単純にバッタと総称される仲間 (イナゴ、コオロギ、キリギリス、カマドウマ等)、いわゆる直翅目 (ちょくしもく) の中で、世界最大のものはなんでしょう?
実ははっきりとは分かりませんが、マレーシアのキリギリスの仲間、オオコノハギス (Arachnacris corporalis) の体長15センチ、翼開長は25センチや、純粋にバッタと呼ばれるものでは、中南米に生息するトロピタグリス・コラリス (Tropidacris collaris) の12センチ、翼開長23センチなんかが体長的には候補ではないでしょうか。
(オオコノハギス)
(image credit by Wikicommons)
(トロピタグリス・コラリス)
(image credit by Wikicommons)
また、ニュージーランドのジャイアント・ウェタ (Giant wētā) の最大種、リトルバリアアイランド・ジャイアント・ウェタ (Deinacrida heteracantha) も外せません。重さは最大で70グラムのものが捕獲されています。
ちなみにマオリ語でウェタプンガ (wētāpunga) と呼ばれるため、そのように呼称される場合もあります。
(リトルバリアアイランド・ジャイアント・ウェタ)
(image credit by Wikicommons)
それではこちらはいかがでしょう?通常英語でジャングル・ニンフ (jungle nymph) と呼ばれるサカダチコノハナナフシ (Heteropteryx dilatata) は体長17センチ、体重65グラムと文句なしの大きさ・重さです、が、見た目こそバッタっぽいものの名前の通り直翅目ではなくナナフシ目なので除外です。
(サカダチコノハナナフシ)
(image credit by Wikicommons)
いやいやいやいや、世界最大のバッタはそんなものじゃない、昔からのUMAファンならそう思っている人もいるでしょう。
ニュージー・ランドの農夫、バリー・ギッスラー (Barry Gissler) 氏によって撃ち殺されたといわれる巨大バッタは体長48インチ (約120センチ)、体重が23ポンド (約10キロ) もあったのですから。
これがぶっちぎりだろっ!と。
UMAにしては珍しく写真があるのが何よりの証拠!
この記事には、どっかの大学の昆虫学者、ロバート・スクール (Robert School) 博士も登場、一体この生物はどこからやってきたのか?どうしてここまで大きくなれたのか?と、呑気な感想を述べています。
さらに、非常に下品な言葉遣い、かつ昆虫学者とは思えないしょうもない以下のコメントを残しています。
「庭で見かけるようなバッタでしたら掌 (てのひら) に乗せられますが、こいつはラブラドールレトリーバーぐらいクソでかいんです。
願わくば、これが唯の一匹だけであることを祈るばかりです。
この種の大群が押し寄せようものなら、平均的な農場は一日で食い尽くされてしまうでしょう」
一般人以下のコメントです。
昔のUMA本に、この写真はよく載っていたものです。
農場主のギッスラー氏は自身のトウモロコシ畑をこの超巨大バッタに荒らされ、2日間に渡って追跡しウィンチェスターライフルで射殺することに成功したとコメントしています。
真偽?
古き良き時代の産物、もちろん記事はガセネタ、もといユニークなネタ満載のウィークリー・ワールド・ニュース (Weekly World News) さん。
ウィークリー・ワールド・ニューズ紙の記事にそんな質問を投げかけるのは野暮というものです。
ちなみに冒頭の写真は1937年に発表された元祖巨大バッタの写真を使いまわしたもので、元ネタはフランク・ D. "ポップ"・コナード (Frank D. "Pop" Conard) が作成した「ホッパー・ワッパー (Hopper whoppers)」です。
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