■【未解決事件】ただのテロか陰謀か ~ ウォール街爆破事件
今回はウォール街爆破事件(Wall Street Bombing of 1920)。
今から100年以上前に起きた未解決テロ事件です。
100年以上も前の事件であることを考えれば、警察も現在のような科学の最先端を使った捜査ができなかった時代、迷宮入りした事件も少なくないだろう、そんな珍しいことではない、と思ってしまうでしょう。
確かにそれは半分正しく、しかし半分は正しくありません。
この事件の背後には、単なる未解決という言葉では片付けられない、多くの「陰謀論」が渦巻いています。
― ウォール街爆破事件 ―
1920年9月16日、正午をわずかに回った12時01分。
ニューヨーク金融街、ウォール街のど真ん中――J.P.モルガン銀行本店の前でそれは起きました。
昼休みで人通りが最も多い時間帯、1台の馬車が建物の前で停止します。
その直後、積まれていた爆薬が炸裂しました。
― 爆発の規模と被害 ―
約45キロのダイナマイトに加え、約230キロもの鋳鉄製の窓枠の破片などが殺傷用の散弾として詰め込まれており、それらは無数の破片となって周囲へと飛び散りました。
爆発は一瞬で30人以上の命を奪い、その後の死亡者を含めると計38人が犠牲となります。
負傷者は数百人規模。
犠牲者の多くは、経済の中枢を担う大物ではなく、若い事務員やメッセンジャーなど、金融街で働く一般の人々でした。
― 異様に早い復旧 ―
爆発からわずか1分後、ニューヨーク証券取引所はパニックを防ぐために取引停止を決定。
しかし翌日には通常営業を再開するという、異例ともいえる対応が取られます。
現場は夜通しで清掃され、事件の痕跡は急速に消されていきました。
― 捜査と未解決の結末 ―
捜査当局は当初事故の可能性も検討しましたが、直前に発見された「アメリカ・アナーキスト・ファイターズ」と名乗るビラの存在により、テロ事件と断定されます。
容疑はアナーキストや共産主義者といった急進的思想グループへと向けられ、特に過去に爆弾事件を起こしていたガレアニストの関与が有力視されました。
イタリア系無政府主義者マリオ・ブーダの関与も後に指摘されますが、彼は事件直後に帰国し、決定的証拠は最後まで得られませんでした。
捜査は3年以上続けられましたが、結局、犯人は特定されないまま1940年にFBIによって正式に迷宮入りとされました。
この事件は、アナーキストによるテロとする見方が一般的です。
しかし、その説明では回収しきれない「違和感」が幾重にも重なっているのです。
― 陰謀論? ―
陰謀論の世界で頻繁に語られるものに、「インサイダー説」という考え方があります。
これは、被害を受けるはずの内部の人間が、事前に情報を知って破滅を回避していたのではないか、という疑念です。
この視点から見ると、ウォール街爆破事件は単なるテロとは別の輪郭を帯び始めます。
― 標的だけが不在だった日 ―
爆弾が炸裂したのは、金融の中枢であるJ.P.モルガン本社の目前でした。
本来であれば、モルガン帝国の総帥であるモルガン・ジュニア(John Pierpont Morgan Jr.)が命を狙われてもおかしくない状況です。
しかし、彼はその日、偶然にもスコットランドに滞在しており不在でした。
この「主役だけが舞台にいない」という構図は、後の大規模テロ――とりわけ9.11事件でも繰り返し指摘されることになります。
世界貿易センタービルに入っていた企業の幹部らが、その日に限って現場にいなかったという逸話と同じ「型」が、すでにこの時点で現れているのです。
― 現場にない犯行声明 ―
事件後、アナーキストを名乗る犯行声明のビラが発見されました。
しかし不思議なことに、それは爆心地ではなく、数ブロック離れた郵便受けの中から見つかっています。
なぜ犯人は、わざわざ回収されるまで時間のかかる場所に声明を隠したのでしょうか。
「特定の組織に罪を誘導するために、当局側が後から用意した証拠ではないか」
そんな疑念が消えないのは、このビラの存在があまりにも「出来過ぎていた」からです。
― 証拠は「失われた」のか「処理された」のか ―
事件直後、現場が異例のスピードで清掃された点も、陰謀論を加速させる要因となりました。
死者38人を出し、多くの証拠が残されていたはずの現場を、翌朝までにホースで洗い流してしまうという対応。
これは単なる復旧作業だったのでしょうか。
それとも、真犯人に繋がる「不都合な証拠」を、経済再開という大義名分の下で、公的に消し去ったのでしょうか。
テロ現場の即時解体や瓦礫の撤去という手法もまた、後世の巨大事件で見られる共通の不可解さと重なります。
― 予言者とされた男の末路 ―
実は事件前、エドワード・フィッシャー(Edward P. Fischer)という男が、知人たちに「9月16日に爆発が起きる」とハガキを送っていました。
結果として彼の予言は的中しましたが、当局は彼を「精神を病んだ人物」として処理し、その証言を封じ込めてしまいました。
もし彼が、何らかのルートで「計画」に接触していたのだとしたら――
彼を狂人として扱うことは、真実への道を閉ざすための最も容易な手段だったのかもしれません。
― 誰が「果実」を手にしたのか ―
この爆破事件を境に、アメリカ政府は「赤の恐怖」を旗印として、反体制派への監視や弾圧を劇的に強化しました。
後に強大な権力を握ることになる捜査機関――司法省捜査局(BOI、後のFBI)が本格的な政治監視組織へと変貌を遂げたのも、まさにこの時期です。
「誰が得をしたのか」という視点に立てば、この事件は決して未解決ではありません。
テロによって生まれた恐怖を利用し、新たな管理社会を構築した者たち。
彼らにとって、あの爆発は「あってはならない惨劇」だったのか、それとも「設計された混乱」だったのか。
ウォール街23番地の壁に残る今も生々しい爆弾の破片による傷跡は、沈黙したまま、私たちに問いかけています。
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