今回はUMAではなく既知生物のお話。
アトランティック・ゴースト・クラブ (Ocypode quadrata)、つまり「大西洋の幽霊ガニ」という英名のカニがいます。
名前の通り、北米の大西洋岸からブラジルにかけて分布します。
体長は5センチぐらいまで成長する中ぐらいのカニですが、別に特段目を引くような外見的特長のないごく一般的なスナガニです。
しかし特技があり、幽霊ガニは「鳴く」ことができます。
鳴く方法もユニークで、足をこすり合わせたり、ハサミを砂の地面に叩きつけたりといったものです。
これにより天敵を威嚇したり、仲間とコミュニケーションを取ったりします。
ただし足やハサミを使った「鳴き」は欠点として、天敵と対峙した状態では無防備となってしまうことです。
というわけで、足やハサミをフリーにした状態でも鳴けることが分かりました。
幽霊ガニは胃の中に食物を粉砕する胃咀嚼器をもちますが、これをこすり合わせることによっても同様に「鳴く」ことができるようです。
複数の「鳴く」方法の使い分けは、天敵が比較的遠い場合は「足」や「ハサミ」を、近づいてくると足とハサミをフリーにして防御体制を取るために「胃」を使うのでは?と考えられています。
体に対し相対的に脳が小さくもの凄いバカなんじゃないか疑惑を持たれていますがそんなことはなく、特にゴーストクラブの仲間はミラーテスト (鏡像自己認知テスト, mirror self-recognition test)、通称MSRにおいて自己認識 (自己認知) できることが分かっており、人間以外で数少ないMSR合格者です。
(参照サイト)
AAAS
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