2022年10月13日木曜日

ニュージーランド近海をカバが泳いでいる? ~ カバゴン


■ニュージーランド近海をカバが泳いでいる? ~ カバゴン

今回は「カバゴン (Kabagon)」

「〇〇ゴン」という名前で分かる通り、日本のUMA、、、ではないんですね。

ニュージーランドのUMAなんです。

海外のUMAとは思えないほど日本風な名前ですが、実は目撃も命名も日本人によるものだからです。

日本のUMAの名前は、湖を中心とする水棲のものは「〇〇シー」、獣人をはじめとする陸棲のものは「〇〇ゴン」と命名されるのが一般的です。

というわけで陸棲のUMAかと思いきや、これまた裏切り実は海で目撃された水棲UMAです。

UMA好きにしてみたら「カバゴン」という響きから「日本の陸棲のUMA」と思ってしまいますが「海外の水棲UMA」なんですね。

さてそれではカバゴンとはどんな生物か。

目撃されたのは1971年4月、目撃したのは日本の漁船乗組員たち複数です。

ニュージーランド最大の都市は言わずと知れた北島のオークランド (Auckland) ですが、南島最大の都市はクライストチャーチ (Christchurch) で、カバゴンはこのクライストチャーチ沖で目撃されました。

乗組員たちによれば、確認できたのは水上に現れた1.5メートルほどもある頭部で、当然カバではないものの「カバ」のような印象を受けたと証言しています。

参考までに1958年、ニュージーランドにほど近い南極でも似たようなUMAが目撃されています。

南極観測船「宗谷 (そうや)」の日本人乗組員たちがウシのような特徴を持つ水棲UMAの目撃をしており、日本では「南極のゴジラ」と呼ばれています。

カバゴンに戻りましょう。

カバゴンはカバのような印象を受けたことから命名されたものの、実は牙のないセイウチ (Odobenus rosmarus) に似ていたともいわれています。

(ミナミゾウアザラシ)
(image credit by Wikicommons)

実際、目撃スケッチではカバといよりはセイウチやアシカ、オットセイ等の鰭脚類 (ききゃくるい) を彷彿とさせるものです。

但し、セイウチは北半球にしか生息していませんから、他の鰭脚類を検討してみましょう。

ニュージーランド近海に生息する鰭脚類でもっとも有名なものはニュージーランドアシカ (Phocarctos hookeri) です。

オスの体長は2メートルを超え、それなりに大きいですが目撃証言の頭部付近だけで1.5メートルという巨大さを考えると少々物足りません。

規格外に成長したニュージーランドアシカでは?というのもUMA的な考え方としては十分「あり」です。

しかし既知動物にもっといいのがいます、ミナミゾウアザラシ (Mirounga leonina) です。

オスの最大体長は6.85メートルと巨大で、基本は南極圏が生息域ですがニュージーランドにも時折上陸します。

キタゾウアザラシ (Mirounga angustirostris) ほど鼻は大きくないですが、頭部は見ようによってはカバ的ともいえます。

といわけでカバゴンの正体は既知生物の誤認であれば鰭脚類、その中でもミナミゾウアザラシが筆頭かな。

それに加えニュージーランドアシカ、そうそうヒョウアザラシ (Hydrurga leptonyx) も悪くありません.

ヒョウアザラシの体長は大きなもので3.5メートル、南極大陸に生息する鰭脚類ですが、こちらもまたミナミゾウアザラシ同様、たまにニュージーランドに遊びに来るとか。

いずれにせよ上記に挙げた鰭脚類、また生息域から少し外れますがジュゴン (Dugong dugon) の可能性もほんの僅かばかりあるかもしれません。

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