現世最大の両生類、オオサンショウウオ。
体長は巨大なもので1.5メートルの記録があるといいます。
現在では日本のオオサンショウウオ (Andrias japonicus) と中国のチュウゴクサンショウウオ (Andrias davidianus) のみ知られています。
(日本のオオサンショウウオ)
(image credit by Emőke Dénes)
すでに絶滅していますがヨーロッパにもかつて同属のオオサンショウウオ (Andrias scheuchzeri) が存在していました。
そして生きているオオサンショウウオの3つ目の生息地候補としてアメリカの登場です。
カリフォルニア州北部のトリニティ・アルプス (Trinity Alps) で目撃されるトリニティ・アルプス・ジャイアント・サラマンダー (Trinity Alps Giant Salamander 「トリニティアルプスオオサンショウウオ」) です。
記録に残っている最も古いものはフランク・F・グリフィス (Frank L. Griffith) 氏によるものです。
1920年、ニュー・リバー (New River) の上流で鹿狩りをしていたグリフィス氏は、湖で5匹のオオサンショウウオを目撃します。
大きさは5~9フィート (約1.5~2.7メートル) ぐらいだったといい、そのうち一匹にフックをかけることに成功、引き上げようとしましたがおそらくあまりに重かったからでしょう、水から引き上げることはできず諦めたといいます。
1.5メートル以上ともなれば30キロは下らないと思われ、もともと鹿狩りがメインで訪れていたグリフィス氏、簡易的な釣具では引き上げることはできなかったことでしょう。
(チュウゴクオオサンショウウオ)
(image credit by H. Zell)
カリフォルニアに生息するカリフォルニアオオサンショウウオ (Dicamptodon ensatus) は最大で30センチ程度であり、グリフィス氏の目撃したものよりも遥かに小さく、このサンショウウオを誤認した可能性は低いと思われます。
1939年、爬虫類学者のジョージ・S・マイヤーズ (George S. Myers) 博士はサクラメント・リバー (Sacramento River) で捕獲されたオオサンショウウオを漁師から連絡を受け30分もの間調査した実績があります。
体長は30インチ (約76センチ) もあったといわれ、上記に挙げたオオトラフサンショウウオ属よりはるかに大きく、日本や中国に生息するオオサンショウウオ属 (Andrias) と同種であろうと考えています。
ただし、マイヤーズ博士がこのサンショウウオの調査を科学誌に発表したのはそれから12年後の1951年と謎のブランクがあるのが気になります。
グリフィス氏の目撃情報でその存在を確信した生物学者のトーマス・L・ロジャーズ (Thomas L. Rodgers) 博士は1948年に4度の調査を行いましたが発見するには至りませんでした。
(5メートルの巨大両生類、絶滅種クーラスクス・クレエランディ)
(original image credit by Tim Bertelink)
1950年代、開拓者であるヴァーン・ハーデン (Vern Harden) 氏がトリニティ・アルプスのハバード湖 (Hubbard Lake) で一度にたくさんのオオサンショウウオを目撃します。
体長は8フィート (約2.4メートル) もあったと主張し、ハーデン氏もグリフィス氏同様、フックで引っ掛け水上に引っ張り上げようとしましたが難航した上、天候も悪く引き上げを断念しました。
これ以外にもオオサンショウウオの目撃はこの時期頻繁に報告されたことから、「存在することは確実」そう思われ幾度と調査隊がこの地に入りますが、物的証拠ひとつ持ち帰ってくることができないまま現在に至ります。
目撃証言は2メートル超えが含まれ少し大きすぎますが、マイヤーズ博士の間近での調査では76センチと自然界のオオサンショウウオとしては無難な大きさです。
大きさも習性もUMAに見られるような体長10メートル、人を襲って食べる、といった怪物的なものではなく、存在してもなんらおかしくありません。
ただし、万一発見されたとして単に外来種というオチも無きにしもあらずです。
(参照サイト)
Role Player's Imaginarium
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