オーストラリアン・ブラックパンサーの記事でクイーンズランド・タイガー (Queensland tiger) に触れたので、こちらについても紹介します。
クイーンズランド・タイガーはUMA (未確認生物) で、その名の通り、オーストラリア、クイーンズランド州で目撃される「トラのような特徴を持つ生物」です。
クイーンズランドタイガーが目撃されたもっとも古い記録は1871年のことですが、オーストラリアの先住民族であるアボリジニによる言い伝えには同様の動物、「ヤリ (yarri)」が存在します。
それがなんであれ、オーストラリアの動物相からクイーンズランドタイガーの正体は有袋類に間違いないでしょう。
目撃された情報によればクイーンズランドタイガーの容姿はイヌ程度の大きさ、ネコに似た頭部でサーベルタイガーを思わせる大きな牙を持ち、からだにはトラを思わせる縞模様、そして長い尾を持つといわれています。
有袋類にサーベルタイガーのような大きな牙を持つ種がいるのか?というと実は存在します、というか、かつて存在していました、ティラコスミルス (Thylacosmilus) です。(※ティラコスミルスは「有袋目」⇒「砕歯目」に変更されたようです)
ティラコスミルスは「有袋類のサーベルタイガー」と呼ばれるほど (大きさを除けば) 本家のサーベルタイガーにそっくりの生物です。
ただし、ティラコスミルスは300万年前に既に絶滅しているばかりか、南米に生息してた有袋類であり、地理的な問題が大きすぎてティラコスミルスの生存説はさすがに厳しいでしょう。
オーストラリアで有袋類の「タイガー」といえば真っ先に思いつくのはタスマニアタイガーです。
ですがタスマニアタイガーは背中にトラのような縞があるためにこう呼ばれているだけで、実際は「有袋類のオオカミ」的存在です。
猫科的容姿はしておらず、実際、和名も「フクロオオカミ」というほどです。
そういうわけで、クイーンズランドタイガーの候補となっているのはティラコレオ (Thylacoleo)です。
ティラコスミルスと異なりティラコレオは「有袋類のライオン」(和名「フクロライオン」) と呼ばれますが、猫科的な特徴を備えており、背にはトラのような縞模様があったと考えられています。
さすがにティラコスミルスのような長大な牙は持ち合わせていませんが、それでも鋭く大きな歯を持っており、クイーンズランドタイガーの正体としては打って付けです。
ただしネガティブ要素としてはとっくの昔に絶滅している (約5万年前) ことです。(ただし、恐竜の生存説よりははるかにマシですが)
また、クイーンズランドタイガーはタスマニアタイガー絶滅以降、目撃情報が極端に減少していることから、やはりクイーンズランドタイガーの正体はタスマニアタイガーだったのではないか?と疑われています。
とはいえ、細々とですがいまだにクイーンズランドタイガーの目撃は続いており、その正体がもしタスマニアタイガーの誤認だったとしても、既に絶滅したと考えられているタスマニアタイガーなのですから、存在するのであれば大発見であることに変わりありません。
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