2022年10月23日日曜日

亡霊犬、ブラック・ドッグの実在は説明できる? ~ 黒犬


■亡霊犬、ブラック・ドッグの実在は説明できる? ~ 黒犬

今回もイギリスのクラシックな陸棲UMAを紹介しましょう、黒犬です。

UMAとは思えないほどシンプルな名前ですが元がブラック・ドッグ (Black Dog) なのでどうしようもありません。(笑)

とはいってもこの名前は厳密にいえば「総称」です。

というのも、黒犬の伝説はイギリスのほぼ全土から伝えられており、「〇〇のブラック・ドッグ (〇〇は地名)」といったように目撃地域の名を冠したり、「ブラック・シャック 」(Black Shuck) や「ダンドズ・ドッグ (Dando's dogs)」「ガブリエル・ハウンズ (Gabriel Hounds)」といった地域によって固有の名称をもつ場合があるからです。

取り敢えず「黒い犬」にまつわる伝承は「黒犬」と総称されていると思ってください。

前回紹介したABCことエイリアン・ビッグ・キャットは本来、体色に決まりはないものの、その多くの目撃が黒であることから「黒い体色の大型ネコ科動物」といっても間違いではありません。

一方、黒犬も名前の通り体色は黒であり、巨大な犬のような姿をしているといわれています。

黒犬というUMAを知らない人がこの名を聞けば、その響きから前出のエイリアン・ビッグ・キャットの「犬バージョン」と思うかもしれません。

中にはABCさながら、黒犬のこともエイリアン・ビッグ・ドッグ (Alien Big Dog)、ことABDとでも呼べばいいのに、なんて思う人もいるかもしれません。

しかし、黒犬とABCは犬と猫の違いどころではなく、まったく性質の異なるUMAなんです。

それどころか黒犬をUMA (未確認生物) と呼ぶことすら躊躇するほどです。

その存在としてのタイプはアメリカのジャージーデビルが似た存在といえるかもしれません。

ABCが「未知の大型ネコ科動物 (もしくはイギリスに生息しない既知種の大型ネコ科動物)」であるのに対し、黒犬は「黒い犬のような姿をした霊的な存在」と考えられているからです。

巨大な黒い犬のUMAというよりは黒い亡霊犬と言った方が近いかもしれません。

ほぼ英国全土から目撃や伝承が伝えられる黒犬は地域により特性は異なるもののその存在は「不吉」で「悪魔」的であり「死」の化身で一部の例外を除いては人類にはフレンドリーな存在ではありません。

バリエーションに富み捉えどころのないUMAで、前述したとおり「霊的な存在」である所以は突然出現したかと思うときりのように消えてしまうという神出鬼没な特性も多く伝えられているからです。

各地方の黒犬伝説を紹介していたら一冊の本になってしまうほどですので、今回は黒犬伝説の中でもおそらくもっとも有名と思われるバンゲイ (Bungay) の惨事をピックアップしましょう。

バンゲイはイギリスのサフォーク (Suffolk) にある5000人ほどの人口の小さな町です。

それは1577年8月4日のこと、豪雨降りしきる中、バンゲイのセント・メアリー教会 (St Mary's Church) に雷鳴 (もしくは落雷) と共に黒犬は突如出現すると、黒犬は成人男性と少年を殺し教会の屋根を突き破って外へと飛び出します。

2人を殺害する程度では満足できなかったのか黒犬は今度はブライスバーグのホリー・トリニティ教会 (Holy Trinity Church)  に現れ、ミサに訪れていた3人を殺し、さらに多くの人々を負傷させ突如消え失せたといわれています。

ちなみにバンゲイの黒犬は「ブラック・シャック」という固有の名を持ちます。

16世紀の話であり、突然現れて突然消えてしまうという神出鬼没性、まったく荒唐無稽なつくり話に聞こえます。

しかし、、、

バンゲイの惨劇に限ったことではなく、黒犬は「雷雨」のときに多く現れると (目撃される) という伝説もあります。

(球電現象)

旧サイト (UMAファン ~ 未確認動物) でも書きましたが、この黒犬の正体のひとつとして「球電」現象があげられます。

球電とは発光する球体が空気中を彷徨う物理現象で、決して心霊現象ではありません。

球電は英語のボール・ライトニング  (Ball lightning) の直訳で、その名の通り、ほとんどは球形の発行体ですが稀にいびつ (洋ナシ形) な形をしている場合があります。

色も一定ではなく赤みがかったものから、青みがかったもの、オレンジ色のもの等様々です。

大きさはたいてい直径20センチ前後、ただし1メートルを超える巨大なものもあります。

(球電現象)

んで、球電と黒犬、なんの関係があるのかと?

球電はその多く、というかほとんどの場合、大気が不安定なとき、特に雷雨の場合に目撃されます。

目撃されることは非常に稀、突如現れたかと思うとフワフワと彷徨い、そして破裂 (もしくは爆発) と共に消え失せます。

球電の寿命は長くても1分程度、ほとんどは数秒程度で消え失せ、そのほとんどは屋外で確認されるものの稀に窓や扉といった遮蔽物をすり抜け室内に入り込むことも確認されています。

飛行機内に現れたこともあるとか。

球電はいまだにはっきりと解明されていない現象であり、そもそも「球電」と呼ばれているすべての事例が本当にすべて同じ現象に属するものなのか、それとももっと細分化されるべきものなのかすら不明です。

一般的に発熱は伴わないといわれていますが、熱いというものや発火させたというもの、消え失せた時に焦げ臭いにおいを残すといった事例もあります。

多くの場合、黒犬は雷雨時に突如現れ、そして突如爆発して消えるともいわれており球電と似たような特性を持ちます。

黒犬の伝説自体は15世紀前後からあるともいわれており、黒犬伝説の先入観を持つ人々がめったなことでは見られない球電現象を目撃し、黒犬伝説と結びつけた可能性も否定できません。

そうそう、バンゲイの惨劇の証拠といわれるホリー・トリニティ教会の扉の焦げは今でも確認できるのですよ。

(黒犬が現れた証拠というホリー・トリニティ教会の扉に残る焦げ跡)
(image credit by Wikicommons)


(参照サイト)

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