■マレーシアで恐鳥が撮影されていた! ~ ブルン・ジュンタユ
今回はブルン・ジュンタユ (Burung Jentayu)。
どこか海外のスレッドに投稿されたものなのか出所は不明ですが、ストーリーがあり、なかなか興味深いので紹介しておきましょう。
元は長いので短く意訳します。
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私は長年イラストレーターとして活動してきました。
10代の頃は父と一緒にマングローブへ頻繁に通いカニを捕まえたり、野生動物を描いたりしてきました。
昨年の12月、高齢の叔父と久しぶりに食事をしました。
叔父が幼少の頃よりずっと話し続けている奇妙な話があります。
彼の育った村、ジョホールでは「ブルン・ジュンタユ」と呼ばれる生物がいたといいます。
叔父が認知症を患った後も思い出すことができる数少ないもののひとつで、「巨大なオウム!カンポン村のオウム!」と悪夢を見てうなされるほどの存在です。
叔父が元気なころからこの話が始まると、また始まった、、、ただの冗談だろう、と笑い飛ばしていたのですが、彼が亡くなってはじめてブルン・ジュンタユの存在を深刻に受け止められるようになりました。
私は叔父がブルン・ジュンタユについて話し始めても、聞き飽きていたこともあり真面目に聞いていなかった時期がありました。
すると温厚な叔父がいつになく激しく怒り、涙を流して訴えかけてきたことがありました。
「私も若いころは今のお前と同じぐらいホラ吹きだった、けどな、この話は違うんじゃ、実家には写真だってあるんじゃぞ!」
叔父がブルン・ジュンタユを初めて見たのは10歳ぐらいの時だったそうで、1940年代から1950年代ぐらいの話になります。
ブルン・ジュンタユは巨大な鳥で、まるで神からの遣いのような風貌をしていました。
飛翔している姿は一度も見たことが無く、そのため村人たちから「羽のない鳥」と呼んでいましたが、飛翔できる翼を持たないだけでとびきり大きな羽根を有していました。
ブルン・ジュンタユの縄張りは川のほとりであり、川に近付くと母親から棒で叩かれたといいます。
母親はブルン・ジュンタユが人の子を食べてしまうから、と説明したようですが実際には川から子供を遠ざけたく、幼少時代の叔父を怖がらせるためにそう言っていただけかもしれません。
村人たちはそのブルン・ジュンタユを鳥の姿に化けた精霊だと信じ、実在するものとは受け止めていなかったといいます。
しかしその巨鳥が走っている姿や、川の真ん中で佇んでいる姿はたびたび目撃されていました。
そしてある日 (1944年?) のこと、叔父は従兄弟と遊んでいる際に、ブルン・ジュンタユを目撃することになります。
ブルン・ジュンタユには二組の目があり、一組は決して閉じなかったといいます。
首には真っ赤な斑点があったことをはっきりと覚えており、もしかするとそれは肉垂 (にくだれ) だったかもしれもしれないと思ったそうです。
その巨鳥は黙って立ち尽くし彼らを見ていましたが攻撃を仕掛けてきたりはしませんでした。
そして二度目の目撃は、当時マラリアが大流行していたころに、イギリス人の研究者夫婦がカンポン村に調査に訪れていた時のことだったそうです。
二人は村人たちの家に夕食で招かれていました。
すると夜中に家畜の豚が激しく鳴く声が聞こえたため、叔父や村人、イギリス人夫妻らが養豚場へ駆けつけると、そこには背の高い2羽の巨大な鳥がいました、ブルン・ジュンタユです。
まるで象の鼻のような長い首、オウムのような幅広の嘴を持っており、2本の脚でブタを刺し殺していたそうです。
叔父にとってその鳥の最も印象的だったのは彼らの背丈で、それは村のどんな大人たちより背が高く、そのため柵も軽々と飛び越えることができたと言っていました。
追い払おうと物を投げつけてもブルン・ジュンタユたちは逃げようとしませんでしたが、イギリス人夫婦がブルン・ジュンタユに向けて撮影時に焚いたフラッシュに驚き逃げて行ったといいます。
その時、写真撮影に成功したそうです。
思い返してみると、叔父の話をもっとまじめに聞いていればよかったと後悔しています。
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おそらくみなさんが推測するブルン・ジュンタユの姿は恐鳥類 (きょうちょうるい) に違いありません。
実際、その正体を恐鳥の生き残りと思われています。
恐鳥類はフォルスラコス科を代表とする飛べない大型肉食鳥類で、代表的なものに体高3メートルのケレンケン・ギレルモイ (Kelenken guillermoi) や同2.5メートルのティタニス・ワレリ (Titanis walleri) なんかがいます。
獣脚類生存説よりは可能性的に幾分マシではありますが、どんぐりの背比べレベルであり、既知生物の誤認としてはヒクイドリ (Casuarius casuarius) を候補に挙げたいと思います。
ヒクイドリの生息域はインドネシア、ニューギニア、オーストラリアでマレーシアには生息していませんが、2メートル近い体高に高い運動能力 (俊足・高くジャンプ等)、殺傷能力のあるナイフのように鋭いかぎ爪、赤い肉垂等、共通点もそれなりに多いです。
ただまぁ撮影に成功したという写真は1ミリもヒクイドリには似ていませんが、、、
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写真についてはハシビロコウぽくも見えますね
返信削除恐鳥でなければペリカン目な気がします