■ロシア、ラビンキル湖の怪物 ~ ラビンキル・デビル
今回はロシア連邦のひとつであるサハ共和国 (旧ヤクート) にあるラビンキル湖 (or ラヴィンキル湖, ラビンキール湖, ラヴィンキール湖, Labynkyr Lake) の怪物です。
最大長14.3キロメートル、最大幅4.1キロメートルとやや長めの楕円形で、最大深度75メートル、平均水深52メートルという湖です。
国土すべてが永久凍土でありシベリアの荒野にあるこの湖はマイナス60度に達する極寒の地です。
そのため、周辺の湖は冬季にすべて凍結してしまいます。
しかし不思議なことにこのラビンキル湖だけは凍らないことで知られており、湖底に亀裂等があり温泉が湧き出ている等の理由で湖が温められ凍結しないのではないか、といわれています。
とはいっても凍らないというだけで水はとても冷たく、水温は常時2度をキープ、ぎりぎり凍らない、といった感じです。
さて、この過酷な環境にもかかわらず、この湖では古くから大きな生物の目撃情報があります。
このUMAは地元の民間伝承ではラビンキル・デビル (Labynkyr Devil) やラビンキルスキー・チャート (Labynkyrsky Chert) と呼ばれます。
記録に残る最も古い目撃情報はソビエト科学アカデミーの地質学者ヴィクトル・トヴェルドフレボフ (Viktor Tverdokhlebov) 博士によるもので、1953年、ラビンキル湖と繋がるボロタ湖 (ヴォロタ湖, Lake Vorota) に地質調査で訪れた際にシャチほどの大きさの生物が泳いでいるのを見たと証言しています。
冷水域での巨大生物の正体としてはパイク (カワカマス) の仲間 (Esox) がたびたび登場し、やはりこのラビンキル・デビルの正体にもパイクは有力視されている生物のひとつです。
ノーザンパイク (Esox lucius) は5フィート (約1.5メートル) を超える個体もいるといいます。
ちなみにロシア (もしくは旧ソ連) のUMAの目撃情報に登場する博士たちは架空の人物であったり、存在しても博士ではなかったりと当てにならないことがありますが、トヴェルドフレボフ博士は実在しますし、本物の博士です。
2013年にはこの件について以下のように記しています。
「それ (ラビンキル・デビル) がいかなる種類の生物であるか、巨大なパイク、絶滅した (と考えられている) 爬虫類、もしくは両生類、あらゆる種類の生物で仮説が立てられています。
残念ながらわたしたちにはそれらの仮説について立証することも逆に反証することもいずれもできませんでした、しかし、謎の生物の (ものと思われる) 顎と骨格の残骸を発見することに成功しました」
2012年、モスクワ州立大学の生物地理学准教授リュドミーラ・エメリヤノワ (Ludmila Emeliyanova) 氏がソナーを用いて湖を調査し、湖底に眠る巨大なオブジェクトを確認しこう主張しています。
「事実として、我々がそこ (ラビンキル湖) でただならぬものを発見し、動かぬ証拠を手に入れた、とは言えないでしょう、ですが我々のエコーが水中で非常に大きなオブジェクト、魚や、それどころか魚の群れなどより大きなもの、をキャッチしたことは事実です」
実在する二人の科学者がその存在を推している珍しいUMAですが、やはり圧倒的多数派である合理的考えに基づく科学者はそれを否定もしています。
ロシア科学アカデミーの淡水生物学研究所のユーリ・ゲラシモフ (Yury Gerasimov) 氏は語ります。
「我々がこの『デビル』の話を真に受けたとして、その生物は目と目の間が1.5メートルもあることになります。
つまり体長は7~8メートルぐらいなければいけません。
デビルの正体が巨大なパイクだといわれていますが、そんな大きさになるほどパイクは長命ではありません。
魚たちが大きく育つには2つの要因があります、栄養と心地よい水温です。
仮にこの湖に十分な栄養素があったと仮定しても、水温は全く話になりません。
私の個人的な見解となりますが、カワカマス正体説はファンタジーでしかありません」
さてみなさんはどちらの側につきますか?
(関連記事)
0 件のコメント:
コメントを投稿