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2025年12月11日木曜日

野に潜む光の蟲 ~ ノモリムシ


■野に潜む光の蟲 ― 野守虫 (ノモリムシ)

今回はノモリムシ (野守虫)。

山野を歩く人のあいだで、昔から「夜の草むらで光が寄り添うように動く」という妙な目撃談が語り継がれています。

古い民間伝承では、これをノモリムシ (野守虫) と呼んでいました。

一般には妖怪として語られていますが、その背後に「実在の何か」があった可能性も否定できません。

― ノモリムシの光る夜 ―


一説に、妖怪としてのノモリムシは6本の脚、6本の指をもつ、体長が3メートルほどの太い蛇のような姿をしているといわれます。

しかし、あくまで民間伝承に基づくもので、ノモリムシの姿は一様ではありません。

一方で、夜になると淡く発光する小型生物だとする伝承も存在します。

巨大な妖怪像は伝承の脚色とみるべきでしょうが、「光る小獣」の方なら、実在の生物現象とも接点が見えてきます。

― 光とともに動く不可解な影 ―



ノモリムシに関する最古級の記録には「宵闇の草間をほの白く照らしながら何かが走る」と書かれています。

光源そのものが移動しているように見えることから、狐火や鬼火と混同されてきたといいます。

興味深いのは、その光の中心に「小型の生物らしき影があった」とする証言が複数残っていることです。

山村に伝わる一つの話では、「子犬ほどの何かが、青白い燐光をまとって草地を横切った」と語られています。

目撃した老人は「虫のようにも、獣のようにも見えた」と証言しています。

このように、ノモリムシの伝承は単なる妖怪話に留まらず、光を発する未知の生物としてUMA的に描かれる余地があるのです。

夜の森を歩くとき、もし淡い光が草間をかすめるように動くのを目にしたなら、それはノモリムシか、それともまだ知られざるUMAの気配かもしれません。

― 実在生物がモデルだった可能性 ―


伝承が実在の生物に基づくケースは少なくありませんが、ノモリムシの場合もいくつか興味深い候補が挙げられます。

まず、生物発光を行う節足動物の存在です。

生物発光する昆虫、例えばホタルとか、あるいは粘菌や菌類の一部は、夜の山中で光を放つことがあります。

ただしこの場合、「子犬ほどの大きさ」とは大きく矛盾します。

しかし――

ここで注目したいのは粘菌でしょうか。

2024年、鳥取県大山町で、粘菌が発光しているのが確認されたのは記憶に新しいところです。

近年では、発光性の菌糸が動物の体に付着し、生き物が光って見える例も報告されているとか――

もちろん、確実な観察記録はありませんが「なるほど」とも思えます。

たとえばアナグマやタヌキといった「子犬ほどの野生動物」が朽木に付着した発光菌糸や粘菌を体にこすりつけ、そのまま夜道を歩けば、淡い緑色の光をまとったように見えるに違いありません。

もし伝承に出てくるノモリムシが、こういった現象を見た人々の記憶だったとしたら、「光とともに走る何か」という証言と矛盾しません。

― 野に潜む未確認小獣の可能性 ―


それでも、自然現象だけでは説明しきれない証言が残っているのもまた事実。

光の中心に見えたという「虫のような影」「毛のない黒いもの」「四足で走るが異様に細い胴体」等々、その姿の描写はばらばらです。

ですが夜行性の小型獣が発光菌を身に纏い草むらを走り抜けたとすれば、光の筋とともに不可解な影が動くように見える可能性があります。

ノモリムシは「妖怪」として物語に吸収されてしまったため、未確認動物として深く検証されることは今までなかったのでしょう。

しかし、断片的な証言を積み上げていくと、そこには「発光する生物発光現象」と「小型獣」が偶然重なって生まれた、新たな未確認生物像が浮かび上がってきます。

そんな奇跡のコラボから誕生した生物、それこそがノモリムシの正体なのかもしれません──

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2025年12月10日水曜日

サナギは叫ぶ「私を殺してくれ!」と


■サナギは叫ぶ「私を殺してくれ!」と

ヘンタイ――いや、変態。

この言葉には、どこか整った美しさがあります。

幼虫は眠るようにサナギへ移行し、やがて成虫となって飛び立つ。

しかし、その外殻の内側で進んでいるのは、想像以上に暴力的で、静かに狂気を孕んだ「構造の崩壊」

そして、この世界にはさらにもうひとつ、私たちがほとんど知らない「サナギの死の選択」があるというのです。

その主役は、ケアリ族の一種、ラシウス・ネグレクトゥス (Lasius neglectus)。

ヨーロッパを中心に都市部へと急速に広がり、人家の地下や公園、舗装の割れ目などに大規模コロニーを形成する「都市密着型のアリ」です。

働きアリ同士の協力密度が極端に高く、強力な社会システムを築くことで知られています。

このアリたちは、致死的なカビに感染したサナギを「自分から死にに来させる」という奇妙な仕組みを進化させていました。

― 身体が溶ける ―


サナギ化はまず徹底した破壊から始まります。

幼虫の筋肉も外骨格も一度バラバラに分解され、細胞スープのような状態に変わります。

神経系は揺らぎ、幼虫期の記憶の断片が残る例もあり、意識の「名残」を抱えたまま崩壊していくようなプロセス――それが蛹化 (ようか)なのです。

外側は静止して見えても、内部は死と再生の境界で震え続けています。

― 声なき悲鳴 ―


外敵に触れられたサナギは、甲高い“キイィッ”という音を発します。

筋肉を震わせて外殻を共鳴させるその声は、人間には悲鳴のように聞こえます。

この時期の彼らは極度に無防備であり、ちょっとした刺激で成虫になれなくなる。

だからこそ、あの音は最後の抗議のように響く。

「やめてくれ」

「まだ終わりたくない」

あるいはその逆の意味すら含むように、緊張した音色が外殻の内側から漏れます。

― 感染したサナギは、自ら“死を知らせる” ―


ここからがラシウス・ネグレクトゥスの特異性です。

このアリのコロニーでは、致死性の真菌、メタジウム菌 (Metarhizium brunneum) に感染したサナギが、自分の化学信号をわざと強め、仲間に『私を殺してくれ!』と伝えるのです。

サナギは、外殻に含まれる炭化水素(CHC)を変化させ、普段はほとんど目立たない特定の化学ピークを強調します。

これは偶然に発生した変化ではありません。

病原体が勝手に出す匂いでもありません。

サナギ自身が、仲間に気づいてもらうように意図的に「発信している」のです。

そしてそのメッセージを受け取った働きアリたちは、サナギを繭から引きずり出し、噛み、消毒し、完全に処理します。

群れに感染が広がる前に「病原菌の元を絶つ」

これが彼らの社会免疫であり、サナギが自らの死を容認することで維持される仕組みです。

なぜそんな進化が起きたのか。

理由はシンプルで、働きアリは基本的に繁殖しません。

群れ全体が生き残ることこそが、自らの遺伝子を未来へ残す最適解になる。

だから彼らは、必要であれば自分の命すら差し出すのです。

― 自己犠牲という進化のロジック ―


サナギの変態は、生き残るための美しい儀式ではありません。

壊し、作り直し、ときに死を選ぶプロセスです。

幼虫の身体は内部から溶け崩れる。

外敵に触れれば悲鳴を上げる。

感染すれば、自ら仲間に「破壊」を求める信号を発する。

自然界の合理性は常に冷酷、情緒を挟みません。

それでも、外殻の奥で静かに震える生命を思い浮かべると、その姿にはどこか切なさを感じずにはいられません。

物言わぬ、殻の内側から響く死を催促するメッセージ――

[出典]

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2025年12月9日火曜日

大好きなママを唸る飼い犬 ~ ヴァルドゲル・ワイフ


■ 大好きなママを唸る飼い犬!偽物に気付いたか!? ~ ヴァルドゲル・ワイフ

今回はグリッチ・イン・ザ・マトリックス。

これは以前に紹介した「重複した妻 ~ ヴァルドゲルか!?」や「別のタイムラインがリンクした? ~ 帰ってきた彼女と帰ってこない彼女」と似ており、これ以外でも同じような投稿が散見されます。

いわゆる今回のもドッペルゲンガー (Doppelgänger)、ヴァルドゲル (Vardøger)、エティアイネン (Etiäinen) 等々、いくつかの類似現象で語られているもののひとつと考えられます。

それではどうぞ。

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今日、私と飼い犬はグリッチを体験しました。

妻は18時前に帰宅することはないのですが、妻の車が17時30分ごろ、自宅の敷地内に入ってきたので私もそして飼い犬も驚きました。

飼い犬は妻が帰ってくるといつもそうするように「ママが帰ってきた!」と大喜びで飛び跳ねていました。

ところが、、、

突如ダンスを止め、体をすくめ吠え始めたのです。

妻は仕事用のバンを敷地内に停め、車を降りると郵便受けをチェックし、玄関に向かってくるのがブラインドの隙間からも確認できました。


ところが、いつまでたっても妻は玄関から入ってくることはありませんでした。

監視カメラを覗くと、やはり玄関には誰もいません。

結果を先に言うと、その時間の監視カメラの記録に妻は映っていませんでした。

妻にショートメールをすると、まだ自宅まで45分ぐらいのところにいることが分かりました。

「本物の」妻の帰宅に飼い犬が気付くと、また先ほどのように喜び跳ねて喜びましたが、体をすくめて吠えたりすることはありませんでした。

彼女は先ほどと同じように敷地内にバンを止め、先ほどと同じように郵便受けをチェックし、そして先ほどと同じように玄関に向かっていきました。

そして今回は玄関の扉が開き、妻が入ってきました。

これはデジャブの一種なのでしょうか?グリッチ・イン・ザ・マトリックスなのでしょうか?

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冒頭に話した通り、このグリッチは稀に投稿されるドッペルゲンガー系 (ヴァルドゲル、エティアイネン) の現象です。

動物 (飼い犬) が最初は飼い主 (ママ) が帰ってきたと信じ込むぐらいなのだから、臭いも含めてまさに瓜二つの分身なのでしょう、、、しかしこういったことは見かけだけでは簡単に騙されない動物だけが持つシックス・センスで見破ったのでしょう。

基本、恐怖を伴わないドッペルゲンガー系はヴァルドゲルかエティアイネンと呼ばれるため、今回のものもいずれかでしょう。

そっちの専門分野ではないのでヴァルドゲルとエティアイネンの違いをうまく説明できませんが、いずれも「実在する人物の分身が、その人物が実際に行う時間よりもその場に先んじて出現し、その人物が行うであろう行動を取ります」

その人物の容姿や服装だけが瓜二つなわけではありません。

声も発することができ、今回のように実際と同じ車に乗っていることさえあります。

ヴァルドゲルはスカンジナビアの民間伝承で、その現れる本人の分身は守護霊に近い存在であるフィルジャ(fylgja)やヴォルズ(vǫrð)と考えられています。

一方、エティアイネンはフィンランドの民間伝承で、その現れる本人の分身は人間に宿る守護霊、ハルティア (Haltija) と考えられています。

両者において明確な行動の区別はないようですが、エティアイネンに関してはやや不吉な前兆であったり、死さえも関与することがあるといい、そういった面ではドッペルゲンガーに近いと言えます。

今回の話に関してはヴァルドゲルが一番近そうに感じます。

引き続きUMA、グリッチ、ゴースト等々、現実的なものからパラノーマルなものまで募集中です、お気軽にコメント欄に書き込むかメールしてください

(参照サイト)
reddit

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2025年12月8日月曜日

山の霧に消えた遠征隊 ~ ディアトロフ峠事件


■山の霧に消えた遠征隊 ~ ディアトロフ峠事件

「テントは内側から引き裂かれており、何者かによって襲われたような痕跡が残されていた」

1959年、ウラル山脈で起きたディアトロフ峠事件 (Dyatlov Pass incident) ――スキーツアーに出た9名の遠征隊全員が原因不明で死亡した事件です。

現在では科学的な調査が進みつつあり、多くの謎が解明の糸口を見つけています。

しかし一方で、現場に残された不可解な痕跡や遺体の状況は、未知の生物の存在を示唆するものとして語られることもあります。

本記事では敢えてUMA的視点も交えて、この事件を振り返ろうかと思います。

― 不可解な痕跡 ―


「ディアトロフ峠」というのはこの事件後に命名された地名で、これは遠征隊のリーダー、イーゴリ・アレクセーエヴィチ・ディアトロフ (Игорь Алексеевич Дятлов) の名に由来します。

さて一行の遺体の多くはテントから離れた地点で発見されました。

特に奇妙なのは、遺体が極寒の環境にもかかわらず、服を部分的に脱いだ状態であったことです。

これは低体温症による「逆説的脱衣/矛盾脱衣(paradoxical undressing)」と呼ばれる現象で、極度に体温が下がった際に体感が異常となり、服を脱いでしまうことが知られています。

しかし、脱衣の仕方や場所があまりにも不自然で、科学者たちも首をかしげる点がいくつもあります。

また、複数の遺体からは胸部や頭部に通常の遭難事故では説明がつかない内傷が見られました。骨折や打撲は強い力が加わった痕跡を示していますが、外部からの暴力によるものではなく、雪や氷の圧力だけでこうした損傷が生じるかは疑問が残ります。

そしてテントも異様でした。

テントは内側から切り裂さかれていたのです。

さらに、寝袋の中から出た隊員の多くは、靴を履かず裸足で雪の中を歩いた痕跡があり、寒さや低酸素下での行動としては極めて危険な状態です。

足跡や行動パターンも謎を呼びます。遺体が発見された場所はバラバラで、直線的ではなくランダムに散らばっていました。

途中で足跡が途切れていたり、雪の上に何者かに引きずられたような跡が残されていたりする場所もあります。

科学者たちは、雪崩、極低温環境、強風、極地性の微小地震など、複合的な自然要因の影響を組み合わせることで、多くの現象が説明可能だといいます。

しかし、衣服の不自然な脱ぎ方、内部損傷の原因、遺体散乱のパターンなど、現実の自然現象だけで完全に説明しきれない要素も多く残されています。

このように、ディアトロフ峠事件の現場には、科学的な解釈が示す合理性と同時に、不可解な痕跡の数々が混在しているのです。

そして突拍子もないことに、この事件にはUMAが関与しているという説もあります。

― 山の霧に潜む影 ―


UMA説に基づくと、この遠征隊が遭遇したのはウラル山脈に潜む未知の生物であった可能性があります。

現地先住民マンシ族 (Mansi) 族の伝承では、山や森には巨大な人間のような獣人、「メンコ(Menk)」や「メンキ(Manky)」と呼ばれる生物が潜んでいるいわれています。

身長は2メートル超、全身が濃い毛に覆われ、夜行性で人間を避ける一方、遭遇すると攻撃的な行動を示すこともあると伝えられます。

目は暗闇でも光を反射し、力強い手足で雪深い斜面を自由に駆け回るといわれています。

そう、UMAファンの皆さんであれば、ヒマラヤの雪男ことイエティ (Yeti) を真っ先に思い浮かべるに違いありません。

ディアトロフ峠事件の不可解な死や散乱したテントの様子は、この獣人伝承と奇妙に符合します。

ディアトロフ峠事件で見られた不可解な遺体の損傷や、テントの異様な裂け方。
混乱した足跡の証言。

これらをUMA的視点で読み解くと、遠征隊が山の霧の中で“何か”に遭遇した可能性が浮かび上がります。

科学で説明できる現象の中に、説明しきれない影が混じる――
そこにUMA的解釈の余地が生まれるのです。

― 都市伝説か、UMAか ―


ディアトロフ峠事件は、科学的解釈とUMA的想像力の両方を同時に楽しめる怪奇事件です。(9人が亡くなっており「楽しめる」という表現は不謹慎ではありますが)

史実を追うことで現象の現実性を理解しつつ、UMA的視点で読み解けば、ウラル山脈の霧の奥に潜む「まだ知られざる存在」の気配を感じることができます。

9名の遠征隊が最後に見たもの――
それが未知の獣人の影であったとすれば、UMAの伝説としてもこの事件はさらに生き続けることになるでしょう。

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2025年12月7日日曜日

ついに絶滅したはずのニホンカワウソが撮影された!?


■ついに絶滅したはずのニホンカワウソが撮影された!?

日本の近代の絶滅動物といえばニホンオオカミ (Canis lupus hodophilax) やニホンアシカ (Zalophus japonicus) などが有名です。

特にニホンオオカミはUMA本でも定番で、現在でも野生で個体群が「確実に」生き残っており、保護のためにその場所は伏せられている――なんて陰謀論もあるぐらいです。

陰謀論は置いておくとしても、目撃情報自体は散発しています。

おそらくは野犬を見誤ったものではないか、というのが大方の見方です。

さて、彼らと並んで同じぐらい有名なものにニホンカワウソ (Lutra nippon) があります。

かつて日本全国に棲息していたものの、毛皮目的や薬用として肝臓を採取するための乱獲で、瞬く間に数を減らし絶滅してしまいました。

ニホンカワウソはニホンオオカミと並び、過去の野生動物に対する残虐性を語る上でよく引き合いに出される代表的な生物です。

― 絶滅後の目撃情報の頻発 ―


確実な目撃証言としては1979年、高知県須崎市の新荘川 (しんじょうがわ) で目撃されたものが最後といわれています。

しかし――
ニホンオオカミ同様に、ニホンカワウソの目撃は続いています。

ただの目撃だけではなく、ニホンカワウソの足跡や糞といわれる物的証拠も発見されることがありますが、鑑定結果から「確実な生存証拠」とまでは言えません。

そんな中、ついに彼らが絶滅していない「確実な生存証拠」を掴んだかもしれないという情報が舞い込んできました。

― 海岸沿いで撮影された「ニホンカワウソ」 ―


その存在を再び騒がせる映像が高知新聞PLUS+さんに寄せられたのです。

撮影したのは高知市五台山在住の門田昌之さん。

今から3年前の2022年6月29日午後6時半ごろに撮影したといいます。

海面に黒い何かが出たり沈んだりする様子が記録されており、門田さん曰く「これはカワウソじゃないのか?」という直感が働いたそうです。

― 海に浮かぶ、複数の黒い頭らしきもの ―


映像が撮られたのは、高知県西部の海岸。

意外に思う人もいるかもしれませんが、ニホンカワウソは河川だけではなく、海岸沿いにも広く生息していました。

門田さんは、波の合間から「なにかの」頭のような影がポコポコと見え隠れするのを目撃しました。

しかも、その影はどう見ても複数。

そのとき門田さんはこう言っています。

「密漁者かと近づいたら、小さかった。間違いなくカワウソや、と」

咄嗟にスマートフォンを出し、数十メートル先の謎の生物の撮影を始めました。

距離を詰めたものの、近づくほどに「魚を追って動き回る小型の生き物」にしか見えなかったといいます。

― 親子連れと思われる3匹 ―


門田さんは「大人が2匹、子どもが1匹いたように見えた」と証言。

体色は茶色で、濡れた毛が光っており、よく海辺で見るウミガメの影とは全く違うと話しています。

映像では細部が確認しにくいものの、「岩の上でごろんと寝転んだようにも見えた」なんて描写もあって、少なくとも魚影とは全然違う動きだったのは確かです。

― なぜ今になって映像が持ち込まれたのか ―


門田さんはこの動画をずっと知り合いだけに見せて保管していたそうです。

ところが最近になって、カワウソ研究の記事を読んだことがきっかけとなり、「判断できる専門家がいるなら」と映像を託すことにしたとのことです。

― そして専門家の「断言」 ―


映像を確認したのは、高知県で長年カワウソを追ってきた高知大学名誉教授の町田吉彦さん。

教授は「これはカワウソで間違いない」と明言したといいます。

理由は非常にシンプルで、独特の息継ぎの仕方、波のある磯での俊敏な泳ぎ、上下動のリズム――

これらが、他の海洋生物では説明できないというのです。

果たしてこの動画の存在は、ニホンカワウソ生存説の論争に終止符を打つ決定的な証拠になるでしょうか。

[出典]

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2025年12月6日土曜日

オハイオに現れた謎の大蛇 ~ ペニンシュラ・パイソン


■オハイオに現れた謎の大蛇 ~ ペニンシュラ・パイソン

今回はペニンシュラ・パイソン (Peninsula Python)。

アメリカ、オハイオ州ペニンシュラ村に伝わる都市伝説的UMAです。

その名の通り、パイソン (ニシキヘビ) であり、体長は19フィート (約6メートル弱) と大蛇であることは確かですが、実在可能な現実的な大きさです。

といっても実はアメリカはUMAの目撃は世界でも有数ですが、こと爬虫類系となるアメリカアリゲーター (Alligator mississippiensis) を除くと在来種はそれほど大きくないんですね。

特にオオトカゲや大蛇系には弱く、蛇の最大種はおそらくナミヘビ科のイースタンインディゴスネーク/トウブインディゴスネーク (Drymarchon couperi) で通常2メートル以下、但し大型個体で2.5メートルを超えることもあるといいます。

(イースタンインディゴスネーク)
(image credit: Wikicommons)

大きさ的に、目撃証言の半分以下であり、また、大きさを抜きにしてもパイソン (ニシキヘビ科) といわれているもののイースタンインディゴスネークは体色は黒っぽく、見た目的にもパイソンぽさはありません。

在来種で考えた場合、ペニンシュラ・パイソンの正体としてはちょっと厳しいかもしれません。

しかし心配する必要はありません。

ペニンシュラ・パイソンはいかにも都市伝説らしく、その正体はサーカス団が移動中、車両が事故を起こしそのどさくさに逃げ出した蛇だといわれているからです。

逃げ出したのは1944年夏といわれており、クヤホガバレー国立公園内の小さな村、ペニシュラ村では目撃が多発、その後大騒ぎとなり全国区となりました。

体色は暗く不規則なダークブラウンの斑紋があるといい、その体色も一般的なパイソンと変わりありません。

パイソンの種は分かりませんが、実際に伝説通り6メートル近くもあったとしたら最大種のアミメニシキヘビ (Malayopython reticulatus) やビルマニシキヘビ (Python bivittatus) のような最大クラスのニシキヘビであった可能性が高そうです。

但し、その場合、熱帯性のこれらの蛇にとってオハイオ州の冬はあまりに寒すぎ、越冬するのは困難だったかもしれません。

但しUMAであることからも分かる通り、目撃が多発したものの物的証拠はなにひとつなく、サーカス団から逃げたことも含めすべて都市伝説以上のものではありません。

実際、この記事を執筆した記者はフェイク記事を書くことで有名な人物だったということを付け加えておきましょう。

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 一家を惨殺したスネーク・アイランドのボス ~ ゴールデン・ランスヘッド・バイパー

2025年12月5日金曜日

シベリアで羊頭のレイク・モンスターが目撃されたという ~ シャリポホ湖の怪物


■シベリアで羊頭のレイク・モンスターが目撃されたという ~ シャリポホ湖の怪物

1991年11月中旬、シベリアのシャリポホ村の湖に、巨大で緑色の蛇のような長い胴体をくねらせて、ヒツジに似た頭を高くつきだしながら湖岸に沿って泳ぐ全長6、7mの怪物が出現した。

多数の村民の話では、怪物は水草の茂みに大きなソリが通り抜けたような跡を残して消えたという。

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今回はシャリポホ湖の羊頭怪物。

冒頭は「謎の動物の百科」(今泉忠明著) で紹介されたシャリポホ湖の怪物についての全文です。

さてこのシャリポホ湖の怪物、UMAだからもちろん謎に包まれていますが、その中でもトップクラスに謎です。

というのも、この本以外ではなかなか目にしないUMAだからです。

本来動物学者である今泉さんは、UMAの引用についてはそのまま日本のUMA本を参照しているものも多数見受けられますので、シャリポホ湖の怪物についてもUMA本からの引用かもしれません。

せめてこのシャリポホ村、もしくはシャリポホ湖についてぐらい情報が欲しいのですが見つかりません。

30年以上も前の著作だけにおそらく現在では「シャリポホ」と表記されていないに違いないと思い、探したところロシア連邦にあるバシコルトスタン共和国のアブゼリロフスキー地区に「シャリポヴォ (Sharipovo)」という村があるのが分かりました。

バシコルトスタンはシベリアにはたぶん含まれないと思うんですが、スペル的にこの村を指しているに違いありません。

なので、一応、「シャリポヴォ湖の怪物 (Sharipovo Lake monster)」と呼ぶのが正しいということになるでしょう。

(もしかして鰭脚類タイプか?)

シャリポヴォ村は人口が200人台とかなり小規模な村です。

で、調べたところ、1837年5月17日創刊のアメリカ、メリーランド州最大の日刊紙、ボルティモア・サン紙の1991年11月21日号に掲載されたようです。

内容はそれほど詳しくなく、冒頭で引用した「謎の動物の百科」と概ね大差ないです。

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シャリポヴォ近郊にある湖で、羊に似た頭部を持つ巨大で緑色のヘビのような生物が徘徊しているのが目撃されたという。

数十人もの人々がこの緑色の怪物を目撃、胴回りは大木の幹ほどの太さがあり、体長は6~7メートルぐらいであった。

目撃者の一人は怪物の写真撮影に成功、水面から頭を高くつきあげて泳いでいた。

湖岸沿いの草むらは大きなソリが走った後に残される滑車のような跡が残されていました。

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「謎の動物の百科」に書かれていなかった「写真撮影に成功」部分が気になるところです。

ピンぼけ、逆光、波だけ、みたいな写真でも構わないので見てみたいですね。

正体としては迷い込んだバイカルアザラシ (Pusa sibirica) 等の鰭脚類がやはり筆頭でしょうか。

(アムールイトウ)
(image credit: Wikicommons)

魚類であればアムールイトウ (Hucho taimen)、シベリアチョウザメ (Huso baerii) 等、大型種も存在します。

但し、新聞の話を信じれば魚類の可能性は限りなく低く、既知動物の誤認であれば、色は別として縦列泳ぎした複数の鰭脚類を誤認した可能性の方がまだ高そうです。

完全なUMAだとすれば、新聞記事の全体的な印象では大きいものの細長くはなく、レイク・サーペント系の爬虫類ではなさそうです。

もっとずんぐりとしており、水棲、もしくは半水棲の哺乳類に違いありません。

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2025年12月4日木曜日

イノゴンが裸足で逃げ出す巨大イノシシ ~ アルケオテリウム


■イノゴンが裸足で逃げ出す巨大イノシシ ~ アルケオテリウム

日本が誇るイノシシ系UMA「イノゴン」。

1970年、京都の綾部市で捕獲された体長1.8メートル、体重130キログラムの巨大なイノシシでした。

2022年に鳥取県江府町で、2024年に同じく江府町で、それぞれ200キロ、140キロという元祖を上回る「偽イノゴン」も捕獲されています。

今回はそんな日本のイノゴンファミリーを軽く超える、北米の伝説的イノシシの話です。

― 「地獄のブタ」 ―


その名は アルケオテリウム (Archaeotherium)。

およそ3000万年前に北米大陸を闊歩していたイノシシです。

最大クラスは肩の高さまでで1.6メートル、体重は1トンを超える「超巨大イノシシ」。イノゴンが裸足で逃げ出すのも無理はありません。

彼らのニックネームは「ヘル・ピッグ (地獄ブタ)」。
それは彼らが単に巨大だったからだけではありません。彼らの 歯は硬い骨さえも砕くことができたのです。

― 巨大個体と小型個体、二つの顔 ―

(アルケオテリウムの全身骨格)
(image credit: Wikicommons)

最近の研究では、アルケオテリウムの 歯の摩耗パターン を分析することで、彼らの食性が個体サイズによって大きく異なったことがわかってきました。

大型個体:獲物の骨をバリバリ砕き、硬い根や木の芽まで食べられる。ライオンやハイエナのような噛み方。

小型個体:肉や柔らかい植物をむしゃむしゃ食べるだけ。葉や草、時には小動物も。

つまり、同じ「地獄ブタ」でも、大きさによってまったく別の生態的役割 (ニッチ) を担っていたのです。

― 巨大な頭と小さな脳 ―


さらに面白いのは、彼らの頭部の大きさ。

頭は体長の約30%も占め、見た目はまるで小型のマンモスのよう。しかし、脳は極小、知能は爬虫類並み。

「巨大な頭部をもちますが、考える力はほとんどありません」――研究者はそう説明します。

つまり 力任せの放浪者、恐怖のパワーファイターだったのです。

現世イノシシの「猪突猛進」スタイルは、3000万年前のご先祖様が既に完成させたものだったのです――

― 捕食かスカベンジャーか、それともベジタリアンか ―


化石の歯痕からは、彼らが小型ラクダの仲間ポエブロテリウム (Poebrotherium) を襲った形跡も。

大型個体はハイエナのように他の捕食者から獲物を奪って食べることもあったでしょうし、硬い植物をかじるベジタリアン的な一面もあったと考えられています。

小型個体は柔らかい食物に特化し、大型個体の影で生き延びる。まさに 北米古代世界の食物連鎖を支配した兄弟分業といえるかもしれません。

― 骨の真相はこれから ―


今回の歯の微細摩耗パターン分析によって食性の違いが推測され、今後はカルシウム同位体分析でさらに確かめられる予定だそうです。

北米の大地には、まだまだ奇妙なUMAたちが潜んでいた──
アルケオテリウムはその象徴にして、私たちの想像力をかき立てる「古代の地獄ブタ」なのです。

(参照サイト)

(参照サイト)

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)


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