■翼竜は死んでいなかったのか ~ ギトモ・バード
今回はギトモ・バード(Gitmo Bird)。
キューバ南東部、グアンタナモ湾にある米軍基地周辺で目撃された、翼竜系UMAです。
グアンタナモ湾にある米軍基地の正式名称は、グアンタナモ湾海軍基地(Naval Station Guantanamo Bay)です。
米海軍の公式な略称として「NS Guantanamo Bay(グアンタナモ湾海軍基地)」、また一般的には「GTMO(通称:ギトモ)」とも呼ばれていることから、この名が付けられました。
― 軍事基地の空に現れた異物 ―
ギトモ・バードの最大の特徴は、その目撃場所にあります。
翼竜といえば、ジャングルの奥地や人里離れた山岳地帯など、太古の生物が生き残っていても不思議ではないような場所を想像するかもしれません。
しかし、ギトモ・バードが目撃されたのは、そうした大自然の中ではありません。
キューバ南東部にある、米軍の軍事基地です。
滑走路や兵舎、軍事施設が並ぶ人工的な空間。その上空を、絶滅したはずの翼竜に似た生物が飛んでいたというのです。
しかも、目撃は夜間や薄明の時間帯に集中しています。
― 皮膜の翼と歯のあるくちばし ―
(ランフォリンクス)
(image credit: Oleg Kuznetsov / CC-BY-SA-4.0 / Cropped)
ギトモ・バードの翼開長はおよそ1.2~3メートル。
翼は羽毛ではなく、コウモリのような皮膜状で、光を鈍く反射していたといいます。
頭部の後方には細長いトサカ状の突起を有し、くちばしの内部には、針のように細い歯が並んでいた、という非常に具体的な証言も複数存在します。
さらに特異なのが尾です。
細長い尾の先端に、菱形、あるいはスペード型のフラップがついていたと語られており、これは恐竜時代初期の翼竜、ランフォリンクス類(Rhamphorhynchus)に極めて近い特徴です。
― 少女と海兵隊員の証言 ―
最初に広く知られるきっかけとなったのは、1965年の目撃談です。
当時基地内に住んでいた少女パティ・カーソンは、弟と帰宅中、草むらから「人間ほどの大きさの翼竜」が姿を現したと証言しています。
距離はおよそ10メートル。
歯の生えた口、皮膜の翼、長い尾――その描写はとても具体的でした。
1971年には、米海兵隊員エスキン・クーンが、兵舎近くで2体の「翼竜のようなもの」が低空飛行するのを目撃しています。
彼は後にスケッチを残しており、その姿は図鑑でみる翼竜と酷似していました。
― 現生動物による誤認説 ―
翼竜生存説はUMAでは定番、とても魅力的ですが現実的にはなかなか厳しい。
有力な誤認候補として挙げられるのは、グンカンドリやペリカンなどの大型鳥類の誤認です。
特にグンカンドリは、長い翼と二股の尾を持ち、上昇気流に乗って滑空する姿が翼竜と誤認されることがしばしばあります。
しかし、羽毛のない皮膜翼や、歯のある口といった特徴をグンカンドリで説明するのは困難です。
グンカンドリ以外では、絶滅したと考えられているハシジロキツツキ(Campephilus principalis)の生存説もありますが、サイズと飛行様式が致命的なほど一致しません。
― なぜ「翼竜」に見えたのか ―
さて、翼竜説が人気なのは理由があります。
もともと中南米ではUMAの正体として恐竜や、恐竜と時代を共にした翼竜や海生爬虫類が人気があり、また、キューバでも実際に白亜紀後期の翼竜化石が発見されている事実があるからです。
「化石が発見された――、ならまだ生き残っているのではないか?」
その思いが、記憶の輪郭を翼竜の形へと補正してしまったのかもしれません。
― 閉鎖空間が生む異形 ―
加えて、軍事基地特有の夜間照明、監視灯、極度の緊張感。
これらが大型鳥類を、まるで別の生物のように見せたという説もあります。
しかし、スケッチに残されたディテールの一致率は、単なる錯覚として片付けるには少々出来過ぎています。
― 空に残る、時代錯誤の影 ―
ギトモ・バードは、本物の翼竜だったのでしょうか。
それとも、人間の記憶が生み出した「翼竜らしい幻影」だったのでしょうか。
その正体は分かりません。
しかし、もし目撃者たちが見たものが本当に翼竜だったなら、それは太古の生物が現代に迷い込んだということになります。
軍用機が飛び交い、監視灯が夜を照らす近代的な軍事基地。その空を、絶滅したはずの翼竜が飛んでいた。
現代の風景の中に、太古の生物だけが紛れ込んでいる。
そう考えると、ギトモ・バードの目撃談は、なんとも奇妙で、そして魅力的なものに思えてきます。
UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)
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