2022年10月30日日曜日

パラグアイの「夜の帝王」ポンベロが撮影される


■パラグアイの「夜の帝王」ポンベロが撮影される

南米パラグアイの変態、もとい伝説のUMAポンベロが撮影されました。(動画を貼り忘れてUPしていました。動画は本文最下部にあります)

ポンベロ?

そもそもポンベロってなにんだよ、とお思いの方も多いかもしれません。

ポンベロ (Pombero) とはパラグアイに古くから伝わるUMA、というか民間伝承的な生物で、日本でいうと「河童 (Kappa)」がかなり近い存在じゃないかな。

パラグアイのUMAというよりはパラグアイ発祥の生物といった方が正確で、パラグアイに限らず南米ほぼ全土、特にブラジルやアルゼンチンでは非常に高い知名度を誇ります。

人間よりも小柄なヒューマノイドで直立二足歩行し、UMAでいえばビッグフット等と同じ獣人にカテゴライズできるでしょう。

話はちょっと逸れますが、日本で「カエル男 (Loveland Frogman)」「ヤギ男 (もしくはヒツジ男)(Goatman)」「蛾男 (モスマン, Mothman)」「トカゲ男 (Lizardman)」等、数えきれないほど「〇〇男」とつくUMAがいますが、これは英語の「~man」という名をもつUMAを訳したものです。

「man」を「男」と訳していますが、実際のところこの「man」は性別の「男 (性)」の意というよりは「人」とか「人間」の意に近いと思われます。

「カエル男 → カエル人間」「ヤギ男 → ヤギ人間」「蛾男 → 蛾人間」「トカゲ男 → トカゲ人間」と言った感じですね。

一応、UMAも一種の「未知の野生動物」という定義的側面もありますから、「男性 (オス)」だけでなく「女性 (メス)」もいるのが自然ではあります。

といいつつも、まあ目撃スケッチ等を見ればまさに人間基準では「男」っぽい風貌をしており、「〇〇男」という命名に違和感はまったくないのですけどね。(笑)

さて、なんでこんな話をしたかというとポンベロはそんなUMAの世界ですら両性あるべきという定義から外れ、どうやら「男」しかいないっぽいのです。

多くの場合、ポンベロは「人間に危害を加えないいたずら好きの怪物」として知られていますが、一部の地域では深夜に女性をつけ狙う性犯罪者、もしくはとにかく性欲が強い存在として知られており、また、スペイン語での呼び名は「セニュール・デ・ラ・ノーチェ (Señor de la noche)」と男性の敬称「セニョール」を冠しています。

直訳すると「夜の男」といった感じですが、日本語で表現する場合、ニュアンス的には無類の女好きの男性を指す「夜の帝王」と訳したほうがしっくりきそうです。

(グラシリドリス・ポンベロ)
(image credit by Wikicommons)

またまた話はちょっと逸れますが、この「ポンベロ」という名を学名 (種小名) に持つ生物が実は存在します、南米パラグアイ、ブラジル・アルゼンチンに生息するグラシリドリス・ポンベロ (Gracilidris pombero) です。

これはたまたま名前が被った、なんてものではなく、正真正銘、今回話題にしている民間伝承のポンベロに由来します。

ポンベロ伝説がある地域とまる被りのこのアリですが、「夜の帝王」ポンベロさながら「夜行性」であることにこの由来します。

それではポンベロに話を戻しましょう。

ポンベロにはそういった人間の女性に執着する変態性はあるものの、前述の通り、基本的には人間にとって無害です。

但し、農業を営んでいる人々にはちょっぴり厄介な存在で、農家に侵入しては大好物の蜂蜜をはじめ鶏肉や鶏卵といった農産物を盗んでいくというセコいながらもかなり迷惑なヤツなんです。

なお、民間伝承系・UMA系の生物であるため、壁を通り抜けて家宅侵入するといったパラノーマル (超自然的) な特性も有しており、これを聞くとやはりUMAというよりは妖怪で、実在するわけないだろ!と言われてしまいまそうです。

が!現在話題になっているのです、実在していると。

ポンベロと思われる (いわれる) 生物の動画が撮影されたからです。


2022年9月16日、プエルトリコの首都アスンシオン (Asuncion) で撮影されたといわれる動画、スマホで撮影されたと思われ、かなり解像度が低い上に撮影者と被写体までの距離があり、「ポンベロ」といわれる生物の「出番」はほんの一瞬、さらに動きも敏捷でほとんどなにがなんだかわかりません。

「ポンベロ」は建物内で手前 (撮影者側) に向かって何かを乗り越え、四つん這いで画面右側に向かって走り去っていく、といったものです。

障害物を乗り越えるときは二足歩行の生物、つまりヒューマノイド風に見えますが、障害物を乗り越え警察と対峙すると四つん這いになっている感じがします。

その後、警察と思われる人物が発砲していますが、短い動画ですしその後「ポンベロ」がどうなったのか分かりません。

四つん這いになる瞬間、尻尾のように見える部分も確認できますが、単に後肢かもしれません。

サルの可能性もあれば、人間が演じているフェイク動画の可能性もあります。

否定はしませんが、この動画のみでポンベロが実在するというのはちょっと厳しい感じですね。




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2022年10月23日日曜日

亡霊犬、ブラック・ドッグの実在は説明できる? ~ 黒犬


■亡霊犬、ブラック・ドッグの実在は説明できる? ~ 黒犬

今回もイギリスのクラシックな陸棲UMAを紹介しましょう、黒犬です。

UMAとは思えないほどシンプルな名前ですが元がブラック・ドッグ (Black Dog) なのでどうしようもありません。(笑)

とはいってもこの名前は厳密にいえば「総称」です。

というのも、黒犬の伝説はイギリスのほぼ全土から伝えられており、「〇〇のブラック・ドッグ (〇〇は地名)」といったように目撃地域の名を冠したり、「ブラック・シャック 」(Black Shuck) や「ダンドズ・ドッグ (Dando's dogs)」「ガブリエル・ハウンズ (Gabriel Hounds)」といった地域によって固有の名称をもつ場合があるからです。

取り敢えず「黒い犬」にまつわる伝承は「黒犬」と総称されていると思ってください。

前回紹介したABCことエイリアン・ビッグ・キャットは本来、体色に決まりはないものの、その多くの目撃が黒であることから「黒い体色の大型ネコ科動物」といっても間違いではありません。

一方、黒犬も名前の通り体色は黒であり、巨大な犬のような姿をしているといわれています。

黒犬というUMAを知らない人がこの名を聞けば、その響きから前出のエイリアン・ビッグ・キャットの「犬バージョン」と思うかもしれません。

中にはABCさながら、黒犬のこともエイリアン・ビッグ・ドッグ (Alien Big Dog)、ことABDとでも呼べばいいのに、なんて思う人もいるかもしれません。

しかし、黒犬とABCは犬と猫の違いどころではなく、まったく性質の異なるUMAなんです。

それどころか黒犬をUMA (未確認生物) と呼ぶことすら躊躇するほどです。

その存在としてのタイプはアメリカのジャージーデビルが似た存在といえるかもしれません。

ABCが「未知の大型ネコ科動物 (もしくはイギリスに生息しない既知種の大型ネコ科動物)」であるのに対し、黒犬は「黒い犬のような姿をした霊的な存在」と考えられているからです。

巨大な黒い犬のUMAというよりは黒い亡霊犬と言った方が近いかもしれません。

ほぼ英国全土から目撃や伝承が伝えられる黒犬は地域により特性は異なるもののその存在は「不吉」で「悪魔」的であり「死」の化身で一部の例外を除いては人類にはフレンドリーな存在ではありません。

バリエーションに富み捉えどころのないUMAで、前述したとおり「霊的な存在」である所以は突然出現したかと思うときりのように消えてしまうという神出鬼没な特性も多く伝えられているからです。

各地方の黒犬伝説を紹介していたら一冊の本になってしまうほどですので、今回は黒犬伝説の中でもおそらくもっとも有名と思われるバンゲイ (Bungay) の惨事をピックアップしましょう。

バンゲイはイギリスのサフォーク (Suffolk) にある5000人ほどの人口の小さな町です。

それは1577年8月4日のこと、豪雨降りしきる中、バンゲイのセント・メアリー教会 (St Mary's Church) に雷鳴 (もしくは落雷) と共に黒犬は突如出現すると、黒犬は成人男性と少年を殺し教会の屋根を突き破って外へと飛び出します。

2人を殺害する程度では満足できなかったのか黒犬は今度はブライスバーグのホリー・トリニティ教会 (Holy Trinity Church)  に現れ、ミサに訪れていた3人を殺し、さらに多くの人々を負傷させ突如消え失せたといわれています。

ちなみにバンゲイの黒犬は「ブラック・シャック」という固有の名を持ちます。

16世紀の話であり、突然現れて突然消えてしまうという神出鬼没性、まったく荒唐無稽なつくり話に聞こえます。

しかし、、、

バンゲイの惨劇に限ったことではなく、黒犬は「雷雨」のときに多く現れると (目撃される) という伝説もあります。

(球電現象)

旧サイト (UMAファン ~ 未確認動物) でも書きましたが、この黒犬の正体のひとつとして「球電」現象があげられます。

球電とは発光する球体が空気中を彷徨う物理現象で、決して心霊現象ではありません。

球電は英語のボール・ライトニング  (Ball lightning) の直訳で、その名の通り、ほとんどは球形の発行体ですが稀にいびつ (洋ナシ形) な形をしている場合があります。

色も一定ではなく赤みがかったものから、青みがかったもの、オレンジ色のもの等様々です。

大きさはたいてい直径20センチ前後、ただし1メートルを超える巨大なものもあります。

(球電現象)

んで、球電と黒犬、なんの関係があるのかと?

球電はその多く、というかほとんどの場合、大気が不安定なとき、特に雷雨の場合に目撃されます。

目撃されることは非常に稀、突如現れたかと思うとフワフワと彷徨い、そして破裂 (もしくは爆発) と共に消え失せます。

球電の寿命は長くても1分程度、ほとんどは数秒程度で消え失せ、そのほとんどは屋外で確認されるものの稀に窓や扉といった遮蔽物をすり抜け室内に入り込むことも確認されています。

飛行機内に現れたこともあるとか。

球電はいまだにはっきりと解明されていない現象であり、そもそも「球電」と呼ばれているすべての事例が本当にすべて同じ現象に属するものなのか、それとももっと細分化されるべきものなのかすら不明です。

一般的に発熱は伴わないといわれていますが、熱いというものや発火させたというもの、消え失せた時に焦げ臭いにおいを残すといった事例もあります。

多くの場合、黒犬は雷雨時に突如現れ、そして突如爆発して消えるともいわれており球電と似たような特性を持ちます。

黒犬の伝説自体は15世紀前後からあるともいわれており、黒犬伝説の先入観を持つ人々がめったなことでは見られない球電現象を目撃し、黒犬伝説と結びつけた可能性も否定できません。

そうそう、バンゲイの惨劇の証拠といわれるホリー・トリニティ教会の扉の焦げは今でも確認できるのですよ。

(黒犬が現れた証拠というホリー・トリニティ教会の扉に残る焦げ跡)
(image credit by Wikicommons)


(参照サイト)

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2022年10月21日金曜日

イギリスを彷徨う大型ネコ科動物 ~ エリアン・ビッグ・キャット (ABC)


■イギリスを彷徨う大型ネコ科動物 ~ エリアン・ビッグ・キャット (ABC)

今回はクラシックな陸棲UMA、エイリアン・ビッグ・キャット (Alien Big Cat)、語呂のいい頭文字から単にABCとも呼ばれます。

たびたび紹介していますが、ABCはいわゆる「テレポート・アニマル」の一種です。

テレポート・アニマルとはその生物自体は既知の生物であるものの、土着の生息域以外で目撃されるUMAのことで、海外では「テレポート〇〇」ではなく「ファントム〇〇」と呼ばれるのが通例で、エイリアン・ビッグ・キャットもファントム・キャット (Phantom Cat) と呼ばれることもあります。

上記の通り、日本での呼び名はエイリアン・ビッグ・キャットもしくはABCが多いですが、現在の海外での呼び名は一般的にブリティッシュ・ビッグ・キャット (British Big Cat)です。

また、同じABCという頭文字も「エイリアン・ビッグ・キャット」の略ではなく「アノマラス・ビッグ・キャット (Anomalous Big Cat)」の略である場合もあります。

ちなみに「アノマラス (Anomalous)」は「異常な・変則的な」の意です。

さて名前の話が長くなってしまいましたがABCそのもののお話をしましょう。

ABCの姿は一言でいえば「大型ネコ科動物」です。

特に日本のUMAファンの間では体色が「黒」のイメージが強いかもしれませんが、実はABCに決まった体色があるわけではありません。

とはいえ、体色が黒の個体の目撃や写真が多いのもまた事実、一般的にABCは「英国で目撃されるクロヒョウ」というイメージも遠からず、です。

UMAらしく(?)、ABCに超自然的な存在、例えばテレポートするといった神出鬼没性を付加している記載も見られますが、この記事では単に「イギリスに存在しないはずの既知動物」として扱いますね。

ABCのはじめての目撃は18世紀に遡るほど古く、それ以降、現在に至るまでイギリスではもっとも目撃例の多いUMAです。

北米のビックフットほどではないですが、毎年何度も話題に上るUMAです。

現在、イギリス (グレートブリテン島) にライオンやヒョウ、トラやピューマといったいわゆる大型ネコ科動物は生息していないため、それがなんであれイギリスで大型のネコ科動物が目撃されればUMAといえます。

(オオヤマネコ)
(image credit by Wikicommons)

但し、大型ではありませんが中型のネコ科動物、オオヤマネコ (Lynx lynx) はつい数百年前までイギリスにも生息していました。

イギリスでは滅んでしまったものの、ヨーロッパオオヤマネコ (シベリアオオヤマネコ) は現存種であり、食物連鎖の頂点を失ったイギリスでは現在再導入を検討しています。

体長は大型のもので1メートルを超しますから、万一、滅んだと思ったオオヤマネコの個体群がどこか細々と生き残って居ようものなら、現代で目撃された場合、未確認動物として認識されてもなんら不思議ではありません。

実はイギリスでオオヤマネコの捕獲は散発的に起きており、おそらくは何らかの形でイギリス国内に持ち込まれたものが脱走したものではないかと思われます。

(アメリカライオン)
(original image credit by Wikicommons/Dantheman9758)

いやいやいや、ABCはもっと大きい!とさらなる夢を追い求めるならやはりUMAの真骨頂、絶滅種の生存説がいいでしょう。

その中でも、かつてイギリスにも生息していた大型ネコ科動物、ホラアナライオン (Panthera spelaea) であったりヨーロッパホラアナライオン (Panthera leo fossilis) はその候補としてうってつけではないでしょうか。

ヨーロッパホラアナライオンは現生ライオンよりはるかに大きく、尾を含めず2.5メートル、史上最大のアメリカライオン (Panthera atrox) と互角の巨大ライオンでした。 

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