■パラグアイに伝わる巨大ナメクジヘビ ~ ムボイ・ジャグア
ムボイ・ジャグア (Mbói jagua) はパラグアイのグラン・チャコ (Gran Chaco) にある河川に生息するという巨大なリバー・サーペントです。
体長70~100フィート (約21~30メートル) とバカでかいですが、その大きさよりも他のサーペント系UMAにはない多くのユニークな特徴を有します。
まずは「チャコのナメクジヘビ (Chaco slug-snake)」と呼ばれるその体、ヘビとナメクジのハイブリッド的体を持ち、より柔軟な体型をしています。
頭部は爬虫類的ではなく、むしろ哺乳類を彷彿とさせ一般的にはイヌに似ているといわれています。
また頭部がイヌに似ているだけではなく、実際に子犬のような鳴き声を上げるといい、これはもしかすると人間を帯び寄せるひとつの罠として使えるかもしれません。
また尾部には2つのトゲを持ち、これは毒針であるとともに仕留めた獲物を串刺しにしておくのに有用と考えられています。
さてこの生物の正体ですが絶滅種を含めこの大きさに達したヘビは存在せず、大きさは少し過大評価されていると考えるのがいいでしょう。
現実的なところではやはり30フィート (9メートル) 前後の大蛇、水辺を好むこと、生息地を考慮するとこたえはひとつ、オオアナコンダ (Eunectes murinus) です。
「ナメクジ」と表現されるのは水中を好み、常に肌が濡れていることからそのように表現されている可能性があります。
但し、頭部と尾部の特徴は全くと言っていいほど当てはまりません。
そこで登場するのがパラグアイに生息する巨大ナマズ、ジャウー (Zungaro zungaro)。
ジャウーは南米最大のナマズではありませんが、1.3メートル、50キロに達し、英語でナマズがキャットフィッシュと呼ばれるようにその頭部は魚類にしては哺乳類的です。
(ピライーバ)
(image credit by Wikicommons)
ちなみに南米最大のナマズはピライーバ (Blachyplatystoma filamentosum) で、非公式ながら体長12フィート (約3.6メートル)、440ポンド (約200キロ) という記録があります。
話を戻しましょう。
ムボイ・ジャグアの尾のトゲはどうころんでもナマズにもヘビにも当てはまりません。
これについては淡水エイが関与している可能性があります。
ムボイ・ジャグアの正体としてもっとも理想的なのは「アナコンダ級の体格を誇りナマズに似た頭部をもつ未確認のヘビ」といった感じでしょうか。
しかし現実的な路線としてはすべて水中でからだの全貌が判断しづらいアナコンダとジャウー、そしてい大型の淡水エイ、これらの複数動物の目撃がムボイ・ジャグアとして集約・ハイブリッド化して誕生したもの、と推測します。
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