■青に染まる命 ~ チェルノブイリの犬たち
ウクライナ北部、あの「チェルノブイリ原発事故」の地――。
人が去って久しいこの「静かな廃墟」には、今も約700匹の犬たちが生きています。
彼らは、事故後に「見捨てられた」ペットの末裔 (まつえい)。
――そう、放射能よりもしぶとく生き延びた、真の「サバイバー」たちなのです。
― 立入禁止区域に残された命 ―
1986年、原発事故によって住民たちは避難を余儀なくされました。
家に繋がれていた犬たちは置き去りにされ、やがて人の消えた街で野生化。
その群れは世代を重ね、現在では原発跡地やプリピャチの街を自由に歩き回っています。
そして今、その犬たちの保護と調査を行っているのが、アメリカの非営利団体「クリーン・フューチャーズ・ファンド(Clean Futures Fund)」の関連団体――
「ドッグズ・オブ・チェルノブイリ(Dogs of Chernobyl)」です。
彼らは避妊・去勢・ワクチン接種を行うとともに、放射線が犬の遺伝子にどんな影響を与えるのかを研究しています。
― 「青い犬」の出現 ―
(image credit: Clean Futures Fund)
2022~2023年ごろ、インターネット上に奇妙な写真が拡散されました。
それは、青みを帯びた毛並みを持つ犬たちの姿。
灰色というより、金属光沢のある「スチールブルー」。
SF映画のミュータント犬を思わせる外見に、世界中のネット民がざわめきました。
「放射能で進化した新種か?」「いや、きっと『チェルノ・ブルー』っていう毛染めの新色だ」
――そんな不謹慎なジョークまで飛び出す始末。
今回確認された犬たちは、かつて話題になった「青い群れ」とは異なるようです
専門家によれば、今回の件はおそらく遺伝的変異などではなく、近くの廃工場や化学施設に残留した金属粉(硫酸銅など)が被毛に付着した可能性が高いとのこと。
ただし、これはあくまで推測に過ぎず、現時点で真相は闇の中。
実際、37年以上も放射線区域で繁殖を続けてきた犬たちの遺伝子には、すでに普通の犬とは異なる変化が見られるといいます。
「彼らは人間の作った実験場で、誰にも頼まれず『実験』を続けているのです」――
ある研究者は、苦笑混じりにそう語りました。
― 「青」が人類に問いかける意味 ―
青は冷たさの象徴であり、静寂の色。
しかしチェルノブイリの青い犬たちは、人間に見捨てられても生きることを諦めなかった命の証でもあります。
「この土地がまだ『息をしている――』ことを、彼らが教えてくれる」
現地ボランティアの言葉です。
夜のチェルノブイリ――
月光を浴びた青い毛並みが揺れ、人類が犯した過ちの地で、遠吠えが虚しく響いているかもしれません。
(参照サイト)


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