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2024年4月30日火曜日

【閲覧注意】ゾンビカタツムリ製造マシン (寄生虫) ~ ロイコクロリディウム


■【閲覧注意】ゾンビカタツムリ製造マシン (寄生虫) ~ ロイコクロリディウム

今回もメジャーな寄生虫、ロイコクロリディウム (or レウコクロリディウム, Leucochloridium) を紹介しましょう。

ロイコクロリディウムは一般的な人間の美的感覚からするともっとも毛嫌いされる寄生虫のひとつといえます。

アンケートを取ったことはありませんが、気持ち悪い寄生虫のベスト1に選ぶ人も少なくないと推測されます。

正確に言えばこのロイコクロリディウム自身が気持ち悪いのではなく、ロイコクロリディウムによって寄生された宿主が気持ち悪くなってしまうという意味です。

まあ見慣れると何とも思いませんが所見は注意といった感じです。

それでは彼らの生活史を見ていきましょう。

現在1属10種以上 (13種?) 知られていますがほぼ同じ生活史を歩み模式種はロイコクロリディウム・パラドクサム (Leucochloridium paradoxum)。

彼らの生活史は以前に紹介した「魚を意のままに操る寄生虫 ~ ディプロストムム」とやや似通っていますがディプロストムムと比較するともっとシンプルです。

ロイコクロリディウムは吸虫の仲間で最終宿主である鳥の糞から彼らの生活史はスタートします。

この糞にはロイコクロリディウムの卵がぎっしりと入っていますが、これは陸棲の巻貝、カタツムリに食べてもらわないといけません。

宿主 (寄生した生物) をマインドコントロールすることに長けた寄生虫たちですが、さすがに鳥の糞をする場所まではコントロールできないようで、こればかりは完全な運任せ、質より量でとにかく卵を産みまくって鳥の糞に混ぜ込みます。

お目当てのカタツムリはオカモノアラガイという陸棲の巻貝、英名アンバー・スネイル (amber snails) の名からもわかる通り、琥珀色・模様の殻が特徴です。

オカモノアラガイの仲間 (Succinea) はかなり種類が多く、ざっと知られているだけでも200種を優に超えます。

宿主としていずれの種でもいいのかどうかは分かりません。

取り敢えず、このオカモノアラガイに食べられることを目的に数撃ちゃ当たる戦法でまき散らし、見事意中のオカモノアラガイの胃袋の中に収められれば卵から孵化することができます。

オカモノアラガイの棲息しない場所に落っこちた糞はそのまま生まれることなくそのまま死滅します。

卵から孵ったロイコクロリディウムの子はまずミラシジウムは (ミラキディウム, miracidium) という形態になり、時間をかけてスポロシスト (スポロキスト, sporocyst) という形態に成長します。

セルカリア (cercaria) を含んだスポロシストはブルードサック (broodsac) と呼ばれる育児嚢となり、先端に目のついている大触角へと移動、ここで模様のあるイモムシが這いまわるような脈動運動をします。

(ロイコクロリディウムに寄生されたオカモノアラガイ)
(image credit by Wikicommons)

この動きがなんともおぞましく、これこそがロイコクロリディウムが寄生虫の中でももっとも気持ち悪がられる原因です。

ロイコクロリディウムはこのイモムシ然とした脈動で最終宿主の鳥に食べられるようにカタツムリをコントロールしているのです。

天敵も多く、体の乾燥の危険のある日中はカタツムリにとって危険な時間ですが、ロイコクロリディウムに感染したオカモノアラガイは感染していないオカモノアラガイの約2倍の時間、明るい日中におでかけさせるといいます。

運よく (オカモノアラガイにとっては運悪く) 鳥に発見された場合、ブルードサックは鳥の体内に取り込まれ、セルカリアは生体 (吸虫) となり、再び次世代への子孫を鳥の糞にせっせと混ぜ込みます。

ところでロイコクロリディウムに体を乗っ取られたからと言ってオカモノアラガイはもはや「生きる屍 (しかばね)」ではありません。

生かさず殺さずで感染しても1年は生きれるといい、また、感染していない個体と比較すると生殖機能は落ちはするものの生殖も可能ということです。

ちなみにとびきり運の悪いオカモノアラガイは複数種のロイコクロリディウムの卵入りの糞を食べることもあり、その場合、いずれかのロイコクロリディウムが勝つということもなく、両方ともすくすくと育ってしまうということです。

ロイコクロリディウムはその種によって異なる色彩パターンを持つため、一匹のオカモノアラガイの左右の触角が異なるロイコクロリディウムで明滅することも可能性はありえるということでなんとも気持ちの悪い寄生虫です。

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2024年4月29日月曜日

タイに現れた謎の案山子生物 ~ ゴースト・スケアクロウ


■タイに現れた謎のカカシ生物 ~ ゴースト・スケアクロウ

今回は珍しくタイのUMA。

ま、UMAというか宇宙人というか、ゴーストというか、あまり野生動物的ではないので正統派UMAとはいえないものです。

このUMAタイのチエンラーイ (Chiang Rai) で目撃された案山子 (カカシ) に似た生物であったため、そのまま「チェンラーイの幽霊のような案山子 (Ghostly Scarecrow of Chiang Rai)」と呼ばれますが、長ったらしい上にあまりスタイリッシュではないためゴースト・スケアクロウと呼びましょう。

目撃されたのはタイ最北部のチェンラーイ県の農村部、かなりパラノーマル (超自然的) な存在ですが目撃されたのはわりと最近の2005年、しかも10人以上に同時に目撃されています。

最も最初に目撃したのはサワエン・ブンラチャサック (Sawaeng Bunratchasak) さんで、同年8月31日の午前8時~8時半ぐらいのことだったといいます。

はじめ宙に浮いているこの「物体」を生物ではなく最新鋭の案山子と認識したといいます。

しかしそれは決して案山子ではありませんでした。

ブンラチャサックさんに気付いた「案山子」は首をかしげるような仕草でブンラチャサックさんをその燃えるような赤い瞳を彼に向けたといいます。

その瞬間、ブンラチャサックさん背筋も凍るほどゾッとしたものの、その生物はまるで助けを求めるような懇願にも近い眼差しで彼を見つめ、決して危害を加えるような存在には見えなかったといいます。

体長はわずか30センチほど、腕はないように見え、足は尖っていたといいます。

頭部は体と比して大きく、その両側には頭部と同じぐらいの高さのある耳のような突起もありました。

ブンラチャサックさんは急いで村人たちを呼びに行きました。

その黄色の生物はまだフワフワと空中を浮いていました。

目撃者たちはそれが危険な存在ではないと分かると、その見た目よりも翼のような何ら推進力も持たない生物がまるで地球の重力など存在しないかのように浮いていることの方が奇妙に感じたといいます。

ゴースト・スケアクロウは多くの人々が押しかけても特に動揺した様子はなく、むしろ人々に対し無関心に見えたといいます。

そして1時間ほど辺りを浮遊していましたがやがてどこかへ去っていったといいます。

冒頭に述べた通り、これはUMA (特にフライング・ヒューマノイド)、ゴースト、宇宙人のいずれに該当するかも判断が難しいものです。

ただこの地域の人々はこのゴースト・スケアクロウを目撃する前夜、「浮遊する火」が水田に落ちたと主張し、その残骸は一切見つからなかったものの、UFOと関連付けたい、つまり宇宙人の可能性が高いと考えているようです。

目撃されたのはこの1日だけであり、この生物の証言もこれ以上の情報はありません。

この不思議な生物は一体何だったのでしょう?

一番ありそうなものとしてはフライング・ヒューマノイドの正体としてもありがちな人型バルーンの誤認です。

実際、この生物が目撃された地域から6マイル (約10キロメートル弱) 離れたドイカム (Doi Kam) の住人から、ゴースト・スケアクロウに似たヘリウムガスを充填させたゴム人形の情報が入りました。

この住人はゴースト・スケアクロウ騒ぎの起きる数日前にこのヘリウムガス入りの人間を見つけました。

これは鳥除けになるだろう、つまり案山子として用をなすだろうと自宅の庭の木に括り付けていたといいます。

しかし同月29日に暴風が吹き、その人形はどこかへ飛ばされてしまいました。

そしてこのゴースト・スケアクロウ騒ぎが起きたのはその2日後です、きっと庭に括り付けていたヘリウムガス人形に違いないと彼は確信したわけです。

この住人はこの人形が映った写真を持っていたことから、この写真をゴースト・スケアクロウの目撃者に見せましたが決して違うといったそうです。

但し、その写真はかなり解像度が低く、人形もはっきり判別できないほどだったというのであまり当てにはなりませんが。

但し、目撃した住民たちは声を揃えていいます、ゴースト・スケアクロウは意思を持って首を傾げたり浮遊しており、決して無生物ではないと。

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2024年4月28日日曜日

男子は死産か生まれて速攻死亡、それでも滅びない ~ アダクチリディウム


■男子は死産か生まれて速攻死亡、それでも滅びない ~ アダクチリディウム

本日は久しぶりにUMAではなく寄生生物シリーズ。

アダクチリディウム (Adactylidium) というダニの仲間で、1属4種知られています。

多くのダニは寄生生活を送るのでそれ自体それほど珍しくありませんし、また今回話題にするアダクチリディウムのライフサイクルは他の寄生虫等に見られる宿主 (寄生される側の生物) に対するマインドコントロールをするわけでもなく、至ってふつうの寄生生活です。

ですが、その生態自体が驚くほど奇妙です。

それではアダクチリディウムの生涯を簡単に見ていきましょう。

アダクチリディウムは主に中東に生息するダニでの仲間で、メスはアザミウマという体長1ミリにも満たない小さな昆虫の卵のひとつにに寄生し、その卵を食べて育ちます。

オスは一切寄生生活を送りません、寄生生活をするのはメスだけです。

オスはどうやって暮らしているかというと寄生生活を送るも何もオスは居ないので寄生する以前のの問題です。

オスがいない?

それは魚類に多く見られる性転換等によりオスが居なくなってしまうという意味ではありません。

アダクチリディウムにもオスとメスの雌雄が存在し生まれながらにオスとメスという別個の性別を持って生まれ、そしてその持って生まれた性を生涯全うします。

つまりオスとして生まれたものはオスとして死に、メスとして生まれたものはメスとして死ぬということです。

そんなに珍しいことではありませんよね、むしろ大多数の生物はこのようなライフサイクルを営みます。

なぜオスが居なくなってしまうのかというととても単純で、アダクチリディウムのオスは死んだ状態で生まれる (死産) か、もしくは生きた状態で生まれても食事することもなければメスと交尾することもなく生まれてすぐに (数時間程度で) 死亡するからです。

こう聞けばアダクチリディウムは単為生殖 (交尾なしでメスが単独で子供を産むこと) する生物と思うでしょう

仮にそうだとすればオスは不要ですが、メスのアダクチリディウムは子供を1度に5~8匹産む中に必ずオスが一匹だけ混じっています。

まあ便宜上「産む」と書きましたが、後述するようにこれは一般的に思い浮かべる「出産」とはかけ離れたものですが。

さて、この生まれても繁殖に全く意味をなさないオスを一匹だけ紛れ込ませる芸当は一体何なのでしょう?

どうせ役に立たないながら、そのエネルギーを生まれてくるメスに分配する方が自然界で有利に働くに違いありません。

しかし「彼」はただの役立たずではなかったのです。

アダクチリディウムの子は母親の子宮内で孵化し、その中で母親の体を内側から食べながら育ちます。

そしてオスは母親の子宮内で一緒に生まれた姉妹全員と交尾し、妊娠させていたのです。

これにてこのオスの役目は終了、そのまま子宮内で死ぬもよし、姉妹たちと一緒に母親の体を貪り外界に出てきて死ぬもよし。

そう、かれらは母親の出産によりこの世界に出てくるのではなく母親を内部から食べつくし体を突き破って出てくるのです。

そしてメスのアダクチリディウムたちは生まれながらに妊娠しているという不思議な生物なのです。

母親は子供たちに貪り喰われもちろん死にますが娘たちは悲観に暮れる暇はありません、寿命僅か数日のアダクチリディウムのメスたちは我先に寄生先のアザミウマの卵を探します。

といっても効率がいいことこの上ありません、交尾相手を探すステージをカットし、寄生する卵だけを見つければいいからです。

無事にアザミウマの卵を見つけたメスはその卵に寄生すると、次世代へとつなぐ子供たちを胎内で育みます。

そう、あと数日後には自分が食べられることを知りながら。

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