■墓地を見回る不気味なオオカミ ~ スモーク・ウルフ (グリム)
今回はスモーク・ウルフ (Smoke Wolves)。
スモーク・ウルフはアパラチアの墓地を守るというUMAで、少々パラノーマル・宗教色が強めです。
またの名をグリム (Grim) といいますが、この呼び名はイギリスのUMA、チャーチグリム (Church Grim) に由来しているのは確実で、ヨーロッパからの入植者たちが持ち込んで北米中西部に民間伝承として広がったのでしょう。
まずは本家のチャーチ・グリムを見ていきましょう。
イギリス版のチャーチ・グリムは教会を守る黒く大柄な犬で赤い目をしています。
教会近くを彷徨 (さまよ) い、教会を冒涜するものを襲ったり追い払う教会にとって守護霊的な存在です。
この伝説から今日でも実際に黒い犬を飼っている教会もあるといいます。
しかしかつてチャーチ・グリムは単に伝説というだけでなく本気で信じられた守護霊で、なんと教会はチャーチ・グリムを「創っていた」残虐な過去があります。
というのもチャーチ・グリムは霊的で実体を持たない存在であり、そのまま黒い犬を番犬として飼っても肉体を持つ犬にそのスピリチュアルな力は持ちえないからです。
そのため黒犬を教会の礎石 (そせき) の下に生き埋めすることにより、その犬が死にチャーチ・グリムに生まれ変わると信じ、そういった行為を習慣化していたことが民俗学の研究で分かっています。
さてアパラチアのスモーク・ウルフ (グリム) はどうでしょう?
実はアパラチアのスモーク・ウルフもチャーチ・グリムとほぼ全く同じ性質で、飼い犬を墓地に生き埋めにすることにより守護霊として生まれ変わると初期の入植者たちは信じていたといいます。
生き埋めにされて死んだ飼い犬はやはり黒い犬、「グリム」として生まれ変わり、真っ赤な目をしています。
そして墓地の周りを彷徨い不審者を追い払います。
グリムは時が経つとスモーク・ウルフに変わるといいます。
この地域では他にも亡霊犬 (オオカミ)、スナーリー・ヨーの伝説がありますが人間に害を及ぼす真逆の性質でグリムとは異なるUMAと考えて問題ないでしょう。
しかしスモーク・ウルフとなったグリムは非常に凶暴となり、人間にもフレンドリーな存在ではなくなるとも言われています。
北米のこの地域の山に入った際、草や枝で作ったバリケードで侵入が難しい場所に行き当ったらそこから先へは進まない方がいいといいます、なぜならその先はグリムから返信し危険な存在となったスモークウルフのテリトリーと呼ばれているからです。
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飼いならして番犬にしたいですね
返信削除生き埋めなんて守護霊どころか怨霊になりそうですけどねぇ~
返信削除狗神でねーか。
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