夜間などコモドドラゴンを巨大なセンザンコウと誤認することが融合されることによりヴェオは完成します。

とはいえ、ヴェオの目撃はここ何十年と更新されることもなく、目撃も完全に途絶えているようです。

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まるで眠っているような18000年前の子犬の死骸

(image credit by news.com.au)

■まるで眠っているような18000年前の子犬の死骸

タイトルには「子犬」と書きましたが、実際のところ、イヌオオカミかの判別ができない犬科動物の子供の死骸です。

この子犬はロシア連邦サハ共和国の首都ヤクーツク (Yakutsk) のインディギルカ川近くの永久凍土で発見されたもので、18000年前に亡くなったのものと考えられています。

いくら永久凍土から発見されたにしてもずいぶんと保存状態がよく、まるですやすや眠っている子犬のようです。

子犬の分析を行っていたロシアの科学者は、ヨーロッパ最大のDNAバンクを持つスウェーデン古遺伝学センターに子犬のDNAを送りイヌかオオカミかのゲノム解析を依頼したのですが、それでもイヌかオオカミかの判別ができませんでした。

ただしその際この子はオスであることが判明し、この子が発見されたシベリア地域で使われているヤクート語で「友達 (friend)」を意味する「ドゴール (Dogor)」 と名付けられました。

このドゴールという名前には「イヌ」なのか「オオカミ」なのかそれともどちらでもないのか、そういった「不確実性」も含有しているそうです。

さてイヌかオオカミかそのうち分かるかもしれませんが、通常であればゲノム解析で「イヌ」と「オオカミ」を判別するのは容易だそうで、それができないということはもしかするとその両方の祖先に当たる生物の可能性も考えられるとのことです。

見た目は普通の子犬ですがとんでもない発見になるかもしれませんね。

(image credit by news.com.au)

(参照サイト)
news.com.au

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2019年11月28日木曜日

二足歩行するタコ ~ ココナッツオクトパス (メジロダコ)


■二足歩行するタコ ~ ココナッツオクトパス (メジロダコ)

英名ココナッツオクトパス (coconut octopus)、和名メジロダコ (Amphioctopus marginatus)

大西洋西部に生息する体長8センチ程の小柄なタコです。

和名は置いといて、このココナッツ・オクトパスという名前、これはこのタコがココナッツの殻を移動式シェルター、つまり移動式の「家」として利用することに由来します。

ヤドカリが巻貝の殻を自分の家として背負っているのと同じですね。

ココナッツの殻が存在しない地域、もしくはココナッツがあってもなかなかその殻が手に入らない場合は大きな二枚貝の殻や巻貝などで代用します。

巻貝に入っているからヤドカリかと思いきや出てくるのはタコとかなり驚きます。

(image credit by newsflare)

ココナッツオクトパスのかわいいのは、このココナッツのシェルターをその場しのぎのシェルターにしているのではなく、ずっと大事に持ち歩いていることです。

もちろんシェルターの中にずっと入ったままでは好物の甲殻類や貝類といった獲物を捕まえることは出来ませんから、一時的にシェルターから離れはします。

が、捕まえたらすぐさまシェルターに戻って、その中で食べます。

シェルターの中に入ったままではもちろん移動も出来ませんが、移動する際はココナッツシェルターを「両手」に抱え砂底を「二足歩行」します。

このときが一番無防備になりますが、一説にはこの「両手ココナッツ歩き」は、「海中をフワフワと浮遊するココナッツの殻」を表現しているといわれており、一種のカモフラージュとの説もあります。

無脊椎動物で道具を使うという「知能」の高さには驚かされます。

タコは回転式の蓋の付いた瓶の中にエサを入れると器用に蓋をくるくると回して蓋を開けエサをとったり、逆に蓋付きの瓶の中にタコを閉じ込めると蓋を内側から回転させ開けていとも簡単に脱出したりと本当に賢い生物です。

タコやイカなどの頭足類は短命で知られ、タコでせいぜい3~5年、イカに至ってはわりと大柄な種ですらほとんどが1年未満の寿命しか持ちません。(さすがにダイオウイカやダイオウホウズキイカなどはそんなことはないとは思いますが)

それ故、世代をまたいで親から「知恵」を授かることが出来ませんが、それにも関わらずこのようにとても高い知力を発揮します。

もし10年、20年というような寿命を手に入れ、子育てなど社会性を取り入れようものなら、とんでもない高度な知性をもつ生物に進化するのではないかと思わずにはいられません。


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