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2030年12月31日火曜日
2025年1月15日水曜日
数十年間目撃され続けるチェサピーク湾のシー・モンスター ~ チェシー
■チェサピーク湾のシー・モンスター ~ チェシー
今回はアメリカ、メリーランド州とヴァージニア州に跨るチェサピーク湾 (Chesapeake Bay) で目撃されるシーモンスター、チェシー (Chessie) です。
閉ざされた湖のレイクモンスターと異なり、シーモンスターの目撃はただの一度きりであったり、せいぜい良くて2~3回程度です。
留まる理由がない限りエサを求めて制限なく移動できるからです。
ところがこのチェシーはチェサピーク湾を気に入っているのか幾度も目撃されている珍しいシーモンスターです。
但し、閉ざされていないことが逆に裏目にもなり、チェサピーク湾は海の生物であれば出入り自由、実は全く異なる生物であってもこの湾で謎の生物が目撃されれば全部チェシーになってしまっている、という可能性は否定できません。
実際、1980年に写真撮影に成功したチェシーは分析の結果フロリダマナティー (Trichechus manatus latirostris) であることが分かったこともあります。
とはいっても異なる生物の目撃情報が一つの生物に集約されハイブリッド化するのは閉ざされたレイクモンスターでも日常茶飯事ですから、ま、あまり気にせず見ていきましょう。
もっとも初期のチェシーの記録は1936年に遡りますが、その生物が詳細に目撃されたのは1943年、ボートでシーバス釣りに来ていた男性二人によるものです。
彼らによればボートから70メートルほど離れた場所にサッカーボール程の大きさのウマに似た頭部を持つ生物が浮いているのに気付きました。
体色は黒っぽく、全体の大きさは分かりませんが、水面から出ている部分だけでおよそ3.5メートルはあったといいます。
頭部の特徴はラクダに似ているといわれるキャドボロサウルスことキャディと似ていますが、キャディは北米大陸の西海岸、キャドボロ湾での目撃であり大陸を挟んで真逆なので別物でしょう。
また1978年には湾内だけではなく、この湾に流れ込むポトマック川 (Potomac River) でもチェシーが目撃されています。
前述の通り、1980年に目撃されたのはマナティーであったことが判明しましたが、実はこの時のマナティーに付けられたニックネームがチェシーです。
それ以降、チェサピーク湾の謎の生物はチェシーと呼ばれるようになりました。
チェサピーク湾はマナティーが棲息するには冷たすぎますが、どういうわけか遠路はるばるこの湾に訪れているようです。
1982年は動画の撮影にも成功、左右に体をくねらせながら泳ぐ生物が写っていました。
チェシーは1980~1990年代に最も目撃が集中しました。
その目撃の多くはいわゆるシーサーペントタイプ、細長い形状をしており、シーサーペントとしては珍しく (本来はこちらが正当なのですが)、体を左右にくねらせて泳ぎます。
体を左右にくねらせることから魚類か爬虫類である可能性が高いといえます。
体長は3~9メートル、既知の生物であれば古来からシーサーペントと誤認されてきたリュウグウノツカイ (Regalecus russelli) はチェシーの正体の筆頭候補です。
しかし現代ではリュウグウノツカイの存在自体はレアであっても、決してシーサーペントではなく風変わりな深海魚であることは認識されているため、その目撃のすべてがリュウグウノツカイではないでしょう。
もうひとつの候補は巨大なアナゴです。
ただアナゴはリュウグウノツカイほど大きくはなりませんから少し難しい感じではあります。
ペースは落ちたものの、21世紀以降もチェシーの目撃は続いています。
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2025年1月14日火曜日
全身に毛が生えた爬虫類は存在するか? ~ モコラウル (モコフルフル)
■全身に毛が生えた爬虫類は存在するか? ~ モコラウル (モコフルフル)
今回はモコラウル (Mokolaulu)、モコフルフル (Mokohuruhuru)ともいいます。
この呼び方は地域名による違いのようで、いずれもマオリ語で「毛深いトカゲ (hairy lizard)」を意味するといいます (確証は取れませんが)。
マオリ語の意味がこのトカゲのすべてを現しており、爬虫類でありながら全身が鱗ではなく毛で覆われているというのです。
アルジェリアに棲息するという毛むくじゃらの蛇、アルジェリアン・ヘアリー・バイパーと同系のUMAといえます。
UMAですが体長は20~120センチと現実的な大きさです。
生息地はとびとびにいくつかの場所で目撃されており、そのすべてが同一種であるかは判断が難しいところです。
いずれにしてもそのトカゲたちは全身に毛を持っています。
目撃される場所のひとつがニュージーランド北島のロトポウナム湖 (Lake Rotopounamu) です。
ロトポウナム湖は遠隔地にある最大長1.2キロメートル、最大幅1キロメートルのほぼ円形の小さな湖で、周囲5キロメートル、水深9メートルほどです。
人里離れたこの地であればひょっとするとUMAが、、、と思わせる神秘的な雰囲気を漂わせます。
もうひとつの生息地がニュージーランド北島から2,400キロ北東にあるニウエ (Niue) です。
ニウエはニュージーランドの構成国であり自治島国で面積は161平方キロメートル、世界最大のサンゴ礁島のひとつで人口は1689人です。
スキンクの一種クリプトブレファルス・ポエチロプレウルス (Cryptoblepharus poecilopleurus) やパラジック・ゲッコー (Nactus pelagicus)、オガサワラヤモリ (Lepidodactylus lugubris) 等のヤモリ・スキンクが棲息しているようです。
島固有の動物相で新種の期待は高まります。
ニュージーランドの南島方面での目撃もあります。
南岸沖のフーヴァー海峡に浮かぶ無人島、グリーン・アイランド (Green Island) です。
無人島だけに人間の介入も最小限で上記よりも可能性は高そうに感じます。
あまり紹介していませんが、ニュージーランドは爬虫類としてトカゲ (ヤモリ) 系、両生類としてイモリ系のUMAが割と多く報告される地域です。
ヤモリとイモリは爬虫類と両生類で全く異なる生物ですがUMAの性質上、捕獲されていないため、形態の似ている両者はどちらなのか判別がつかないものも多いです。
それ故、モコラウル (モコフルフル) も実はヤモリなのかイモリなのかはっきりしていません。
但し、いずれにしても体表に毛が生えている、という種は発見されておらずいずれにしても大発見間違いなしです。
とはいえ両生類や爬虫類が体毛を持つとは少々考えづらく、体表が毛のような細かい突起に覆われている、もしくは苔等でで覆われているのでは?
ヘビではありますが、ヘアリー・ブッシュ・バイパー (Atheris hispida) は体の小さな突起はまるで毛で覆われているように見えなくもありません。
しかしマオリの研究で著名な民族学者エルズドン・ベスト (Elsdon Best) 氏はモコラウルを「上質の毛皮で覆われている」と表現しています。
う~ん、やっぱり毛が生えているのかもしれません。
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2025年1月13日月曜日
シーサーペントの幼体か? ~ 巨大なレプトケファルス (レプトセファルス)
■シーサーペントの幼体か? ~ 巨大なレプトケファルス (レプトセファルス)
特にウナギの仲間の幼体として有名なレプトケファルス (Leptocephalus)。
左右に極端に扁平で (薄っぺら) で赤血球を持たないためほぼ透明、笹の葉のような独特の形状をしています。
そのこともあってか以前はレプトケファルスを「葉形仔魚 (ようけいしぎょ)」とか「葉形幼生 (ようけいようせい)」と訳されていましたが、現在はラテン語に忠実に「小さい頭 (または細い頭)」と訳されているようです。
ウナギ目以外にも、フウセンウナギ目、カライワシ目、ソトイワシ目の幼体はレプトケファルス期を経て成体になります。
古代魚にして巨大魚ターポン (Megalops atlanticus) なんかもカライワシ目でレプトケファルス期を経ているのは意外な感じがします。
(ターポン)
(image credit: Wikicommons)
レプトケファルスは通常とても小さく、数センチ程度しかありません。
ですがウナギやアナゴの生態を見れば分かる通り、成体は優に1メートルを超します。
レプトケファルスと成体の体長の比率はウナギで1:18、アナゴで1:30、つまりレプトケファルスの体長を知れば、その成体の大きさがおおよそ推測できるというわけです。
そして1930年、セントヘレナ島近海で1.8メートルのレプトケファルスが捕獲されました。
(巨大なレプトケファルス)
(image credit: Prof. Jørgen Nielsen via Shuker Nature)
この大型のレプトケファルスは、頭部と体のほとんどの部分は小柄なレプトケファルスと似ているものの、尾に向かって極端に細くなり、尾部の先端部分はほぼがひも状でした。
形状がどうであれ、この時代の研究ではレプトケファルスの体長は大きくても成体の1/18程度しかない、逆の表現をすれば最低でもその体長の18倍以上に成長すると考えられていました。
仮にこれがウナギのレプトケファルスであれば成体は1.8×18=32.4メートル、アナゴのものであえば1.8×30=54メートルとなるわけです。
まあこれが既知のウナギやアナゴでない可能性を加味しても5~10倍程度になるに違いない、つまりは9~18メートルサイズの巨大なウナギ状の生物に成長するものと推測されました。
海のUMAといえば巨大海蛇ことシーサーペント、多くの目撃情報が寄せられながらもその存在を決定的なものにする証拠は発見されていませんでしたが、この巨大レプトケファルスこそがシーサーペントの存在を証明する間接的・潜在的な証拠と考えられました。
1930年に発見されたこの巨大なレプトケファルス以降も、これほどではないにしろ (40~80センチ)、 続々と大きなレプトケファルスが発見されます。
1959年には新種の生物とみなされ レプトケファルス・ギガンテウス (「巨大なレプトケファルス」, Leptocephalus giganteus) という学名も与えられます。
しかし、、、
現在のところ巨大なレプトケファルスこそ時折発見されるものの、その成体である「シーサーペント」のほうは捕獲されていません。
由々しき事態です。
これには訳があり、レプトケファルス幼生の時代を経て成長するウナギ目、フウセンウナギ目、カライワシ目、ソトイワシ目、総勢800種以上にも上るこの魚類たちの中には「レプトケファルスの大きさが最大値」のものも存在するのです。
つまり「レプトケファルスの大きさ = その魚の最大値」ということです。
(クロソコギス)
(image credit: Wikicommons)
特にソコギスの仲間 (Notacanthidae) はレプトケファルス幼生が巨大であり、レプトケファルス・ギガンテウスもキツネソコギス属のクロソコギス (Notacanthus chemnitzii) ではないか?と考えられています。
残念がることはありません、透明の薄っぺらな魚 (レプトケファルス) に2メートル級の魚がいること自体が神秘です。
この先、もっと巨大なレプトケファルスが発見されるかもしれません。
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2025年1月12日日曜日
北極にゾンビがいる ~ マハハ
■北極にゾンビがいる ~ マハハ
イヌイットに伝わるマハハ (Mahaha)。
似ているわけではないですが、タイプ的には以前に紹介したウェンディゴに似ているかもしれません。
イヌイットに伝わる不気味なヒューマノイドですが、その姿は痩せこけたイヌイットで、しかもイヌイットの服を着ているといいます。
それはただのやせたイヌイットでは?
しかしそれはないでしょう。
服を纏っているといっても彼らイヌイットたちが暮らす北極圏の寒さを凌げるようなものではなく、みすぼらしくボロボロの着衣です。
その影響でしょう、マハハは確かに人間に似ているものの肌は凍傷の影響によるものか、腐りかけ、肌は青白く、そしてとても冷たいといいます。
無造作に伸びた長い髪の毛は凍っている部分もあり顔のほとんどを隠します。
髪の毛の隙間から見え隠れする目は生気が無く、白 (もしくは灰色) っぽい色をしています。
また、手の爪はとても長いといわれています。
そしてマハハが一番厄介な点はイヌイットたちと敵対した存在であることで、出遭ったイヌイットを殺すといわれています。
マハハは「北極のゾンビ」といえるかもしれません。
しかしその殺害方法は独特で、ゾンビの「咬みつき」とは似ても似つかないものです。
マハハの手の爪は長いといいましたが、彼らがイヌイットの殺害に用いるのはこの長い爪です。
しかしその爪はナイフのようにものを切り刻んだり刺したりするほど切れ味が鋭いものではありません。
マハハはいつもニヤニヤしているといいます。
イヌイットを見つけると近づいていき、その爪で全身を「くすぐり」、そして犠牲者が笑いで窒息するまでくすぐり続けるというのです。
そのためマハハによって殺されたものはみな笑顔のまま凍り付いて死体が発見されるといわれています。(※真逆の恐ろしい表情で亡くなっている、という説もあります)
しかしマハハに出遭ってしまったら、ゾンビと出くわした時と同様、おしまいか?というとそうではありません。
まずそれがマハハであることを見破る必要があります。
極寒の中を薄着で歩いている人間を見たらつい助けの手を差し伸べたくなるでしょう、しかしマハハはその薄着にも関わらず寒そうにはしておらず、それどころか笑みを浮かべています。
それはきっとマハハに違いありません。
マハハは一般的に小柄であり、知性はあるもののあまり高くないといわれ、人間に簡単に騙されてしまうといいます。
マハハであると確信したら一緒に水を飲みに行こうと誘えばいいといいます。
川に着き、マハハが水を飲もうとしゃがんだ時がチャンスです、そのまま背中を蹴り飛ばし川へ転落させて逃げることが出来るといいます。(むしろマハハの方が返り討ちに遭う場合が圧倒的に多いようです)
UMA?ゴースト?ジャンルはちょっとはっきりしませんが、不気味でありながらもなんか憎めない存在です。
真相は分かりませんが、ウェンディゴ同様、元は精神疾患の実在した人物が元になっているとしたら切ないUMAといえます。
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2025年1月11日土曜日
至近距離で対峙! ~ ホワイトホール・ゴートマン (ヒツジ男・ヤギ男)
■至近距離で対峙! ~ ホワイトホール・ゴートマン (ヒツジ男・ヤギ男)
Phantoms and Monsters さんに寄せられた奇妙な生物の目撃談です。
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「わたしはニューヨークのホワイトホール (Whitehal) の近くに住んでいます。
ある夜のこと、私のパートナーが外にゴミ出しに行くと、血相を変えて戻ってきたたんです。
震えあがっておりかなり動揺しているようでした。
ゴミ出しの際にキツネやコヨーテに似た生物に出遭ったが、なんとそいるは後肢で立ち上がったというんです。
その事件から1ヶ月ほど経ったときのことです、私はベランダに出て煙草を吸っていました。
その当時、自宅の隣は空き区画になっており、手入れが行き届いておらず草が8インチ (約20センチ) ほど伸びていました。
また、そこには自宅から20フィート (約6メートル) ぐらいのところに造園用のトレーラーが長い間停められっぱなしでした。
暫くの間そこでタバコを吸っていると『誰かに監視されているような奇妙な感覚』に襲われました。
この辺の住人がみなそうであるように、私も普段から銃を携帯しています。
この辺は野生動物や肉食動物も多いので、周りを伺いました。
するとトレーラーの近くの草むらに大型犬ぐらいの大きさのなにかが横たわっているのに気付きました。
その日は満月ではありませんでしたがよく晴れた明るい夜でしたからはっきりと確認できました。
倒れている動物に無暗に近づいてはいけないことを私は知っています。
月の光が当たっていてもその生物は真っ黒にしかみえず、伸びた草と奇妙なコントラストを奏でていました。
するとその生物は頭部を持ち上げたのです、突き刺すような赤い目をしていることに気付きました。
『なんてこった、、、!』私は携帯していたリボルバーに手を伸ばしました。
そいつはなんとそのまま後肢で立ち上がったのですが、その脚はナルニア国物語に登場するヤギと人間のハイブリッド (フォーン, faun) のようでしたが、体は人間とイヌのハイブリッドのようでした。
頭部には角があり、私の身長 (183センチ) よりも高かったです。
私はゆっくりとドアまで後ずさりし部屋に入ると鍵をかけました。
この目撃事件は私の人生の中で最も不可解なもののひとつです。
それ以来、自宅に防犯カメラを背設置したものの、隣の空き区画は現在工事中で、それ以後、その生物を目撃していません。
いずれにせよ、私はあの生物がなんだったのか、近くに森などでその生物が存在する証拠を集めたいと思っています」
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全米各地で目撃されるヒツジ男 (正確にはヤギ男) のイメージですが、ヒツジ男の話はほとんどがキャンプファイヤー等で語られる都市伝説であるのに対し、こちらは実際に目撃している点で非常に珍しケースです。
しかも少なくとも異なる二人の人物によって2度目撃されていることから、何かしらが存在した可能性は高そうです。
但し、目撃されたのが夜の空き区画であり、ホームレスが寒さ対策で何枚も服を着重ねていたとか、黒い毛布にくるまっているのを誤認したのではないか?という疑いは残ります。
目撃者がその生物に対し恐怖を感じながらもリボルバーの引き金を引かなかったのも、その正体が人間である可能性を完全に捨てきることができなかったからかもしれません。
ですが、たとえ夜でも僅か6メートルという至近距離で目撃しており、人間かそうでないかの判断ができないほどの奇妙な容姿であったことは確かでしょう。
(参照サイト)
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