■一見すると、ふつう過ぎるほどふつうの哺乳類系UMA ~ ワイトレケ
今回はワイトレケ(Waitoreke)。
ワイトレケはニュージーランドの南島に伝わる水棲UMAで、カワウソやビーバーに似ているといいます。
少なくとも18世紀からその目撃があり、マオリ族はワイトレケをペットとしていたとも言われています。
― 一見すると普通の動物 ―
ワイトレケは決して巨大生物ではなく、なんならカワウソやビーバーよりむしろ小柄で、かといって化け物じみた奇妙な容姿をしているわけでもありません。
その代わり、テレパシーで人間に話しかける……なんてオカルト的超能力を秘めているわけでもありません。
UMA=怪物(的)、という図式にはまったく当てはまらず、いったいどこがUMA的なのか?
それは、そういう小柄なカワウソみたいな動物を見ただけでしょう?
― ニュージーランドの哺乳類事情 ―
まずニュージーランドにはカワウソも棲んでいなければビーバーも棲んでいません。
というかニュージーランドに生息している固有の哺乳類は、ニュージーランドオナガコウモリ(Chalinolobus tuberculatus)、オオツギホコウモリ(Mystacina robusta)、ツギホコウモリ(Mystacina tuberculata)の3種のコウモリのみ。
(絶滅が危ぶまれるオオツギホコウモリ)
しかもツギホコウモリ以外はクリティカルで、特にオオツギホコウモリは1965年以来、50年以上目撃がなく、絶滅した可能性も示唆されています。
話が逸れました。
とにかく生粋の陸生哺乳類も、水棲(淡水)の哺乳類もニュージーランドには存在しません。
つまり、大きかろうが小さかろうが、カワウソやビーバーに似た哺乳類そのものがいるはずがないのです。
― 外来哺乳類という可能性 ―
先住民族マオリ族がニュージーランドに渡ったのは9~13世紀ごろと考えられており、それと共にナンヨウネズミ(Rattus exulans)と犬も渡ってきたと考えられていますが、カワウソやビーバーにはあまり似ているとはいえません。
17世紀以降はヨーロッパ移民が多くの哺乳類(ウシ・ブタ・ヒツジ、イヌ、ネコ、フェレット、オコジョ、ネズミ等)を持ち込んだため、その限りではありません。
しかしカワウソやビーバーの持ち込みはなく、もともとワイトレケもカワウソよりも小さいといわれているため、おそらく別種でしょう。
― フクロネコ説 ―
ワイトレケの有力な候補として、ニュージーランドに導入を試みられたフクロギツネ(Trichosurus vulpecula)、ハイイロリングテイルポッサム(Pseudocheirus peregrinus)、そして導入を試みられた可能性がある種としてフクロネコ(Dasyurus viverrinus)がいます。
(フクロネコ)
(image credit : Wikicommons)
特に「ワイトレケの毛皮」なるものが存在し、その毛皮は茶色で白の斑点があることから、フクロネコのそれに似ています。
但し、フクロネコの導入の記録は不確かであり、もちろん現在でもニュージーランドにフクロネコは繁殖しておらず、なんともいえません。
また、そもそも「ワイトレケの毛皮」と呼ばれるものは、本当にワイトレケと呼ばれていた生物のものなのか。
もしかすると、本当はオーストラリア本土で採取された、ただのフクロネコの毛皮かもしれません。
それに加え、毛皮の斑点模様は、この毛皮でのみ確認されているワイトレケの特徴です。
では仮にその毛皮がフクロネコだったとして、水棲でもないフクロネコをワイトレケと見間違うものか?という新たな疑問も起こります。
こういった事情もあり、何の変哲もなさそうな小さなカワウソ似のUMA、ワイトレケは謎が謎を呼ぶ不思議な生物なのです。
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