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2019年11月19日火曜日

オスのペニスを食いちぎる、3メートルのワーム ~ ボビットワーム (オニイソメ)


■オスのペニスを食いちぎる!? ~ ボビットワーム (オニイソメ)

― 環形動物の世界 ―


ミミズは環形動物 (かんけいどうぶつ) に属しますが、その中で毛(剛毛)が目立たないものは「貧毛類」というグループに入ります。

一方、剛毛が目立つ環形動物は「多毛類」と呼ばれ、すべて海に生息します。

多毛類はゴカイやイソメの仲間で、小型のものは若干ムカデっぽくなるものの、「海のミミズ」といった感じで、ミミズと大差ありません。

(image credit : YouTube "zefrank1")

― 最大種オニイソメ ―


しかし、その中の最大種オニイソメ (Eunice aphroditois、ボビット・ワーム) は、同じ環形動物とは思えないほど強烈な姿になります。

生息するのは水深10~100メートルほどの砂の中で、からだの大部分は砂に隠し、頭部のみ海底から突き出して頭上を通る獲物を待ち伏せします。

大きな鋭いアゴを目一杯に広げ、二つの目と五本の触角で獲物を感知。

「鬼」を冠する和名に恥じない凶暴な性質で、自分よりはるかに大きな魚やタコ、ウツボなども毒と鋭い牙で一瞬で仕留めます。

大きさも鬼的で、2009年1月には和歌山県白浜町・瀬戸漁港に浮かべられたイカダの発泡スチロール製ウキの中から、体長3メートル、幅2.5センチのオニイソメが発見されています。

通常寿命は5年程度といわれますが、これだけの大きさに成長するには最低でも10年以上かかるのではないかともいわれています。環境がよければ成長スピードも速いのかもしれません。


― 名前の由来:ロリーナ・ボビット ―


さて、オニイソメの英名、ボビット・ワーム (Bobbit worm) は、ロリーナ・ボビット (Lorena Bobbitt) 氏に由来します。

ボビット氏はオニイソメの発見者でも研究者でもなく、オニイソメに縁もゆかりもない人です。

彼女は、暴行を受けた夫ジョン・ウェイン・ボビット (John Wayne Bobbitt) 氏への復讐として、夫のペニスをナイフで切り落とし、その裁判は世界的に知られることとなりました。

(image credit : Xanth Huang/Wikimedia)

では、なぜ彼女の名がオニイソメに?

オニイソメには「交尾後、オスのペニスを食いちぎる」という俗説があり、これはロリーナ・ボビット氏の事件を彷彿させることから名付けられたと言われています。

しかし、カマキリやクモ、サソリなど、交尾後にオスを食べる生物は多く存在しますが、ペニスだけを狙うというピンポイント攻撃は聞いたことがありません。

しかも、なぜそこだけ狙うのか? 黙って食べられるオスもどうかと思います。

オニイソメの摂食風景を見ても、そんな繊細な動きができるとは思えず、おそらくこれは俗説以上のものではないでしょう。

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