2020年5月22日金曜日

ゾウのヒューマノイド ~ ナラビーン湖の怪物


■ゾウのヒューマノイド ~ ナラビーン湖の怪物

1968年から目撃がはじまったナラビーン湖の怪物 (Narrabeen Lake monster) 。

ナラビーン湖はオーストラリアのシドニーにある海沿いの湖です。

レイク・モンスターといえば当然ながらそのほとんどは大型魚類や海生爬虫類といった水生生物ですが、ナラビーン湖の怪物は超珍しいヒューマノイド系です。

目撃したのは空港に甥を車で送っていたメイベル・ウォルシュ (Mabel Walsh) さん。

湖の浅瀬に立っている奇妙な生物に気付いたのです。

「4フィート (約1.2メートル) をちょっと超すぐらい、ダークグレーで、丈夫そうな皮膚をしてたわ、ゾウみたいな感じね。

目はとても小さかったわ、前足も小さくて後ろ足2本で歩いてたの、ゾウのそれみたいに太くて丸かったわ。

尾や耳はちょっと分からなかったけど、頭部はアリクイね、長い吻 (ふん) は固定されていて角張った付け根は斜めに突き出てる感じ。

水から上がって後ろ足で立ち上がると、すり足のようなカニ走りで雑木林に姿をくらましちゃったの。

奇妙な歩き方なんだけどとても素早いのよ。

ほんと衝撃よ、とても奇妙な姿をしてるんだから。

もちろんそんな生き物を今まで見たことはなかったわ。

ほんの数秒の出来事だたけど」

一般的には「長い吻 (鼻先部分)」と「ゾウのような肌・足」のイメージから「ゾウのヒューマノイド (Elephant humanoid)」と呼ばれ、直立歩行するゾウのような姿に復元されています。

しかし目撃者のウォルシュさんは「吻はアリクイに似ている」といっており、ゾウのもうひとつのトレードマークである耳も確認できていないことから、「二足歩行するゾウ」といったイメージにとらわれないほうが良さそうです。

(パロルケステス)
(image credit by Nobu Tamura)

その正体として更新性までオーストラリアに生息していたパロルケステス (Palorchestes) が挙げられています。

長い吻を持ちその姿は現世のバクに似ていると考えられることから「有袋類のバク」とも呼ばれるパロルケステス。

ずんぐりした体つき、頑丈な四肢にバクを思わせる頭部、万一、二足歩行できるものならその姿はウォルシュさんの目撃情報に非常に近いと言えます。

ただし上述の通りパロルケステスは1万年前にはすでに滅んでしまったと考えられています。

それでは現世動物ではどうでしょう?

(オオアリクイ)

やはり怪しいのはオオアリクイ (Myrmecophaga tridactyla) です。

二足歩行はしませんが威嚇時は後肢2本で立ち上がることができます。

尾は大きいですが耳は小さく目立ちません。

ただしオーストラリアに生息する哺乳類のほとんどは有袋類であり、もちろんオオアリクイは生息していません。

有袋類にアリクイに該当する生物はいるでしょうか?

(ナンバット)
(image credit by Martin Pot)

有袋類のアリクイ」といえばナンバット (Numbat) ことフクロアリクイ (Myrmecobius fasciatus) がいます。

しかしフクロアリクイは食性こそアリクイそのものですが、姿は全然アリクイに似ておらず、そもそもかなり小柄です。

立ち上がったとしても30センチ程度にしかならず、とてもヒューマノイドと誤認されるような生物ではありません。

その正体は、絶滅動物にロマンを求めパロルケステス、未発見 (新種) のフクロ「オオ」アリクイ、無難なところで動物園から逃げたオオアリクイ、こんなところが主な候補でしょうか。

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