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2025年12月27日土曜日

ただの極悪犯罪者、それとも国民的ヒーロー!? ~ ペラーク (怪人ペラ)


■ただの極悪犯罪者、それとも国民的ヒーロー!? ~ ペラーク (怪人ペラ)

今回はペラーク(Pérák)です。

日本では「怪人ペラ」と呼ばれることが多いでしょうか。

― ペラークとは何者か ―


ペラークは、正確にはUMAではありません。

一応「謎の人物」とされていますが、そもそも実在したのかどうかも含め、謎が多すぎる存在です。

そのため、単なる「謎の人物」というよりも、「都市伝説的な人物」と表現したほうが正しいかもしれません。

また、「謎の人物」と言いながらも「一応」と断ったのは、仮に存在したとしても、それが「人間」なのか、あるいはパラノーマルな存在、つまり「ゴースト」のようなものなのか、判断が分かれるからです。

とりあえず、ペラークについて見ていきましょう。

― ドイツ占領下のプラハに現れた怪人 ―


ペラークは1940年、第二次世界大戦中、ドイツ占領下にあったチェコスロヴァキア(現チェコ共和国)の首都プラハに現れました。

スプリングマン、あるいはスプリンガーという別称を持ち、並外れた跳躍力を備えた人物として知られています。
一説には、電車を飛び越えることもできたといいます。

― ただの怪人では終わらない ―


もしペラークの能力が跳躍力だけであったなら、ドクター中松氏の先を行くジャンピングシューズを履いた(あるいは開発した)ジャンピングおじさんで終わっていたでしょう。

しかし、もちろんそんな人物ではありません。

彼は暗がりで待ち伏せし、カミソリを付けた爪で罪のない人々を襲ったとされています。
それは単なる驚かしといった軽いものから、脅迫、強姦、さらには殺人といった凶悪犯罪にまで及んだといいます。

― 恐怖から英雄へ ―


「ペラークなんて、都市伝説でもなんでもなく、ただの極悪人じゃないか。下手をすればシリアルキラーだろう」

そう言いたくなるところですが、話はそこで終わりません。

ペラークの存在が広く知られるようになると、人々は外出、特に夜間の外出を危険視し、家に閉じこもるようになっていきました。

その結果、占領下においてナチス・ドイツが行っていたチェコスロヴァキアでの武器生産の生産性が、著しく低下したとされています。

これは意図せぬ「ペラーク効果」による、思わぬ好転でした。


― ターゲットの変化 ―


そして極めつけは、ペラークがターゲットを一般市民から、占領軍であるドイツ兵へと変更した、という噂です。

その並外れた跳躍力と俊敏性を活かし、ドイツ兵の首を掻き切っては素早く姿を消す。
そんな話が広まるにつれ、ペラークの評価は一変します。

恐怖の象徴だった存在は、いつしかチェコスロヴァキア国民にとって「英雄」へと変貌していきました。

― 都市伝説としてのペラーク ―


もっとも、やっていること自体は「殺人」です。

ただし戦時下においては、そのターゲットが敵か味方かによって、評価は大きく変わります。

とはいえ、これらの話が事実かどうかは、また別の問題ですが。

ペラークは、18世紀イギリスの「バネ足ジャック(Spring-heeled Jack)」と、「切り裂きジャック/ジャック・ザ・リッパー(Jack the Ripper)」、その両方の特性を併せ持つ存在として語られます。

この点からも、創作的な要素が強いと感じられるのは否定できません。

特に、異常な跳躍力や、悪人から英雄へと変貌する流れは、バネ足ジャックと酷似しています。

ペラーク伝説の元になった、何らかの事件や人物は存在したのかもしれませんが、現在知られているペラーク像は、話が膨らみ、都市伝説化した結果である可能性も高そうです。

― 分断された二つのペラーク像 ―


戦時下、しかもナチス・ドイツの占領下という極限状態において、チェコスロヴァキア国民のストレスは限界に達していました。

その中で、些細な出来事をきっかけに、まず「極悪版ペラーク」が生み出された可能性は十分に考えられます。

ただでさえ恐怖に支配された状況で、「怪人ペラーク」の噂が広まれば、人々の不安はさらに増幅されます。

しかし、ある時を境に、その矛先が憎きドイツ兵へ向けられたとしたらどうでしょうか。

敵であれば最悪――
しかし味方であれば、これほど心強い存在もありません。

最悪の状況下での一縷の望みとして、噂が噂を呼び、「英雄版ペラーク」が誕生したのかもしれません。

もっとも、極悪人時代の話を考えると、諸手を挙げて称賛したい人物とは言えません。

できることなら、「極悪版ペラーク」と「英雄版ペラーク」は、別の人物だった――
そんな説であってほしいところです。

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2025年12月26日金曜日

どこからきてどこへ去っていくのか ~ カリフォルニアグルニオン


■どこからきてどこへ去っていくのか ~ カリフォルニアグルニオン

― 謎の沿岸魚 ―


トウゴロウイワシの仲間で、カリフォルニア州サンタバーバラからメキシコのプンタ・アブレオホスの海岸線にかけてのみ生息する謎の魚、カリフォルニアグルニオン (Leuresthes tenuis)。

(グルニオンは2種おり、もう1種はガルフグルニオン (Leuresthes sardinas))。

名前の響きこそ奇妙ですが、見た目はごくごく普通の魚で、姿もサイズも通常目にするイワシとほとんど変わりません。

― 夜の砂浜の行進 ―



ただ、この魚が非常に珍しいのは習性です。

春から夏にかけて、新月や満月の夜を合図に、グルニオンたちは2~3日の間、大挙して砂浜に「上陸」するのです。

目的は産卵。

ハゼやムツゴロウのような砂浜で活動するのに適した体つきではないのに、このグルニオン、砂浜を体をくねらせて器用に「歩く」のです。

砂浜に上陸したメスは、まるで砂のお風呂に入るかのように頭部だけを砂から出して、体をすっぽり砂に埋めます。

ここに産卵するためです。

オスもまた上陸し、メスが産んだ卵に精子をかけて受精させます。

よって、新月・満月の夜は砂浜がグルニオンで大混雑となるのです。

― 潮のリズムと安全な産卵 ―


なぜ新月・満月を選ぶのか。
この日は大潮の期間中で、満潮時の潮位が最も高くなるタイミングです。

潮位の高い日を狙うことで、より砂浜の高い位置まで上がることができ、卵を安全な場所に産むことができます。

卵は次の大潮が来るまで、少なくとも約2週間、捕食者から守られます。

そして孵化も次の大潮に合わせて起こります。

すべての卵が一度に孵化するわけではなく、残った卵はさらに次の大潮まで待ち、約1か月後に孵化します。

これは自然界が仕組んだ「時間差攻撃」のような戦略でしょう。

― どこから来てどこへ帰るのか ―


不思議なのは、カリフォルニア・グルニオンの起源と行き先です。

これほど大群で上陸するにもかかわらず、カリフォルニアからメキシコ沿岸ではほとんど釣れません。

漁師の網にかかることも稀で、正体は謎のままです。

近年、上陸を狙った捕獲や沿岸開発の影響で、元々少なかった数はさらに減少。

真夜中の砂浜での大行進も、今ではほとんど見られなくなってきています。

このままでは、謎多きグルニオンは謎を残したまま絶滅してしまうかもしれません。

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2025年12月25日木曜日

青森の山中で目撃 ~ 白神山地の巨大ダンゴムシ


■青森の山中で目撃 ~ 白神山地の巨大ダンゴムシ

今回は読者さんからいただいたお話です。

投稿者さんによれば、小学校の3~6年生頃、2005年前後のことだそうです。

祖父母に連れられて青森県西部の山に行ったときの話です。

その山は白神山地(しらかみさんち)のすぐそばにあり、祖父の所有する広葉落葉樹の多い山地だそうです。

季節は夏頃で、木々は青々と茂り、草花は当時の投稿者さんの背丈に届くほど伸びていたといいます。

祖父は珍しい花の標本撮影・採集、祖母はミズなどの山菜採りに夢中だったそうです。

白神山地は世界自然遺産にも登録され、原生林が広がる地域です。

その自然環境の中では、多種多様な生き物が息づいています。

しかし投稿者さんは、この豊かな自然のなかで、思いもかけないとんでもない生物を目撃することになります。

― 草地での遭遇 ―


その日、投稿者さんは少し開けた草地でしゃがみこんでカマキリを探していました。

!!!

すると、足元にコクワガタよりも大きな、巨大なダンゴムシが這っていたのです!

幼いながらも「こんな大きなダンゴムシは存在しない」と理解していた投稿者さんは、驚きながらも、捕獲しようと思いました。

しかし、通常サイズのダンゴムシならいざ知らず、尋常ではない巨大ダンゴムシを素手で掴むのはためらわれました。

目印に虫籠をその場に置き、急いで車まで走って虫網と軍手を取りに行きました。

― 謎の消失 ―


しかし――

急いで目印にしておいた虫籠の場所に戻ってきたものの、あの怪物の姿はどこにも見当たりません。

仕方なく、その日は「収穫物」のカマキリ2匹だけを持ち帰ったといいます。

祖父母に巨大ダンゴムシの話をしても「そんな大きなダンゴムシは見たことがない」と言われ、両親も同様だったそうです。

投稿者さんも、山に入ったのはそのときだけで、他に確認する手段もなかったとのことです。

― 図鑑での調査と投稿者さんの意見 ―

(深海の掃除屋、ダイオウグソクムシ)
(image credit : Wikicommons (NOAA))

当時、投稿者さんは祖父に借りた図鑑で日本のダンゴムシを調べたそうですが、そのサイズの種類は存在しませんでした。

通常のダンゴムシはせいぜい1センチ前後で、大きな個体でも1.5センチほどしかありません。

しかし、目撃したダンゴムシはそれをはるかに超える大きさでした。

コクワガタより大きなダンゴムシ――つまり4~5センチほどもあるダンゴムシを目撃した、ということになります。

ちなみに、ダンゴムシの仲間(等脚類)には、最大15センチメートルのオオグソクムシBathynomus doederleinii)や、最大45センチメートルのダイオウグソクムシBathynomus giganteus)も存在しますが、それは深海の話です。

陸棲では無理?

いや、実は存在します。イベリア半島やモロッコに棲息するポルチェリオ・ホフマンセギイPorcellio hoffmannseggii)。

なんと体長、最大4センチメートル!

日本にはもちろん生息していませんが、実際にダンゴムシの仲間でこれだけの大きさをもつ種が存在するのです。

投稿者さんが見たダンゴムシは、決して幻なんかではなく、未知の巨大ダンゴムシだったのかもしれません。

引き続きUMA、グリッチ、ゴースト等々、現実的なものからパラノーマルなものまで募集中です、お気軽にコメント欄に書き込むかメールしてください

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2025年12月24日水曜日

触れれば感電死 ~ エレクトリック・ツリー


■触れれば感電死 ~ エレクトリック・ツリー

強力な電気魚(強電気魚)といえば、デンキウナギElectrophorus electricus)、デンキナマズMalapterurus electricus)、そしてシビレエイNarke japonica)などが有名です。

強電気魚は獲物や天敵を感電(麻痺)させる強力な電圧をかけることができますが、そこまで強力でない放電能力を持つ魚類(弱電気魚)も意外と多く、決して珍しい存在ではありません。

しかし、植物が放電するとしたら?
しかも強電気魚のような強力な電圧を放つとしたらどうでしょうか。

― 密林の奥で起きた異変 ―


1885年、フォン・イマー・ガッセンデ(Von Immer Gassende)中尉率いるドイツの探検隊が、パプアニューギニアの奥地で衝撃的な植物を目撃した記録が残っています。

探検隊のメンバーのひとりとして、著名なアメリカ人地質学者ヘンリー・バーナード・キュメル(Henry Barnard Kummel)博士も帯同していたといいます。

パプアニューギニア探検開始から12日目のこと、探検隊は久しぶりに密林から解放された開けた土地に到達しました。

切り開かなければ前進できない道なき道を進み、疲弊しきった一行にとって、そこは砂漠のオアシスのような場所でした。

しかし、そう思ったのも束の間、コンパスが不安定に動き始めるという異変が起き始めたのです。

まあ、富士の樹海に入るとコンパスが効かなくなる、なんて都市伝説があるぐらいで(実際はそんなことはありません)、ありがちな話ではあります。

ただし彼らの場合、密林から開けた場所に出た途端にコンパスがおかしくなるという、逆パターンでした。

― 電気を帯びた大樹 ―


異変はコンパスだけではありませんでした。

いくら開けた場所とはいえ、先ほどまで動物たちの鳴き声で溢れていた環境が、異常なほど静まり返っていたのです。

さらに、開けた地面には動物の死骸や骨がいくつも散乱していることに気付きました。

不審に思いながらも、各自が束の間の休息を取っていたその時、キュメル博士は動植物のサンプル採取を行っていました。

すると、見たことのない種の大木が生えていることに気付きます。

探検隊のメンバーがその木の表面を削り取ると、内部には炭素のような黒い芯が通っていました。

試しにその芯に触れた刹那、メンバーは激痛とともに悲鳴を上げます。

何が起きたのか分かりませんでした。

同じことをした別のメンバーの中には、気を失った者もいました。

興味を持ったガッセンデ中尉は、もしやと思い、銅線を使ってその炭素芯を調べたところ激しく反応。

内部に電流が流れていることが判明します。

それはまさしく、エレクトリック・ツリー(Electric Tree)だったのです。

この未知の植物は、後にエルサシア・エレクトリカ(Elsassia electrica)と名付けられました。

― 夢のエネルギーと消えた証拠 ―


しかし、隊長であるガッセンデ中尉が体調を崩したことにより長期滞在は不可能となり、探検隊は撤退を余儀なくされます。

彼らはエレクトリック・ツリーのサンプルを採取し、帰途につきました。

この謎の樹木の存在が本国に伝わると、大規模な植林によって発電所として機能させられるのではないか、という夢のような計画が持ち上がったといいます。

――話はここまで。

巨大なエレクトリック・ツリーが整然と立ち並ぶ植物電力プランテーション。
それはそれは壮大な景観に違いありません。

まさにクリーンエネルギーです。

しかし――

持ち帰られたという唯一の証拠、エルサシア・エレクトリカのサンプルは行方不明。

キュメル博士は実在する地質学者ですが、パプアニューギニア遠征に参加した記録は確認できていません。

ガッセンデ中尉に至っては、その存在自体が不明です。

確実な目撃者が複数存在するUMAとは異なり、この話はやや客観性に欠けるのも事実でしょう。

とはいえ、もし実在していたとすれば、UMAどころではない大発見となり、世界中が驚愕することは間違いありません。

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2025年12月23日火曜日

ピクセル化した母親、、、そして人が変わってしまった、、、


■ピクセル化した母親、、、そして人が変わってしまった、、、


ピクセル化系のグリッチで、以前にも何度か似たようなものを紹介していますが、今回のも奇妙で興味深いものです。

ピクセレーションされた状態のものが「現実世界」で見える (見えてしまう)、ってのはいかにもこの世界は仮想世界だ!というグリッチ・イン・ザ・マトリックスという陰謀論の王道的な話なんで、個人的に好きなんですよね。

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金曜日の夜のことです、私たち家族はソファに座って団欒をしていました。

と、突然、母の顔がまるでコンピュータ画面のようにピクセル化されているのに気付いたんです!

私はお酒を飲んでいませんでしたし、もちろん薬物の摂取もしていませんでした。

全くのシラフで、意識もしっかりしていた状態です。

視力だってとてもいいです。

あまりに奇妙な出来事だったので、それ以降、母親に会いに行くのが怖くなってしまいました。

しかし話はそれで終わりません。

母もその日以来、私に対してとてもよそよそしく、なんというか距離を置くようになったのです。

私は勇気を振り絞って「あの金曜日」の出来事を母親に伝えることにしました。

母に電話をし、そのことを伝えると母は何と答えたと思いますか?

「あの日、あなたの顔もピクセル化していたの、、、」

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ピクセル化して見えるのは「もの」であることが多いので、生物、しかもそれが人間となるとなくはないですが、なかなか珍しいグリッチ体験です。

しかもお互いにピクセル化していたなんて。

あまりによく出来た話なのでちょっと創作感も漂いますが(笑)、でもそれを含めてもこの話はグリッチ系としてとてもユニークです。

UMA目撃談だけでなくグリッチ系の体験談も募集していますが、ピクセル化して見えた体験をお持ちの人がいたら是非コメントかメールしてください。

(参照サイト)
reddit

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2025年12月22日月曜日

地図から消えたトンネル ~ アパラチアの「失踪坑道」


■地図から消えたトンネル ~ アパラチアの「失踪坑道」

「トンネルに入った6人家族が、誰一人戻ってこないんだ」――

今回はアパラチア山脈に伝わる不可解な噂、アパラチアン・バニッシング・トンネル (Appalachian Vanishing Tunnel)。

2020年代頃から海外の匿名掲示板やredditの怪談系コミュニティで話題になりはじめた都市伝説で、ひとたび「中に入った者が帰ってこない」「出入口が翌日には消えていた」といった証言が投稿され、現在も細々と語り継がれています。

本ブログでもアパラチアの民間伝承をいくつか紹介しているように、アパラチアには人を引き込む不思議な民間伝承や都市伝説がたくさんあります。

本ブログで人気記事のひとつである「ノット・ディア」などもそう。

さあ、アパラチアのトンネルの中へと潜入してみましょう。

― あるはずのない「入口」 ―


最初の投稿で語られたのは、ウェストバージニアの山中で見つかった「古い採掘トンネル」の話でした。

朽ちかけた木製支柱、錆びついたレール、剥き出しの鉱脈。
一見、19世紀の炭鉱跡のような佇まいをしていたといいます。

しかし地元の鉱山資料や州の鉱山管理局のデータを調べても、その位置に炭鉱が存在した記録は一切ありません。

そのうえ奇妙なのは、探索者が翌日同じ場所へ戻ったところ──
前日見つけた入口が完全に消えていたという点です。

ではたった一日の間に崩落してしまった――
いいえ、地形そのものが最初から違っていたと証言されています。

― 記憶に残るのは「異様な静けさ」 ―


複数の投稿者が共通して語るのは、中に入った瞬間に訪れる「異常な無音状態」。

湿気の匂いはなく、風の通りもない。
蝙蝠 (コウモリ) や虫ですら存在しない。

その静寂の中を進むと、レールの終点付近に古い軍用木箱のような残骸が放置されていた、という証言が続きます。

これが次の噂へと繋がります。

― ケンタッキー旧軍事施設との接点 ―

アパラチア地域の軍事史に詳しい人々の間で、
「ケンタッキーに点在する旧軍研究施設の一部がアパラチア山脈と地下で繋がっていた」という都市伝説が昔から囁かれています。

第二次大戦期の弾薬庫、冷戦期の化学実験施設、地図に載らない軍隧道──

バニッシング・トンネルが語られるたび、必ずと言っていいほどこの「旧軍隧道ネットワーク説」が引き合いに出されます。

ただし、これらは公文書によって確認された事実ではありません。

それでも、

「異様に新しい木箱の残骸」
「最新型ではないが軍用規格の金属片」

といった証言が、都市伝説に花を添え拍車をかけているのです。

― なぜ「消える」のか ―


このトンネルが最も奇妙なのは、その存在が安定しない点です。

入口の消失
内部構造の変化
翌日には別の斜面に「似た入口」が現れる

こうした報告が続いています。

地質学的には説明不能ですが、都市伝説好きの間ではさまざまな解釈が語られています。

・炭鉱跡の自然崩落による「偶然の露出と閉鎖」説
・軍が管理していた隠し坑道が自動閉鎖されるという陰謀論
・アパラチアには地殻断層が多く地盤が「動く」ため入口が変わるという半科学的解釈
・あるいはトンネルそのものが「存在を維持できない何か」であるという超自然的解釈

ただし、これらはすべて推測の域を出ません。

唯一の共通点は、誰もトンネルの奥を最後まで確認していない――
つまりどこに繋がっているか (または終わっているか) は分からない、という事実だけです。

― 都市伝説か、それとも ―


アパラチアン・バニッシング・トンネルは、実在の炭鉱跡・旧軍施設・地元の怪談が混ざりあって生まれた、典型的なアメリカ山岳地帯の都市伝説といえるでしょう。

しかし、地図に載らない炭鉱や、戦時中の軍事隧道が数多く存在したのもまた事実です。

夜のアパラチア山中で、ふと木々の隙間に口を開く暗い穴。
それが翌日には跡形もなく消えている光景を見たなら──

誰だって、こう思うのかもしれません。

「この山には、まだ何か隠されている」と。

アパラチアの「消えるトンネル」がただの都市伝説で終わるのか。

そしてあの六人家族──
もし彼らが戻ってくることがあれば、失踪の謎も、トンネルの秘密も、すべてが語られることでしょう。

それが事実か都市伝説か、我々が答えを知る日はまだ遠いのかもしれません。

(参照サイト)

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2025年12月21日日曜日

シベリア、ヤクーツクの「影」の2D怪人 ~ フラット・マン


■ヤクーツクの「影」の2次元怪人 ~ フラットマン

今回はフラット・マン (Flat Man)。

「平面人間」。

日本のUMA男シリーズ風に訳すなら「平面男」

― 名前から連想されるUMA像 ―


この名を聞いてなんとなくスレンダー・マンレイクみたいなUMAを思い浮かべる人が多いんじゃないでしょうか?

その他にも、トール・マンハット・マンシャドー・ピープルフェイク・ヒューマンなんかを連想する人もいるかもしれません。

確かにフラット・マンはタイプ的に獣人ではなく、「謎のヒューマノイド」タイプといえるため、上記UMAたちにカテゴライズして問題なさそうです。

が、思っているのとはちょっと違うかもしれません。

― フラット・マンとは何者か ―

(シャドーピープル)
(image credit by Midnight in the Desert)

それではフラット・マンを見ていきましょう。

フラット・マンは、自称ロシア連邦サハ共和国の首都ヤクーツク在住の人物によって、英語版巨大匿名掲示板4chanに投稿されたUMAです。

皆さんの想像どおり、フラット・マンは確かに非常に平面的な人型のUMAです。しかし、薄っぺらというよりも、まったく厚みのない二次元の生物と表現したほうが正確でしょう。

― 影だけが存在する生物 ―


彼らは紙のように薄い状態ですらなく、地面に対して直立することもありません。ただ、地面に映る真っ黒な影のような存在だといいます。

つまり、影を作る本体が存在しないにもかかわらず、影だけが地面にあり、しかもそれが自身の意思で動き回るというのです。

上記に挙げたUMAの中では、シャドー・ピープルにかなり近い存在といえるでしょう。

この時点で、かなりパラノーマルな存在であることが分かります。

― 二次元でありながら三次元を捕食する ―


彼らの存在は非常に恐ろしく、フラット・マンは二次元でありながら、三次元の物体を飲み込むことができるとされています。

しかも方法は至って簡単で、彼らの「影」に入り込んでしまった(乗ってしまった)時点でアウト。吸い込まれるように消えてしまうといいます。

ヤクーツクにかつて存在していた一部族は、フラット・マンによって絶滅させられたという話もあるそうです。

― 伝承か、インターネット・ミームか ―


さて、この興味深い特性を備えたフラット・マンというUMA。

確かにヤクーツク周辺のUMA情報は、頻繁に目にする機会があるとは言い難く、仮にそうした伝承が存在していたとしても、他地域に広まっていないこと自体は不思議ではありません。

しかし現時点では、4chanという匿名掲示板上の投稿でのみ確認できる存在であることから、ニンゲンヒトガタと性質が似た、インターネット・ミーム(ネット上での創作)である可能性も高いと言えます。

本当に古来から伝わるUMAなのかどうか、現段階では判断できません。

今後、別の人物やメディアから追加情報が登場することを期待しましょう。

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2025年12月20日土曜日

カムループス湖の怪物 ~ エルク・モンスター


■カムループス湖の怪物 ~ エルク・モンスター

今回はカムループス湖の怪物 (Kamloops Lake monster)。

カムループス湖はカナダのブリティッシュ・コロンビア州にある湖で、最大長29キロメートルに対し最大幅は1.6キロメートルと極端に細長い形状をしています。

平均水深71メートル、最大水深152メートルと割と深い湖です。

ブリティッシュ・コロンビア州の代表的レイク・モンスターといえばオカナガン湖のオゴポゴですが、そのオカナガン湖とも地理的に近い場所にある湖です。

さてこの怪物もご多分に漏れず、もともとはこの一帯に住む先住民族、シュスワップ族に伝わる伝承の生物です。

伝承の怪物は水棲でありながら、哺乳類、なんとヘラジカ (Alces alces) です。

カナダではヘラジカをエルク (Elk) と呼びますから、エルク・モンスター (Elk monster) と呼んでもいいかと思います。

サスカチュワン州とアルバータ州に跨るノースサスカチュワン川の怪物、ピンク・アイにもちょっと似ていますね。

さて、この怪物、ヘラジカといってもそんじょそこらのただのヘラジカではありません。

ヘラジカ自体、最大個体は1トン近くあるといわれますが、カムループス湖の怪物は人間を丸呑みするほどの巨躯を誇るというのです。

湖に潜み、通りかかる生物、それが人間であれ襲って食べる危険な生物として描かれています。

この人間にとって危険極まりない怪物を、シュスワップ族の英雄が筏 (いかだ) に乗ってでわざと襲われ、丸呑みされ体の内部を切り裂いて退治した、という伝説が残っています。

ちなみにカムループス湖の怪物は英雄によって村に運び込まれ、それを祝って肉を皆で食べたといいます。

さてさて、こんな生物がいるのか?というとさすがに恐竜や絶滅巨大海生爬虫類以上に厳しいです。

これは完全に日本でいう昔話以上のものではありませんからね。


ですが、なんとカムループス湖の怪物は目撃情報があります。

といってもシュスワップ族の伝承のようなヘラジカの化け物ではなく、カナダの湖で多く見られる一般的なレイク・モンスター系です。

1931年創刊、2014年に既に廃刊したブリティッシュ・コロンビア州の地方日刊紙、カムループス・デイリー・ニュース (The Kamloops Daily News) の1966年8月14日付けの記事によれば、「湖岸から僅か100フィート (約30メートル) の地点を体長8~10フィート (約2.4~3メートル) の泥のような体色の3つのコブを持つ生物が泳いでいるのが目撃された」そうです。

体長3メートル、淡水で3メートルの生物は実際はモンスター級の大きさではありますが、まぁ驚きや誇張も含めて全く現実的な大きさです。

「怪物は水面に静止してはまた潜るといった動作を繰り返し、二人の目撃者は双眼鏡でそれを確認したがウナギに似ていた」

頭部がウナギに似ていたのか、それともウナギのように体が細長かったのかはちょっと分かりませんが、サーペント系UMAということにしておきましょう。

21世紀以降も巨大な生物が泳ぐのを目撃されており、誤認候補としてはチョウザメが挙げられています。

カムループス湖には2メートル超のチョウザメが確認されており、その可能性はあるかもしれません。

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2025年12月19日金曜日

広島県世羅町の町民を襲撃した怪生物 ~ セラドン


■広島県世羅町の町民を襲撃した怪生物 ~ セラドン

今回はセラドン (Seradon) です。

広島県のほぼ中央に位置する世羅郡世羅町 (せらぐん・せらちょう)。

― 襲撃の始まり ―


1996年、この静かな町で、町民を震え上がらせる謎の野生動物による襲撃事件が2度発生しました。

最初の襲撃は2月25日夜のこと。
同町に住む男性が、深夜0時頃、外にあるトイレへ向かう途中に突然襲われました。

争う音に気付いた家族が駆け付け、必死に応戦した結果、なんとか生還したものの、男性は軽傷を負いました。

彼の証言によれば、「アナグマに似ていた」ということです。

― 翌日の惨劇 ―


しかし襲撃は翌日も起こりました。

2月26日午後8時ごろ、次に襲われたのは同町に住む夫妻でした。

セラドンは夫に襲いかかり、妻が助けようとしたところ、妻も巻き込まれてしまったといいます。

その生物が何であれ、襲撃は事実であり、町では夜間の外出時に野生動物に警戒するよう注意喚起が出されました。

最初に襲われた男性の目撃証言では体長1.2メートル、体高30~40センチ。
夫妻の証言では体長60~70センチ、体高30センチとやや異なります。

しかし、夜間で得体のしれない生物に襲われた状況下で冷静に観察することは現実的ではなく、この差は誤差と考えて差し支えないでしょう。

― 正体は何か? ―


「アナグマに似ている」という証言は姿を具体的に想像させる非常に有力なUMA情報です。

もしアナグマが正体であれば、おそらくニホンアナグマ (Meles anakuma) でしょう。
しかし通常、アナグマが人間を襲うことはほとんど考えられません。

日本では狂犬病が撲滅されているため、狂犬病に罹患したアナグマ説も可能性は低いところです。

― 外来種の可能性 ―


個人的には、この生物の正体は既知生物であれば外来種であるアライグマ (Procyon lotor) の可能性が高いのではないかと考えています。

通常、アライグマも人を見かけるとすぐに逃げていくものですが、アライグマに襲われた事件は散見されており、気性も個体差により変わりますから、アナグマよりはあり得そうです。

みなさんはどう思いますか?

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2025年12月18日木曜日

深海の巨大生物の咆哮か!? ~ アプスウィープ


■深海からの巨大咆哮 ~ アプスウィープ

体長200メートル超の生物が存在しなければ説明できない――

ブループは1977年にNOAA (アメリカ海洋大気庁) の海洋監視システムによって偶然キャッチされた「爆音」でした。

そしてその音は生物が起源――
つまり謎の巨大生物の咆哮なのではないのか?と考えられたのです。

しかしそれには問題がありました。

その爆音が生物によって発せられたのであれば、とてつもない巨体であることが必要、それで割り出されたのが冒頭の数値です。

ジュリア (Julia) という妹分的存在もいますが、今回は弟分的存在、アプスウィープ (Upsweep)。

― アプスウィープ ―


アプスウィープは1991年から2002年にかけて、太平洋上の深海で定期的に観測された謎の音波です。

南緯54度、西経140度付近――

ここがアプスウィープの発信地、いや生息地。

音の特徴は、滑らかに上昇する周波数――まるで何かがゆっくりと歌い上げるように聞こえることから、研究者は日本語で「上昇音」を意味する「アプスウィープ (Upsweep)」と名付けました。

その長さは数秒から数十秒にわたり、海底の地形や地震では説明できない規則性を持っています。

音源の方向を解析すると、音は深海から発せられていることがわかり、まるで巨大な生物が海底を規則的に移動しながら音を響かせているかのように感じられました。

― 海の巨人の囁き ―


もしこれが生物によるものであれば、ブループよりもさらに謎めいた存在――深海に潜む未確認巨大生物の可能性があります。

その体長や形態は未知ですが、発せられる音の強さと広がり方から、想像を絶する巨躯であることは間違いありません。

研究者の中には、これをクジラの仲間や未知の深海生物だと推測する者もいますが、決定的な証拠はまだありません。

一方で、自然現象説も存在します。

というか、現在ではその考えが主流です。

海底火山や地殻変動による音の一種ではないか?というものです。

しかし音の周期性や長時間にわたる継続性を説明するには、単純な自然現象で説明するのは不十分と考えられています。

― まだ見ぬ深海の影 ―


アプスウィープを生物と考えるのはUMAファンのロマンです。

その咆哮はまるで深海からの呼びかけのように、静かな海域を満たします。

もしあなたが潜水艦や観測機器を通さず、太平洋の深海で静かに耳を澄ませることができたなら、その神秘的な「上昇音 (アプスウィープ)」を直接感じることができるかもしれません。

その時、あなたはブループとは異なる、もう一つの「深海の巨人」の存在を確信したくなるでしょう。

UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)


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