陸生甲殻類最大のヤシガニ。
最大40センチで体重9キロ以上、長い足を広げると1メートル近くにもなります。
体は大きくともスローモーな動きに「ヤシガニ (英名ココナッツ・クラブ、coconut crab)」という響きからくるイメージはいかにも平和そうです。
のんびり椰子の実でも食ってんのかなぁ、と。
ですが実際のところ、非常に高い雑食性を示します。
(image by YouTube "BBC")
英語圏では泥棒ガニ (robber crab) だの椰子泥棒 (palm thief) なる異名を持つことでも察しが着くでしょう。
椰子の実に限らず他の果実はもちろんのこと、それどころか動物の死肉だって食べます。
さらにいえば、カニやカメなど動きの遅い動物であれば自ら攻撃して捕まえます。
ヤシガニにとって、もっとも捕まえるのが困難と思われる鳥ですら、寝込みを遅って殺して食べている姿が撮影されています。
また、ハサミも強力で、カニの甲羅も簡単に破壊して食べてしまいます。
イメージとはずいぶんと違うヤシガニですが、ナショナルジオグラフィックの記事によると、かれらのこの獰猛な食性が、伝説の女性パイロッドの失踪に一役買うのではないかと考えられています。
伝説の女性パイロットとはアメリア・イアハート(Amelia Earhart)。
1937年に世界一周飛行に挑戦するものの7月2日に失踪。
諸説あるものの、その中に燃料不足によりニクマロロ島 (Nikumaroro Island) 付近の海に不時着し、同島にたどり着きそこで亡くなったのではないか、という説があります。
1940年にニクマロロ島は無人島ですが、当時の捜索によりキャンプをした形跡を発見、さらに人骨らしきものも発見されました。
その人骨らしきものはフィジーに送られ調査を受けましたが混乱の最中、紛失してしまいこの説を裏付ける証拠は無くなってしまいました。
万策尽きた感がありますが、当時発見された人骨の数はわずかに13個だったといいます。
人間の骨の総数は206個、そのうち193個は見つかっていないのです。
どこに行ったのか?
猛獣ひしめくサバンナのど真ん中に放置されたならともかく、ニクマロロ島は無人島です、持ち去る生物など皆無なのでは、、、?
そこで登場するのがヤシガニです。
非常に貪欲なヤシガニです、かれらは彼女の遺体に群がりそれぞれの巣穴に持ち去ったのではないか?
その巣穴さえ見つかれば、アメリア・イアハートの失踪ミステリーも完結するものと信じられています。
(参照サイト)
National Geographic
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