2022年9月28日水曜日

どこからテレポートしてきた? ~ ブンゴニア・ベア


■どこからテレポートしてきた? ~ ブンゴニア・ベア

UMA (未確認生物) のジャンルに「テレポート・アニマル (Teleport animals)」というものがあります。

テレポート・アニマルとは「その動物自体は既知生物」であるものの本来生息していない (はずの) 地域で目撃される生物の総称で、つまり、「どこか他の地域からテレポートでもしてきたような生物」を指す和製英語です。

英語圏では日本でいうテレポート・アニマルのことを「ファントム〇〇」とか「ゴースト〇〇」呼びます。

ファントム・カンガルー」や「ファントム・カモノハシ」なんかが有名かな。

んで、分かり易く極端な例と挙げると、例えばパンダ。

パンダ (Ailuropoda melanoleuca) は野生としては中国にしか生息していませんが、もし日本のどっかの山奥で目撃されたとしたら、パンダ自体は既知の動物ですが日本に生息するはずもなく、また完全に頭数管理されているため動物園から脱走したとは考えられません。

そういうわけで日本の野生下でもしパンダが目撃されたとしたら、それはUMA用語でテレポート・アニマルと呼ばれるわけです。

有名かどうかはわかりませんが、日本のテレポート・アニマルとしては「和歌山のライオン」なんかがクラシックでその典型的なものといえるでしょう。

和歌山のライオンは今から50年以上前の1971年の話で、和歌山県和歌山市で警官がメスライオンに酷似した生物を目撃した事件です。

ライオン自体は既知の動物ですが日本に生息していません、というわけでテレポート・アニマルとなるわけです。

「和歌山のライオン」について詳しくはまたの機会にしましょう。

さて、今回の話題は「ブンゴニア・ベア (Bungonia Bear)」です。

日本では聞きなれない単語、ブンゴニア (Bungonia) とはオーストラリアのニューサウスウェールズ州にある人口500人にも満たない小さな町の名前で、先住民族であるアボリジニの言葉で「砂の小川 (sandy creek)」を意味します。

つまり「ブンゴニア・ベア」とは「ブンゴニアのクマ (熊)」の意味です。

(フレーザー島のディンゴ)
(original image credit by Wikicommons)

もともとオーストラリアはコウモリ (オオコウモリ) を除けば哺乳類のそのほとんどは有袋類、古くは数千年前に人間が持ち込んだ野犬、ディンゴ (Canis lupus dingo) がいるものの、ネズミやウサギ、ラクダ等の外来哺乳類が爆発的に増えたのヨーロッパの移民たちが持ち込んだものではわりと最近の話です。

というわけで本題。

ブンゴニア、というよりオーストラリア大陸にクマは生息していません

つまりブンゴニア・ベアは、それが本当にクマであるとしたらテレポート・アニマルとなるわけです。

今でも多くの自然がそのまま残されているというブンゴニア、その小さな町は険しい峡谷に挟まれているといいます。

しかも今から半世紀ほど前のブンゴニアであればさらに自然豊かだったことでしょう。

1964年8月、そのブンゴニアでこの辺では見慣れない奇妙な生物が目撃されました。

開発が行き届いた地域ではないため未発見の動物が目撃されてもそれほど驚くことではありません。

しかしそれが「クマ」に似ているとしたら?

1960年代といえばヨーロッパからの移民たちがタスマニア島に残っていた食物連鎖の頂点に君臨するタスマニア・タイガー (Thylacinus cynocephalus) すら害獣として狩りつくし、我が物顔で意気揚々としていた時代です。

そんな時代にタスマニア・タイガーよりも大きな哺乳類、しかもクマを目撃?

目撃したのはブンゴニアに住む地元のハンター、ピーター・ホワイト (Peter White) 氏。

しかもホワイト氏の目撃が単なる勘違いでないことを証明するかのように、その後続々とブンゴニア・ベアの目撃者が現れ、わずかな住民しかいないブンゴニアでホワイト氏を含め合計10人の人々がこの「クマ」を目撃することになり、当時の紙面を賑わせました。

(巨大ウォンバットこと復元されたディプロトドン)
(image credit by Wikicommons)

オーストラリアのUMAのひとつに、4万年以上前に絶滅した巨大有袋類、ディプロトドン (Diprotodon) がいます。

体長は3メートル超、体重約3トン、巨大なウォンバット (Vombatus ursinus) と形容されるその姿はシルエット的にはまさに「クマ」といえます。

ブンゴニア・ベアもディプロトドン生存説に結び付けてこのお話は締めましょう、、、

ところが、そこで話は終わりません。

まるでブンゴニア・ベアの目撃に呼応するかのように、この地に住む農夫リース・テイラー (Reece Taylor) 氏は所有する20頭の子羊、そして3頭の羊を立て続けに失ったのです。

犯人は謎のクマ、ブンゴニア・ベアでは?

そう思う間もなく、なんとテイラー氏はその「犯人」を射殺することに成功したのです。

それはブンゴニア・ベアが初めて目撃されてから2ヶ月経った1964年10月のことでした。

それ以来、ブンゴニア・ベアの目撃も所有する家畜を失うこともなくなったことから、射殺された「それ」こそが犯人であったことは疑いようもありません。

リース氏によれば、射殺された「それ」はディンゴとジャーマンシェパードの交配種を思わせる、まるでクマのような生物だったといいます。

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2022年9月27日火曜日

監視カメラが捉えたヒューマノイド ~ ペンサコーラ・スレンダーマン

(image credit by David Eckhart)

■監視カメラが捉えたヒューマノイド ~ ペンサコーラ・スレンダーマン

この映像はアメリカ、フロリダ州に住む、デイヴィッド・エックハルト (David Eckhart) 氏の自宅寝室に取り付けている監視カメラ (CCTV) で捉えたものです。

公開されたのはつい最近 (2022年) ですが、撮影されたのは2006年とのこと、16年前のものなんですね。


YouTubeチャンネル「ザ・未確認スペシャル 証拠はそこにある! (The Proof is Out There)」で紹介されたようです。

エックハルト氏によれば、映像内のヒューマノイドの直径はわずか数インチ (5~7.5センチ?)、身長は2~3フィート (約60~90センチ) だそうです。

解像度が低く、本当にヒューマノイド体型 (人間型) なのかすら判断が難しいのですが、いわれてみれば確かに二足歩行する体の半分ほどもある細長い脚、そして右腕、頭部のようにも見えます。

エックハルト氏がこの生物に遭遇したのは、このときが初めてではなく幼少のころから何度か体験していたといいます。

フェイクでないとすればポロポーション的に人間とは思えませんし、それどころか野生動物でも厳しく、その結果、エックハルト氏、番組内で宇宙人グレイの可能性があるとの主張のようですが、、、

(フリガニストリア・キネンシス・ツァオ)
(image credit by Xinhua)

UMAの「〇〇男」シリーズで考えればナナフシ男 (Stick bug man) といったところでしょう。

そうそう、世界最大の巨大ナナフシ、中国、広西チワン族自治区で発見されたフリガニストリア・キネンシス・ツァオ (Phryganistria chinensis Zhao) の体長は64センチ、直立したら同じぐらいの背丈です。

プロポーションも大きさもぴったりじゃないですか。

どうあがいてもナナフシに二足歩行は無理ですけどね。

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2022年9月25日日曜日

雄蛇ヶ池の怪?いやその正体はがっかり系UMA ~ オジャッシー


■雄蛇ヶ池の怪?それともがっかり系UMA? ~ オジャッシー

日本のUMA (未確認生物) もどんどん紹介していきますね。

今回は、つい先日、語呂の悪さを指摘した中禅寺湖のUMA、チュッシーよりもさらに語呂が悪いことで有名なUMA、オジャッシー (Ojassie) です。

オジャッシーて、、、

語呂が悪すぎて、もはやかわいらしさすら感じてきます。

さてオジャッシーは心霊スポットとしても有名な千葉県の雄蛇ヶ池 (おじゃがいけ) の知ってがっかり見てがっかりのUMAです。

雄蛇ヶ池は1600年代に造られた貯水池で、それなりの歴史はあるものの、間違ってもネッシー (Nessie, Loch Ness Monster) のように太古の海生爬虫類が陸封され生き残っているという説は通用しません。

とはいえ、人為的に放流された生物が巨大化してUMA騒ぎになる可能性だってゼロではありません。

もしかして数百年前には絶滅したと考えられているものの、400年前に放流した生物がこの池のみで細々と生き残っている、という可能性だってあるかもしれません。

しかし、がっかり系・読んで損した系UMAの代表とまで言われるオジャッシーにそんな期待をかけてはいけません。

1980年代初頭、雄蛇ヶ池に謎の生物が大量発生しましたが、その生物につけられたニックネームこそがオジャッシーです。

オジャッシーは海外ではいわゆるブロブ (Blob) と総称されるゼリー状のブヨブヨした球状の生物です。

実は21世紀に入っても海外では何度かこの生物の大量発生で「謎の生物」、つまりは日本でいうUMA的な扱いでニュースになっていますから、知らない人たちにとってはUMAになりえる生物なんですね。

(オオマリコケムシ)
(image credit by Wikicommons)

その正体はオオマリコケムシ (Pectinatella magnifica)。

名前に「ムシ」とはつくものの、見れば分かる通りもちろん昆虫ではなく外肛動物 (がいこうどうぶつ) と呼ばれる生物で、一匹一匹はものすごく小さく (1.5ミリほど)、集合し群体となることにより巨大な球状のコロニーを形成します。

そのコロニーこそオジャッシーの正体です。

オオマリコケムシは最大直径60センチオーバーになるともいわれており、しかも汚い池や沼に大量発生する傾向があることから、人間基準でいえば大きさも見た目もかなり気持ち悪い存在です。

一番好きなUMAにオジャッシーを挙げる人がいるとしたらなかなかな輩だと思います。

オジャッシーことオオマリコケムシは昨今日本で問題となっているいわゆる外来種のひとつで、原産はアメリカ、環境が最適とみるや大量発生することもあり、なんとも厄介な生物です。

1980年代、ネス湖の怪物 (怪獣)、ネッシー人気にあやかり、接頭語に湖等の地名、語尾に「シー」さえつければなんでもUMAとして注目が集まった時代の遺産的UMAです。

しかし、逆に言えばこの名前が付いたからこそ、ただのオオマリコケムシの大量発生が40年以上経た現在にも伝えられていることを考えると、ニックネームをつけることは観光客の増加を見込める安価かつ容易な戦略ともいえます。

最近の日本で新たに伝えられるUMAはめっきり減ってしまいましたが、語尾に「シー」をつけた久々の国産モンスターの登場が待たれます。







2022年9月22日木曜日

メナード・メイ・パークで撮影された巨大生物

(image credit by Joe Tille)

■メナード・メイ・パークで撮影された巨大生物

2022年9月9日、アメリカ、フロリダ州のエッジウォーターにあるメナード・メイ・パーク内、この公園内を走るインディアン・リバー (Indian River) で巨大な生物が泳いでいる姿を撮影することに成功しました。

撮影したのはボストン・ホエラー社でボート製作に従事するジョー・テイラー (Joe Tiller) さん。

この日は奥様のエイプリル (April) さんとボートに乗って休日を楽しんでいました。

「この辺りでマナティーを見かけることはそう珍しいことではありません。

ですが今回のそれは見た目が全然違います!

肩の筋肉たるやまるで雄牛のようでしたから。

水中に入ったクマが肩をぐるぐる回しているかのようでしたよ。

ですけど毛もありませんし、頭も手も足も、なにも見えなかったんです」

テイラー夫妻のボートの近くを巨大な黒い塊が前後に収縮するような動きで通り過ぎていきます。

背中しか見えていませんが、実際に目撃したジョーさんの見積もりで全長は12~15フィート (約3.6~4.5メートル) ぐらいとしています。

夫妻はフロリダに住んでまだ5年と、それほど長くはないですがマナティーは見慣れており、この生物はマナティーではないと断言しています。

そしてこの生物がマナティーでないと断言したもう一つの理由に、「唸り声」をあげていたことを挙げています。

(image credit by Wikicommons)

夫婦は フロリダ鳥類・野生動物保護団体 (Florida Birds and Wildlife Facebook) のフェイスブックに動画を投稿し、この生物の特定を依頼しましたが現時点で明確な回答は得られていないようです。

しかし、、、この動画内の生物が既知動物であると仮定した場合、目撃された場所、大きさや皮膚の質感、そして動き的にマナティー一択となります。

アメリカに生息するのはアメリカマナティー (Trichechus manatus) で、アンティルマナティー (Trichechus manatus manatus) とフロリダマナティー (Trichechus manatus latirostris) の2つの亜種に分けられます。

アメリカマナティーの最大体長は15フィート、3.649ポンド (約1.655キロ) ということなので、ジョーさんの見積もりが正しいとすれば、アメリカマナティーの最大体長ぐらいあったということになります。

気になる「唸り声」ですが、少なくとも動画内では確認できません。

マナティーは鳴きますが、唸り声 (grunting) という感じではありません。

マナティーの鳴き声は甲高く、「唸り声」にもいろいろあると思いますが、それが一般的に認知されている「唸り」というのであればマナティーのそれは当てはまらない感じはします。

また、確かにその動き (泳ぎ方) はマナティーの泳いでいる姿には見えませんが、この謎の生物のすぐ後ろに水鳥が我関せずという感じで呑気に立っていることから、かなり水深が浅いことが分かります。

マナティーはエサでも探しているうちに間違ってかなりの浅瀬に入り込んでしまい、おそらくは腹部が完全に川底に接してしまっているようで、そこから抜け出そうともがいている可能性があります。

その証拠にある程度の水深が確保できると動きはスムーズになり、水中に没して消えてしまいます。

一種の座礁状態、つまり川底をはいつくばってイモムシのように歩いている感じです。

気になる「唸り声」は川底に体を擦って移動した際に出た音だったのでは?

上下に体をくねらせる動きはイルカやクジラ等の哺乳類的な動きです。

頭部を完全に水中に没す泳ぎ方や皮膚の質感から、クマを含めた陸生の野生動物とは思えません。

というわけで、撮影者のジョーさんは否定しているものの個人的には既知生物であればやはりマナティーかな~、そうでなければ新種の巨大水生哺乳類だったらいいな、という見解です。

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