「まったく信じがたいような話ですが、世界最大の発見の一つとなるでしょう。
私も潜水艇に乗り込んでいたのですが、海蛇がぶつかってきた時には、すっかり殺されると思ったほどです。
よく潜水艇がもちこたえてくれたものです。
同僚のイワン・シルコフ博士も、潜水艇の観察窓ごしに怪物を目撃しましたが、頭部だけで少なくとも直径三メートルはありました。
でも、なんといってもすごかったのは、キバです。
コブラに似たキバですが、はるかに大きいのです」
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今回は謎過ぎるUMA、黒海の巨大シーサーペントです。
ソ連の研究用潜水艇アカデミック・シルシェフ号は、ソ連科学アカデミー所属の海洋生物学者アレクセイ・ゴルベフ博士、イワン・シルコフ博士ら総勢12名を乗せ、3ヶ月に及ぶ黒海の探索に向かいました。
時期は不明ですがソ連 (ソビエト連邦) 時代の話ということなので1991年以前ということになります。
この探索でシルシェフ号は謎の巨大海洋生物に遭遇することになります。
いわゆるシーサーペントと総称される海蛇タイプのUMAです。
12日間で3度の目撃があり、潜水艇にシーサーペントが体当たりしてきたのは3度目の目撃時であったといいます。
冒頭のコメントはゴルベフ博士がその遭遇時の様子を語ったといわれるもので、「雑学 世界の謎と不思議 (平川陽一 著)」に掲載されています。
(トルコ側から見た黒海)
(image credit be Wikicommons)
「この巨大海蛇は、カメラで撮影されただけでなく、調査船のソナー装置によってもキャッチされたというが、その結果、体長50メートル弱とわかっている」
という文章で締められています。
ソナーに写真の存在!それになんといっても生物学者が目撃している!
UMAファンであれば俄然色めき立つものの、ロシア政府の陰謀論かどうかわかりませんが2023年現在、いまだにソナーの記録も写真もお目にかかることができません。
というか、そもそもこのUMAを「謎過ぎる」と呼んだのには理由があります。
潜水艇、博士らの名称もロシア系の違和感のないものですが、これらのキーワードを使っていくら検索しても海外サイトで元ネタがヒットしないからです。
この本の発行年月日は1993年7月1日となっており30年前のものですが、古き良きUMA本、というほど昔のものでもありません。(他にも古いUMA本にはこの話が散見されていたように思います)
まあ、(自分はロシア語は全く分からないので) ロシア語サイトを検索していないために元ネタを見つけられていない、という一縷の望みは残っていますが。
しかし、ふつうはどこの国のUMAであろうと欧米のサイトには載りますので、このUMAは日本で創作された可能性が否めません。
創作系のUMA自体はUMAという性質上、そう珍しいものではありませんが、仮にこの「黒海の巨大シーサーペント」がそうだとすれば、「スクリュー尾のガー助 (ハーキンマー・モンスター)」にならぶ海外が舞台かつ日本発というなかなか珍しいものです。
(参考書籍)
雑学 世界の謎と不思議 (平川陽一 著)
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