2019年12月6日金曜日

その化け物は存在する ~ エル・スエロ

(image credit by Carlos Eulefi)

■エル・スエロ

南米、アルゼンチンにあるラカル湖 (Lácar Lake) に人を襲うといわれる水生UMAがいます、エル・スエロです。

多くの水生UMAがネッシータイプ (いわゆる首長竜タイプ) であるのに対し、エル・スエロはその形態がユニークです。

そもそも、エル・スエロ (El Cuero) というこの言葉自体、スペイン語で「革 (特に牛革)」といった意味であり、この言葉自体がUMAとしては既にユニークです。

しかし、このエル・スエロという言葉はこのUMAの特徴を如実に表しています。

エル・スエロはその名の通り、薄っぺらな「革」のようなからだ、そのからだから飛び出した赤みを帯びた長い柄の先端に目があります。

口吻はチョウザメのように突き出ているといわれ、しなやかで長い尾を持ちます。

エル・スエロの大きさは巨大生物ひしめくUMAの中では控えめで、からだの幅は2~5フィート (60~150センチ) と既知の水生生物と変わりありません。

ただし非常に危険な存在で、水中ではおろか、目撃証言によれば、湖岸にいる人間たちですら突如水中から出てきたエル・スエロによって餌食にされるといわれています。

大きさはいいとして、そんな生物が存在してたまるかっ!、といった感じですが、実はそれほど滅茶苦茶な存在ではありません。

飛び出た目ん玉のせいで現実感がありませんが、大きさも身体的な特徴も南米に多く生息する淡水エイそのものです。

多くの淡水エイはウチワのようなほぼ円形のシルエットですが、吻部 (口) のみ突き出ている種もおり、また大きさも幅150センチは大物ですが、南米最大種アハイア・グランディ (Ahaia Grandy, Potamotrygon brachyura) の最大サイズはそれ以上で200キロ以上に成長します。

ちなみにアハイア・グランディは海外ではふつうショートテイルド・フレッシュウォーター・リバー・スティングレイ (short-tailed river stingray 「短い尾の淡水エイ」) と呼ばれアハイア・グランディと呼ばれることはまずありません。

さて、そんなアハイアグランディでも目に玉はおろか、吻部も突き出ていませんが、エル・スエロの正体は既知種・未知種はおいといて、淡水エイであることは確実でしょう。

未知種でそういった姿に違い淡水エイが発見されれば文句なしですが、既知種である可能性もあります。

というのも淡水エイは通称バットマン (batman) と呼ばれる、左右のヒレが裂けたように分かれ、吻部が欠落した変異個体が存在します。

バットマンは左右に分かれたヒレのせいで、むしろ吻部が尖って見えるものも存在します。

こういった変異個体がもし大型種に存在した場合、かなり奇妙に映ることは確実であり、エル・スエロの形成に一役買ったでしょう。

淡水エイは積極的に人を襲うことはありませんが、淡水エイはみな多かれ少なかれ毒を持つことから「人を襲う」と形容されても不思議ではありません。

とはいえ、「湖岸の人を襲う」というのは淡水エイでは不可能です。

ただし、これはUMA特有の「複数動物のハイブリッド化 (※注)」の可能性が考えられます。

大型のナマズは川岸すれすれにいる子犬程度の小動物や水鳥など、水から飛び出して襲うことがしばしば報告されます。

南米にも3.6メートルにもなるピライーバ (Brachyplatystoma filamentosum) など大型のナマズが存在するので、そういった巨大ナマズをエル・スエロと関連付けてしまった可能性もあります。

そういったことからもエル・スエロの正体は大型の淡水エイのミュータント (突然変異体) の可能性が高いのではないでしょうか。

(※注)
異なる複数の動物の目撃情報をひとつの動物 (UMA) としてまとめあげてしまうこと


 お前はどこからやってきた? ~ ダルバートン湖の水生獣


 3人を食い殺した人食いナマズ ~ ジャイアント・グーンチ


 足と肉がなく空気から栄養を栄養摂取する鳥 ~ ゴクラクチョウ (フウチョウ)




 ハリケーン・ネイトで打ち上げられた謎の魚

 マダガスカルの謎の巨大コウモリ ~ ファンガロボロ

 生け捕りにされた怪物 ~ タグア・タグア・ラグーン (タギュア・タギュア・ラグーン)

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