今のUMA本は分かりませんが、昔のUMA本では高確率で載っていたアイダハルを紹介します。
「ロシアのコッコーリ湖 (Kök-köl lake) で目撃される怪物」と記述されますが、コッコーリ湖があるのは現カザフスタン領です。
ソ連崩壊以前、統治下にあったカザフスタンだったため古いUMA本ではそのような記述となっていますが、カザフスタンがロシアから独立した後 (1991年12月16日) に出版されたUMA本でも「ロシアの~」となっているものがあるためちょっと紛らわしくなっています。
なお「Kök-köl」を本当にコッコーリと発音するのかどうかも怪しいですが、分からないのでコッコーリ湖としておきます。
さてUMAのアイダハルに話を戻しましょう。
このアイダハル (Aidakhar) という単語はカザフ語の「Айдаһа」に由来し、カザフ語で「ドラゴン (もしくはドラゴンの一種)」を意味するものと思われます。
ただしそれほど一般的な呼称ではないらしく、英語では単に湖の名前をそのままにコッコーリと呼ばれたり、コッコーリ・モンスターと呼ばれたりしていることも多く見受けられます。
旧サイトではUMA本そのままに竜脚類タイプ・海生爬虫類タイプのUMAとして紹介しましたが、どうもそうではないようです。
体長は40~50フィート (約12~15メートル) のシーサーペント (巨大海蛇) タイプで、いわゆるレイク・サーペントの一種といえます。
目撃者の中には地理学者のアナトリー・ペチェルスキー (Anatoly Pechersky) 教授とその息子ヴォロドヤ (Volodya) くんがいます。
ペチェルスキー教授によれば、彼らのいる位置からわずか25フィート (約7.6メートル) しか離れていない湖面が突如泡立ち頭部だけで6フィート (約1.8メートル) もある巨大な生物が現れたと主張しています。
しかしこれだけはっきりとその姿を目撃されたのは大変珍しく例外中の例外といえます。
なんといってもアイダハルの特徴は「音」だからです。
出現直前、湖には大きな渦が生じ「アイダハルの唄声」ならぬ笛やトランペットのような音、ときには「ため息」が聞こえてくるといいます。
むしろ湖から聞こえてくるこれらの「怪音」こそがアイダハル伝説を生んだと言えるかもしれません。
実際、長年に渡り目撃情報が続くものの、その姿は抽象的で曖昧だからです。
目撃情報と言われるものも、湖面に現れた「泡」や湖から聞こえる「怪音」等がほとんどであり、その姿を見た人は限られます。
そしてこれらの「怪音」の原因は科学的に説明できるといいます。
コッコーリ湖の湖底は深い泥で覆われており、その泥の下には地下の空洞があるといわれています。
その泥に亀裂が入り地下空洞に水が流れ落ちると湖面には大きな渦が生じ、「アイダハルの唄声」なる音が発せられるといいます。
また単に湖底から生じるガスが水面で泡立ち音を立てているともいわれています。
いずれにしてもこういった自然現象こそがアイダハルの正体ではないか、ということです。
日本を含め地元以外ではアイダハルは単に怪物にすぎませんが、地元では神聖な生物として認識されています。
というのもアイダハルが過ぎ去った後、湖の水は浄化されると信じられており、地元住民は湖の水を求めてやってくるからです。
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