2030年12月31日火曜日

このサイトについて



「くりぷと〜世界の奇妙な住人たち」は世界中のUMA(未確認生物)、絶滅種を含む不思議な動物 (珍獣) や植物、巨大生物、それに加えゴーストやUFO、そして昆虫食をはじめとする奇妙な食材や料理などを紹介しているサイトです。

特にUMAをメインとし、超メジャーなものから日本ではあまり馴染みのない超マイナーなUMAも数多く紹介しています。

不思議なお話が好きな方はどうぞごゆっくりご鑑賞ください。

2023年2月5日日曜日

そのシカはシカではなく魔物かもしれない ~ ノット・ディア


■そのシカはシカではなく魔物かもしれない ~ ノット・ディア

最近アパラチアの民間伝承にはまってますw

特段他の地域と比べ個性的だとは思いませんが、朴訥 (ぼくとつ) としておりいかにもおじいさんおばあさんが孫たちに話しそうな内容で味があるものも多いです。

現代に伝わるものは少しずつ形を変え、現代的なエッセンスが加わっている可能性は否定できませんが、それを含めて楽しめます。

今回紹介するのは「ノット・ディア (Not Deer)」なる生物。

これが名前?

字面を見ればわかる通り「ディア ではない」つまり「鹿ではない」という名前の生き物です。

和名で「〇〇モドキ」とか「〇〇ダマシ」と命名された悲惨な生物たちが多数存在しますがそれに近いかと思います。

このUMAの和名は「シカダマシ」なんていいかもしれません。

和名で「〇〇モドキ」や「〇〇ダマシ」と呼ばれる生物はもちろん人間を騙そうとしているわけでもなく勝手に人間が騙されて変な命名をされていますが、ノット・ディアはそうではないようです。

(史上最大のシカ、アイリッシュ・エルクことギガンテウスオオツノジカ (Megaloceros giganteus))
(image credit by Wikicommons)

多くの場合、人間目線でシカは無害でありハンターにとっては狩りの対象、つまり人間にとって怖い存在ではありません。

しかしノット・ディアはシカに「似ている」だけのシカとは異なる存在、それどころか人間にとって脅威であるというのです。

というのもノット・ディアはシカのように人間にとって安全な動物ではなく、逆に人間を狩る存在だからです。

彼らは自らの存在を悟られぬようシカの姿でシカの群れに紛れ込み油断した人間が近づくのを待ちます。

ではシカ (ディア) とノット・ディアを見分ける方法があるのか?

ノット・ディアはまず人間を恐れません。

もしかするとそれは人間の目にはフレンドリーに見えるかもしれません。

また、気付きにくいですが蹄に目を向ければ、そこにはシカにも関わらず鉤爪 (かぎづめ) であったり人間のような手 (指) であったりします。

ノット・ディアの「変装」の失敗は他にもあります。

目の位置が人間のように正面に近かったり、目の数が異なっていたりすることもある (ひとつしかなかったり3つ以上あったり) といいます。

ノット・ディアの正体は語られていません。

元来どんな姿なのか、それとも元からシカに似た姿なのか。

特徴的には自由に姿を変えられるシェイプシフターの一種といった感じです。

多くのアパラチアの民間伝承がそうであるように、もともとノット・ディアは子供たちが無闇に森に分け入らないよう創られた存在かもしれません。

但し、シカといえどヘラジカ (Alces alces) のように平均で500キロ超、最大記録では800キロを超した個体も存在します。

ちなみに史上最大のシカはアイリッシュ・エルクことギガンテウスオオツノジカ (Megaloceros giganteus) といわれておりオスの体重は平均で575キロ、牡鹿の左右の角の端から端までのスパンは4メートル近くもありました。

実際、数は少ないですがシカによる死傷事故も起きており侮るなかれ。

(参照サイト)

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2023年2月4日土曜日

シュスワップ湖の怪物 ~ シコポゴ (シュスワッギ)


■シュスワップ湖の怪物 ~ シコポゴ (シュスワッギ)

「ポゴ」シリーズもどんどん紹介していきます。

今回はシコポゴ (Sicopogo)、カナダ、ブリティッシュコロンビア州にあるシュスワップ湖 (Shuswap Lake) で目撃されるレイク・モンスターでシュスワッギ (Shuswaggi) とかシュグム (Shugumu) とも呼ばれます。

というか、カナダのレイク・モンスターは「~ポゴ」と呼ばれるためシコポゴなるニックネームが後付けされたようで実際はシュスワッギのほうが通りがいいようです。

シュスワップ湖は最長55マイル (約89キロ)、最大水深528フィート (約160メートル) と怪物が住むにはもってこいの大きく深い湖です。

さてさてシコポゴはどんな生物かというと、やはりカナダのレイク・モンスターらしくそのシルエットは細長いレイク・サーペントタイプです。

体長は18~65フィート (約5~20メートル) と長大でバカでかく、巨大なウナギの姿を想像してもらえば近いかと思います。

一方、先住民族には19世紀より目撃情報があり、彼らはシコポゴを「タザムア (Ta-zam-a)」と呼んでいた (る) そうで、これはセイリッシュ語で「水の熊」を意味します。

全然関係のない話ですが無敵で知られるクマムシは英語で同じくウォーター・ベア (水の熊) と呼ばれます。

レイク・サーペント (海蛇タイプ) とクマでは随分とその姿が異なりますが、実は1904年にシュスワッギはハンターに「射殺」されており、その姿はむしろクマタイプでした。

(水棲モグラことロシアデスマン (Desmana moschata))
(image credit by Wikicommons)

毛むくじゃらでグリズリー (ハイイログマ) ほどの体格をしており、水棲のモグラ (デスマンのことでしょうか?) のような25インチ (約60センチ強) の足を持っていたといいます。

どこで (地上?湖?) 目撃され撃たれたのか、そういった情報が乏しく、もしかするとそれはシュスワップ湖を泳いでいたただのグリズリーじゃないのかという疑念もありますが、シコポゴを狩ったハンターはその毛皮を剝いで売ったところ大層な金額で売れたということなので珍しい毛皮であった可能性はあります。

(バシロサウルスの全身骨格)
(image credit by Wikicommons)

それ以降、移民たちによる目撃は増えますが概ねレイク・サーペントタイプで、やはりその正体として人気なのはバシロサウルス (ゼウグロドン) です。

バシロサウルスはこのサイトに何度も登場していますが、今から3000万年以上前に絶滅した原始的なクジラです。

シーサーペントのように細長い体型をしているのが特徴でUMAの正体として引っ張りだこです。

現実的なところでは「レイク・サーペント」系はチョウザメ等の巨大魚、「クマ」タイプの哺乳類系は実際にグリズリーやヘラジカ等の哺乳類が泳いでいるところを誤認したものでは?といわれています。

1948年にはボートに乗って釣りをしていた男性がシコポゴに体当たりされ転覆しかけた、なんて事件も起きています。

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2023年2月3日金曜日

もうひとつの巨大蜘蛛ー ~ パプアニューギニア・ジャイアント・スパイダー


■もうひとつの巨大蜘蛛ー ~ パプアニューギニア・ジャイアント・スパイダー

コンゴの巨大蜘蛛、チバ・フーフィーのときに一緒に書こうかと思いましたが長くなるので分けました。

クモは毒が強いこともありニュースになることはとても多いのですが、ことUMAとなると意外なほど少ないのです。

UMA界ではチバ・フーフィーがぶっちぎりで有名で「次点」を探すのが困難なほどですが、敢えて言えばパプアニューギニアのジャイアント・スパイダーでしょう。

(レッグスパン最大30センチ、ジャイアント・ハンツマン・スパイダー(Heteropoda maxima))
(image credit bye Wikicommons)

目撃談は2つ、いずれも第二次世界大戦中のこと。

ひとつはジャーナリストの肩書を持つ未確認動物学者ロブ・モーフィー (Rob Morphy) 氏が、クレイグと名乗る一般人から聞いた話。

祖父が第二次大戦中、出兵先のパプアニューギニアで (おそらく足の先から足の先、いわゆるレッグスパンが) なんと3フィート (約90センチ) もあるクモが巣に張り付いていたというのです。

そのクモは宝石のように輝くエメラルドグリーンをしていました。

驚いた祖父はそのクモを手持ちの山刀で叩き切ったといいます。

そしてもうひとつも同じく第二次大戦中の1942~43年のこと、それはオーストラリアの未確認動物学者ピーター・ハインズ (Peter Hynes) 氏と妻のデビー氏がパプアニューギニアのジャングルを散策していたときに起こりました。

ある場所に来ると鬱蒼と生い茂る草木が邪魔になり、ふたりは屈んで進まざるを得ませんでした。

その時に彼らは気付きました。

低い姿勢の彼らの目に、地面から木の幹にかけびっしりと張り巡らされた蜘蛛の巣が飛び込んできたのです。

真っ白で綿雪のようなふわふわした蜘蛛の巣は幅はおよそ10~15フィート (約3~4.5メートル) もありました。

信じられないような光景でした。

しかし、その巨大なクモの巣に気を取られていたせいで目前に迫った危険にふたりは気付いていませんでした。

ピーター氏が目線を地面から正面に移すととわずか1フィート (約30センチ) 前方に巨大なクモが佇んでいたのです。

ピーター氏はそのクモの大きさを「小型犬ぐらいの大きさ」と形容しました。

具体的な大きさで表現していないため分かりづらいですが8~10インチ (約20~25センチ) 前後と見積もってみましょう。

体色は真っ黒、体に比して足は長くなく、タランチュラのように毛の生えた太い足を持っていました。

ゆっくりと後ずさりをして二人は逃げたといいます。

と、こんなところです。

まったく異なる種類にのようですから、この話がどちらも本当であれば、パプアニューギニアに巨大蜘蛛が2種類は生息していることになりますw (但し、幼体と成体、もしくは性的二型の可能性もなくはないですが)

いずれも巣を張る必要がなさそうな巨体なのに巣を張っている (そもそも巣が自重で壊れないのか) のも少々気になりますが巣の使い方も色々ありますからね。

(参照サイト)

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2023年2月2日木曜日

半世紀以上も人間たちを襲い続けた伝説のクジラ ~ ポルピュリオス

(original image credit by Wikicommons)

■半世紀も人間たちを襲った伝説のクジラ ~ ポルピュリオス

今回は随分と古いお話、シー・モンスターのポルピュリオス (Porphyrios) です。

古いといってもUMAではなく「完全に」実在した生物です。

今から1500年ほど前の6世紀、東ローマ帝国の歴史家プロコピウス (Procopius) により伝えられることによりプロコピウスのシー・モンスター (Procopius Sea Monster) と呼ばれる場合もあります。

幾多の船を沈めたというこのシー・モンスターのポルピュリオスというニックネームは、同時代に活躍した同名の戦車兵ポルピュリオス、もしくはギリシア神話に登場する巨人ポルピュリオン (Porphyrion) のいずれかに由来すると考えられています。

いずれの名前にしても深紫 (こきむらさき) を意味するポルフィラ (Porphyra)、つまりそれはモンスターの体色も意味しているのではないか?と考えられています。

航海技術の発達していない時代のシー・モンスターといえばクラーケン (ダイオウイカ等の誤認) やシーサーペント (リュウグウノツカイ等の誤認) 等、深海性の巨大生物がその候補 (というか定番) ですがポルピュリオスの正体ははっきりしており、なんとクジラです。

但し、図版や詳しい特徴を記した文献が残っていないことからクジラの種類に関しては分かっていません。

分かっているのはポルピュリオスの体長が45フィート (約14メートル)、体幅が15フィート (約4.5メートル) ということぐらいです。

(image credit by Wikicommons/Public Domain)

候補としてはマッコウクジラ (Physeter macrocephalus) とシャチ (Orcinus orca) がおり、おそらくは前者ではないかと考えられています。

体長的にはオスのマッコウクジラだとすれば平均サイズ (16~18メートル) すら下回り、メスだとすれば最大クラスです。

ちなみに史上最大のマッコウクジラは1933年に捕鯨されたもので、79フィート (約24メートル) という規格外の記録が存在します。

一方シャチであれば14メートルでもオスの最大クラス (約10メートル、通常6~7メートル) をはるかに上回りまさにモンスター級となります。

(当時のコンスタンティノープル)
(image credit by Wikicommons)

ポルピュリオスが出現していたのはコンスタンティノープルの海域です。

黒海とマルマラ海を繋ぐボスポラス海峡では閉鎖された領域だったためでしょうか、特に被害が集中したと言われています

襲う理由は全く分かりませんでしたがあらゆる船舶がターゲットであり、断続的ながらそれは50年以上にも及びました。

当時、東ローマ帝国ユスティニアヌス王朝の皇帝ユスティニアヌス1世はポルピュリオスに非常に頭を悩ませておりどうにか捕獲できないものかと画策していましたが結局は何もできなかったといいます。

しかしそんなポルピュリオスに運命の日が訪れます。

(砂浜に乗り上げてまでもハンティングするのはシャチの真骨頂ですが、、、)
(image credit by Wikicommons)

黒海でイルカを追って河口近くに入り込んだポルピュリオスは勢いあまって浅瀬で座礁してしまいます。

万事休す。

己の体重で身動き取れなくなったポルピュリオスを見つけた住人たちは斧とロープを手に続々と集まり、ロープで縛り上げ陸へ引っ張り上げました。

住民たちは積年の恨み!とばかり次々と斧を振りかざしました。

そして解体されたポルピュリオスの肉を頬張りながら祝杯を上げたといいます。

さて本当にこれがポルピュリオスだったのか?という疑問が残ります。

この後、ポルピュリオスが現れなくなったのだからその可能性は高そうですが、もともと断続的に姿を現していたため何年も現れない期間もあったといいます。

高齢であったポルピュリオス実は既に死んでしまっていたかもしれませんし、生きていたとしてももう船を襲うような元気はなかったかもしれません。

大きさを測ったのも座礁時だったとすれば最低でも50歳を超えるオスのマッコウクジラとしては小柄であり、この時イルカを追っていたというのもマッコウクジラというよりはシャチ的であり人違いならぬ鯨違いの可能性もあります。

「本物のポルピュリオス」は1933年の79フィートの記録を凌駕するような巨大なマッコウクジラで、余生を悠々と過ごしていたかもしれません。

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