2030年12月31日火曜日

このサイトについて



「くりぷと〜世界の奇妙な住人たち」は世界中のUMA(未確認生物)、絶滅種を含む不思議な動物 (珍獣) や植物、巨大生物、それに加えゴーストやUFO、そして昆虫食をはじめとする奇妙な食材や料理などを紹介しているサイトです。

特にUMAをメインとし、超メジャーなものから日本ではあまり馴染みのない超マイナーなUMAも数多く紹介しています。

不思議なお話が好きな方はどうぞごゆっくりご鑑賞ください。

2024年3月19日火曜日

忘れられた芦ノ湖のレイク・モンスター ~ アッシー


■芦ノ湖のレイク・モンスター ~ アッシー

神奈川県最大の湖、芦ノ湖。

約3000年前に火山の噴火によりできたカルデラ湖で非常に歴史の浅い湖です。

最大水深43メートル、平均水深15メートルのこの湖に巨大生物が棲んでいるといいます。

そのレイク・モンスターの名はアッシー (Assie, Lake Ashino Monster)、忘れられしモンスター。

ネッシーから始まるUMAブームに乗って登場したアッシーですが、「水棲の巨大生物」ということ以外にあまり詳しい情報がありません。

その姿もネッシータイプの首の長い絶滅巨大海生爬虫類からはじまり、ウナギのようなレイク・サーペント、湖の主的な巨大魚と一定しません。

但し、歴史も水深も浅い芦ノ湖ですから少なくとも恐竜と時代を共にした巨大海生爬虫類が生息している可能性はちょっと難しいかもしれません。

やはり現実的なところではレイク・サーペント的存在である巨大なウナギやタキタロウ・ナミタロウのような巨大魚といったところでしょうか。


あのシュテラーが記したもうひとつの未確認生物 ~ ステラー・シー・ウルフ


■あのステラ―が記したもうひとつの未確認生物 ~ ステラー・シー・ウルフ

史上最大のカイギュウ、ステラー・カイギュウ (Hydrodamalis gigas) の発見したことで有名な博物学者ゲオルク・ヴィルヘルム・シュテラー (Georg Wilhelm Steller)。

シュテラーが発見しシュテラーの名を冠した生物は他にステラー・シー・ライオン (Steller sea lion) ことトド (Eumetopias jubatus) がいます。

でもって、シュテラーが日記に記しその正体が分からないものが2つあり、ひとつは以前に紹介したステラー・シー・エイプ (Steller sea ape) ことステラー・ウミザル、そして今回紹介するのがステラー・シー・ウルフ (Steller sea wolf) です。

ステラー・ウミザルは実際にシュテラー本人の目で観察し日記に残したのに対し、ステラー・シー・ウルフは航海中に立ち寄ったロシアの地元住民から聞いたものです。

「もうひとつの巨大海生哺乳類はクジラに似ているがやや小型で、体の外周ももっとほっそりしている。

ロシア人はこれを『シー・ウルフ』と呼んでおり、イテリメン族は "plebun" と呼び、カムチャッカ川で目撃されるものについては "tsheshshak" と呼びわけているようだ。

残念ながらわたしの滞在中、その生物にめぐり合う機会はなかった。

この生物の肉や頬や顎、舌の部位、そして腸は食用として利用できるが、油脂はランプ等の燃料にしかならない。

この生物の油脂は水銀のようなもので食すと激しい下痢に襲われるからだ。

しかしイテリメン族はその油脂の性質を利用し、ひどい便秘の時にあえて摂取したり、時に楽しみのためそれを知らない人々にわざと食べさせたりしているという」

「シー・ウルフ (海のオオカミ)」の響きからくるオオカミ的な風貌の魚ではなさそうで、おそらくは未知・既知を問わず、クジラかイルカ、いずれにしてもクジラ類を指しているように感じがします。

「油脂を食すと下痢になる」という点から、マッコウクジラを筆頭にハクジラ類の脳油 (鯨蝋) を食すと下痢を引き起こすこと、またイテリメン族がそのシー・ウルフを "plebun" と呼んでいましたが、現在ロシア語で "plebun" はマッコウクジラを指すといったことからマッコウクジラ (Physeter macrocephalus) の可能性が考えられます。

しかし、シー・ウルフが他のクジラより「小型」でほっそりした胴回りというのはハクジラ類最大のマッコウクジラに当てはまりません。

その大きさはいくつかのヒゲクジラ類には負けてもハクジラ類では最大種でありオスは18メートル、最大個体であれば20メートルを超すとまで言われています。

「小型」と呼ぶにはあまりに大きすぎます。

脳油の取れる他のハクジラの仲間かつ生息域から、アカボウクジラ (Ziphius cavirostris)、ツチクジラ (Berardius bairdii)、コマッコウ (Kogia breviceps)、オガワコマッコウ (Kogia sima) らも候補に入れておきましょう。

(参考文献)
An Introduction to Marine Mammal Biology and Conswervation

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2024年3月18日月曜日

全米の森で目撃されるシカの角を持つ獣人 ~ 鹿男 (ディアーマン)


■全米の森で目撃されるシカの角を持つ獣人 ~ 鹿男 (ディアーマン)

UMA本で見かける「~男」は「~ man」を直訳したもので非常に数が多いことはご存じでしょう。

カエル男 (ラブランド・フロッグ) やヒツジ男 (ヤギ男・ゴートマン) 等が有名ですが、とにかく既知の動物と人間とのハイブリッドUMAです。

今回は鹿男ことディアー・マン (Deer man)。

もちろん、人間とシカのハイブリッド系UMAで一応は獣人にカテゴライズされるでしょう。

ディアー・マンは全米の各地で目撃されるUMAで、体は人間、頭部は角を生やした牡鹿、というのが基本的な姿です。

後肢で二足立ちできますが、人間のそれとは異なり、後肢はシカのままのように見えるといいます。

普通のシカと思ってみていたら後肢でいきなり立ち上がり、人間の姿に変わった (ように見える)、といったシェイプ・シフター (姿を変える能力をもつ生物) 的なものも含まれますが

この中でもっとも最近の目撃情報である2012年のオクラホマ州でのものを紹介しましょう。

ウィチタ・マウンテンズ国立野生動物保護区で夜空の撮影に訪れていた男性二人組。

そのひとりであるカイル・ハイング (Kyle Heying) さんの話によれば突如森の静寂を破り、たくさんの野生動物たちが目の前を走り去っていきました。

バイソンやヘラジカのような大型の哺乳類も含まれていたといいます。

動物たちは「なにか」から逃げているように感じました。

動物たちが走り去るとまた何事もなかったような森には静寂が訪れました。

しかし慌てふためいて逃げ去った動物たちを見たあとです、ふたりはクマのような肉食動物が近くにいるのではないかと恐怖を感じました。

ふたりは危険を察知し装備をまとめ車に戻ることにしました。

草が揺れる音がしたためライフルを向けましたがなにもいません。

尾とのなる方を警戒しながら後ずさりするよう車に戻り発車しようとしたとき、長い草をかき分け何かが出てくるのに気づきました。

それはふたりが今まで見たことのない生物でした。

直立二足歩行するその生物はよろよろと車に近づいてきたのです。

慌てて車を発進させてふたりはその場を離れたといいますが、野営動物のものとは思えない、今まで聞いたことのない悲鳴のような声が聞こえたといいます。

シカと人間のハイブリッドなんて、、、

馬鹿げた話に聞こえるという人もいるかもしれませんが、これはオハイオ州カーメルで目撃されたカーメル・エリア・クリーチャーにも似ています。

これはカーメル・エリア・クリーチャー等でも考察される、実際シカ、カーメル・エリア・クリーチャーの場合はオジロジカ (Odocoileus virginianus)、が正体ではないかというものです。

(後肢二本で立ち上がったシカ)
(image credit by Wikicommons)

シカは後肢二本で立ち上がり高い枝の実を食べたりすることがあるからです。

幾度かのディアー・マンの目撃には実際そういったものが含まれている可能性は否定できません。

ハイングさんらの目撃はそれに当てはまるか?というと微妙です。

二足歩行でよろよろと現れた、というのは後肢二本で立ち上がって歩くのが不慣れであることを示唆しますが、その状態で人間の方に向かってくるか、ということを考えると、それはちょっと考えにくい行動です。

いずれにせよ、ディアー・マンはごく最近でも目撃されるハイブリッド系UMAであり注目に値します。

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マグマの中に生息する大巨人 ~ チェルーフェ


■マグマの中に生息する大巨人 ~ チェルーフェ

今回はチェルーフェ (Cherufe)。

フルーチェみたいで可愛い響きですが、可愛さのかけらもないUMAです。

南米のチリやアルゼンチンの先住民族、マプチェ族に伝わる伝説上の巨人です。

チェルーフェはマグマだまりに生息し、肉体は岩石とマグマでできています。

その姿はヒューマノイドタイプの巨人であったりトカゲのような爬虫類タイプであったりします。

爬虫類タイプのものは、(両生類ですが) 古代、サラマンダーが火の化身的な存在であったことが影響しているのかもしれません。

ある意味、火山を司る「神」的な存在で、火山やそれに伴う地震はチェルーフェの怒りにより起こるものと信じられていました。

雷を司る雷神、風を司る風神といったように、チェルーフェも自然現象の源が擬人化され誕生したUMAといえるでしょう。

非常に悪趣味な性癖を持つ怪物で、彼の怒りを鎮めるには生贄が必要であり、人間の乙女たちを要求します。

チェルーフェは生贄として捧げられた乙女たちを捕まえるや、特に柔らかく美味い部分から平らげ、最後に残った頭部を口から吹き飛ばして大喜びするという「超」がつく変態嗜好の持ち主です。

ちなみにニッチを埋めるべく人間ではとても考えられないような過酷な環境でもその環境に適応し生息する細菌は多いですが、さすがにマグマの高温 (900~1200度) に耐えうる細菌はいません。

クマムシならいけるのでは?と思っている人ももしかするといるかもしれませんが、即死です、塵すら残りません。

現在知られている中で最も高温環境下で生存できる生物は深海の熱水噴出孔に生息する超好熱菌たちで、最低でも60度以上の環境が必要です。

今後記録は塗り替えられるかもしれませんが、現時点で最も高温に耐えるだけでなくその温度下で増殖できるのはメタノピュルス・カンドレリ (Methanopyrus kandleri) で122度の記録を持っています。

人間からすると超過酷環境下である深海ですが、メタノピュルス・カンドレリにしてみればそれがふつうであり好条件のため、低い圧力下よりも生息環境に近い400気圧という高圧下のほうが増殖できるそうです。

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確実に実在するUMA ~ 摩周湖の巨大ザリガニ


■確実に実在するUMA ~ 摩周湖の巨大ザリガニ

今回の話題は摩周湖の巨大ザリガニ (Lake Mashu Giant Crayfish)、日本のUMAですね。

摩周湖は海道東部の弟子屈町 (てしかがちょう) にある湖です。

面積は日本第20位ですが最大水深211メートルもあり日本で5番目に深い湖で、かつてバイカル湖に次ぐ透明度を誇っていたのも有名です。

これは流入する河川も、流出する河川もないことが大きく、透明度の安定と引き換えに摩周湖は貧栄養湖であり、もともと魚類は生息していませんでした。

1926年、その湖にニジマスやヒメマスが放流され魚の住む湖となりますが、それから数年経った1930年にウチダザリガニ (Pacifastacus leniusculus trowbridgii) が放たれます。

和名から完全に原産国は日本と勘違いしてしまいそうですが北米からの移入種で現地では甲長が最大8インチ (約20センチ) にまで成長するといわれる巨大なザリガニです。

甲長20センチといってもザリガニのハサミ (鉗脚) は大きく、淡水のロブスターと形容されるほどで前方にハサミを伸ばすと実際の2倍ぐらいの大きさに感じます。

摩周湖の巨大ザリガニの前に世界一大きいザリガニの話をすると、それはタスマニアオオザリガニ (Astacopsis gouldi) で最大体長は31インチ (約80センチ)、13ポンド (約6キロ) の記録があるといいます。

先住民族はこのザリガニをルタラリーピーナ (lutaralipina) と呼んでいるそうでその言語の意味は分かりませんが心地よい響きです。

さて摩周湖に話を戻します。

ウチダザリガニの故郷である北米ですら甲長20センチということはハサミを伸ばして1.5倍になるとラフに考えるとハサミを含めた全長は30センチといったところでしょうか。

摩周湖の巨大ザリガニは約30センチ、、、

といいたいところですが、実はもっと大きいのです。

1975年、放流した魚の密漁者たちの網に巨大なウチダザリガニが混獲され、そのザリガニの甲長は47センチもあったといいます。

ハサミを含めれば70センチ近かったかもしれません。

移入種とはいえ、本国の最大個体の2倍ほどになるとは驚異的です。

違法採取していた密漁者たちによって捕獲されたこともあり、その巨大ウチダザリガニの公表をすることはありませんでした。

専門家による詳細なデータが取れなかったのは非常に残念なことです。

その後もそれに匹敵するような巨大ウチダザリガニ (車のタイヤの上に置いたらはみ出した等) が摩周湖で捕獲されることが散見されることから、この生物にとって摩周湖は住み心地がいいのかもしれません。

しかし今後、摩周湖の巨大ザリガニに出会う可能性はかなり低くなっていくかもしれません。

現在、日本の侵略的外来種ワースト100にウチダザリガニは入れられており、駆除の対象となっているからです。