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2020年1月31日金曜日

北米の砂漠地帯で目撃されるラクダ ~ ゴースト・キャメル


■北米の砂漠地帯で目撃されるラクダ ~ ゴースト・キャメル

ラクダといえば中東の砂漠地帯に生息するイメージですが、実際は人為的に持ち込まれて中国やオーストラリアなどでも野生化しています。

そうはいっても北米とラクダはやはり結びつきません。

しかし、もともとラクダの祖先は北米大陸から発生しており、体高3.5メートルを誇る絶滅した巨大ラクダ、ティタノティロプス (Titanotylopus) も北米に生息していました。

ティタノティロプスは近いうちに記事にする予定があるのでここでは詳しく書きません。

ティタノティロプスは3万年ほど前に絶滅してしまいましたが、カメロプス・ヘステルヌス (Camelops hesternus) にいたっては更新世の後期、約11000年前まで北米に生息していました。

そんな中、アメリカの南西部、ネバダ州、アリゾナ州、テキサス州といった日本人でも砂漠のイメージのあるこれらの州の砂漠地帯でラクダの目撃情報があります。

民間伝承としても伝えられるこの広範囲で目撃されるラクダたちは、ゴースト・キャメル (Ghost camel) と総称されます、存在するはずのないラクダたちだからです。

正体をめぐりいくつかの説があります。

1つ目は単純に超常的な現象と考えるものです。

ゴースト・キャメルという呼び方はおそらく幽霊船ことゴースト・シップ (Ghost ship) にならった呼び名であり、心霊現象のひとつとしてとらえているのでしょう。

人を乗せたラクダの群れが夜な夜な出没する、などといった目撃情報があるようであれば説明がつかず心霊現象ととらえられても仕方ないことでしょう。

2つ目は絶滅したと思われていたラクダが細々と生き残っていたのでは、という説です?

UMA的にはそういった説が好まれますし、恐竜などと違い「わずか」11000年前まで北米の大地を闊歩していたことを考えるとその可能性も考えたくなります。

そして3つ目は上記2つと比べるとより可能性を感じる説です (といってもかなり確率は低いものですが)。

実は19世紀半ば、アメリカでもヒトコブラクダの導入をしています、ラクダの軍隊、つまり駱駝騎兵 (らくだきへい) を組織する計画があったからです。

2回に分け、計77頭のラクダが輸入されました。

ラクダ軍を組織したのは英雄エドワード・フィッツジェラルド・ビール (Edward Fitzgerald Beale) 中尉、ラクダをカリフォルニアに連れてくると調教師にラクダの調教を委ねます

ビールはラクダ軍の導入は正解だったと宣言するものの、実際はラクダの調教師を蹴る、噛じる、唾を吐きかける等、まったく手に負えない存在だったようです。

ビールは有事 (モルモン教徒との戦争) の際にラクダを使うため、とカリフォルニアに留めたものの、ラクダ軍が戦争に使われることはなかったといいます。

ただし、この後に起きた南北戦争で (運搬や悪路の移動等かもしれませんが) ラクダが戦争に使われた可能性はあるようです。

さて、どうにも使い物にならないラクダですが、導入した手前格好のつかない軍はラクダの有効利用を画策しました、ラクダエクスプレス (camel express) です。

つまりはラクダの宅配便です。

ラクダが重い荷物を物ともせずに運べることに着目したのです。

また、のんびり顔でゆっくり歩いているイメージですが、瞬間的に出せるスピードは凄まじく、時速65キロも出すことができます。

驚異的な積載能力、馬にも劣らぬスピード、砂漠も渡り切る無尽蔵の体力、ラクダの宅配サービスはラクダ導入の失敗をもみ消すに十分です。

ラクダ、それはまるで宅配便をやるために生まれてきたような動物、なぜこんな簡単なことに気づかなかったのでしょう。

しかしラクダエクスプレスが実用化されることはありませんでした。

導入前の試験段階で頓挫したのです。

たしかに瞬間的に速度は出せますが、当然ながら常時出せるわけもなく、スピードを重視し無理やり走らせまくった結果、ラクダエクスプレスの試験に使われたラクダたちは疲労がたたり全滅してしまいました。

人間のエゴに散々振り回された挙げ句、生き残ったラクダたちはもう使い道がないと人知れずそのまま野に放たれたといいます。

それでも20世紀初頭まではなんとか目撃証言があったといいますが、その後目撃は絶えおそらく死に絶えたものと考えられています。

とはいえ、当然ながら野に放ったラクダたちは追跡調査されるわけもなく、その後かれらがどうなったかなど正確に知る人はいません。

そう、ゴースト・キャメルの正体はかれらが野生化に成功した末裔かもしれないのです。

(参照サイト)
Weird California

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2020年1月30日木曜日

ガンジス川の9メートルの伝説の巨大青ウナギ


■古来より伝わるガンジス川に生息する9メートルの巨大青ウナギ

海の魔物、クラーケンは全長2キロメートルだとか小島ほどの大きさ等、とても大きさだけを聞くと現実感の乏しいUMAですが、その多くは頭足類の特徴を有しており、ダイオウイカ等が誇張されている可能性があります。

実はガンジス川にもクラーケンを思わせる伝説的生物の目撃情報があります、巨大青ウナギです。

(ダイオウホウズキイカ)
(image credit by The Christian Science Monitor)

そのウナギは全長は300フィート (約91メートル) とやはり現実感に欠けるものですが、もともとは3世紀頃のイタリア人ラテン文法学者ガイウス・ユリウス・ソリヌス (Gaius Julius Solinus) が自身の著書「世界の驚異 (De mirabilibus mundi)」において30フィート (約9.1メートル) の巨大ウナギとして登場させたのがはじめだといいます。

伝聞が伝聞を重ね300フィートまで巨大化してしまったようです。

とはいえ30フィートでもよっぽどな大きさですが、300フィートよりはまだ現実感があるのでこの怪物の体長は30フィートとしておきましょう。

もう一つのハードルが体色の「青」です。

ウナギはそれほど派手な体色をしておらず、やや青みを帯びている個体はいるものの多くは黒から暗褐色といった感じです。

この体色からガンジス川の巨大青ウナギの正体を、より体色の派手なウツボとする説もあります。

ちなみに最大のウツボはオナガウツボ (Strophidon sathete) の体長4メートル、長さでは及ばないもののドクウツボ (Gymnothorax javanicus) は3メートル、30キロという記録があります。

他にウナギの仲間で巨大になるものはアナゴ

以前に紹介した巨大アナゴは6メートル (実際にはせいぜい3メートル程度とも) という巨大さで大きさ的には十分です。

(巨大ヨーロッパアナゴ)

ただしウツボもアナゴも基本海生であり、汽水域程度ならまだしもがっつりガンジス川に生息しているとはなかなか考えづらいところです。

さらにいえば、ガンジス川にウナギが生息しているかどうかもわかりません。

捕獲情報ではなくあくまで目撃情報ということを考えると、ガンジス川の巨大青ウナギの正体は巨大なナマズの誤認であった可能性も考えられます。

近年のガンジス川は汚染がひどく、ガンジス川に生息する大型の生物のひとつ、ガンジスカワイルカ (Platanista gangetica) も絶滅の危険にさらされています。

現在の環境では大型の生物はより住みにくくなっていることでしょう。

現在と比べれば遥かに綺麗であったであろう3世紀のガンジス川において、30フィートは難しいにしろそれに準ずるような巨大なウナギ、もしくはナマズが生息していたのかもしれません。

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2020年1月28日火曜日

インドで目撃される小さなゾウ ~ カラナ (カッラナ)


■インドで目撃されるピグミーゾウ ~ カラナ (カッラナ)

ゾウのUMA (未確認動物) もいくつかいますが、その中から今回はカラナを取り上げます。

インドのケララ地区に住む少数民族、カニ族 (kani tribe) によれば大人になっても体高1.5メートルほどにしか成長しない小型のゾウが住んでいるといいます。

このインドゾウ (Elephas maximus indicus) よりも遥かに小さい謎のゾウはドラヴィダ語
のひとつマラヤーラム語カラナ (Kallana) と呼ばれます。

カラナという呼び名は石や岩を意味する「カルー (Kallu)」とゾウを意味する「アアナ (aana)」に由来しますが、これはこのゾウがケララ地区南部にあるペッパラ野生動物保護区 (Peppara Wildlife Sanctuary) の岩場に生息するからです。

(original image credit by Sali Palode)

小型であるため、本来ゾウが苦手とするきつい傾斜の地形をものともせず、また動きもより敏捷であるといいます。

目撃地域からもおそらくはインドゾウの苦手とする生息地をテリトリーとし、うまく住み分けが出来ているものと思われます。

UMAとしては珍しいことに何枚も写真が撮られてます。

そこまでしてもこの謎のゾウがUMAの域を出ないのには理由があります。

それはカラナがインドゾウのミニチュア版、つまりからだが小さいこと以外、小柄なインドゾウと差別する顕著な身体的特徴を持たないからです。

つまりカラナはピグミーゾウではなく、単にインドゾウの子供なのではないか?

もしくは遺伝的な疾患 (小人症等) で大きく成長しないインドゾウの個体に過ぎないのではないか?とも考えられるからです。

今までに撮影されたカラナの写真はすべて単独で行動しているもので、そこからも疾患説を補強するものと考える研究者も居ます。

単独でなく、群れを撮影すれば文句なく存在を証明できます。

しかし、カラナの撮影に成功した野生動物写真家サリ・パロード (Sali Palode) 氏とパロードを案内したカニ族のマラン・カニ (Mallan Kani) 氏は群れも見たと主張しており、その存在は期待されます。

なぜ写真家が同行しているのに群れの写真を撮れなかったのか?という指摘もあるかもしれません。

その理由は分かりませんが、あまりに思いもかけない場所で出会ってしまったとか、カメラがちょうど調子よくなかったとか、良心的に考えましょう。

(参照サイト)
Strange Animals Podcast

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