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2030年12月31日火曜日

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「くりぷとUMA大全 〜世界の奇妙な住人たち」は世界中のUMA(未確認生物)、絶滅種を含む不思議な動物 (珍獣) や植物、巨大生物、寄生虫、それに加えゴーストやUFO、そして昆虫食をはじめとする奇妙な食材や料理などを紹介しているブログです。

特にUMAをメインとし、超メジャーなものから日本ではあまり馴染みのない超マイナーなものまで数多く紹介しています。

不思議な話が大好きな方はどうぞごゆっくりご鑑賞ください。

2024年7月27日土曜日

【実在】135人を捕食、ツァボの人喰いライオン ~ バッファロー・ライオン


■【実在】犠牲者135人、ツァボの人喰いライオン ~ バッファロー・ライオン

今回は「ツァボの人食いライオン」ことバッファロー・ライオン (Buffalo lion) です。

バッファロー・ライオンはUMA的な呼び方で、一般的には日本語では上記の通り「ツァボの人食いライオン」、英語では「ツァボ・マン・イーター  (Tsavo Man-Eaters)」とか「ツァボ・ライオン  (Tsavo Liones)」と呼ばれます。

これは完全に実在した (する) ライオンで剥製も残っています。

詳しく書くとそれだけで本1冊になるほどの情報であるためポイント押さえ簡潔に紹介しましょう。

まずツァボ (Tsavo) とは東アフリカ、ケニア共和国の一地域です。

この地に隣国ウガンダ共和国とを結ぶ鉄道建設の話が持ち上がり、イギリス主導の元、工事が始まりました。

その際、避けて通れないのがツァボ川の鉄道橋の建設で、鉄道橋工事は1898年3月に着手されました。

この鉄道橋建設のプロジェクトリーダーはアイルランド人ジョン・ヘンリー・パターソン (John Henry Patterson) 中佐。

この鉄道橋の建設と時を同じくして人喰いライオンが出没し始めました。

そのライオンは2頭のオスライオン、特異なのはこの2匹がオスでありながら鬣 (たてがみ) を持たないこと。

襲撃は必ず真夜中、狙いはテントで眠る鉄道橋の作業員たち。

作業者を守るべくキャンプ地は高いボマと呼ばれる有刺鉄線を張り巡らしますが、キャンプ地が広いこともあり、ボマにはどこかに強度が弱い部分やほころびがあり、そこをついて侵入してきたといいます。

基本は1頭がボマの外で待ち、1頭が襲撃するというスタイル。

テントで眠っている作業員を連れ去るのは造作もないことで、彼らはボマの外へと犠牲者を運ぶとその場で食べてしまうことも少なくなかったといいます。

パターソン中佐によればその襲撃はほぼ毎夜行われていたといいます。

時代も時代であり、夜間のライトが十分ではなく物音を立てずにキャンプに近付くライオンを察知するのは不可能に近かったようです。

また、このライオンたちは非常に聡明・狡猾で、パターソン中佐によればいわゆる彼らは「神出鬼没」、襲われたキャンプ地で武装し待ち伏せすると、他のキャンプ地を襲撃するという常に中佐の裏をかいたといいます。

当然ながら労働者たちはライオンに対する恐怖から仕事を放棄する人が続出するようになります。

トロフィーハンターでもあるパターソン中佐は大勢の脱落者によりプロジェクトが頓挫しかねない状況になったことで人喰いライオン狩りに本腰をあげます。

上記の通り、待ち伏せは常に裏をかかれ、罠を仕掛けるも失敗、労働者への安全対策も不十分 (銃器は貸与しない) な上、ライオン狩りも失敗続きとなれば信頼は凋落の一途を辿るばかり。

しかし、そんな窮地が続く中、ついに1898年12月に入り、1頭目を9日に、そして2頭目を29日に射殺することに成功、こうして伝説の人喰いライオンたちはいなくなりました。

(パターソン中佐と射殺したツァボ・ライオン)
(image credit by Wikicommons)

このオスライオンたちはおそらく兄弟であり、パターソン中佐はこの2頭で135人を食い殺したと主張しています。

ライオン界のギュスターヴ (300人を殺した人喰いナイルワニ) といったところです。

まあ3月から12月まで毎夜のようにキャンプ地を襲ったという主張ですのでその間10ヶ月、約300日ですからあり得るというか、むしろ少ないぐらいです。

しかしパターソン中佐の証言はどうもそのまま鵜呑みにすることはできないようです。

前述の通りライオンが怖くて逃げだした作業員を「ライオンの襲撃による行方不明者」とカウントしていたとの水増し疑惑があり、後の専門家による研究結果では実際はせいぜい多くとも30人前後ぐらいだったのでは?と試算されています。

ま、それでもとんでもない数ではありますが。

また、パターソン中佐はこの兄弟ライオンを非常に健康的なライオンと証言しており、通常、健康なライオンがに人間を襲撃することは稀であることから人間を襲うことに特化した特殊なライオンと位置付けました。

射殺した一頭の犬歯の破損が見つかっていましたが、これはパターソン中佐が以前に人喰いライオンと対峙した時に命中した証拠であると主張していました。

しかし実はこれも間違っており、この犬歯の破損は感染症によるものであることが現在の研究で判明しています。

やはり犬歯がないことによる狩猟のハンデから、ノーリスクで襲える人間にターゲットを切り替えた可能性が高いことが示唆されています。

とはいえ、このツァボではこの兄弟ライオン射殺以後も、人喰いライオンによる交渉事故は相次いでおり、パターソン中佐の見解が全くの的外れではないかもしれません。

(射殺された2頭のツァボ・ライオンの剥製)
(image credit by Wikicommons)

さて最後にUMAの話を付け加えましょう。

このツァボ一帯には実際に鬣のない、もしくは著しく短いオスが多く、上記の兄弟ライオンを含めUMA的にはバッファロー・ライオンと呼びます。

元々はバッファローを好んで襲うからその名がついたといいます。

このバッファロー・ライオンはオスが鬣を持たず、オス同士で狩りをし、人間を襲う、という特殊な容姿・行動を持つことから、環境に適応したライオン (Panthera leo) の個体群ではなく、絶滅したホラアナライオン (Panthera spelaea) の末裔 (まつえい) だと主張する未確認動物学者もいます。

これはホラアナライオンはオスでも鬣を持っていなかったと考えられているからで、大きさは僅かに現生のライオンより大きい程度でした。

絶滅動物の生存説は夢があり面白いのですが、なにせホラアナライオンはアフリカに棲息しておらず (ユーラシア大陸・北米の一部)、そこら辺がちょっと難しいところです。

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2024年7月26日金曜日

オハイオ川に頭足類が棲息する ~ オハイオ・オクトマン


■オハイオ川に頭足類が棲息する ~ オハイオ・オクトマン

今回はアメリカ、オハイオ川で目撃されたUMAです。

オハイオ川といえばやはりUMAファンならラブランド・フロッグ (Loveland frog) ことカエル男が真っ先に思いつくに違いありません。

今回のも「男」シリーズで、オクトマン (Octoman)、タコ男ですね。

1959年1月末から2月にかけて、真冬のほんの僅かな期間に目撃が集中したUMAです。

初めに目撃されたのはオハイオ州で、匿名の男性により川から得体のしれない何かが出てきたと警察に通報が入ったのが発端です。

当然、イタズラ電話だろうと警察は考え全く相手にしませんでしたが、そこから目撃が立て続けに報告されます。

ちなみにオハイオ川は全長1500キロを超す長い川であり何州にも跨っていることから目撃されたのはオハイオ州に限りません。

目撃情報は、オハイオ川とその支流周辺の広範囲から寄せられました。

一般的にオクトマンというタコの特徴を持ったヒューマノイド (人間に似た二足歩行する生物) と考えて差支えありませんが、目撃情報の中には「タコに似た」や「二足歩行」といった特徴が含まれない単に「奇妙なもの」といったものもあります。

(オクトスカッチタイプだったのか?)

完全にタコ型ヒューマノイドタイプでの目撃によれば「それ」は二足歩行し、身長は車よりも高く、平均的な成人男性よりも大きくがっしりとしていたと証言しています。

またその生物の頭部に毛はなく肌はグレー、気味の悪い触手を持ち、その姿はタコに似ていたといいます。

似たような野生動物が存在しないことからエイリアン (地球外生命体) 説までありますが、敢えて既知生物の誤認で考えるのであればやはりクマしかないでしょう。

クマが真冬に、しかも川から這い出てくるとは到底考えにくいですが、疥癬等の皮膚病で毛が抜け落ち、さらにその抜け落ちた毛や植物の蔓等が絡み合って触手のように体からぶら下がっていればオクトマンらしい風貌にはなりえるかもしれません。

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2024年7月25日木曜日

日本発の都市伝説系UMA ~ 南極のニンゲン / 北極のヒトガタ


■日本発の都市伝説系UMA ~ 南極のニンゲン / 北極のヒトガタ

今回はニンゲン (Ningen) とヒトガタ (Hitogata)。

UMAファンで知らない人はいませんよね。

ニンゲンは南極、ヒトガタは北極、と目撃される場所こそ違いはあれど、それを除けば姿形・特性に大きな差異はないため同列に扱います。

ニンゲンは「南極のニンゲン」とも呼ばれます。

いずれも掲示板2ちゃんねるで誕生したもので、意外なことに日本を代表する都市伝説系UMAとなりました。

いわゆるインターネット・ミームにより広まったもので、同系統ではレイク (レーキ) なんかが有名です。

----- 以下、2ちゃんねる引用 (抜粋) -----

日本政府が行っている南極周辺海域での「調査捕鯨」では、鯨の捕獲調査だけでなく、捕獲しない種類の鯨も調査し、記録しているそうです。そこで、公に出来ない「ある物体」が数年前から目撃されているそうなのです。

ソースは関係者から直接。
その物体とは、調査捕鯨関係者の間で「人型物体」と名付けられているもので、タイプがいくつかあるそうで、人間の形(五体あり)とか、人間の上半身が二つ連結された形とか、数タイプあり、鯨と同じように水中から現れるらしい。

全身真っ白で、全長数十メートル。数年前以前の捕鯨を行っていた時代には誰も見たことがなかったらしい。情報を公にすると、現在の調査捕鯨の科学的信憑性がひっくり返るとかで、「非常に困惑している」とのこと。

記録だけ付けているそうですが、積極的に探索したりはしていないらしい。(調査スケジュールが外国との間の国際委員会に提出されているので、動かせないということ)

「ヨタ話として他人に喋ってもいいよ。ただ、俺から聞いたとは言わないように。どうせ、他の連中も喋ってるはずだけど」だそうです。「生き物とは思えない。最初はどこかの国の潜水艦かと思ったけど」だそうです。

船の近くには出てこない、接近すると潜ってしまうそうなのですが、画像を拡大すると、表面はつるつるしているようで、しかし、割と不定形で人工物ではないようだとのこと。不思議というか、作り話にしても妙にディティールが凝った話なので必死に訊いたのですが、「あれはたぶん、神様とかそんなモンだよ」と言っていました。話の真偽はともかくとして、その話を聞いたのは事実。

ネタではありません。

他に、この話聞いたことのある方がいたらお願いします。季節は夏(日本が冬の間)でしょう。夜に現れることが多いそうです。(聞いたのを思い出しました)ただ、夜間は鯨の調査をやっていないらしく、それが出てくると夜間の当直者が他のメンバーを起こして回るらしい。

写真に撮っても海に浮かんだ氷(氷山?)のようにしか見えない(近くで撮れない)のと、調査関係の写真は一切流出禁止ということらしいです。(グリーンピースとかの対策で)

調査船団に同行しているカメラマンがかなり粘って撮影しようとしたそうですが、あまり良い写真は撮られてないはず、と言っていました。(暗視カメラとか、赤外線フィルムとか、そういう手段でしょうか。)

わたしも、その話を教えてくれた人(以下Fさん)にかわかわれただけかもしれないけどなあと思いながら、妙にディティールがはっきりしている話なので気になって気になって。

-----

一昨々日の午前中、車でFさんを送っていく途中の話。

『南極に、俺達が "にんげん" と呼んでいる変な物体がいるんだ』

『学者連中、喜んじゃってさあ。最初は "物体X" とか呼んでいたんだよ』

その物体は以前、捕鯨が禁止になる前からのベテランは誰も見ていないらしく、ここ数年での話題で、たぶんこの先、TVとかで取り上げられるのかも知れない。

でも、科学的調査の信憑性に関わるかもしれないので、職場では変なところに投稿したりするなということになっているとのこと。(わたしは書いちゃいましたが、2ちゃんは充分「変なところ」でした)

『2,3年前に非公式な文書で「・・・以後この件については "人型物体" と称する・・・」というのが来た。だから、ジンケイブッタイとか、間違ってニンギョウブッタイとかも言っていたのだけど、ほんとうはヒトガタブッタイと読むらしいね。俺達はニンゲンって呼んでるよ。』

----- 以上、2ちゃんねる引用終わり -----

創造されたものですから、投稿 (もしくは創造) された時点 (2002年5月) ではもちろん目撃のなかったUMAです。

当然ですよね、存在していない (創られた) ものなので目撃されているわけがありません。

しかしこのニンゲンとヒトガタ、創造されたUMAだからと侮るなかれ、他の日本のUMAと比較しても世界的な知名度はかなり高く、それどころか創造されたにもかかわらず後付けで目撃が出始めているといういかにも現代的なUMAです。


CG、写真、動画が多数存在しますが、ニンゲンが存在するとしたらその正体 (誤認) として一番あり得そうなものは?

個人的に一番可能性が高いと思うのはアルビノのザトウクジラ (Megaptera novaeangliae) でしょうか。

まずはいかにもヒゲクジラらしい巨体 (~16メートル) が合格点。

体長の1/3ほどもある恐ろしく長い胸鰭は腕のようなシルエットを形成、さらに後肢のない尾に向かって先細りの体型と相まって全体としてもニンゲン的です。

世界中の海に広く分布する彼らは南極海・北極海付近にも出没するため生息域もOK。

「ニンゲン・ヒトガタ」の存在を強く信じている人が見ればひょっとすると誤認するかもしれません。

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2024年7月24日水曜日

アスパラガス型地球外生命体 ~ ジョージア・ストーク


■アスパラガス型地球外生命体 ~ ジョージア・ストーク

UMA記事はレイク・モンスターと獣人率が高いのでちょっと変わったやつも見たいでしょう。

今回はアスパラガス型のヒューマノイド?

いや地球外生命体?

いずれにしても転んでもUMAの枠組みからは外れてしまうジョージア・ストーク (Georgia Stalks) を紹介します。

そもそも、ジョージア・ストークはヒューマノイドの定義 (人間の形に似ている) からも外れています。

かといって地球外生命体 (宇宙人)、、、かというとそれもどうなのかと。

それでは見ていきましょう。

1951年7月、アメリカ、ジョージア州の上空をフレッド・ローガン (Fred Reagan) なる人物がパイパー・カブ (Piper Cub) というパイパー・エアクラフト社の小型プロペラ機を操縦していた時のことです。

突如として飛行機の制御が効かなくなったのです。

飛行機には不可思議な力が加わり上昇がはじまりました。


そしてあろうことか頭上には見たこともない菱形の未確認飛行物体が浮かんでおり、飛行機はそのままその飛行物体と衝突した衝撃を感じたといいます。

気が付くとローガン氏は、おそらくは先ほど衝突したと思われる飛行物体の中にいたといいます。

そこには身長3フィート (約90センチ) ほどの3体のエイリアン (宇宙人) がいたといいます。

しかし一般的に思い浮かぶエイリアンとは一線を画し、あまり有機的な感じを思わせる存在ではなく「物質」的なものでした。

彼らは金属でできているような質感で、顕著な四肢は見当たらず、その姿は野菜のアスパラガスの茎の形に似ていたといいます。

ジョージア・ストークの「ストーク (stalks)」とは「茎」の意味で、つまり「ジョージア・ストーク」とは「ジョージア州 (上空で目撃されたアスパラガス) の茎の形に似たモノ」という意味です。

もしかするとエイリアンが遠隔操作していたロボットと見るのがいいかもしれません。

彼ら3体は少し浮いていたといい、どうやってコミュニケーションをとったのかは分かりませんが、エイリアン側から彼らの飛行物体との衝突を謝罪してきたといい、その埋め合わせとしてローガン氏の体をスキャンし癌が見つかったので除去しておいたと告げられたといいます。

ちなみにローガン氏は自分に癌があることは知らなかったといいます。

手術の間の記憶がないことから、衝突からこの会話の間までに気を失っていた時間があると思われます。

そして次にローガン氏が目覚めたのは病院のベッドの上。

ローガン氏は意識不明の状態で草原で発見されたのです。

その近くにはローガン氏の小型飛行機が墜落し大破した状態で発見されたといいます。

飛行機は墜落の衝撃で6フィート (約1.8メートル) の深さまで突き刺さっていましたが、ローガン氏は気を失っていたこと以外、奇跡的に体は無傷の状態で発見されたといいます。

飛行機こそ失ったものの、当時の医学では発見できなかった病気も治癒し彼には明るい未来が、といいたいところですが、不思議なことに放射線の過剰被爆の症状で事故から11ヶ月後、ローガン氏は亡くなりました。

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2024年7月23日火曜日

【人体寄生】鳥肌が止まらない、人の皮膚の下を這いまわる ~ ヒトヒフバエ


■鳥肌が止まらない、人の皮膚の下を這いまわる ~ ヒトヒフバエ

さて今回は人体寄生、ヒトヒフバエ (Dermatobia hominis)。

いわゆるハエと聞いて頭に思い浮かぶのはイエバエ (Musca domestic) で家の中に入ると厄介ですが、まあそうはいっても衛生面で不快であるとか、近くを飛び回って鬱陶しい、と言った感じでいうほど害はありません。。

特に、眠り病 (アフリカ睡眠病) を引き起こすトリパノソーマ (Trypanosoma) を媒介するようなツェツェバエの仲間 (Glossina) なんかと比べたら可愛いものです。

ヒトヒフバエはイエバエとツェツェバエの中間的な人間にとってかなり不快な存在といえます。

それでは見ていきましょう。

ヒトヒフバエが棲息するのは中南米です。

まずヒトヒフバエの本体、というか親バエ (成虫) は普段見慣れているイエバエなんかより遥かに大きく2センチ近くにもなります。

もうこの時点で不快というか怖いぐらいですが、成虫は人間に直接的な害は一切与えませんし、それどころか森林に暮らし人間が目にすることすら稀だといいます。

そもそも成虫には口 (口器) もなければ針もないので人間に悪さのしようがありません。

ヒトヒフバエの寄生ライフサイクルはそれほど複雑ではありません。

「ヒトヒフバエ ⇒ 蚊・ハエ・ダニ等 ⇒ 人間を含む霊長類・大型哺乳類」

というとってもシンプルなもの。

どうせなら直接人間に寄生すればいいじゃん、と思うかもしれませんが、この中間媒介者の蚊・ハエ・ダニに卵を産み付けるだけで成虫は人間等の大型動物に近寄ることなくノーリスクで彼らに卵を運んでもらえます。

飛翔能力の高いハエの中でも最上級レベルの飛翔能力を持つといわれ、飛翔中の蚊を捕まえてそのまま卵を産み付けるという芸当もみせます。

口がないので成虫になってからのエネルギー補給はできないため寿命は1週間ほど、この短い生涯の間で最大400の卵を産み付けます。

蚊・ハエ・ダニに産み付けられた卵は人間を含む大型哺乳類に触れると孵化します。

つまり蚊を例にとると、蚊が人間の体に付着し血を吸っている僅かな時間で孵化するということです。

どうして感知できるのかというとそれは温度センサーによるもので、大型の哺乳類は昆虫と比べ体温が高いため、蚊が人間の皮膚に付着した時点でゴーサインが出るという仕組みのようです。

まんまと人間の体に滑り落ちることに成功すると、蚊が開けてくれた穴から人間の体内に侵入します。

(ヒトヒフバエの幼虫、これが皮膚の下にいるのに精神的に耐えられるかどうか)
(image credit by Wikicommons)

ここからが気持ち悪い。

皮下に潜り込んだヒトヒフバエの赤ちゃん (ウジ虫) は最大3ヶ月もの間、人間の組織を食べ続け成長します。

赤く腫れあがり、しかも皮下にいるため目視できてしまい、ウジ虫が皮膚の下でモゾモゾと動くのが分かるという想像するのも気持ち悪い状態となります。

衝動的に叩き殺したいところですがそれはNG、幼虫が体内で破裂することにより感染症にかかるリスクがありからです。

一番いいのはなんと「放置」。

体の部位によっては幼虫の動きにより激痛が走る場合もあるというものの、この幼虫が皮下にいる状態でも健康的に大ダメージを被ることはなく、十分成長すると蛹になる前に勝手に出て行ってくれます。

しかし体に害はなくても皮膚の下で幼虫を飼っているという現実は、おそらく多くの人にはメンタル的に大ダメージ。

病院行けば毒抜き用注射器で幼虫を傷つけないように簡単に抜いてもらえるそうなので病院に行きましょう。

ちなみにヒトヒフバエの幼虫は人間から脱出すると土中で蛹となり成虫となりますが、人間から抜け出て土のある場所に辿り着くのが今の時代ではえらく大変そうです。

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