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2025年5月31日土曜日

シベリアン・ビッグフット ~ メチェニー


■シベリアン・ビッグフット ~ メチェニー

今回はアルマス (アルマスティ)、チュチュナー (チュチュニャ) に続き、ラシアン・ビッグフット、メチェニー (Mecheny) を紹介しましょう。

メチェニーはチュチュナーと同一という意見もありますが、個人的には全く別物に感じるため独立して紹介します。

というのもアルマス、チュチュナーはいずれもヒト属 (Homo) に限りなく近い、もしくはヒト属そのもののように語られるのに対し、メチェニーは多くの場合、それこそUMAで語られる典型的な獣人の特徴 (ゴリラ的) を多く持っているからです。

それではメチェニーを見ていきましょう。

体長は他の獣人と同じく一般的な人間より大柄、がっしりとした体形で、体全体は赤褐色の毛で覆われています。

メチェニーはロシアのウラル山脈地帯の民族が操るオビ・ウゴル諸語のひとつマンシ語に由来し、「印を持つモノ」を意味します。

この「印」こそがメチェニーの特徴であり、左前腕部のみが白い毛で覆われています。

但し、メチェニーの目撃は極端に少なく、すべてのメチェニーがこのように左前腕部が白いのか、単にこの個体のみがそうであったのかは判断が難しいところです。

いずれにしてもこの白い左前腕部がメチェニーの名前の由来です。


ロシアの未確認動物学者、特にビッグフット研究家として知られるマイヤ・ブイコワ (Maya Bykova) 氏は1980年代以降、メチェニーに複数回遭遇したと主張しています。

ブイコワ氏は、険しい未開の地をフィールドとする未確認動物学者としては珍しい女性の研究家で、生涯12度の探検隊を組織し遠征を行っています。

最も衝撃的なのは1992年の遭遇でしょう。

ブイコワ氏とその一行はは僅か5メートルという至近距離でメチェニー目撃しており、かなり詳細に記録を残しています。

身長は195~205センチ、全体的な印象は人間に似ているものの、幅広の肩と頭部の間に首に該当する部分は確認できず頭部と胴体が直接つながったようなシルエット、二足出しているものの、後肢で立ち上がった類人猿やクマには決して見えなかったといいます。

分厚い胸板をしており全体的に筋骨隆々、腕はやや長めでしたが人間のプロポーションを外れるほどの長さではなかったといいます。

但し、その掌 (てのひら) はとても大きく、まるでスコップのようでした。

体全体は6~7センチと長い赤褐色の毛で覆われており、頭部も顔を含め毛で覆われているものの、頭頂部の毛はやや短め、3センチ程度の長さだったといいます。

毛で覆われているため表情はうかがい知れないものの、突き出た眉間の下には人間のような目を持っていました。

トレードマークの左前腕はもちろん白い毛で覆われていました。

残念なことにメチェニー研究の第一人者であるブイコワ氏は1996年に亡くなっており、それ以降、メチェニーの研究は進んでいません。


2025年5月30日金曜日

クルピラ山の頂上付近にはジュラシック・パークが実在している ~ ワショリウェ


■クルピラ山の頂上付近にはジュラシック・パークが実在している ~ ワショリウェ

さて、今回はワショリウェ (Washoriwe)。

ワショリウェはブラジルの奥アマゾンに住む先住民族、ワイカ族 (Waiká) にストアスワと共に伝わる恐竜 (翼竜、巨大海生爬虫類含む) を彷彿とさせる謎の生物です。

これらの生物は全てワイカ族のレテワ (Retewa) 氏によって語られた生物です。

そしてその全ての生物はワイカ族の住む南米アマゾンにあるテーブルマウンテン状のクルピラ山の頂上付近にある高原に棲息しているといわれています。

それではワショリウェは一体どういった生物なのか?

ストア、スワは恐竜的な爬虫類でしたが、ワショリウェは恐竜ではなく翼竜に似た飛翔系爬虫類を彷彿とさせます。

レテワ氏の説明によればワショリウェの翼開長は6メートル程、プテラノドン (Pteranodon) のように後頭部にトサカ、もしくは冠羽、そして長大なクチバシを持つとされています。

(クルピラ山の頂上付近の想像図、いや理想図)

これだけを聞くとまさに翼竜的ですが、レテワ氏はこの生物が吸血コウモリに似ているといい、さらに昼行性で夜間の活動はしないと説明しています。

あくまでストア、スワと比較して、の話ですが、一番実在しそうなのはこのワショリウェです。

実際、ワイカ族以外にもワショリウェらしき生物を目撃したという情報もあるからです。

翼竜ではないか?といっているのはあくまでレテワ氏からその話を聞いた金鉱夫レジナルド・リッグス (Reginald Riggs) 氏とリッグス氏から話を聞いたチェコスロヴァキアの動物学者 、ヤロスラフ・マレシュ (Jaroslav Mareš) 博士です。

ワショリウェの正体として、一番あり得そうなのは未知の大型の吸血コウモリ?

確かに現存する吸血コウモリ3種はすべて南米に棲息しています。

しかし、彼らはすべてとても小柄なので現実的には可能性は低いのですが翼竜生存説と比較すれば全然あり得ます。

但し、知られている史上最大の吸血コウモリは絶滅種デスモダス・ドラキュラエ (Desmodus draculae) ですら翼開長は50センチほど、吸血コウモリをその正体とするのは少し厳しいかもしれません。

(吸血しないいが吸血コウモリ風のチスイコウモリモドキ)
(image credit by Wikicommons)

一方、もう一つの特徴、トサカを持つコウモリがいるのか?というと一応カンムリカグラコウモリ (Hipposideros inexpectatus) が実在します。

インドネシアにのみ棲息し、わりと大柄で翼開長は30センチ以上になります。

このトサカに関しては新種ということにすればそれほど大きな問題ではなく、一応、トサカを持つコウモリもいるのでこれは不問としましょう。

翼開長6メートルは鳥類を含めても現存しませんが、話半分、更に吸血を抜きにして未知の (翼竜的な特徴を持つ) 大型のコウモリ、としておくのが落としどころではないでしょうか。

まぁ固い話は抜きにして、ストア、スワ、そして今回のワショリウェ、この謎の3種の巨大生物がクルピラ山の頂上付近でジュラシック・パークのような光景を繰り広げていると考えたらワクワクするじゃないですか。

(参照サイト)
SHUKER NATURE

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2025年5月29日木曜日

1963年、謎の生物の撮影に成功していたらしい ~ バーンスタブル・ハーバー・サーペント


■1963年、謎の巨大海生哺乳類の撮影に成功していたらしい ~ バーンスタブル・ハーバー・サーペント

redditで興味深いネタが出ていたので紹介しておきます。

今回はバーンスタブル・ハーバー・サーペント (Barnstable Harbor serpent)。

バーンスタブル・ハーバー (バーンスタブル港) はアメリカ、マサチューセッツ州バーンスタブルにある港です。

1963年、この港で二人の釣り人により謎の生物が目撃されたといいます。

彼らの乗ったボートから僅か30~40フィート (約9~12メートル) という近距離で、その生物はヘビのような細長い体型をしており、琥珀色の体毛に覆われていたと証言しています。

(目撃スケッチ (らしい))
(image credit: truthisfictionyt via reddit)

シルエット的にはいわゆる典型的なシーサーペントで、興味深いのは頭頂部に噴気孔があったこと。

彼らの証言が正しいとすれば、頭頂部に噴気孔があることから海棲の哺乳類、クジラの仲間 (クジラ、イルカ) であることが示唆されます。

また、彼らはその生物の頭部の大きさを3~4フィート (約0.9~1.2メートル) と推測しており、確かに常識的に考えればかなり大きいのは確かですが、海洋生物、特にクジラと考えれば全く不思議ではありません。

頭でっかちで有名なマッコウクジラ (Physeter macrocephalus) は3メートルほどありますし、シロナガスクジラ (Balaenoptera musculus) なんかは6メートルぐらいあります。

という感じで頭部の大きさだけならクジラと考えれば全く問題ありません。

が、問題は琥珀色の体毛、そしてクジラとは思えないような細長いシルエット。

クジラでありながらよりほっそりとしたシルエットといえば、、、そう、UMA的にはゼウグロドン (Zeuglodon) ことバシロサウルス (Basilosaurus) 生存説が定番です。

しかしバシロサウルスは噴気孔が現世のクジラ類のように頭頂部まで移動しきっておらず、知られているバシロサウルス類では残念ながら当てはまりません。

(史上最重量の噂のあるペルケトゥス・コロッスス)
(original image credit: Wikicommons)

まぁ現在までどうにかこうにか細々と生き残っているとしたら現生のクジラのように頭頂部まで移動しているかもしれませんけどね~

んで、驚きなのが目撃者いわく、1963年という時代背景を考えるとかなりレアなことだと思われるのですが、なんとこの生物の動画撮影にも成功したと主張しているというのです。

ただ残念なことに、UMAあるある、その素敵な動画は紛失してしまったそうです。

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2025年5月28日水曜日

沖縄版カッパは適正か? ~ キジムナー


■沖縄版カッパは適正か? ~ キジムナー

今回はキジムナー (Kijimuna)。

日本全国カッパは至る所で目撃の報告がありますが、一般的にキジムナーは「沖縄版カッパ」と呼ばれます。

沖縄県全土に知られていますが、もともとは沖縄県北東部の国頭郡大宜味村喜如嘉 (くにがみぐん・おおぎみそん・きじょか) を発祥とし「ブナガヤー」と呼ばれていたようです。

但しキジムナーは、カッパのトレードマークである頭頂部の皿も、背中の大きな甲羅も持たず、少なくとも見た目はカッパとそれほど似ていません。

共通しているのは小柄 (人間の子供ぐらい) なヒューマノイドという点と人間と交流を持つことができる点、そして水辺と密接なつながり (カッパは川、キジムナーは海の違いはあり) を持つ点でしょうか。


カッパほどその姿は定義されていないような感じではありますが、少なくとも頭髪もしくは全身が赤いという点はキジムナーの特徴といえます。

カッパもUMAというよりは限りなく民間伝承上の生物であったり妖怪寄りですが、キジムナーはよりその傾向が強いと思われます。

キジムナーの正体は樹木の精霊ですが、特にガジュマル (Ficus microcarpa) の木と密接な関係を持ち、「キジムナーはガジュマルの木の精霊」といえるかもしれません。

キジムナーの特筆べき特徴は「魚の目、特に左目」が大好物であるということ、また魚種としてはグルクンことタカサゴ (Pterocaesio digramma) を好むという点です。

友好関係を築けば目だけをくり抜いた魚をたくさんくれるといい、とにかく魚を獲る名人です。

つまりはキジムナーと仲良くなれば繁栄し (金持ちになり)、友好関係が切れると元の状態の戻るか、それ以下になります。

別れ方も重要で恨みを買うと極めて敵対的な行動を取ると信じられています。

ここら辺のくだりはカッパというよりはむしろ座敷童 (ざしきわらし) そのものであり、「(カッパ + 座敷童) ÷2 = キジムナー」といった感じです。

ところで、沖縄では同じく樹木にキーヌシーという精霊が棲んでいるといわれています。

キジムナーと同じ樹木の精霊ですが、キジムナーが頻繁に目撃されるのに対しキーヌシーは樹木から出てくることは滅多になく、ほぼ目撃されることはありません。

もしかするとキーヌシーは実体を持たない存在なのかもしれません。

キジムナーが人間とコミュニケーションを取り、いたずら好きである等、活発なイメージがありますが、それに対しキーヌシー真逆で、穏和な性質だといいます。

キジムナーはキーヌシーの一形態とも考えられますし、全くの別物、もしくはキジムナーの成体がキーヌシーかもしれません。

それともキジムナーとキーヌシーはたまたま樹木の精霊という共通点を持つだけの「全くの赤の他人」かもしれません。

実体を持たないかもしれないキーヌシーが具象化されたものがキジムナーという説もありますが、あまりに性質が違い過ぎてその説はあまり鵜呑みにはできません。

ま、相互に全く関係が無いとは考えにくいものの、強固に二つを結びつけるものもない以上、別種と考えるのが無難かもしれません。

最後にキジムナーの元となった生物はいるか?というと思い当たりませんね。

カッパであればニホンカワウソ (Lutra nippon) が関連していたのはほぼ確実ですが、ニホンカワウソは対馬や五島列島辺りが南限だったようで沖縄には生息していませんでした。

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