■恐竜が徘徊する州 ~ ロードアイランド・レックス
今回はロードアイランド・レックス(Rhode Island Rex)。
アメリカ、ロードアイランド州はもっとも小さい州として知られ、その面積は佐賀県や神奈川県と大差ありません。
自ずとUMAの目撃も限られてくるものですが、UMAファンならだれでも知っているブロック・ネス・モンスター(Block Ness monster)や、グロスター・グール(Glocester Ghoul)、ビッグ・ローディ(Big Rhodey)などが、このロードアイランド州では目撃されています。
さて、そこに「恐竜」が加わろうとしています。
― 暴風雨の夜に現れた恐竜 ―
ロードアイランド・レックスとは、その名の通り、アメリカ・ロードアイランド州を徘徊しているといわれるティラノサウルス・レックス(Tyrannosaurus rex)系のUMAです。
その姿が最初に目撃されたのは、ある激しい雷雨の夜でした。
目撃者が自宅のリビングから外を眺めていると、窓の向こうに巨大な「尾」が見えたといいます。
長く、鱗に覆われたその尾は、まるで人間の心臓さえ数秒で貫いてしまいそうなほど巨大だったとされます。
そして、よく観察してみると、その尾の持ち主は驚くべき生物でした。
巨大な頭部。
鋭い歯。
そして、極端に短い前肢。
映画や恐竜図鑑で誰もが知っている、あのティラノサウルス・レックスだったのです。
しかも、それは着ぐるみでも、映画撮影用のアニマトロニクスでもありません。
生きて呼吸する、本物の恐竜だったといいます。
― ゴミ箱を漁るティラノサウルス ―
さらに奇妙なのは、そのティラノサウルスが何をしていたのかということです。
どうやら目撃者の家の庭に置かれていたゴミ箱を漁っていたらしく、食事を終えると近くにいたアライグマを拾い上げると、一口で噛み砕いてしまったといいます。
後に残されたのは、血に染まった頭蓋骨だけ。
巨大な肉食恐竜が住宅街のゴミ箱を漁り、野生動物を捕食しているという、あまりにもシュールな光景です。
やがてティラノサウルスは、目撃者の家の裏手に広がる森へ向かって歩き始めました。
ところが、目撃者が何が起きたのかを確かめようと外へ出た、その瞬間です。
恐竜が巨大な身体をゆっくりと振り返りました。
そして、こちらを見つめる目が不気味に光ります。
次の瞬間、目撃者の耳に届いたのは、低く響く唸り声でした。
それは、まるで数千万年もの間、死んだ世界に閉じ込められていた生物が発するような、異質な音だったといいます。
そしてティラノサウルスは、そのまま森の闇へ消えていきました。
― 恐竜はどこから来たのか ―
UMAの中でも、恐竜生存説はもっともハードルの高いもののひとつです。
では、なぜロードアイランド州にティラノサウルスが存在しているのでしょうか。
その正体については、いくつかの突飛な説が語られています。
もっとも映画的なのは、秘密政府機関によって復活させられた恐竜だという説です。
太古のDNAを利用してティラノサウルスを現代に蘇らせたものの、何らかの理由で研究施設から逃げ出してしまったというのです。
まさに「ジュラシック・パーク」や「ジュラシック・ワールド」シリーズを彷彿とさせる話ですね。
また、タイムトラベルによって現代にやってきたという説もあります。
こちらはテレビドラマの「プライミーバル」や「Terra Nova ~未来創世記」に通じる設定です。
さらに奇妙なのが、政府による遺伝子操作説です。
なんと、犯罪抑止を目的として、恐竜そっくりに遺伝子改変した巨大なニワトリを意図的に放ったというのです。
もはやティラノサウルスですらありませんが、これも一応、正体についての珍説として挙げられています。
もっとも、こうした説を考える以前に、そもそも本物のティラノサウルスがロードアイランド州を歩いているのであれば、これまで誰にも発見されていなかったこと自体が最大の謎でしょう。
― 正体は「UMA」ではなかった? ―
ここまで読むと、ロードアイランド・レックスも当然、ロードアイランド州に伝わる奇妙なUMAの一つだと思うかもしれません。
ところが、この話には少し重要な注意点があります。
ロードアイランド・レックスの情報を辿っていくと、その出所は海外のインターネット怪談コミュニティ「Urban Legends Wiki」に辿り着きます。
Urban Legends Wikiは、実在するUMAや歴史的な伝承を記録する専門データベースではありません。
ユーザーが自由に創作したホラーや都市伝説を投稿し、共有するインターネット上のコミュニティです。
そしてロードアイランド・レックスの記事にも、新聞報道や目撃者の実名、調査記録といった、この生物が実在したことを裏付ける一次ソースは確認できません。
そのため、現時点ではロードアイランド・レックスを、実際にロードアイランド州で目撃されたティラノサウルス型UMAとして扱うことは困難です。
どうやらその正体は、現地に古くから伝わるUMAではなく、インターネット上で生み出された創作都市伝説と考えるのが妥当なようです。
とはいえ、創作(の可能性か高い)だからといって価値がないわけではありません。
「暴風雨の夜、自宅の庭にティラノサウルスが現れる」という導入から、ゴミ箱を漁る姿、アライグマを一口で捕食する描写、森へ消えていく最後の姿、さらには秘密政府機関やタイムトラベル説まで、細かなディテールが加えられています。
ロードアイランド州には実際にブロック・ネス・モンスターやグロスター・グール、ビッグ・ローディといったUMA伝承が存在するだけに、そこへ「恐竜」まで加えてしまう発想もなかなか豪快です。
仮に、実在するUMAではないとしても、こうしたネット発の創作怪談が「それらしいUMA」として作り込まれていく過程そのものも、現代のUMA文化の面白いところなのかもしれません。
ロードアイランド・レックスも一次ソースが削除等で完全に失われると、数年後には本物のUMAに格上げ(?)されるかもしれません。
UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)
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