2020年7月28日火曜日

オオアリクイタイプの獣人 ~ タトル・ボトムズ・モンスター


■オオアリクイタイプの獣人 ~ タトル・ボトムズ・モンスター

タトル・ボトムズ・モンスター (Tuttle Bottoms Monster)。

アメリカ、イリノイ州南部のタトル・ボトムズでいっとき頻繁に目撃された獣人系UMAです。

獣人系といえどビッグヒットのような完全な類人猿タイプのものではなく類人猿+アリクイ、もしくはかなりアリクイよりのUMAで、獣人系UMAとしてはかなり特殊な部類に入ります。

そういった点では、ゾウ系・アリクイ系のヒューマノイド、ナラビーン湖の怪物と同タイプといえます。

はじめて目撃されたのは1963年といわれており、それ以降1970年代まで目撃は続き、その間少なくともトータルで50以上もの目撃情報が警察に寄せられたと言われています。

警察に報告されたものだけでも50以上ですから、単に目撃した人たちの数はその何倍にも上るものと考えられます。

目撃情報の多くは頭部にアリクイのような長い吻を持った生物と報告されており、前述の通り、日本のUMAの命名規則に従えば「アリクイ男」と呼ばれるような姿をしています。

中には、クマに似ていた、類人猿そのもの (いわゆるビッグフット系) だったといったものも含まれることから、単純にクマを誤認したものも含まれていると推測されます。

姿に若干のばらつきはあるものの、共通しているのは「毛むくじゃら」という点です。

タトル・ボトムズ・モンスターの噂が流れると銃などで武装した若者たちが大挙してタトル・ボトムズの森にモンスター狩りにやってきたといいます。

興味深いのはセイリーンの郡保安官ジェームズ・L・トンプソン (James L. Thompson) 氏が若者から聞いたモンスター像です。

体長は8フィート (約2.4メートル)、身長は4フィート (1.2メートル) でアリクイのような吻をしていた、というものです。

これはオオアリクイ系ヒューマノイドというよりも、もはやオオアリクイ (Myrmecophaga tridactyla) そのものなのではないか?という描写です。

オオアリクイは体長は1メートルを超す程度ですが尾が長く大柄なものであれば全体で2メートルを超します。

後肢で立ち上がらない限り体高は1メートル前後でしょうし大きさ的にも頭部の特徴的にもオオアリクイが合致します。

見るからに平和そうな生物で実際にそうなのですが、生命の危険にさらされればその限りではなく、後肢2本で立ち上がりナイフのようなカギ爪で反撃します。

確実な記録でオオアリクイにより3名殺害されているのが分かっており、公式的な記録に残っていないものを含めればかなりの数になるかもしれません。

さてその正体がアリクイだったとしてもアメリカ中西部のイリノイ州の森に何故いたのか?

中南米に生息するオオアリクイがノコノコ北上するわけもありません。

正体がオオアリクイであれば、月並みですがペットとして飼われていたものや動物園から脱走したとしか考えられません。

しかし、これを聞いて残念がる必要はありません。

目撃から半世紀近くも経った2010年、新たな説が浮上したからです。

提唱したのは動物調査機構のシャドウズ・オブ・ザ・ショーニー (Shadows of the Shawnee) の創設者にしてタトル・ボトムズ・モンスターを目撃したことのあるバージル・スミス (Virgil Smith) 氏です。

バージル氏はこの怪物は決してオオアリクイなどではなく二足歩行する類人猿系の生物であるという主張しています。

それでは一体どこから来たのか?

タトル・ボトムズ・モンスターは政府の極秘裏に行われていた動物実験の産物であり、政府はおそらく意図的に森に開放したというのです。

同じくイリノイ州のマサック郡 (Massac County) でも似たような生物目撃されており、タトル・ボトムズ・モンスターと同一個体、もしくは同一ルーツをもつ生物かもしれないと考えています。

またスミス氏は米国農務省の元スタッフがタトル・ボトムズ・モンスターの調査をしていることを打ち明けられたとも主張しています。

いわゆる政府の陰謀説、古き良きUMAファンを満足させてくれる主張ではありませんか。

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2020年7月27日月曜日

先史時代の巨大な亀か? ~ ソアイ島のシー・モンスター


■先史時代の巨大な亀か? ~ ソアイ島のシー・モンスター

今回は「ソアイ島のシー・モンスター (Soay Island Sea Monster)」

ソアイ島はイギリス領の群島、セント・キルダのひとつで、「羊の島」を意味します。

セント・キルダにはソアイ種 (ソイ種, Soay sheep) と呼ばれる紀元前より導入された羊が生息しています。

尾が短く茶色や白 (クリーム色) など様々な毛色を持つ羊で、自然に毛が抜け落ちるのも特徴の一つです。

(ソアイ羊)
(image credit by Jamain)

ただし毛の生え変わりの時期である春や初夏にはルーイングと呼ばれる素手で毛を剥がす方法により採取できます。

1年で1頭からだいだい1キログラムほどの毛が取れるといい、2~4キロ以上も取れる羊毛用の羊よりは随分と少ないようです。

歴史的にあまり食肉にはされていないといいますが、一般的な羊肉と比べ脂身が少なく柔らかでコレステロール値も低いといいます。

食肉として非常に良質に感じますが、成長が遅くとれる肉の量も少ないということで、そのままではあまり食肉用としては適していない種なのかもしれません。

ソアイ羊の話が長くなってしましました。

ソアイ島のシー・モンスターの話に移りましょう。

1959年9月、この「羊の島」ことソアイ島沖で、サメ漁師のテックス・ゲデス (Tex Geddes) 氏とエンジニアのジェームズ・ギャビン (James Gavin) 氏がボート上から奇妙な海生生物に至近距離で遭遇します。

大きな口をパクパクと開閉しており、口内にはなんらかの吊り下がった組織構造が確認できたといいます。

この遭遇事件は、その目撃証言から怪物のイラストが作成され、イラストレイテド・ロンドン・ニュース (Illustrated London News) にも取り上げられました。

そういうこともあり、現在一般的に出回っているソアイ島のシー・モンスター像はこのイラストレイテド・ロンドン・ニュースのものです。

このイラストを見る限りカメの化け物といった感じです。

怪物の大きさはゲデス氏によれば8~10フィート (約2.4~3.0メートル)、ギャビン氏によれば6~8フィート (約1.8~2.4メートル)。

漁師を生業とするゲデス氏のほうが海洋生物に親しんでいるはずで、体長の見積もりもより正しいのでは?という先入観が働きます。

が、両氏の見積もりは「水面上に見えていた部分」の大きさであり、実際はもう少し大きかった可能性があります。

となるとカメの大きさとしてはゲデス氏の見積もりは少々大きすぎるような気もします。

また怪物の背中もしくは甲羅の正中線上に鋭く大きなトゲがノコギリの歯のように並びます。

しかしこの「背中からトゲを生やしたカメの化け物」のイメージはイラストレイテド・ロンドン・ニュースのものです。

(二人のスケッチ/ゲデス(左)、ギャビン(右))
(image credit by Cryptozoology Online)

当の本人たちの目撃スケッチは少々異なり、よりウミガメ的であり正中線上のトゲも実はそれほど大きくないことが分かります。

イラストレイテド・ロンドン・ニュースのイラストレーターによって、より怪物的に変貌させられた感じです。

そこで候補となるのはもちろん現世最大のカメ、オサガメ (Dermochelys coriacea) です。

(頭を水上に上げ泳ぐオサガメ)
(image credit by Scott R. Benson/Public Domain)

オサガメは大型のもので甲長1.8メートル、体長2.2メートルにも成長する巨大なウミガメで、最大記録で甲長2.1メートルの個体も発見されています。

ゲデス、ギャビン漁師が遭遇したのは規格外に成長したオサガメだったのではないか?

そしてオサガメである可能性をさらに補強するのがふたりが証言した口内の描写「吊り下がった組織構造」です。

オサガメの主食はクラゲで、一説には一日に体重の70%以上ものクラゲを食べるともいわれています。

そのクラゲを効率よく捕らえ咀嚼・切断できるよう、オサガメの口内は大小のトゲでびっしりです。

(オサガメの口内)
(image credit by METRO)

この棘は食道まで続き、大きく口を開けたオサガメの口内に見えるトゲを目撃者たちは「吊り下がった組織構造」と表現した可能性が十分考えられます。

問題は背中 (甲羅) のトゲですが、これは甲羅に走る縦のキール (筋状の隆起) の緩やかな凹凸をトゲと認識してしまったのではないでしょうか。

これらを総合すると、やはりソアイ島のシー・モンスターの正体は規格外に大きく成長したオサガメではないかと思われます。

たとえ正体がオサガメだったとしても史上最大級の大きさだったに違いありません。

(参照サイト)
Scientific American

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2020年7月26日日曜日

HMSダイダロスが見たシーサーペント


■HMSダイダロスのシーサーペント

軍艦の乗組員によって目撃されるUMAも少なくありませんが、今回はHMSダイダロス (HMS Daedalus) の乗組員が見たシーサーペントです。

HMSダイダロスは19世紀初頭、1822年に建造された英国海軍の軍艦です。

息の長い軍艦で売却される1911年まで90年もの間現役でした。

この船の船長マックウェー (McQuhae) および数名の乗組員によってシーサーペントが目撃されたのは1848年8月6日17時頃、喜望峰からセントヘレナ島へ向かう途中のことでした。

マックウェー船長はシーサーペントを以下のように描写しています。

「我々がその物体に気付き注意を向けると、それはとてつもなく巨大な蛇だということが分かりました。

頭部と肩を常に約4フィート (約1.2メートル) ほど水面より上に持ち上げており、この高さはメイン・トップスルと比較して割り出しました。

体長は最低でも60フィート (約18メートル)、頭部より後方の体の直径は15~16インチ (約40センチ前後) ほどでした。

泳ぐ速度は時速12~15マイル (約19~24キロ)、およそ20分間に渡り観察しました。

体色は濃い茶色、喉の周辺は黄色味がかった白、ヒレはありませんでしたが馬のタテガミのようなものが背中にそって確認できました」

この怪物の正体として数多くの候補が挙げられています。

シーサーペントの正体として定番のリュウグウノツカイにはじまり、ゾウアザラシ巨大イカといった既知生物から、リバー・モンスターの定番、プレシオサウルス、未知の細長いサメ、未知の細長いクジラ、未知の首の長いアザラシ等々、、、

60フィートという大きさから、既知の生物であればマックスレベルのジンベエザメ (Rhincodon typus) かクジラをおいてありません。

7名の目撃者のうち、ひとりだけがトカゲに似ていたとの証言から、ワニの可能性も考えられます。

(image credit by Quora)
(海で目撃されるイリエワニはシーサーペントの正体の一つです)

しかし海水に極めて耐性のあるイリエワニ (Crocodylus porosus) はアフリカには生息しておらず、かといってナイルワニ (Crocodylus niloticus) がセントヘレナ島付近まで泳いでいくとは考えられないためワニの可能性は低いでしょう。

そんな中、生物学者ゲイリー・ジョン・ガルブレス (Gary John Galbreath) 教授は、彼ら乗組員の見た生物はイワシクジラ (Balaenoptera borealis) であったと断定しています。

(イワシクジラの親子)
(image credit by Christin Khan)

イワシクジラはヒゲクジラの仲間で体長は16~18メートル、背中側から見下ろした場合、他のヒゲクジラ類と比して細身のシルエットが特徴です。

しかしいくらクジラとしては細身のイワシクジラといえ、巨大なウナギのような体型のシーサーペントと誤認するものでしょうか?

ガルブレス教授の説明によれば、マックウェー船長らがシーサーペントの頭部だと思い込んでいたのはイワシクジラの上顎の一部であるとのこと。

(これはザトウクジラが水面に頭を上げたところ。この状態を保ったまま泳いだ場合、目撃スケッチと非常に似通った構図になると思われます)
(image credit by Henrik Dreisler)

マックウェー船長の証言によりいくつかのイラストが描かれていますが、巨大なウナギのような生物が頭部を水面から出して泳いでいるシルエットは確かにイワシクジラが頭部の一部を水面上に出して泳いでいる姿と似ています。

この姿はイワシクジラに限ったことではありませんが、イワシクジラは世界中至るところに生息するクジラであり目撃地点・体長・細長い体型 (シーサーペントに見える) は目撃証言との矛盾も少なくそれ故、候補となり得ます。

(もうひとつの目撃スケッチ)

しかもイラストではウナギのような丸みを帯びた頭部として描かれていますが、後にマックウェー船長は頭部は平らだったと付け加えており、よりイワシクジラ説を補強するものとなっています。

HMSダイダロスのシーサーペントの正体が、水面に顔を出したイワシクジラと断定はできませんが、既知のクジラをシーサーペントと誤認する際の重要な考え方といえます。

(参照サイト)
Skeptircal Inquirer

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新種の哺乳類か?ミュータントか? ~ クリーチャー・フロム・カリッジ

(プラター氏の目撃スケッチ, image credit by Don Prater)

■新種の哺乳類か?ミュータントか? ~ クリーチャー・フロム・カリッジ

「はじめに断っておくが、そのとき酒は一滴も飲んでない!」

こう語るのはイギリスのウエスト・バークシャーに住むビジネスマン、ドン・プラター (Don Prater) 氏67歳。

プラター氏が謎の動物を目撃したのは2012年10月3日16時頃のことです。

「婦人会ホールの裏手にある通路に沿ってエルミタージュに向かって犬の散歩をしていたんだ。

歩道を左に折れて25ヤード (約23メートル) ぐらい先に2匹の動物がいたんだ。

一匹はふつうの猫のようだったけど、もう一匹を見て驚いたのさ。

暗灰色のそいつは頭の先までで2フィート (約60センチ) ぐらい、でも鹿みたいな顔をしてるんだ。

首が8~10インチ (約20~25センチ) ぐらいあって白鳥の首みたいに細いんだよ。

体は犬と猫を足して2で割った感じ、尾はフサフサ。

とにかく全てがおかしいのさ。

猫はどっか行っちまったけど、そいつは俺の方をじっと見てて、ちょっとの間ウロウロしてたけど生け垣の中に消えちまったよ」

プラター氏はこの謎の動物をクリーチャー・フロム・カリッジ (Creature from Curridge「カリッジからの生物」) と呼ぶことにしました。

さてこの生物は一体何だったのか?

付近の誰に聞いてもこのような生物は見たことがないといいます。

あえて言えば頭部と首の特徴からアルパカ (Vicugna pacos) かラマ (Lama glama) の子供、いずれもプラター氏のスケッチのように尾がフサフサといった感じではありませんが、アルパカのほうが幾分それに近いかもしれません。

(アルパカの親子)
(image credit by McKay Savage from London)

問題は目撃された場所が南米ではなくイギリスであり、しかもアルパカやラマだとしてもそれが子供でなければなりません。

動物園からの脱走説は非常に低く、かといって脱走した成体のアルパカやラマが自然繁殖しているというのも考えづらいところです。

その正体としては新種の生物でない限り、ペットとして飼っていたアルパカの赤ちゃんが一時的に脱走し目撃された、ぐらいしかないでしょうか。

結局、プラター氏を含めその後この生物を目撃した人物は現れず、謎のままとなっています。

(参照サイト)
Newbury Today

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