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2026年1月10日土曜日

フロリダの夜を駆ける小さな悪魔たち ~ ノースポート・デビル


■フロリダの夜を駆ける小さな悪魔たち ~ ノースポート・デビル

フロリダ州ノースポート。湿地と松林が入り混じるこの町では、夜になると霧が立ちこめ、「赤い目の影」が動く――そんな噂が昔から絶えません。

その名は――ノースポート・デビル(North Port Devils)。

夜になると、森の奥から子どもほどの背丈の影が現れ、奇妙な鳴き声を上げて走り回るというのです。

― 湿地の町に広がった「赤い目の悪魔」 ―


ノースポート・デビルの噂が広まったのは、1980年代後半のことです。最初の目撃者は、郊外の農場を営む夫妻でした。

ある晩、鶏小屋の周囲で犬とも猿ともつかない黒い影が数体、低いうなり声を上げながら走り回っているのを目にしました。

懐中電灯の光を向けると、影たちは木々の間へすばやく消え、その背には赤く光る目が二つずつ、ちらちらと揺れていました。

その事件を皮切りに、やがて町のあちこちで「悪魔を見た」という証言が相次ぎました。体長はおよそ1メートル前後、毛むくじゃらで、二足歩行も四足歩行もする。人間に似た顔立ちだが、耳が尖り、歯が異様に長かったといいます。

ヒューマノイドタイプで、UMA的に考えれば「獣人」の一種ということになるでしょう。

― 住民たちの恐怖と「封じられた森」 ―


通報を受けた警察は夜間パトロールを強化しましたが、一度たりとも姿を確認できた者はいませんでした。

ただし、森の入り口付近で小さな人型生物のような足跡が見つかりました。それは子どもの裸足よりやや小さく、しかも指の数が4本しかなかったといいます。

やがて噂は町を覆い、住民たちはその森を「デビルズ・ウッズ(悪魔の森)」と呼ぶようになりました。夜に近づく者はなく、やがてその一帯は立ち入り禁止区域となりました。

― サスカッチの子か? ―


未確認動物学者たちはこの「ノースポート・デビル」を、フロリダ各地で報告される「スワンプ・エイプ./スカンク・エイプ (Swamp Ape/Skunk Ape)」――つまり南部版サスカッチと関連付け、彼らの幼体ではないかと推測しています。

しかし一方で、先住民族セミノール族の伝承にもノースポート・デビルと「似た存在」が登場します。それは「チャハラ(Chahala)」と呼ばれる森の精霊。

子どもの姿をして人を森へ誘い込み、二度と戻らせないという「悪戯好きの影」です。つまり、ノースポート・デビルズはUMAというより、現代に蘇った伝承の化身といった側面が強いといえます。

日本でいうところの「河童伝承」にも通じるものがあるのかもしれません。

― 現代に続く目撃報告 ―


奇妙なことに、2000年代に入ってもこの町ではときおり「赤い目」の目撃情報が上がっています。住宅街の裏庭に置かれた防犯カメラには、小さな影が走り去る姿が一瞬だけ映っていました。

解析の結果は「動物の誤認」とされましたが、撮影者は納得しませんでした。

「決して犬なんかじゃない。あれはまるで――そう、人間の子どものようだった」

― 闇に消えたノースポート・デビル ―


ノースポートの夜の湿気は重く、遠くで蛙の声が響きます。森を見つめると、黒い樹々の隙間から、何かがこちらを見ている気がする――。

しかし気を取り直して歩いても、その背中に感じる視線は消えません。振り返る勇気が湧かない――その視線は、あの小さな悪魔たちのものかもしれないのだから。

ノースポート・デビル。

今もこのフロリダの湿地のどこかで、赤い目を光らせながら静かに息づいているかもしれません。

(参照サイト)

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2026年1月9日金曜日

闇に棲むオウエ・クリークの黒い影 ~ パーカーズ・スネーク


■闇に棲むオウエ・クリークの黒い影 ~ パーカーズ・スネーク

今回はパーカーズ・スネーク (Parker's Snake)。

熱帯の闇を流れるオウエ・クリーク。その黒い水面の下には、少女たちの命を一瞬で奪った「影」が潜んでいた――。

― 若き学者が聞いた「未知の蛇」 ―


1970年代、ニューギニアで活動していた若き爬虫類学者フレデリック・スタンレー・パーカー (Frederick Stanley Parker)、通称フレッド・パーカー (Fred Parker) 氏は、政府の巡回官として各地を巡りながら、博物館に送るためのヘビの標本を集めていました。

そんな彼の耳に届いたのが「正体不明の恐るべき蛇」の話でした。

それは、ニューギニア西部州ウィピム (Wipim) オウエ・クリーク (Ouwe Creek) 周辺に住む住民たちから聞いた、半ば伝説と化したヘビの物語――

地元の人々によれば、1972~1973年頃、そのヘビは川で水浴びをしていた三人の少女たちを襲ったというのです。

― 数分で命を奪う毒 ―


その日――
何の前触れもなく突如現れたヘビに少女たちは次々と咬まれました。悲鳴を上げながら岸へ逃げ戻る少女たち。

何が起こったのか?大人たちは呆然と立ち尽くしていました。川面は静まり返り、少女たちの悲鳴だけが熱帯の森にこだました――

岸に戻った彼女たちでしたが、もはや立ち上がる力もありませんでした。毒は瞬く間に全身を巡り、臓器を蝕みました。

そして咬まれてわずか数分、彼女たちは次々と息絶えていったのです。人々は憎きヘビに復讐しようとしましたが、その姿はすでにどこにもありませんでした。

― その正体は実在するヘビか? ―

(イボウミヘビ)
(image credit: Wikicommons)

彼らの記憶に残るその蛇の姿――
体長は1.8メートル超、鱗は異様なほど滑らかで光沢を帯び、全身は黒みがかっていました。

水中での動きは驚くほど素早く、しかも人間を恐れる様子がまったくなかったといいます。
パーカー氏は1982年に出版した著書「西部山岳州の蛇たち (The Snakes of Western Province)」でこの事件に言及しています。

この事件を記録したパーカー氏は、後にニューギニアの爬虫類研究の第一人者として知られる人物となり、この未知のヘビは「パーカーズ・スネーク」と呼ばれるようになりました。

少なくともフレッド・パーカー氏はその正体を特定することができませんでした。
しかし後年、ほかの研究者たちはイボウミヘビ (Hydrophis schistosus / Enhydrina zweifeli) だったのではないかと推測しています。

この種は東南アジアからインド、そしてマダガスカルまで温暖な海域に広く分布し、ニューギニアやオーストラリア周辺にも数多く棲息しています。また、猛毒の宝庫ともいえるウミヘビの多くは穏和な性質で知られますが、イボウミヘビは非常に攻撃的なことで知られます。

しかし、この説にはいくつかの疑問もあります。海岸沿いに棲息するイボウミヘビにとって、ウィピムはあまりに内陸過ぎます。

そして体長、イボウミヘビは1.2メートルを上回ることはほとんどなく、目撃された1.8メートル超の謎のヘビとは少し開きがあります。

(ただし最大1.5メートル長の個体が発見されたこともあり、また、パニックを起こした住民たちが実際のサイズよりも大きく感じてしまった可能性は否定できません)

多くのUMAはとてつもない大きさで報告されることも少なくなく、そういったことを考慮すると、大きさはそこまで問題にならないかもしれません。

体色もイボウミヘビは濃灰色でありパーカーズ・スネークとは異なりますが、「決定的な違い」はなんといっても「毒の強さ」でしょう。

多くのウミヘビたちはとてつもない猛毒を有しますが、そんなウミヘビたちの毒ですら、人間をわずか数分で死に至らしめた例は報告されていません。

― それではただの見間違いだったのか? ―


目撃時の混乱を考えれば、種の特定に誤りがあった可能性はあります。突然の悲劇の中で、誰もが冷静ではいられなかったでしょう。

しかし、少女たちの命を奪った毒の即効性、異常な黒い体色――
そのどちらも、イボウミヘビを含む既知のウミヘビでは説明できないのです。

もしかすると、それはイボウミヘビの亜種、あるいは色彩変異だったのかもしれません。
きっとみなさんUMAファン的には、未知の猛毒ウミヘビ説を推したくなるでしょう。

― 闇に消えたパーカーズ・スネーク ―


オウエ・クリークの水面に浮かぶ黒い影。少女たちが襲われたあの日以来、そのヘビは二度と姿を現すことはありませんでした。

ニューギニアの人々にとって、それは「現実の恐怖」であり、学者たちにとっては「未完の謎」です。

パーカー氏の記録が残された今もなお、その正体は霧の中――
あの黒い亡霊は本当に消えたのか?

それとも今なお、誰も知らない川底で息を潜めているのか?

(参照サイト)
THE PINE BARRENS INSTITUTE

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一家を惨殺したスネーク・アイランドのボス ~ ゴールデン・ランスヘッド・バイパー

2026年1月7日水曜日

日本版バックルーム ~ きさらぎ駅


■日本版バックルーム ~ きさらぎ駅

今回は「きさらぎ駅(Kisaragi Station)」。

海外でバックルームが爆発的に注目される以前から、日本にも同様の都市伝説的空間の噂が存在しました。

その代表例が、この「きさらぎ駅」です。

― 異界へと続く線路の果てに ―


2004年の冬、静岡で一人の女性が体験した不可思議な出来事が、インターネット上に刻まれています。日常的に利用する公共交通機関は、正確で合理的、そして安全という信頼の上に成り立っています。

しかし、その強固なシステムにわずか一つの「バグ」が生じたとき、列車は物理法則を無視し、日常の裏側へと滑り込むことがあるのです。

彼女が新浜松駅から乗り込んだ遠州鉄道の列車は、午後11時を過ぎ、いつも通りの帰宅路を進むはずでした。

しかし「いつもなら5分程度で停車するはずが、20分以上走り続けている」という書き込みが、異常の始まりを告げます。

暗闇の中を疾走する列車が辿り着いたのは、地図にも路線図にも存在しない「きさらぎ駅」でした。

街灯一つなく、深い森に囲まれた無人のプラットホーム。
時計の針は止まり、GPSは現在地を拒絶します。
この空間を支配するのは静寂ではなく、奇妙な「音」の粒子です。

遠くから微かに聞こえる太鼓の音は、祭りの賑わいとは隔絶された、儀式的で不穏なリズムでした。暗闇から現れた片足だけの老人が発した「線路を歩いたら危ないよ」という警告は、親切心ではなく、獲物を追い詰める捕食者の最後通牒のように響きます。

― 異形なる住人たちと色彩の歪み ―


きさらぎ駅の周辺に潜む存在は、私たちが知る生物の形を逸脱しています。

湿った粘土と古びた死装束を混ぜ合わせたような、不快な白さを纏い、皮膚はひび割れ、その隙間から赤黒い体液が滲み出します。

眼球は白濁し、視線はどこも見ていないようで、獲物の「魂の震え」だけを察知します。
質感はカビの生えた古い和紙のようで、深海魚の腹部のような鈍い光沢を帯びています。

色彩は灰白色を基調に青紫の静脈が浮き出し、関節は不自然な方向に曲がり、歩くたびに骨が軋む乾いた音を立てます。

背後には常に冷たい霧の輪郭が漂い、物理的な実体というより、この「世界の狭間」に沈殿した澱(おり)のような存在感です。

― 帰還不能な境界線を越えて ―


物語の終盤、彼女は親切を装った男の車に乗り込みます。しかし山道を進む車内には違和感が漂い、彼女は最後の書き込みを残しました。

「様子が変です」

「隙を見て逃げようと思います」

その後、彼女の消息は途絶えました。

― 日本版バックルーム ―


バックルームの恐怖は「クロストロフォビア(閉所恐怖症)」「ケノフォビア(空虚恐怖症)」の融合であり、原則、密閉された空間、つまり室内であることがほとんどです。

しかし、このきさらぎ駅は屋外でありながら、クロストロフォビアの息苦しい密閉感を伴います。そう、バックルーム的な得体のしれない恐怖。

それは決して「アゴラフォビア(広場恐怖症)」的な恐怖が源ではありません。

最後に彼女が目にしたのは、おそらく私たちの知る現実とは色彩の歪んだ、異様な森の景色でした。「きさらぎ駅」とは、単なる駅名ではありません。

それが意味するのは、日常の薄皮の下に開いた底なしの亀裂――

海外版バックルームに先駆けた、日本版バックルームの金字塔、それは私たちの安心という幻想を、ひそかに揺さぶる存在なのです。

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2026年1月6日火曜日

成長したはずのない娘 ~ 家の中ですれ違った未来の姿


■成長したはずのない娘 ~ 家の中ですれ違った未来の姿


それは深夜の道路でも、異界の入口でもありません。ごく普通の昼下がり、家族しかいないはずの自宅で起きた出来事です。

― いつもの台所 ―


それは年明け間もない日のことでした。私と妻はキッチンで昼食の準備をしながら、他愛のない会話をしていました。五歳になる娘は、リビングでテレビを見ています。

家の中にいるのは、私たち三人だけ。2LDKの集合住宅で、キッチンのドア越しに廊下の一部が見える間取りでした。何の違和感もない、日常の一場面です。

― 妻が止まった ―


会話の途中、妻が私の方を向こうとして、途中で動きを止めました。キッチンのドアの向こうを見つめたまま、完全に固まっていたのです。

私は違和感を覚え、「どうした?」と声をかけました。その直後、妻は息を呑むような声を上げました。私は反射的に、彼女の視線の先を見ました。

― 何かが通った ―


ほんの一瞬でした。廊下の角を曲がり、リビングの方向へ向かう「人影」が見えたのです。速すぎて、はっきりとは確認できません。

しかし、「誰かがいる」と確信するには十分でした。私の頭に浮かんだのは、侵入者という言葉でした。

娘が一人でリビングにいる。

そう思った瞬間、体が勝手に動いていました。私は咄嗟に包丁を掴み、妻に警察を呼ぶよう叫び、廊下へ飛び出しました。

― 何もないリビング ―


リビングには、何の異変もありませんでした。娘はソファに座り、アニメを見ていました。私を見て、不思議そうな顔でこう言いました。

「どうしたの?」

包丁を持ったまま立ち尽くす自分が、ひどく滑稽に思えたのを覚えています。娘に誰か入ってきたかと聞きましたが、心当たりはない様子でした。

私は家中を調べました。玄関、窓、クローゼット、カーテンの裏。侵入の痕跡は一切なく、ドアも施錠されたまま。

三階の部屋から逃げることも不可能です。すべては、十分ほどの出来事でした。

― 妻が見たもの ―


キッチンに戻ると、妻はすすり泣いていました。恐怖で体が動かず、警察に電話すらできなかったそうです。落ち着いてから、彼女は見たものを話してくれました。

廊下を歩いていたのは、背の高い女性。花柄のワンピースに、ヒールのある靴。足音はなかったと言います。そして、その女性は途中で立ち止まり、妻の方を見た。

目が合った、その瞬間。

妻は気づいてしまった――
その顔が、娘に酷似していたことに。

ただし、今よりずっと成長した姿だった。次の瞬間、女性は急ぐように角を曲がり、リビングの方へ消えた。私が見たのは、その後ろ姿だけでした。

― 否定できない違和感 ―


もし私が何も見ていなければ。妻の話を、錯覚や思い込みとして片付けたかもしれません。しかし、私も「何か」を見た。それだけで、否定はできなくなりました。

侵入者ではない。幻覚とも言い切れない。では、あれは何だったのか。成長した娘の姿に見えた理由を理解できる説明は、今もありません。

― 家の中ですれ違ったもの ―


あの日以来、私たちはその話を何度も思い返しました。しかし、どれだけ考えても、現実的な答えには辿り着けません。

確かなのは、「存在しないはずの人物」が、確かに家の中を通り過ぎた、という感覚だけです。未来なのか、記憶なのか、それとも――。

あのとき、私たちは家の中ですれ違ってしまったのかもしれません。成長するはずの、もう一つの時間と。

(参照サイト)
reddit/

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2026年1月4日日曜日

西アフリカの人喰い巨大ハイエナ ~ ソワラ


■西アフリカの人喰い巨大ハイエナ ~ ソワラ

今回はソワラ (Sowara) です。

ハイエナ系のUMAで、ハイエナと聞くと一見地味~な感じですが、大きさはUMAらしくバグっており、しかも実在性も兼ね備えなかなか興味深いUMAといえます。

同系では東アフリカのクロコッタがいますね、それでは見ていきましょう。

- 西アフリカに潜む巨大ハイエナの噂 -


ソワラはマリ共和国、リベリア共和国、コートジボワール共和国等々、西アフリカ諸国の広範囲で目撃されるハイエナ系のUMAです。

西アフリカですから、ハイエナが目撃されるのは全く珍しいことではありませんが、地元民は既知のハイエナとは「大きさ」も「強さ」も段違いであり、決して既知のハイエナの誤認でないと強調しています。

フランス人探検家、シャルル=アレクサンドル・マリー・セレステ・ドローヌ (Charles Alexandre Marie Céleste (Ollone) d'Ollone) 氏が19世紀末から20世紀初頭にかけ東アフリカを滞在中、地元住民たちからこのソワラなる悪名高い巨大ハイエナの噂を聞きつけます。

ソワラは「人喰い」であり、実際、小屋で休息していたフランス人軍曹がソワラによって殺されたという話も耳にしました。

- リベリアの「悪魔」シルク -


ドローヌ氏がソワラの噂を知ったころ、イギリス人探検家、ハリー・ジョンストン卿 (Sir Harry Hamilton Johnston) がリベリア共和国を訪れた際、西アフリカの先住民族マンディンカ族から「シルク (siruku)」という怪物の噂を聞きます。

シルクは縞模様で「巨大な犬」に似ており「人喰い」だといいました。

もしやシマウマでは、、、?

シマウマはアフリカ全土に棲息しているようなイメージを持つ人も少なくありませんが、意外と偏って棲息しており、主にアフリカ南東部の限られた地域に棲息しています。

もちろんリベリアには生息していません。

ジョンストン卿はマンディンカ族にシマウマの絵を見せると「そうだ、これがシルクだ」と答えました。

ジョンストン卿は彼らにシマウマの生息地や、彼らが現存する生物であることを説明しましたが彼らは首を立てには降りませんでした。

「それとは違う、シルクはリベリアに棲息する生き物だ」

- 巨大な足跡と未知生物の可能性 -


1986年、UMA系の名著「幻の動物たち」の著者で有名なフランス人未確認動物学者にして鳥類学者のジャン=ジャック・バルロワ (Jean-Jacques Barloy) 氏に1枚の巨大な足跡の写真が送られてきます。

バルロワ氏はそれが何の動物であるかの特定はできませんでした。

未確認動物学者ベルナール・ユーヴェルマンス (Bernard Heuvelmans) 氏はその形状からハイエナと同定するものの、あまりに大き過ぎ、通常のハイエナの3倍もあることから既知種でないことを確信しました。

- 5つ目のハイエナか? それとも古代の亡霊か? -


ジョンストン卿は、ソワラとシルクは同一種である可能性が高いのではないかと考えました。

目撃が多発する地域や特徴を考えるとそれは自然な考え方かもしれません。

現生最大のハイエナであるブチハイエナ (Crocuta crocuta) の絶滅亜種、ホラアナハイエナ (Crocuta spelaea) を候補に挙げています。

史上最大級のハイエナではありますが、100キロを超すようなことはなくライオンやトラのようなハイエナではありません。

ユーヴェルマンス氏はロマン派タイプなのでハイエナではなくサーベルタイガーの生存説を推していたようです。

- ソワラの正体とは? -


ジョンストン卿はホラアナハイエナ、ユーヴェルマンス氏はサーベルタイガー、いずれも絶滅種でありUMAの正体として考えるには定番です。

現実的なところではホラアナハイエナよりブチハイエナの「超」大型個体、但し、シマウマの絵を見てこれこそシルク (ソワラ) と答えたことから未発見の5種目のハイエナかもしれません。

国を跨ぐ広範囲で目撃されることから、もしかするとブチハイエナよりも一回り大きいホラアナハイエナが本当に生き残っているかも?

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2026年1月3日土曜日

フランス中部の黒き三頭獣 ~ アリエ川の怪物


■フランス中部の黒き三頭獣 ~ アリエ川の怪物

今回はアリエ川の怪物 (Allier River Monster)。

このリバー・モンスターは、ギリシャ神話のケルベロスを彷彿とさせる、3つの頭部を持つという特異な水棲UMAです。

それではアリエ川の怪物を見ていきましょう。

― ヴィシー近郊、静かな川に潜む悪魔 ―


まずは怪物が目撃されたアリエ川 (Allier River)。

フランス最大のロワール川 (Loire) の支流で、フランス中央部を流れ、全長は420キロメートルほどです。のどかな牧草地帯を抜け、温泉地ヴィシーの近くを流れるこの川は、怪物には縁遠い穏やかな風景で知られています。

そんな川で今から100年ほど前の1933~1934年に「3つ頭の水棲獣」が目撃される事件が起きました。

― 3つの頭部をもつ黒き怪物 ―


目撃者によるとアリエ川の怪物の体長は6メートルほど、漆黒の皮膚で3つの頭部を持ち、水面をまるで滑るように泳いでいました。

そのスムーズな動きに反し、3つの頭部は一様に動くのではなく、まるで絡み合うよう独立した動きをしていたといい、このことからそれぞれの首はそれなりに長かったことが示唆されます。

頭部の大きさは均等ではなく、中央に配置されたものが一番大きく、その両側の二つは中央よりも小ぶりでした。目撃者は、哺乳類でも爬虫類でもない、異界からの生物、といった印象を受けたと証言しています。

― 未確認動物学的な視点から ―


さて、この生物の目撃はただの一度きり。

アリエ川の怪物は「3つの頭部を持つ怪物」として一般的に知られていますが、実際のところ、目撃者は「3匹の巨大生物」が並んで泳いでいたのを誤認した可能性も否定していません。

「3つの頭部を持つ生物」と「3匹の巨大生物」では随分と印象が変わってきますが、前者のほうが圧倒的に人々の想像力を刺激するため「アリエ川の怪物 = 3つの頭部を持つ生物」として今日まで定着した可能性があります。

― 古代からの残党か、幻の群泳か ―

(ヨーロッパオオナマズ)
(image credit: Wikicommons)

それではこの怪物の候補を探っていきましょう。

目撃者は「哺乳類でも爬虫類でもない」と証言していますが、奇妙なことに水棲生物の代表格である「魚類」について言及していません。

アリエ川は魚種が豊富で、その中でも特筆すべきはヨーロッパオオナマズ (Silurus glanis) も多数棲息している点です。ヨーロッパオオナマズはナマズの中でも屈指の巨躯を誇り、公式記録ではイタリアのポー川で捕獲された2.8メートルの個体が最大とされています。

しかし、3メートル超、4メートル超、中には5メートル超といった非公式の記録もあり、ロマン搔き立てる巨大ナマズです。

とにもかくにも、とてつもなく大きくなるため、ヨーロッパの水棲UMAの誤認候補として真っ先に名前が挙がる生物のひとつであり、アリエ川の怪物の正体としても筆頭候補といえます。

そしてもうひとつ候補を挙げるとすればやはりチョウザメ類。

(バルチックチョウザメ)
(image credit: Wikicommons)

特にバルチックチョウザメ (Acipenser sturio) はかつてロワール川に棲息しており、支流のアリエ川まで遡上した可能性は十分考えられます。興味深いことに、ロワール川からバルチックチョウザメが姿を消したのは1930年代、まさにこの目撃事件と重なります。

当時でもかなり稀有な存在、見慣れない生物だっただけに、怪物と誤認してしまった可能性も考えられます。バルチックチョウザメの最大個体の体長は3.6メートル、仮に3匹が並んで泳いでいたらその巨体も相まって、恐ろしく見えたに違いありません。

3つの頭部を持つ生物、というのはあまり現実的ではありませんが、朴訥 (ぼくとつ) としたフランスの田園地帯を流れるアリエ川に、今なお巨大な怪物が潜んでいる、な~んて想像すると、そのミスマッチ感こそがこの怪物の最大の魅力に感じてきます。

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2026年1月2日金曜日

牙が剥き出しの謎の缶詰


■牙が剥き出しの謎の缶詰 

― 世界の奇妙な缶詰 ―

世界中を探せば、日本では考えられないような缶詰がたくさん存在します。

その中でも、ひときわ目を引く缶詰があります。

20年以上前から画像だけが独り歩きしている謎の缶詰。

いったい何の缶詰なのか。

缶の中には、何か生物の上あごが覗いているのです。

ラベルにはキリル文字らしきものが印刷されています。


この文字列で検索してみましたが、有力な情報は見つかりませんでした。


そもそも、実在する缶詰なのかさえ怪しく思えてきます。

― 上あごの牙 ―

(ムベンガことゴライアス・タイガーフィッシュ)
(image credit: Wikicommons)

実在すると仮定すると、この缶詰の中身は魚の水煮であることは間違いなさそうです。

しかし特徴的なのは、上あごから生えている大きな牙です。

この牙の形状からすると、タイガーフィッシュ系の魚のようにも見えます。

― UMAの可能性 ―

普通の魚の缶詰では、ここまで異様な牙を持つ個体は見られません。

もし本当にこの缶詰が存在するなら、これは未確認生物、すなわちUMAの可能性さえ感じさせます。

缶詰という日常的な存在に、異世界の生物の痕跡が閉じ込められているような不思議さ。
見る者に問いかけるのです。

読者の方から過去にこれはニシン系の魚の缶詰らしいというご情報をいただきましたが、それを加味しても不思議な缶詰ですね。



2026年1月1日木曜日

廃屋に棲む掌の住人たち ~ チェピシュ


■廃屋に棲む掌の住人たち ~ チェピシュ

ロシアの小さな村に、真夜中になると屋根を叩く音が響く。

――トントントン

「風じゃない」「ネズミでもない」

そう人々が口をそろえるとき、その音の正体は、チェピシュ (Chepysh) かもしれません。

― 30センチの「小さな侵入者」 ―


チェピシュは、ロシアのクリーピーパスタ(ネット発の都市伝説・怪談)を発祥とします。

身長はおよそ30センチ、UMAとしてはとてもかわいらしい大きさですね。姿は人間に似ていますが、どこか歪 (いびつ) で、時にインプ (imp, 小悪魔) のようにも描かれます。小さいながらも、その存在感は獣人系UMAの仲間に数えられるべきでしょう。

彼らの棲み処は、廃屋、納屋、森、そして高い草むら。特に人気がない村落ではしばしば「夜の住人」として目撃されるそうです。

しかし「自分は都会に住んでいるから」と、油断するのは禁物です。彼らは都市部にも忍び寄り、その体の小ささを活かして古いアパートや倉庫の割れた窓、網戸の隙間、壁のひびからこっそり侵入してくるからです。

― これがチェピシュが棲んでいる家のサイン ―


あなたの家にチェピシュが居候しているかも?

その兆候はこうです:

・屋根の上で響くかすかなノック音
・夜更けに聞こえる不明瞭な引っ掻く音
・コウモリのような甲高い鳴き声
・暗闇でチカチカ光る赤い点 (彼らの目)

そして――

ペットが妙に落ち着きがない、誰もいない廊下を見つめて怯える。もしこの中に心当たりがあるなら、許可なしに、あなたの家にはすでに「同居人」が潜んでいるかもしれません。

― 怒らせなければ、害はない? ―


チェピシュは基本的に攻撃的なUMAではありません。ただし、自分の縄張りを荒らされると――

「人間離れした叫び声」を上げ、近くにある小物(ボルト、ナット、古い靴下など)を投げつけてくるといいます。

つまり、片付け下手の人たちとは相性が悪いUMAともいえるでしょう。散らかった部屋は彼らにとって、天然の砦なんですから。

きちんと部屋を掃除しておけば、出て行ってくれるかもしれません (保証はできませんが)。

― ネットで広まった「現代の伝承」 ―


この小さな怪物が脚光を浴びたのは、YouTubeチャンネルTraverSa氏による映像がきっかけでした。

そこでは、廃屋の床下を走り抜ける影や、夜の窓際で赤く光る「二つの目」が映し出され、ネット上で大きな話題を呼びました。

その後、ロシアの掲示板やフォーラムでは「祖母の家にも出た」「ペットが夜中に吠える」など、チェピシュの投稿が続出。

しかし同時に、「TraverSaの創作によるものでは?」という冷静な意見も少なくありません。

実際、スラヴ神話にはドモヴォーイ (家の精) やレーシー (森の精霊) といったチェピシュに「酷似した」存在が登場します。

おそらく、この伝承を現代風にリブートしたのがチェピシュの正体なのかもしれません。

― 小さな恐怖と、妙な親しみ ―


興味深いのは、チェピシュの「怖さ」が決してスプラッター的ではないこと。むしろ彼らは、生活の隙間に棲む「異界の居候」のような存在です。

あなたの家にも、いつの間にか知らない音や影が増えていませんか?もしそうなら、夜の静寂に耳を澄ませてみてください。

――トントントン

屋根の上から響く音。風のせいかもしれないし、あるいは?

― ただの都市伝説に過ぎない? ―


チェピシュは、古い民話とネット文化が結びついて生まれた新世代UMA (例えばニンゲンやヒトガタレイク等々) の代表格という見方もできます。

霊でも妖怪でも獣でもない、それでも「確かにそこにいるかもしれない」という絶妙な不確かさと親近感。彼らは現代の暮らしに、小さな異界の余白を残してくれます。

たぶん今夜も、どこかの廃屋の屋根で、あのちいさなトントントン、という音が鳴っているに違いありません。

けれど、誰もその音の正体を確かめようとはしないでしょう――
だって「それ」を見てしまったら、もう「静かな夜」には戻れませんもの。

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)


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【2026】あけましておめでとうございます


新年あけましておめでとうございます。

今年も引き続きよろしくお願いいたします。

新サイトを作っており、時間の関係で、こちらのサイトの更新は今年から週3 (火・金・土の18:00) となります。

2025年12月31日水曜日

オタマジャクシからウシに変身する海棲哺乳類!? ~ カマウェート


■オタマジャクシからウシに変身する海棲哺乳類!? ~ カマウェート

今回はカマウェート (Camahueto)。

カマウェートはチリ領のチロエ島 (Isla de Chiloé) に伝わる民間伝承系のUMAです。グルトレグアというUMAも報告されている島で、チリ領としてはフエゴ島に次ぐ2番目に大きな島です。

― 淡水と海を行き来する異様な生態 ―


UMAといえど、非常に風変わりな生態をしており、チロエ島の川で育ち、成体になると海へ移動する、つまり淡水と海水の両方で生息できる生物です。

このような生活史は現実の生物にも例があり、環境適応という観点では完全な荒唐無稽とも言い切れませんが、問題はその姿と成長過程にあります。

日本ではサケやウナギといった魚類を思い浮かべてしまいますが、カマウェートのその姿は哺乳類的、特に雄牛に似ているといわれ、額からユニコーンのように一本の角を生やすとされています。

― オタマジャクシから雄牛へ ―


ただし成長過程が特異で、地下の河川で生まれるものの、その姿は哺乳類には似ても似つかず、なんと両生類の幼生、つまりオタマジャクシ型だと伝えられています。

この時点では完全に水中生活を送り、四肢も未発達で、現在知られる哺乳類とはまったく異なる形態です。成長と共にその姿は哺乳類的、特に雄牛的になります。

生まれたばかりの時は両生類の特徴を持ち、次第に哺乳類的になるものの、陸生哺乳類と海生哺乳類のハイブリッド的な生態であり、四肢はヒレ状であるという説もあります。

― 水棲主体だが陸上行動も可能 ―


また、主に水棲ですが陸上でも問題なく行動できるとされ、この点でも完全な水生生物とは異なります。生態的に考えると、ウシの姿をしたアザラシ、もしくはカバのような生物を想像すると、最も近いかもしれません。

魚食性ですが人間に対しては非常に敵対的で、怒らせると人間を殺して食べてしまうとまでいわれています。このあたりから、単なる珍獣というより、恐怖譚として語り継がれてきた存在であることがうかがえます。

― 一本角の正体とユニコーン伝承 ―


額の一本角からユニコーンといえばサイやイッカクが元になっていますが、地理的に考えてどちらも直接的な関係はなさそうです。ですが、「カマウェートの角」なるものが存在するといい、その角には魔力が宿ると信じられていました。

このことから、その角自体はサイやイッカクの角であった可能性も否定できません。実際、中世ヨーロッパでユニコーンの角として取引されていたものは、当時のヨーロッパの人々がその姿を知らなかったサイやイッカクの角でした。

― 生物としての限界 ―


まあ、いずれにしても、幼生時代は両生類のオタマジャクシに似ており、成長すると哺乳類のウシに似るという生物は、現実の動物学的枠組みからは大きく外れています。

この極端な変態的成長こそが、カマウェートを魅力的にする一方で、民間伝承以上の存在ではなさそうだと感じさせる最大の要因でもあります。

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)


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