2020年8月30日日曜日

ウィンダミア湖で撮影されたレイク・モンスター ~ ボウネッシー

(image credit by Ellie Williams)
(ただの湖の写真?いえいえよーく見てください)

■ウィンダミア湖で撮影されたボウネッシー

イングランドのカンブリア州にはウィンダミア湖 (Lake Windermere) という湖があります。

熱心なUMAファンであればこの湖の名に聞き覚えがあるでしょう、そう、妖精系UMA、ティジー・ウィジー (Tizzie Wizzie) の故郷です。

(ティジー・ウィジー)

ウィンダミア湖は美しい自然に囲まれた落ち着いた雰囲気の湖であり、ビッグフットネッシーといったちょっと怖目のUMAなどよりティジー・ウィジーのような妖精系UMAのほうが遥かに似合います。

実際、19世紀末頃から1世紀以上もの間、ティジー・ウィジーがこの湖の顔として君臨してきました。

現在でもそれは変わりありませんが、2006年より新顔が参入してきました、ボウネッシー (Bownessie) です。

ボウネッシーはティジー・ウィジーとは異なり、典型的なレイク・モンスター、名前からも分かる通りネッシータイプの水生UMAです。

(ボウネッシーの写真と言われているもの)

ボウネッシーという呼び名は、ウィンダミア湖のある街、ボウネス・オン・ウィンダミア (Bowness-on-Windermere) に由来し、稀にボウネス・モンスター (Bowness monster) と呼ばれることもあります。

水生UMAであり、その正体として恐竜と時代を共にした海生爬虫類、プレシオサウルス類や巨大魚、特に巨大ウナギ等が候補に上がります。

そんな中、2014年、ロンドン在住のエリー・ウィリアムズ (Ellie Williams) さんにより意図せずボウネッシーの姿が撮影されました。

「ウィンダミア湖に着いていつもどおり野生動物とか湖畔の素敵な写真を撮っていたの。

それから撮り終えた写真をスマホで1枚1枚チェックしていたときのことよ、あれっ?白鳥かしらそれともガン?そう思ったの。

この生物がなにか皆さんの意見を聞きたいわ、どんな意見でも受け入れるつもりよ。

ほんとあんな素敵な写真が撮れてよかったわ」

(冒頭の画像の後方の拡大画像)
(image credit by Ellie Williams)

ぱっと見、なんの変哲もないきれいな湖の写真です、ですがよーく見てみると、、、

完全に周囲に溶け込んでおり、撮影時に気付かなかったのも頷けます。

首の長い生物の首から上と、背中らしきものが写っています。

動きは余り感じられませんが頭部の向きから考えて、中央奥に向かって進んでいるように見えます。

ただし体の後方を含め、体に周りに一切波紋等を確認できないため、動いている (泳いでいる) かどうかは判断できません。

動いているにしてもかなりゆっくりだと思われます。

また首・体ともに水面に反射しており、生物・無生物に限らず、そこになんらかのオブジェクトが存在していたのは確かなようです。

レイク・モンスターの正体としてプレシオサウルスが度々候補に上がりますが、実際のところ首長竜的な写真が撮影されることはまずなく、ほとんどが波だけ、せいぜいなにかの生物の背中らしきものが写っている程度です。

ネッシー写真として有名な「外科医の写真」等、首長竜的なものが写っているものもありますが、その場合はほぼ確実に信じられないほどの逆光で撮影されておりシルエット以外判断できないものがほとんどです。

しかしウィリアムズさんの写真を見れば分かりますが、遠目というハンディはあるものの、逆光ですらなく、首長竜とはいいませんが「首の長い生物」らしきものがはっきりと写っています。

あくまで写っている部分だけでの判断となりますが、首から上の大きさに対してからだが小さく、また背中の頂点が首から近すぎてとてもアンバランスに見えます。

そりゃ体が全て見えていないんだから当たり前だろ、というかもしれませんが、背中が出ているにしてはあまりに尖りすぎです。

まさに水生UMAの目撃に多い背中の「コブ」といった感じで、「水生UMA=背中にコブを持つ」説を採用するなら「あり」とはいえます。

背中が写っているとすればもっと背中の頂点まで鈍角で平ら (亀の甲羅が水面に出ているイメージ) 、かつもう少し首から離れた後方に位置しているほうが自然です。

個人的な意見としては、これの正体が首長竜にしろ竜脚類にしろ首と体の位置・大きさがバランス的に不自然な印象を受けます。

既知動物、例えばウマやシカ等が泳いでいるのでは?

しかし実際ウマやシカにしても首が長すぎますし、頭部も小さすぎます。

しかも実際泳いでいる際は首は水中からそれほど出ませんし背中も見えませんからそれも可能性としては低いでしょう。

フェイクでない場合、もっとも有り得そうなのは無生物、例えば流木やゴミ等が奇跡的に絶妙のバランスで配置された、という可能性はありえるかもしれません。

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アイスランドのデティフォスの滝でエルフらしき未確認生物が撮影される ~ デティフォス・クリーチャー

(image credit by Vigdís Howser Harðardóttir)

■アイスランドのデティフォスの滝でエルフらしき未確認生物が撮影される

美しい自然が多く残されていることが影響しているのしょうか、アイスランドは国土の割には非常に多くのUMAが報告されています。

首都のレイキャビク (Reykjavík) の街並みもおとぎの国のように綺麗で、妖精が現れても不思議じゃない雰囲気です。

(レイキャビク)

そんなアイスランドで謎の生物が撮影されました。

撮影したのはアイスランドの女性ラッパー、ヴィグディス・ハウザー・ハルダルドッティル (Vigdís Howser Harðardóttir) さんです。

アイスランドの音楽事情に疎いため存じ上げませんが、動画はこのヴィグディスさんの公式インスタグラムに投稿されたものです。

短い動画で、滝の流れに向かってズームしているだけのものです。

撮影した滝はアイスランド北東部にあるヴァトナヨークトル国立公園 (Vatnajökull National Park) 内のデティフォスの滝 (Dettifoss) です。

デティフォスの滝はヴァトナヨークトル氷河から流れ込んでくるものでスイスのライン滝 (Rhine Falls) に次ぐヨーロッパで2番めに大きな滝として知られます。

動画を見てみましょう。

滝の豪快な流れに目が行って一見すると気付きにくいですが、画面手前の崖の淵に黒い生物が映り込んでいます。


全体的にほぼ真っ黒でコントラストが弱いためシルエットしかほとんど分かりません。

絶えず動いており、画面で見えている部分は「もしそれがヒューマノイド的な体型の生物であるなら」胸より上の部分が見えているように感じます。

全体が見えていないものの、頭部が球形で表面がでこぼこしており、ときおり見える右腕はそれに対してかなり細い印象です。

太陽光で頭部の凹凸が確認できるものの目や鼻といったものがわかるわけではありません。

ヴィグディスさんによればボーイフレンドとの旅行中、この滝に立ち寄った際に撮影したもので、謎の生物の存在には撮影時には気付いていなかったと主張しています。

撮影時、観光客はまばらで少なくとも崖をよじ登ろうとしている人間ではないだろうと言っています。

パラノーマルな現象を主張するつもりは毛頭ないものの、それが一体何かわからないので公開したということです。

エルフ神話のあるアゥスビルギ渓谷 (Ásbyrgi) に近いことから、エルフかもしれない、なんていわれています。

「ドローンじゃないし、鳥でもない、もちろんビニール袋でもないわ、いったいなにかしら?

わたし、頭おかしくないよね?」


(参照サイト)
THE REYKAVIC GRAPEWINE

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2020年8月29日土曜日

リストロサウルスは冬眠していたに違いない

(冬眠するリストロサウルス。ゆるキャラみたいでかわいい)
(image credit by Crystal Shin)

■リストロサウルスは冬眠したに違いない

今回はまるで顔面の先端を切り落としたような、もしくは正面から押しつぶしたような、そんな個性的なルックスのリストロサウルス (Lystrosaurus) です。

多くの恐竜を差し置いて食玩UHA味覚糖のチョコラザウルス第3シリーズでフィギュア化もされたことで日本では一般的にもそこそこの知名度はあるかもしれません。

(UHA味覚糖チョコラザウルスのリストロサウルスのフィギュア)
(チョコラザウルスは一体成型ではなく組み立て式というのが楽しい)

チョコラザウルスは造形のクオリティはもちろんのこと、定番の古生物を押さえつつもときおり見せるマニアックなラインナップが魅力のひとつです。

カラーリングも独創的で、このリストロサウルスは半透明樹脂に着色することで透明度のある淡いオレンジ色に仕上がっており非常に映えます。

このクオリティで当時150円程度で売られていたと思うと信じがたいですよね。

さてリストロサウルスの話に移りましょう。

リストロサウルスは名前こそ恐竜そのものですが、その名とは裏腹に恐竜ではなく単弓類で、恐竜がまだ地球上に登場する以前の三畳紀前期の2億5千万年前ほどに繁栄していました。

通常、体長は1メートル前後ですが最大種では2.5メートルもありました。

一般的な記事で取り上げられることはまずないため、おそらくそれほど人気もないと思われるリストロサウルスですが、現在とても話題となっています。

(リストロサウルスの骨格)
(image credit by Rama/Wikimedia)

なんでもリストロサウルスが冬眠をしていた可能性を示唆する証拠が見つかったというのです。

これが本当であれば冬眠というのが比較的最近になって獲得した機能であるという説は覆されることになります。

内容が難しくて誤訳しているかもしれないので簡単に書きます。(間違っている部分は後で直します)

ハーバード大学のミーガン・ホイットニー (Megan Whitney) 氏とワシントン大学のクリスチャン・シードル (Christian Sidor) 氏の両研究者は、南極圏に生息していたリストロサウルス6体と南アフリカに生息していたリストロサウルス4体の牙をスライスし断面を詳細に調査しました。

両地域のリストロサウルス共に牙の断面には年輪のように同心円の成長模様が刻まれていることを確認しましたが、南極圏のものには南アフリカの個体には見られなかった間隔の狭い同心円が密集し太いリングが刻まれていることに気付きました。

ふたりによればこの分厚いリングは象牙質の沈着が少ないこと = リストロサウルスが長期に渡ってストレスを受けていたことを示唆するものだといいます。

何をいいたいかというと、これは冬眠をする現生動物の歯にも同様の徴候が見られることから、リストロサウルスも冬眠していた証拠になるのではないか、そういうことなのです。

とはいえこのことをもってリストロサウルスが冬眠していたことは決定的ではなく、あくまで仮設であるということをホイットニー氏は強調します。

また冬眠したのがリストロサウルスに限定されることでないことも同時に言及しています。

つまりはリストロサウルスの冬眠について研究している現時点では、少なくともリストロサウルスは冬眠という能力を獲得していたのではないか?ということをふたりは言っているのです。

また当時の南極は現在より遥かに温暖であり一部の地域には森林さえ存在して (いたと考えられて) おり、冬眠自体必要があったのかという疑問も生じます。

しかし現在よりも温暖であった当時でも南極では多くの時間太陽が昇らなかったため、高地に生息していた多くの脊椎動物は冬眠が必要だったはず、とホイットニー氏は考えています。

(参照サイト)
Live Science
UW NEWS

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