(image credit by Orbis Books via Shuker Nature)
■155歳まで生きたヨーロッパウナギ ~ エール
土用丑の日はウナギの話題。
巨大海蛇シーサーペントをはじめ、巨大水生UMAの正体としてウナギ (アナゴ含む) は頻繁に候補に上がります。
ヨーロッパ、特にアイルランドのコネマラ (Connemara) という大小多くの湖沼が密集している地域では「ウマウナギ (horse-eel)」と呼ばれる、まさに巨大なウナギのような姿をしたUMAの目撃も少なくありません。
ウマウナギと呼ばれるのは、ウマのように体が大きいかったり、頭部がウマのようであることに由来します。
ヨーロッパに生息するウナギはヨーロッパウナギ (Anguilla anguilla) 一択となります。
アイスランドやイギリスを含むヨーロッパ全域に生息するウナギで、見た目も大きさ的にもニホンウナギ (Anguilla japonica) と大差なく、大きくても1メートルを超える程度、最大で1.5メートルぐらいです。
(6メートルといわれるヨーロッパアナゴ)
(image credit by Telegraph)
シーサーペント的に大きくなるのはやはりウナギではなくアナゴで、ヨーロッパアナゴ (European conger) には (計測方法に若干の疑問はありますが) 6メートルという記録があります。
さてヨーロッパウナギに話を戻しますが、UMA的に大きくなるのであればそれなりに長命である必要があります。
ヨーロッパウナギの生態自体がいまだによく分かっていないこともあり、野生下での寿命ははっきりしませんが、およそ10~20年ぐらいではないかといわれています。
(ニュージーランドオオウナギ)
ちなみに世界最大のウナギ、ニュージーランドオオウナギ (Anguilla dieffenbachii) は成体の平均体長で1メートルを超えるオオウナギで、最大1.5~1.8メートル、性成熟に20~30年要するため60年から最大100年以上生きるのではないかといわれています。
これだけ聞くとヨーロッパウナギの完全な敗北ですが、ニュージーランドオオウナギ以上の長命記録をもつ個体が存在します。
ヨーロッパウナギのエール (Ale) です。
エールはスウェーデン在住のトマス・キェルマン (Tomas Kjellman) さんによって飼われていたウナギです。
ホームパーティに来てくれたみんなに自慢のエールを披露しようとキェルマンさんが井戸に行ってみると、、、
エールは2014年に亡くなりました。
キェルマンさんが現在の家を購入したのは1962年のことです。
裏庭には井戸があり、引っ越してきたときに既にエールが井戸の中に住んでいました。
聞くところによるとエールは1859年にサミュエル・ニルソン (Samuel Nilsson) くんという8歳の少年が井戸に放したものだそうです。
その記録が正しければエールの享年は155歳。
以前、スウェーデンの水族館で飼われていたプテ (Pute) という名のヨーロッパウナギの85歳を大きく大きく更新です。
生涯ただの一度だけ産卵するため、飼育下で産卵させなければ飛躍的に寿命が伸びるといわれていますが、それにしてもすごい年齢です。
そして気になるのはその大きさ。
155歳のウナギとは一体どれぐらいの大きさに育ったのだろう?
期待は膨らみます。
が、エールは伝説的な巨大ウナギどころか平均を下回る小さなウナギでした。
井戸という狭い空間の中では大きく育てなかったのかもしれません。
(エールの死骸)
果たしてウナギが本当に155年間も生きれるものなんか?
スウェーデンのストックホルムにあるスウェーデン農業科学大学、淡水研究所の専門家であるホーカン・ウイックストロム (Håkan Wickström) 博士は低温が保たれ潤沢な食料があり、捕食者がいない環境であればそれは可能な年月ではないかと考えています。
(参照サイト)
Live Science
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