■就寝中に謎の死を遂げるのはこいつのせい ~ ティコロシェ
南アフリカ共和国の先住民族ズールー族に伝わる神話に、ティコロシェ (Tikoloshe) (もしくはトコロシェ (Tokoloshe)) と呼ばれるゴブリンのような生物が登場します。
この地域で多くの人々が就寝中に謎の死を遂げるのはこのティコロシェによるものと考えられていました。
亡くなるのは重篤な病気にかかっている人や、老人ばかりではありません、若く健康な人々も突如として謎の死を遂げるのです。
ティコロシェはわずか30センチ程度の身長しかないと言われ、真っ向勝負であれば人間にとって恐るるに足らない存在です。
しかしティコロシェがやってくるのは人々が寝静まった深夜、就寝中の人間に抗う手立てはありません。
しかしたった一つだけティコロシェから身を守る方法があります。
かれらの身長はわずか30センチであり、ベッドの足の下にレンガやブリキ缶などを置き、高くしてしまえばティコロシェはベッドの上まで上がってくることはできず、就寝中の人間といえど襲われずに済むといいます。
バカげている?
そう、こんな身長30センチの怪物が就寝中の人間を襲うだの、それを避けるためにベッドを高くするだの、くだらない迷信に振り回されてそんな儀式めいたことしてたまるか、と思うでしょう。
しかし、この迷信を信じるものは救われ、そうでない人は (ときおり) 死んでいくという「事実」を聞いても考えは変わらないでしょうか?
やはりティコロシェは存在する?そんなバカな?
実は先住民族が冬場に使う暖炉が不完全燃焼により有毒ガスが発生し、空気より比重の重いガスが下方に溜まるため、より低い位置で就寝している人が中毒死していたと考えられています。
ベッドをより高くすることによって有毒ガスの吸い込みが幾分抑えられ、何もしていない人よりも助かる確率が上がっていたものと考えられています。
なーんだやっぱティコロシェなんていないのね。
ところが以前にティコロシェの死骸が見つかった!というニュースが流れたことがあります。
もちろん場所はティコロシェの故郷、南アフリカ共和国。
観光客によりプレッテンバーグ・ベイ (Plettenberg Bay) の郊外で、地面に横たわる謎の生物が発見されました。
文字通り大の字に横たわる四肢動物。
身長は30センチを遥かに上回り、細長いですが80センチぐらいあります。
腕の関節が完全に真横まで可動するため、どこかしらそのシルエットは人間的です。
結論を先に言えばこれはおそらくヒヒの赤ちゃんということ。
ヒヒは幼くして亡くなった赤ちゃんをしばらく連れ回すことがあり、その場合このように体が伸びてしまうということです。
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