2022年12月28日水曜日

カメラにとらえられたノッティンガムシャー のスモーキー・ゴースト


■カメラにとらえられたノッティンガムシャー のスモーキー・ゴースト

更新の間隔が少し空いてしまいました。

ネタ的には軽めのものですが更新しておきましょう。

イングランドのノッティンガムシャー (Nottinghamshire) で二足歩行のゴーストが撮影されました。

ノッティンガムシャーにはイギリス全土で目撃されるUMA、ABC (エイリアン・ビッグ・キャット)黒犬 (ブラック・シャック等) の目撃もありますが、UMAよりもむしろ心霊伝説のほうが有名な地といえるかもしれません。

ボニントン・シアターに現れるというゴースト・エドナやアッテンボローの川岸を歩くゴースト騎兵隊、アンズリーのグレイ・レディ等々。

今回、ナショナル・トラスト管轄のカントリー・パークにて犬の散歩中に「ゴースト」らしきものがカメラの収められたというのです。

撮影したのはハンナ・ロウェット (Hannah Rowett) さん、そして旦那様のデイヴ (Dave Rowett) さんです。

動画を見てみましょう。

とても短い動画ですが (動画は本文最下部にあります)、白いスモーク (半透明) 状の二本足のゴーストが画面を左に向かって横切っているように見えます。

パーク内は真っ暗で、心霊的なネタであり真夜中に撮影したかのような錯覚を覚えますが実は早朝6時半とのことです。

(今回の映像を見て真っ先に思い出したのはストリートビューに写っていたという「二本足の猫」(フェイク) ですね)

懐疑主義というのかそれとも単に常識的というのか、デイヴさんにとってはオカルトジャンルの「心霊」は肯定しがたいものだったようですが、この動画を観てからというものその信念が揺らぎ、揺らぐどころか肯定派にまわったともw

一方ハンナさんは幼少期からいわゆる「霊感」を持っていると主張しており、デイヴさんとは相反する主義でしたが「ゴーストが存在する証拠」を夫に提示できて満足なようです。

さてハンナさんによれば目の前に現れたゴーストを即座に撮影したのですが、実はこれは動画ではなくiPhoneのライブフォト (Live Photos) 機能で撮影されたものだそうです。

先に挙げたノッティンガムシャーの心霊のひとつ、アンズリーのグレイ・レディはスモークもしくは霧状の「灰色のレディ」を姿をしたゴーストで、今回のスモーク状のゴーストと共通点があることからにわかに脚光を浴びています。

といっても今回のものはどう見ようと「レディ」には見えませんが。

ちなみにアンズリーには名前も姿も似た「ホワイト・レディ」というゴースト伝説もあります。

今回の映像は「短すぎる」という意見はあるかもしれませんが、撮影場所・日時・撮影者もはっきりしており、さらにピンぼけ画像でもなく、それがなんであれフェイクである可能性は低そうです。

スモーク状であることから実際にただのスモークだろう、早朝の寒い時間であり呼気であろう、等々、合理的な意見も多いですが夫妻はノンスモーカーでありこれらの事象ではないと言い切っています。

またスモークにしろ呼気にしろ「定型」を保てないと主張していますが、特に無風であれば意外と長い時間「定型」を保てますし、ライブフォトは3秒なのでこの程度の時間であればスモーク・呼気の可能性は十分考えられます。

顔出しですし夫妻が嘘をついているとは思っていませんが、惜しむらくはあまりに映像が短かったことですね。

ハンナさんが主張するゴースト存在の証拠になるかどうかは別にしてもなかなか興味深い映像です。


(参照サイト)

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2022年12月18日日曜日

ゾウをも殺す巨大サイ ~ エメラ・ントゥカ

(original image credit by Wikicommons)

■ゾウをも殺す巨大サイ ~ エメラ・ントゥカ

今回は久々の正統派UMAの紹介で、エメラ・ントゥカ (Emela-Ntouka) にしましょう。

エメラ・ントゥカはアフリカの恐竜系UMAのメッカと言えるコンゴ共和国やカメルーン共和国で目撃される恐竜 (特に角竜) に似たUMAといわれています。

日本ではチペクウェ (Chipekwe) としても知られますが、他にもンガムバ・ナメ (Ngamba-namae) やンジャゴ・グンダ (Njago-gunda) 等いくつもの名を持ちます。

エメラ・ントゥカという名前は同国のUMA、モケーレ・ムベンベムビエル・ムビエル・ムビエル等と同じリンガラ語に由来し「象を殺すもの」を意味します。

エメラ・ントゥカを簡単に表現すれば現生の「アフリカゾウサイズもあるサイ」といった感じで、吻部にある大きな一本角が特徴です。

「象殺し」の異名からも想像できる通り非常に凶暴な性質で原住民から恐れられているといわれています。

それではその正体についてみていきましょう。

まずは恐竜生存説。

恐竜が今日まで生き残っている、という可能性は限りなくゼロに近いものの恐竜生存説はUMAの正体としてもっとも人気があります。

(セントロサウルス)
(original image credit by Wikicommons)

エメラ・ントゥカの場合、その体長や一本角の特徴から、角竜、その中でもセントロサウルス (Centrosaurus) に似ているといわれます。

セントロサウルスは北米大陸に生息した恐竜で体長は6メートルほど、アフリカゾウとほぼ同じぐらいです。

しかしエメラ・ントゥカの化石はアフリカでは見つかっておらず、またエメラ・ントゥカが沼沢地に生息 (半水生) し首回りにフリルもないといわれることから、セントロサウルスがたとえ生き残っていたとしても特徴・習性的にもその正体としては少々厳しそうです。

(ケラトサウルスの復元図)
(image credit by Wikicommons)

恐竜としてもう一つの候補がケラトサウルス (Ceratosaurus) です。

ティラノサウルス等と同じ獣脚類の仲間で属名の意味は「角をもつトカゲ」、吻部に突起状の角を持ちます。

凶暴で首周りのフリルがないことはセントロサウルスよりも強みですが、ケラトサウルスは二足歩行でありサイに似ているとはいい難く、また名前の由来になったほどトレードマークの角は目立つものではありませんでした。

恐竜以外を考えてみましょう。

あくまで「常識的」に考えれば、規格外のサイを誤認したものと考えられます。

現生最大のサイはシロサイ (Ceratotherium simum) で、最大サイズのオスは体長4.2メートル、3.6トン。

素晴らしい体躯ですが、やはり巨大といえば絶滅種、そっち方面に目を向けてみましょう。

(体高約8メートル、パラケラテリウム)
(original image credit by Wikicommons)

「史上最大のサイ」として頻繁に引用されるのはパラケラテリウム (Paraceratherium)、以前は別種と考えられていたインドリコテリウム (Indricotherium) と同種でこちらの呼び名のほうがしっくりくる人も多いかもしれません。

パラケラテリウムは史上最大のサイどころか史上最大の哺乳類で、体長は8メートル前後、肩高も5メートル前後、体重最大20トンととんでもない大きさですが、頭部に角を有してない上に現生のサイとはまったくプロポーションも異なりエメラ・ントゥカの正体としては心許ないです。

(エラスモテリウム)
(image credit by Wikicommons)

現生の見慣れたサイらしいサイで巨体を誇ったのはエラスモテリウム (Elasmotherium) で、そのなかでもエラスモテリウム・カウカシクム (Elasmotherium caucasicum) は体長5メートル超、5トンと頼もしい限りです。

体に比して圧倒的ともいえる巨大な角を有し、恐竜なんかと比べればつい最近ともいえる数万年前 (3.9~2.6万年前) まで生息していたこともまた魅力です。

ケブカサイ (Coelodonta antiquitatis)) なんかもいいかもしれませんが、エラスモテリウムよりはひとまわり小さく、大きくてもせいぜい4メートルぐらいといわれています。

みなさんごひいきの動物を候補としてください。

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2022年12月15日木曜日

幽霊飛行船 ~ L8 ゴースト・ブリンプ

(変形しながら飛行するL8飛行船)

■L8飛行船の消えた乗組員 ~ ゴースト・ブリンプ

デビルズ・フットプリントの記事で謎の足跡の正体のひとつに熱気球を挙げたことでL8飛行船のミステリーを思い出しました。

今回はUMAではなくL8ミステリーです。

1872年12月4日、乗員乗客10人を乗せたメアリー・セレスト (Mary Celeste) 号が船の損傷がないにもかかわらず無人で漂流しているところを発見されたことから「ゴースト・シップ」として語られているのは多くの方がご存じでしょう。

メアリー・セレストほどではないにしろ、ゴースト・ブリンプもまあまあ有名なので知っている人もそれなりにいるでしょう。

今回はゴースト・シップの飛行船 (blimp) 版ともいえ、英語圏ではゴースト・ブリンプ (Ghost blimp) で知られます。

第二次世界大戦中の日本軍の真珠湾攻撃 (1941年12月) により甚大な被害を被ったアメリカ軍は日本軍の潜水艦の監視のためL級軟式飛行船 (L-class airship) を使用しました。


そのひとつがL8飛行船で、もともとこの飛行船はタイヤ製造メーカーとして知られているグッドイヤーの宣伝用飛行船でした

L級軟式飛行船は低速かつホバリング可能でかなり低い高度を飛ぶことができ、さらに登場人員が僅か2人という手軽さから沿岸パトロールにはもってこいでした。

1942年8月16日、午前6時、L8はアーネスト・デウィット・コーディ (Ernest DeWitt Cody) 中尉とチャールズ・エリス・アダムズ (Charles Ellis Adams) 少尉を乗せ離陸しました。

実は3人目の搭乗者として機械工のジェームズ・ライリー・ヒル (James Riley Hill) 氏も予定されており、実際、離陸前に搭乗もしていましたが搭載重量に懸念を示したコーディ中尉の判断により降ろされたといわれています。

L8は手軽な分、搭載重量は僅か1トン強と心許なくコーディ中尉の少しでも軽く、という気持ちは分かります。

離陸から2時間弱、午前7時50分、L8より海面に油膜を確認したとの連絡が入ります。

油膜はその下に潜水艦が潜んでいる可能性を示唆する重要な証拠です。

その位置を示すため、L8から油膜上に2つの発煙弾が投下されるや飛行船は上昇しました。

しかし、、、第二報は待てど暮らせどやってきません、L8からの連絡は途絶えたのです。

軍はL8の安否を懸念し探索機を飛ばすも無事に近くの基地に着陸したことを確認、安堵するもこれは誤報でした。

L8の姿はそこになく、衆目が注目する中、L8はゴンドラが砂浜に着くほどの「超」低空飛行で飛び回り、送電線その他をなぎ倒すと再び空中に舞い上がりました。

飛行船はヘリウムが抜け中央部分がいびつに凹みながらも不安定な飛行を続けましたがついに午前11時にゴルフ場に墜落しました。

墜落するや2人の乗組員の救助に向かいましたがゴンドラに2人の姿はありませんでした。


どこでコーディ中尉とアダムズ少尉は消えたのか?

低空飛行を続けたこともあり多くの目撃証言が得られましたが、それは混乱し惨憺たる内容でした。

L8のゴンドラが砂浜に接触した際に2人が脱出するのを目撃した、というもっともらしいものもありましたが2人は見つかりませんでした。

後にこれは砂浜に接触したゴンドラを引き留めようとした2人の漁師を見誤ったものだということが分かりました。

2人は初めから乗っていなかったという人もいれば、それどころか2人ではなく3人搭乗していたと証言する人もいました。

先に挙げた3人目の幻の搭乗員、機械工のヒル氏でしょうか?しかしそれはあり得ません、ヒル氏は離陸前に降ろされていたのですから。

パラシュートで脱出したと言い張る目撃者もいましたが、備え付けのパラシュートはそのままであったことも確認されています。

どんな証言があろうとコーディ中尉とアダムズ少尉は見つかりませんでした。

消えてしまったのです。

「合理的な推測」によれば油膜発見時に発煙筒を投下する際にハッチを開けいずれかがゴンドラから落ちかけ助けを求めて2人もろとも海中に落ちたというものです。

おそらくその可能性は高いでしょう、実際に墜落時にゴンドラのハッチは開いていました。

とはいえ、墜落の衝撃で開いた可能性も否定はできませんし、そもそも海中に落ちたであろう2人は80年を経た現在でも見つかっていません。

海軍による公式的な見解はコーディ中尉とアダムズ少尉は「おそらく」高さ300フィート (約90メートル) から海面へ落下、急激に沈下後、体は損傷しそのまま海底へ沈んだのだろう、というものです。

この説明は万人が納得できないものでした。

そういうわけで2人の安否については、日本軍の潜水艦の偵察時であったこともあり日本軍に捕まり捕虜となった、というそこそこ現実なものから、宇宙人に誘拐されたという突飛なものまでいろんな説が存在します。

(参照サイト)

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