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2025年3月16日日曜日

ウェールズの謎のトカゲ ~ ゲナプルグウィリオン


■ウェールズの謎のトカゲ ~ ゲナプルグウィリオン

今回はゲナプルグウィリオン (or ジェナプルグウィリオン, Genaprugwirion)。

イギリスのウェールズで目撃される謎のトカゲに似たUMAで、体長は30センチほど、大きな目を持ち頭部はオレンジ色をしているのが特徴です。

このUMA、かつて (20世紀前後~) はよく目撃されていたものの近年はほとんど目撃されなくなったといいます。

UMAにありがちなパラノーマルな能力を一切伝えられておらず、また大きさもちょっと大きめのトカゲというだけで現実的です。

まあこれが良いことなの悪いことなのかは分かりません、ここの読者の方々にしてみれば、バケモンじゃねーのかよ!と、少しがっかりしてしまうかもしれませんから。

ですが、まあ、ウェールズに限らずイギリス全土でこれに似たトカゲの在来種は存在しませんから現実的な見た目だとしても完全にUMAです。

イギリスの在来種で最も大きなトカゲはおそらくコモチカナヘビ (Zootoca vivipara / Lacerta vivipara) かニワカナヘビ (Lacerta agilis) で、いずれの種も大きくて20センチに満たず、体格からもその正体とは思えません。

(コモチカナヘビ)
(image credit: Wikicommons)

イギリスにはヒメアシナシトカゲ (Anguis fragilis) も棲息しており、大きさ、というか体長だけでいえばが最大60センチと一見候補になりそうですが四肢のないトカゲで見た目もヘビとほぼ変わらずこちらも候補にはなり得ないでしょう。

ということでゲナプルグウィリオンは未発見のトカゲ、つまりUMAである可能性がでてきました!

が、ここで外来種の可能性も検討に入れないといけません。

ちなみに現在イギリスに棲息する最も大きなトカゲはミドリカナヘビ (Lacerta viridis) で尾が長いということもあり全長40センチに達します。

こちらは外来種です。

ゲナプルグウィリオンが目撃され始めたのが20世紀前後、つまり1800年代後半から1900年代ぐらいと考えると、今ほど外来種がバンバン入ってきていないだろうことは予測できます。

で、ミドリカナヘビはいつごろからイギリスにいるのかというと、19世紀後半から導入されているとのことで時期的にはバッチリ合ってしまいます。

ですがまあミドリカナヘビは全身が緑色で頭部はむしろ青く、配色的に考えてちょっと違うような気もします。

まあ個体差で体色はまちまちなので、可能性は捨てきれませんけどね。

興味深い候補を挙げているのはイングランドの未確認動物学者カール・シューカー (Karl Shuker) 博士。

本ブログにもしょっちゅう登場していますが、未確認動物学者といっても限りなくふつうの動物学者に近く (実際、バーミンガム大学で動物学の博士号を取得しています)、リップサービス程度しかパラノーマルな説を唱えません。

(ギュンタームカシトカゲ)
(image credit: Wikicommons)

そのシューカー博士がゲナプルグウィリオンの正体をムカシトカゲ (Sphenodon punctatus) / ギュンタームカシトカゲ (Sphenodon guntheri) ではないかといっているのです。

ムカシトカゲは実在する生物であるもののニュージーランドの固有種にして激烈な希少種、とてもムカシトカゲ、もしくはその亜種がイギリスに棲息しているとは思えません。

と思いきや、シューカー博士によると、どうも19世紀に珍しい生物 (エキゾチック・ペット) としてムカシトカゲがイギリスに持ち込まれていた記録があるようなのです。

ペットとして飼われていたものや動物園から逃げ出したとして、寒冷なイギリスで野生化、繁殖するとはちょっと考えにくいですが、脱走後まもなくの僅かな期間であれば、一時的に目撃される可能性はあったかもしれません。

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