今回はエジプトに生息するというトカゲ、ジーシュー・リザード (ジー・シュー・リザード, Gee-shew Lizard) が主役です、アガマ属 (Agama) の一種だといいます。
アガマ属のトカゲはすべてアフリカに生息しており、現在37種類が知られています。
概ね小柄なトカゲで、赤と青の鮮やかなツートンカラー、スパイダーマン配色で有名なオスのムワンザ・アガマトカゲ (Agama mwanzae) も和名からも推測できるように、アガマトカゲの仲間です。
(ムワンザ・アガマトカゲ)
(image credit by Wikicommons)
アガマ属の中でもひときわ小柄なのがジーシュー・リザード (ジーシュートカゲ) で、成体でも体長はわずか1インチ (約2.5センチ) しかありません。
しかし侮るなかれ、この小柄な体こそジーシュー・リザードの真骨頂、夜行性の彼らは、口を開けて眠る人間こそがかっこうの標的です。
熟睡した人間の口元に近寄ると、顔をよじ登り素早く口の中に飛び込むと、即座に喉を通過し、食堂を経て胃の中に入り込みます。
いくら小さいといえど2.5センチほどあるのです、それなりに違和感を感じることでしょう、しかし、のど元過ぎればなんとやら、本来の意味とは違いますが、熟睡した人間にとってわすかばかりの眠りの妨げにはなるものの、多くの人はそのまま再び眠りに落ちることでしょう。
いや、その時目が覚めたとしてもすでに手遅れなのですが。
ジーシューに潜入された人間は、たとえそれがどんなに疲れ切って熟睡していたとしても、朝早くに「強制的に」目覚めることになります、謎の胃の激痛によって。
人間の胃酸に耐性のあるジーシュー・リザードは、そのまま胃の内壁を貪り喰い、続いて腹部の筋肉組織、皮下脂肪と喰い進みます。
4日間に渡る激痛、その痛みの源であるジーシューはフィナーレに腹部の皮膚を食い破り外界へと脱出、犠牲者は過度の内出血により多くの場合死亡します。
エジプトでは少なくとも112人がシーシューにより命を落としたといわれています。
と、旧サイトを読まれている方なら知っている人もいるかもしれませんが、こんなトカゲは存在しません。(笑)
この記事は1996年のウイークリー・ワールド・ニュース (Weekly World News) の記事で、ついこの前書いた巨大バッタの記事もこのアメリカの週間タブロイド紙のものです。
UMA、UFOを含む超常系のネタはほとんどがフェイクであり、特にフィクションとの注記はありませんが、ジーシュー・リザードもフェイクと考えて間違いありません。
但し、ジーシューリザードよりも小柄なトカゲは実在するんですよ。
せっかくなので紹介しましょう。
トカゲといえばUMAでも定番ですし、特に大型種はUMAの正体のひとつと考えられることも多々あります。
最大で3メートルにもなるコモドドラゴン (コモドオオトカゲ, Varanus komodoensis) なんかは特にいい例です。
ですが今回は真逆、最小のトカゲです。
世界一小さな爬虫類はマダガスカルで最近になって発見されたナノヒメカメレオン (Brookesia nana) で頭胴長 (尾を含めない体長) は13.5ミリ、尾を含めても21.6ミリしかありません。
(ハラグア・ドワーフ・ヤモリ)
(image credit by Wikicommons)
カメレオンもトカゲの仲間ですが、もっとトカゲトカゲしている、いわゆるトカゲらしいトカゲの最小種はハラグア・ドワーフ・ヤモリ (Jaragua dwarf gecko, Sphaerodactylus ariasae) (ハラグアヤモリ? アラグアヤモリ?) で、頭胴長14~16ミリとナノヒメカメレオンにわずかに及ばずも、爬虫類最小種のひとつです。
ジーシューの体長は25ミリなのでハラグア・ドワーフ・ヤモリのほうがさらに小さいです。
ハラグア・ドワーフ・ヤモリはその名前の由来にもなっているドミニカ共和国のハラグア国立公園 (Jaragua National Park) やベタア島 (Beata Island) に生息しています。
残念ながら?人間の口から侵入し胃から人間の体内を食い荒らすということはなく、より小さな昆虫、そして果物を食べているようです。
かわいいですね。
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これ確か小学生の頃に旧ブログで読んで、オチを忘れたせいで本当にいると思ってビビってた時期がありましたw
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