■洞窟に潜む小さなビッグフット ~ テネシー・ケイブ・クリーチャー
今回はテネシー・ケイブ・クリーチャー(Tennessee Cave Creature)。
2009年、アメリカ・テネシー州の洞窟で目撃された、ビッグフットにも巨大ナマケモノにも似た奇妙な未確認生物です。
「洞窟を自在によじ登る小さなビッグフット」として、海外のUMAファンの間で注目を集めています。
― 洞窟での遭遇 ―
この生物が広く知られるようになったのは、2009年5月の出来事でした。
テネシー州ハンブルン郡の自宅農場にある洞窟を調査していた女性レスリー(Leslie)が、洞窟内で未知の生物と鉢合わせになったと証言したのです。
互いの距離はわずか2フィート(約60センチ)。
驚いた双方はその場で動きを止め、お互いを見つめ合ったまま数十秒ほど硬直したといいます。
やがてレスリーが逃げ出し、この奇妙な遭遇は終わりました。
― 小柄なビッグフット? ―
レスリーによれば、その生物は全長約4フィート(約1.2メートル)。
全身は茶色い体毛に覆われていましたが、顔だけは毛がなく、人間のような白い肌をしていました。
目は茶色で表情もどこか人間らしく、短い脚と大きく重そうな前足には、先端が平たくなった鋭い爪が生えていたといいます。
さらに驚くべきことに、この生物は洞窟の垂直な壁を素早く登ることができ、危険を察知すると岩のように動きを止める習性があったそうです。
レスリーは「ビッグフットの小型版、あるいは近縁種ではないか」と考え、「ドワーフ・ビッグフット(Dwarf bigfoot「小さなビッグフット」の意)」や「スロースフット(Slothfoot/「ナマケモノのようなビッグフット」の意)」と呼ぶようになりました。
― 絶滅した巨大ナマケモノの生き残り説 ―
この生物の正体として最も有名なのが、更新世に北米へ生息していた巨大地上性ナマケモノ「メガロニクス(Megalonyx)」の生き残り説です。
目撃証言では、足は3本指だったとも伝えられており、これは絶滅した地上性ナマケモノの特徴と一致すると指摘されています。(但し、厳密にはメガロニクスは五本指ですが、三本の鉤爪が発達し、他の指は退化していました)
メガロニクスは現生のナマケモノと近縁ですが、最大種、メガロニクス・ジェファーソニ(Megalonyx jeffersonii)は体長3メートルにも達した巨大な草食動物でした。
もし小型化した個体群が洞窟環境へ適応して生き延びていたとすれば、茶色い体毛や大きな鉤爪といった特徴も説明できるかもしれません。
もっとも、そのような生き残りを示す確実な証拠は現在まで発見されていません。
― チェロキー族の伝承との共通点 ―
レスリーはチェロキー族の血を引く人物であり、チェロキー博物館へ歴史的遺物「バット・クリーク・ストーン」を寄贈したことでも知られています。
そのため、この生物はチェロキー族に伝わる怪物「スピアフィンガー(Spearfinger)」や、「石の衣」を意味するヌン・ユヌイ(Nûñ'yunu'ï)との関連も語られるようになりました。
スピアフィンガーは石のように硬い皮膚と鋭い爪を持つ怪物で、その特徴は巨大ナマケモノの皮膚に存在した骨質の装甲(オステオダーム)を連想させるという意見もあります。
もちろん、これはあくまで伝承との比較であり、直接的な関係を示す証拠はありません。
― 真相は洞窟の奥深くに ―
レスリーはその後も洞窟の調査を続け、餌や自動撮影カメラによる観察も試みました。
しかし生物の姿は再び確認できず、設置したカメラのバッテリーだけが原因不明のまま消耗してしまうこともあったといいます。
テネシー州に広がる巨大な洞窟網――
地上から姿を消したはずの生物たちが、今もその暗闇の奥で静かに息を潜めているのだとしたら、答えは永遠に日の目を見ることはないのかもしれません。
(参照サイト)
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