最も好きな生き物は?と聞かれたら、「巨大イカ」と即答します。
その中でも個人的にはダイオウイカ (giant squid)が別格の存在です。
おそらく無脊椎動物最大 (最重量) はコロッサル・スクイッド (colossal squid, ダイオウホウズキイカ) で決まりでしょうが、密かにコロッサル・スクイッドを超えるダイオウイカが捕獲されるのを楽しみにしています。
もちろんコロッサル・スクイッドも好きですが2番目です。
今日はこの「第2位」のコロッサル・スクイッドの話。
イカやタコの口には日本語で「カラストンビ」と呼ばれる、オウムのクチバシを思わせる顎板 (がくばん) があります。
カラストンビは上あごと下あご、つまり「上顎板」「下顎板」で構成されています。
カラストンビの大きさを測るときは下あご、つまり下顎板で計ります。
(コロッサル・スクイッドのカラストンビ)
(image credit by Museum of New Zealand)
「原則的に」この下顎板の大きさが体重 (重い) に比例するであろうことは分かっています。
が、みなさんご存知のようにダイオウイカが捕獲される都度ニュースになるほど、巨大イカはめったにお目見えしません。
しかも捕獲されるダイオウイカは外套 (体の筒状の部分) は1~2メートルほどの「巨大イカとしては小ぶり」な個体がほとんどです。
これでは体重数百キロ級の巨大イカのカラストンビ (下顎板) と体重の関係を数値化するにはサンプル数としてあまりに少なすぎます。
ちなみに下顎板の長さを測るのは断面長で、これを英語でロウワー・ロストラル・レンクス (lower rostral length)、略してLRLと呼ばれます。
このLRLと体重の関係はもの凄くシビアなことで知られています。
というのも、LRLが40ミリだったコロッサル・スクイッドの体重は160キロであったのに対し、LRLが42.5ミリ、つまり2.5ミリ大きかっただけのコロッサル・スクイッドの体重は495キロありました。
0.1ミリの計り間違いも許されないほどです。
捕獲された最大のコロッサル・スクイッドはこの後者の495キロ、つまりLRLが42.5ミリのものです。
(image credit by The Christian Science Monitor)
しかし、もっともっと巨大なコロッサル・スクイッドが存在することだけは分かっています。
カラストンビは消化されず、よく捕鯨されたものや座礁したマッコウクジラの胃内容物から発見されるからです。
その最大のカラストンビのLRLは知られているカラストンビよりも6.5ミリも大きい49ミリもあります。
もしかするとそのコロッサル・スクイッドは700キロ以上あったのではないかと考えられています。
(参照サイト)
MUSEUM OF NEW ZEALAND
(参照サイト)
■ 落雷の化身と信じられた巨大ベレムナイト ~ メガテウシス・ギガンティア
■ ポーランド王に謁見した謎の司教と魚のハイブリッド生物 ~ ビショップ・フィッシュ
■ 聖なる魚は3メートルに育つ ~ オヒョウ
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