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2025年12月31日水曜日

オタマジャクシからウシに変身する海棲哺乳類!? ~ カマウェート


■オタマジャクシからウシに変身する海棲哺乳類!? ~ カマウェート

今回はカマウェート (Camahueto)。

カマウェートはチリ領のチロエ島 (Isla de Chiloé) に伝わる民間伝承系のUMAです。

グルトレグアというUMAも報告されている島で、チリ領としてはフエゴ島に次ぐ2番目に大きな島です。

― 淡水と海を行き来する異様な生態 ―


UMAといえど、非常に風変わりな生態をしており、チロエ島の川で育ち、成体になると海へ移動する、つまり淡水と海水の両方で生息できる生物です。

このような生活史は現実の生物にも例があり、環境適応という観点では完全な荒唐無稽とも言い切れませんが、問題はその姿と成長過程にあります。

日本ではサケやウナギといった魚類を思い浮かべてしまいますが、カマウェートのその姿は哺乳類的、特に雄牛に似ているといわれ、額からユニコーンのように一本の角を生やすとされています。

― オタマジャクシから雄牛へ ―


ただし成長過程が特異で、地下の河川で生まれるものの、その姿は哺乳類には似ても似つかず、なんと両生類の幼生、つまりオタマジャクシ型だと伝えられています。

この時点では完全に水中生活を送り、四肢も未発達で、現在知られる哺乳類とはまったく異なる形態です。

成長と共にその姿は哺乳類的、特に雄牛的になります。

生まれたばかりの時は両生類の特徴を持ち、次第に哺乳類的になるものの、陸生哺乳類と海生哺乳類のハイブリッド的な生態であり、四肢はヒレ状であるという説もあります。

― 水棲主体だが陸上行動も可能 ―


また、主に水棲ですが陸上でも問題なく行動できるとされ、この点でも完全な水生生物とは異なります。

生態的に考えると、ウシの姿をしたアザラシ、もしくはカバのような生物を想像すると、最も近いかもしれません。

魚食性ですが人間に対しては非常に敵対的で、怒らせると人間を殺して食べてしまうとまでいわれています。

このあたりから、単なる珍獣というより、恐怖譚として語り継がれてきた存在であることがうかがえます。

― 一本角の正体とユニコーン伝承 ―


額の一本角からユニコーンといえばサイやイッカクが元になっていますが、地理的に考えてどちらも直接的な関係はなさそうです。

ですが、「カマウェートの角」なるものが存在するといい、その角には魔力が宿ると信じられていました。

このことから、その角自体はサイやイッカクの角であった可能性も否定できません。

実際、中世ヨーロッパでユニコーンの角として取引されていたものは、当時のヨーロッパの人々がその姿を知らなかったサイやイッカクの角でした。

― 生物としての限界 ―


まあ、いずれにしても、幼生時代は両生類のオタマジャクシに似ており、成長すると哺乳類のウシに似るという生物は、現実の動物学的枠組みからは大きく外れています。

この極端な変態的成長こそが、カマウェートを魅力的にする一方で、民間伝承以上の存在ではなさそうだと感じさせる最大の要因でもあります。

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2025年12月30日火曜日

病院で会った「顔が壊れた男」


■病院で会った「顔が壊れた男」


この「現実」と思って暮らしている世界は、実は「現実」ではなく「仮想世界」であり、我々はただのパソコンの中の住人に過ぎないのではないか?という陰謀論系のシリーズです。

性能の低いパソコンに、重いタスク処理をさせると画面の描画が追いつかず、まるでモザイクの (ピクセル化した) ように表示されることがあります。

もし我々が仮想世界の住人であれば、パソコンの中で起きるバグ (グリッチ) のような体験をしても不思議ではないはず、、、ピクセル化は我々が仮想世界の住人であることを証明する強力な証拠だと考える人もいます。

今月はこのピクセル化系の話をいくつか紹介していますが、その中でも代表的なものを紹介します。

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今日、とても奇妙な体験をしました。

正直、まだとても動揺しており、いったい何が起きていたのかは定かではありません。

ただ彼が確かにそこに存在したことだけは間違いありません。

- 耳鼻科での出来事 -


喉が痛かったので近所の耳鼻科に行きました。

診察は30分ほど、処方箋を書いてもらっている間、私は椅子に座って待っていました。
その時です、ノックの音と共に一人の男性が許可もなく診察室に入ってきました。

年齢は30代後半から40代といったところでしょうか、背が高くやや猫背で、ブロンドヘアー、デニムのパンツにチェック柄のシャツを着ていました。

失礼な男だな、と思い、彼を一瞥して私はすぐに視線を戻しました。

医師は「部屋の外でお待ちいただけますか?すぐにお呼びしますので」と穏やかな口調で男性に話しかけました。

しかしその男性はなぜかその言葉に従おうとせず、ただ黙ってドアの前に立ち尽くしていました。

- 壊れた顔 -


横目で視界に入った彼の顔を見て異変を感じ取りました。

先ほどまでは「ふつうの」男性でしたが、今はどこかがおかしいのです。

ゆっくりと彼の方に顔を向けると筆舌しがたい光景がそこにありました。

まるで破損した映像ファイルを見ているかのよう、バグったノイズ――

男性の顔はピンク色の破片の集合体となっており、輪郭がゆがんで「ピクセル化」していました。

デジタル化されたような顔、、、

次の瞬間、彼はドアノブに手をかけると無言で部屋を出て行き撒いた。

ドアの方へ振り返る瞬間、彼の顔が見えましたが顔はレゴのように平坦になっているのに気付きました。

- 医師の言葉 -


最初は自分の錯覚と思いました。

寝不足のせいで自分の脳がバグっているのだろう、、、そう自分に言い聞かせました。

ですが、処方箋を書いていた医師が手を止め、私のほうを向きました。

そしてためらいがちにこう話しかけてきたのです。

「あなたは見ましたか?――、彼の――顔を」

私は頷きながら「ええ、、、」と答えました。

私も医師もそれ以上何も話しませんでした。

医師は書き終えた処方箋を黙って私に手渡し、私はめまいを感じたようにふらつきながら診察室を出ました。

- 廊下にいた男性 -


診察室を出ると、「あの」男性は携帯電話を見ながら椅子に座っていました。

顔は完全に元に戻っていました、穏やかな表情、どこにでもいそうなふつうの人間の顔。

あれはいったい何だったのか?

光の加減?ただの錯覚?それとも「なにものかが」人間の姿に扮している?

(参照サイト)
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2025年12月29日月曜日

バックルームとは?

(この画像からThe Backroomsの伝説は始まった)

■バックルームとは?

バックルーム(The Backrooms)という言葉を、最近耳にするようになった方も多いかもしれません。これは海外のインターネット・ミームから発生したサブカルチャーの一大ジャンルであり、今や現代における「新しい怪談」の形として、底知れぬ恐怖を呼び起こしています。

一般的にバックルームは、現実世界の物理的な境界を「すり抜け(No-clip)」、迷い込んでしまう異次元空間と定義されています。そこにあるのは、古びた黄色い壁紙、湿ったカーペットの不快な臭い、そして静寂を切り裂く蛍光灯の絶え間ないハミング音だけが続く、果てしない無人のオフィスのような空間です。

この「恐怖」の根源を説明するのはおこがましいですが、敢えて端的に解説するのであれば、バックルームの恐怖は「クロストロフォビア(閉所恐怖症)」と「ケノフォビア(空虚恐怖症)」という、相反する恐怖症の残酷な融合と言えるかもしれません。

海外のコミュニティでは便宜上「アゴラフォビア(広場恐怖症)」と称されることも多いですが、その本質を解剖すれば、室内における空虚を忌避するケノフォビアの方が、よりこの空間の残酷さを言い当てていると言えるでしょう。

出口が見つからない密閉された圧迫感(閉所)と、どこまで行っても「何もない」という圧倒的な空虚(虚無)。本来は対極にあるはずの二つの苦痛が、あの黄色い空間では同時に襲いかかってくるのです。

狭い空間や機能的な建築に慣れている日本人には、このバックルームの恐怖は伝わりづらいものかもしれません。しかし、どこに繋がっているとも知れない、記号化された黄色い廊下と部屋をじっと眺めてみてください。

想像してみてください。例えば、放課後の誰もいない学校の教室や、深夜の静まり返った廊下。あるいは、閉店時間を過ぎ、照明が落とされた薄暗いショッピングモールの店内を。


ふだんは人々の喧騒で溢れているはずの場所から、不自然に「人間」という要素だけが取り除かれたとき。そこには、ただの空虚ではない、何か禍々しい「圧倒的な虚無」が立ち現れます。

静寂の中で、規則的に並ぶ蛍光灯や、音もなく動くエスカレーター。それらは、人間が利用するために作られたはずなのに、主(あるじ)を失った瞬間に牙を剥き、私たちを拒絶し始めます。


胸の奥がざわつくような、あのふつふつと沸き上がる忌避感――。それこそがケノフォビア的な恐怖の正体であり、バックルームという異空間が内包する「世界のバグ」なのです。

見慣れた「部屋」という概念が反復し、ゲシュタルト崩壊を起こし始めたとき、あなたの本能は気づくはずです。そこは「どこかへ行くための場所(リミナル・スペース)」でありながら、永遠に「どこにも辿り着けない」場所であることに。

冒頭の何気ない写真をもう一度見つめ続けてください。

この得体の知れない怖さが、静かに、しかし確実に牙を剥くような気がしませんか?

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2025年12月28日日曜日

日本のUMA本限定?アラスカの謎の怪物 ~ ワイアー・カッター


■日本のUMA本限定?アラスカの謎の怪物 ~ ワイアー・カッター

今回はワイアー・カッター (Wire cutter) です。

「謎の動物の百科」(今泉忠明著) で紹介されているUMAで、というより、「謎の動物の百科」でしか見たことがありません。

未確認動物学者ではなく、正当な動物学者である今泉さんは本著書で多くのUMAを動物学的な視点で解説していますが、その中で紹介されているUMAは、他のUMA本で取り上げられているものを単に簡略的に紹介しているものも多くあります。

そして、このワイアー・カッターも、そのように簡略的な解説のみで紹介されているUMAのひとつです。

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「アラスカの"ワイアー・カッター"」

1966年2月2日、全長8mの青黒い怪物が発見され、ヘリコプターで鋼鉄のロープで釣り上げようとしたが、歯で噛み切って逃亡した。

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これだけ。

― 正体不明すぎる怪物 ―


怪物の特徴は体色と大きさだけで、どのような姿の生物なのか、そもそも陸棲なのか水棲なのかも全く不明です。

ただし、紹介されているページが水棲UMAの章であることから、水棲の可能性は高そうです。

陸棲であればワイアーを噛みちぎられても、再追跡・捕獲すればいいだけですからね。

また、「アラスカ沿岸」や「アラスカ沖」ではなく、単に「アラスカ」と記載されていることから、内陸、つまり湖や川での目撃だったのではないかと推測されます。

(クロコダイルタイプ?)

― 日本独自のUMAなのか ―


「謎の動物の百科」には、おそらく日本のUMA本限定と思われるような「黒海の巨大海蛇」や、どこにあるのか不明の謎の湖、セドン湖で目撃されたという「カナダのセドン湖のヘビ頭怪物」なども含まれています。

それだけに、ワイアー・カッターも海外では別の名で呼ばれているか、もしくは日本のUMA本限定(創作?)のUMAなのかもしれません。

ただ、「シャリポホ湖の怪物(正しくはシャリポヴォ湖の怪物)」のように、海外でもほぼ忘れ去られてしまっているものの、実は海外の新聞で紹介されている例もあり、いつの日か表に出てくる可能性も否定できません。

― 情報は皆無 ―


一応探してみたのですが、ネット上ではワイアー・カッターの情報は全く拾えませんでした。皆無です。

検索方法が悪いのかもしれませんが。

せめてワイアー・カッターが陸棲なのか、それとも海棲や淡水棲なのかくらいは分かると良いのですけどね。

(ダンクルオステウス)
(image credit: Wikicommons)

― 仮説すら立てられない存在 ―


生息環境、シルエットともに不明なため、紹介できる材料はほとんどなく、当然ながら誤認候補を含めてその正体を探ることは不可能です。

ただ、巨大でワイアーを噛みちぎるほどの強靭な歯、あるいは「顎」を備えた、(おそらく)水棲のUMAであることは確かでしょう。

爬虫類タイプであれば史上最大のアリゲーター、デイノスクス (Deinosuchus)。

魚類であれば定番のメガロドン (Otodus megalodon)、そしてダンクルオステウス (Dunkleosteus) のような生物だった可能性は考えられます。

(参考文献)
「謎の動物の百科」(今泉忠明著)

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2025年12月27日土曜日

ただの極悪犯罪者、それとも国民的ヒーロー!? ~ ペラーク (怪人ペラ)


■ただの凶悪犯罪者!?それとも国民的ヒーロー!? ~ ペラーク (怪人ペラ)

今回はペラーク(Pérák)です。

日本では「怪人ペラ」と呼ばれることが多いでしょうか。

― ペラークとは何者か ―


ペラークは、正確にはUMAではありません。

一応「謎の人物」とされていますが、そもそも実在したのかどうかも含め、謎が多すぎる存在です。

そのため、単なる「謎の人物」というよりも、「都市伝説的な人物」と表現したほうが正しいかもしれません。

また、「謎の人物」と言いながらも「一応」と断ったのは、仮に存在したとしても、それが「人間」なのか、あるいはパラノーマルな存在、つまり「ゴースト」のようなものなのか、判断が分かれるからです。

とりあえず、ペラークについて見ていきましょう。

― ドイツ占領下のプラハに現れた怪人 ―


ペラークは1940年、第二次世界大戦中、ドイツ占領下にあったチェコスロヴァキア(現チェコ共和国)の首都プラハに現れました。

スプリングマン、あるいはスプリンガーという別称を持ち、並外れた跳躍力を備えた人物として知られています。
一説には、電車を飛び越えることもできたといいます。

― ただの怪人では終わらない ―


もしペラークの能力が跳躍力だけであったなら、ドクター中松氏の先を行くジャンピングシューズを履いた(あるいは開発した)ジャンピングおじさんで終わっていたでしょう。

しかし、もちろんそんな人物ではありません。

彼は暗がりで待ち伏せし、カミソリを付けた爪で罪のない人々を襲ったとされています。
それは単なる驚かしといった軽いものから、脅迫、強姦、さらには殺人といった凶悪犯罪にまで及んだといいます。

― 恐怖から英雄へ ―


「ペラークなんて、都市伝説でもなんでもなく、ただの極悪人じゃないか。下手をすればシリアルキラーだろう」

そう言いたくなるところですが、話はそこで終わりません。

ペラークの存在が広く知られるようになると、人々は外出、特に夜間の外出を危険視し、家に閉じこもるようになっていきました。

その結果、占領下においてナチス・ドイツが行っていたチェコスロヴァキアでの武器生産の生産性が、著しく低下したとされています。

これは意図せぬ「ペラーク効果」による、思わぬ好転でした。


― ターゲットの変化 ―


そして極めつけは、ペラークがターゲットを一般市民から、占領軍であるドイツ兵へと変更した、という噂です。

その並外れた跳躍力と俊敏性を活かし、ドイツ兵の首を掻き切っては素早く姿を消す。
そんな話が広まるにつれ、ペラークの評価は一変します。

恐怖の象徴だった存在は、いつしかチェコスロヴァキア国民にとって「英雄」へと変貌していきました。

― 都市伝説としてのペラーク ―


もっとも、やっていること自体は「殺人」です。

ただし戦時下においては、そのターゲットが敵か味方かによって、評価は大きく変わります。

とはいえ、これらの話が事実かどうかは、また別の問題ですが。

ペラークは、18世紀イギリスの「バネ足ジャック(Spring-heeled Jack)」と、「切り裂きジャック/ジャック・ザ・リッパー(Jack the Ripper)」、その両方の特性を併せ持つ存在として語られます。

この点からも、創作的な要素が強いと感じられるのは否定できません。

特に、異常な跳躍力や、悪人から英雄へと変貌する流れは、バネ足ジャックと酷似しています。

ペラーク伝説の元になった、何らかの事件や人物は存在したのかもしれませんが、現在知られているペラーク像は、話が膨らみ、都市伝説化した結果である可能性も高そうです。

― 分断された二つのペラーク像 ―


戦時下、しかもナチス・ドイツの占領下という極限状態において、チェコスロヴァキア国民のストレスは限界に達していました。

その中で、些細な出来事をきっかけに、まず「極悪版ペラーク」が生み出された可能性は十分に考えられます。

ただでさえ恐怖に支配された状況で、「怪人ペラーク」の噂が広まれば、人々の不安はさらに増幅されます。

しかし、ある時を境に、その矛先が憎きドイツ兵へ向けられたとしたらどうでしょうか。

敵であれば最悪――
しかし味方であれば、これほど心強い存在もありません。

最悪の状況下での一縷の望みとして、噂が噂を呼び、「英雄版ペラーク」が誕生したのかもしれません。

もっとも、極悪人時代の話を考えると、諸手を挙げて称賛したい人物とは言えません。

できることなら、「極悪版ペラーク」と「英雄版ペラーク」は、別の人物だった――
そんな説であってほしいところです。

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2025年12月26日金曜日

どこからきてどこへ去っていくのか ~ カリフォルニアグルニオン


■どこからきてどこへ去っていくのか ~ カリフォルニアグルニオン

― 謎の沿岸魚 ―


トウゴロウイワシの仲間で、カリフォルニア州サンタバーバラからメキシコのプンタ・アブレオホスの海岸線にかけてのみ生息する謎の魚、カリフォルニアグルニオン (Leuresthes tenuis)。

(グルニオンは2種おり、もう1種はガルフグルニオン (Leuresthes sardinas))。

名前の響きこそ奇妙ですが、見た目はごくごく普通の魚で、姿もサイズも通常目にするイワシとほとんど変わりません。

― 夜の砂浜の行進 ―



ただ、この魚が非常に珍しいのは習性です。

春から夏にかけて、新月や満月の夜を合図に、グルニオンたちは2~3日の間、大挙して砂浜に「上陸」するのです。

目的は産卵。

ハゼやムツゴロウのような砂浜で活動するのに適した体つきではないのに、このグルニオン、砂浜を体をくねらせて器用に「歩く」のです。

砂浜に上陸したメスは、まるで砂のお風呂に入るかのように頭部だけを砂から出して、体をすっぽり砂に埋めます。

ここに産卵するためです。

オスもまた上陸し、メスが産んだ卵に精子をかけて受精させます。

よって、新月・満月の夜は砂浜がグルニオンで大混雑となるのです。

― 潮のリズムと安全な産卵 ―


なぜ新月・満月を選ぶのか。
この日は大潮の期間中で、満潮時の潮位が最も高くなるタイミングです。

潮位の高い日を狙うことで、より砂浜の高い位置まで上がることができ、卵を安全な場所に産むことができます。

卵は次の大潮が来るまで、少なくとも約2週間、捕食者から守られます。

そして孵化も次の大潮に合わせて起こります。

すべての卵が一度に孵化するわけではなく、残った卵はさらに次の大潮まで待ち、約1か月後に孵化します。

これは自然界が仕組んだ「時間差攻撃」のような戦略でしょう。

― どこから来てどこへ帰るのか ―


不思議なのは、カリフォルニア・グルニオンの起源と行き先です。

これほど大群で上陸するにもかかわらず、カリフォルニアからメキシコ沿岸ではほとんど釣れません。

漁師の網にかかることも稀で、正体は謎のままです。

近年、上陸を狙った捕獲や沿岸開発の影響で、元々少なかった数はさらに減少。

真夜中の砂浜での大行進も、今ではほとんど見られなくなってきています。

このままでは、謎多きグルニオンは謎を残したまま絶滅してしまうかもしれません。

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2025年12月25日木曜日

青森の山中で目撃 ~ 白神山地の巨大ダンゴムシ


■青森の山中で目撃 ~ 白神山地の巨大ダンゴムシ

今回は読者さんからいただいたお話です。

投稿者さんによれば、小学校の3~6年生頃、2005年前後のことだそうです。

祖父母に連れられて青森県西部の山に行ったときの話です。

その山は白神山地(しらかみさんち)のすぐそばにあり、祖父の所有する広葉落葉樹の多い山地だそうです。

季節は夏頃で、木々は青々と茂り、草花は当時の投稿者さんの背丈に届くほど伸びていたといいます。

祖父は珍しい花の標本撮影・採集、祖母はミズなどの山菜採りに夢中だったそうです。

白神山地は世界自然遺産にも登録され、原生林が広がる地域です。

その自然環境の中では、多種多様な生き物が息づいています。

しかし投稿者さんは、この豊かな自然のなかで、思いもかけないとんでもない生物を目撃することになります。

― 草地での遭遇 ―


その日、投稿者さんは少し開けた草地でしゃがみこんでカマキリを探していました。

!!!

すると、足元にコクワガタよりも大きな、巨大なダンゴムシが這っていたのです!

幼いながらも「こんな大きなダンゴムシは存在しない」と理解していた投稿者さんは、驚きながらも、捕獲しようと思いました。

しかし、通常サイズのダンゴムシならいざ知らず、尋常ではない巨大ダンゴムシを素手で掴むのはためらわれました。

目印に虫籠をその場に置き、急いで車まで走って虫網と軍手を取りに行きました。

― 謎の消失 ―


しかし――

急いで目印にしておいた虫籠の場所に戻ってきたものの、あの怪物の姿はどこにも見当たりません。

仕方なく、その日は「収穫物」のカマキリ2匹だけを持ち帰ったといいます。

祖父母に巨大ダンゴムシの話をしても「そんな大きなダンゴムシは見たことがない」と言われ、両親も同様だったそうです。

投稿者さんも、山に入ったのはそのときだけで、他に確認する手段もなかったとのことです。

― 図鑑での調査と投稿者さんの意見 ―

(深海の掃除屋、ダイオウグソクムシ)
(image credit : Wikicommons (NOAA))

当時、投稿者さんは祖父に借りた図鑑で日本のダンゴムシを調べたそうですが、そのサイズの種類は存在しませんでした。

通常のダンゴムシはせいぜい1センチ前後で、大きな個体でも1.5センチほどしかありません。

しかし、目撃したダンゴムシはそれをはるかに超える大きさでした。

コクワガタより大きなダンゴムシ――つまり4~5センチほどもあるダンゴムシを目撃した、ということになります。

ちなみに、ダンゴムシの仲間(等脚類)には、最大15センチメートルのオオグソクムシBathynomus doederleinii)や、最大45センチメートルのダイオウグソクムシBathynomus giganteus)も存在しますが、それは深海の話です。

陸棲では無理?

いや、実は存在します。イベリア半島やモロッコに棲息するポルチェリオ・ホフマンセギイPorcellio hoffmannseggii)。

なんと体長、最大4センチメートル!

日本にはもちろん生息していませんが、実際にダンゴムシの仲間でこれだけの大きさをもつ種が存在するのです。

投稿者さんが見たダンゴムシは、決して幻なんかではなく、未知の巨大ダンゴムシだったのかもしれません。

引き続きUMA、グリッチ、ゴースト等々、現実的なものからパラノーマルなものまで募集中です、お気軽にコメント欄に書き込むかメールしてください

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2025年12月24日水曜日

触れれば感電死 ~ エレクトリック・ツリー


■触れれば感電死 ~ エレクトリック・ツリー

強力な電気魚(強電気魚)といえば、デンキウナギElectrophorus electricus)、デンキナマズMalapterurus electricus)、そしてシビレエイNarke japonica)などが有名です。

強電気魚は獲物や天敵を感電(麻痺)させる強力な電圧をかけることができますが、そこまで強力でない放電能力を持つ魚類(弱電気魚)も意外と多く、決して珍しい存在ではありません。

しかし、植物が放電するとしたら?
しかも強電気魚のような強力な電圧を放つとしたらどうでしょうか。

― 密林の奥で起きた異変 ―


1885年、フォン・イマー・ガッセンデ(Von Immer Gassende)中尉率いるドイツの探検隊が、パプアニューギニアの奥地で衝撃的な植物を目撃した記録が残っています。

探検隊のメンバーのひとりとして、著名なアメリカ人地質学者ヘンリー・バーナード・キュメル(Henry Barnard Kummel)博士も帯同していたといいます。

パプアニューギニア探検開始から12日目のこと、探検隊は久しぶりに密林から解放された開けた土地に到達しました。

切り開かなければ前進できない道なき道を進み、疲弊しきった一行にとって、そこは砂漠のオアシスのような場所でした。

しかし、そう思ったのも束の間、コンパスが不安定に動き始めるという異変が起き始めたのです。

まあ、富士の樹海に入るとコンパスが効かなくなる、なんて都市伝説があるぐらいで(実際はそんなことはありません)、ありがちな話ではあります。

ただし彼らの場合、密林から開けた場所に出た途端にコンパスがおかしくなるという、逆パターンでした。

― 電気を帯びた大樹 ―


異変はコンパスだけではありませんでした。

いくら開けた場所とはいえ、先ほどまで動物たちの鳴き声で溢れていた環境が、異常なほど静まり返っていたのです。

さらに、開けた地面には動物の死骸や骨がいくつも散乱していることに気付きました。

不審に思いながらも、各自が束の間の休息を取っていたその時、キュメル博士は動植物のサンプル採取を行っていました。

すると、見たことのない種の大木が生えていることに気付きます。

探検隊のメンバーがその木の表面を削り取ると、内部には炭素のような黒い芯が通っていました。

試しにその芯に触れた刹那、メンバーは激痛とともに悲鳴を上げます。

何が起きたのか分かりませんでした。

同じことをした別のメンバーの中には、気を失った者もいました。

興味を持ったガッセンデ中尉は、もしやと思い、銅線を使ってその炭素芯を調べたところ激しく反応。

内部に電流が流れていることが判明します。

それはまさしく、エレクトリック・ツリー(Electric Tree)だったのです。

この未知の植物は、後にエルサシア・エレクトリカ(Elsassia electrica)と名付けられました。

― 夢のエネルギーと消えた証拠 ―


しかし、隊長であるガッセンデ中尉が体調を崩したことにより長期滞在は不可能となり、探検隊は撤退を余儀なくされます。

彼らはエレクトリック・ツリーのサンプルを採取し、帰途につきました。

この謎の樹木の存在が本国に伝わると、大規模な植林によって発電所として機能させられるのではないか、という夢のような計画が持ち上がったといいます。

――話はここまで。

巨大なエレクトリック・ツリーが整然と立ち並ぶ植物電力プランテーション。
それはそれは壮大な景観に違いありません。

まさにクリーンエネルギーです。

しかし――

持ち帰られたという唯一の証拠、エルサシア・エレクトリカのサンプルは行方不明。

キュメル博士は実在する地質学者ですが、パプアニューギニア遠征に参加した記録は確認できていません。

ガッセンデ中尉に至っては、その存在自体が不明です。

確実な目撃者が複数存在するUMAとは異なり、この話はやや客観性に欠けるのも事実でしょう。

とはいえ、もし実在していたとすれば、UMAどころではない大発見となり、世界中が驚愕することは間違いありません。

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2025年12月23日火曜日

ピクセル化した母親、、、そして人が変わってしまった、、、


■ピクセル化した母親、、、そして人が変わってしまった、、、


ピクセル化系のグリッチで、以前にも何度か似たようなものを紹介していますが、今回のも奇妙で興味深いものです。

ピクセレーションされた状態のものが「現実世界」で見える (見えてしまう)、ってのはいかにもこの世界は仮想世界だ!というグリッチ・イン・ザ・マトリックスという陰謀論の王道的な話なんで、個人的に好きなんですよね。

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金曜日の夜のことです、私たち家族はソファに座って団欒をしていました。

と、突然、母の顔がまるでコンピュータ画面のようにピクセル化されているのに気付いたんです!

私はお酒を飲んでいませんでしたし、もちろん薬物の摂取もしていませんでした。

全くのシラフで、意識もしっかりしていた状態です。

視力だってとてもいいです。

あまりに奇妙な出来事だったので、それ以降、母親に会いに行くのが怖くなってしまいました。

しかし話はそれで終わりません。

母もその日以来、私に対してとてもよそよそしく、なんというか距離を置くようになったのです。

私は勇気を振り絞って「あの金曜日」の出来事を母親に伝えることにしました。

母に電話をし、そのことを伝えると母は何と答えたと思いますか?

「あの日、あなたの顔もピクセル化していたの、、、」

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ピクセル化して見えるのは「もの」であることが多いので、生物、しかもそれが人間となるとなくはないですが、なかなか珍しいグリッチ体験です。

しかもお互いにピクセル化していたなんて。

あまりによく出来た話なのでちょっと創作感も漂いますが(笑)、でもそれを含めてもこの話はグリッチ系としてとてもユニークです。

UMA目撃談だけでなくグリッチ系の体験談も募集していますが、ピクセル化して見えた体験をお持ちの人がいたら是非コメントかメールしてください。

(参照サイト)
reddit

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2025年12月22日月曜日

地図から消えたトンネル ~ アパラチアの「失踪坑道」


■地図から消えたトンネル ~ アパラチアの「失踪坑道」

「トンネルに入った6人家族が、誰一人戻ってこないんだ」――

今回はアパラチア山脈に伝わる不可解な噂、アパラチアン・バニッシング・トンネル (Appalachian Vanishing Tunnel)。

2020年代頃から海外の匿名掲示板やredditの怪談系コミュニティで話題になりはじめた都市伝説で、ひとたび「中に入った者が帰ってこない」「出入口が翌日には消えていた」といった証言が投稿され、現在も細々と語り継がれています。

本ブログでもアパラチアの民間伝承をいくつか紹介しているように、アパラチアには人を引き込む不思議な民間伝承や都市伝説がたくさんあります。

本ブログで人気記事のひとつである「ノット・ディア」などもそう。

さあ、アパラチアのトンネルの中へと潜入してみましょう。

― あるはずのない「入口」 ―


最初の投稿で語られたのは、ウェストバージニアの山中で見つかった「古い採掘トンネル」の話でした。

朽ちかけた木製支柱、錆びついたレール、剥き出しの鉱脈。
一見、19世紀の炭鉱跡のような佇まいをしていたといいます。

しかし地元の鉱山資料や州の鉱山管理局のデータを調べても、その位置に炭鉱が存在した記録は一切ありません。

そのうえ奇妙なのは、探索者が翌日同じ場所へ戻ったところ──
前日見つけた入口が完全に消えていたという点です。

ではたった一日の間に崩落してしまった――
いいえ、地形そのものが最初から違っていたと証言されています。

― 記憶に残るのは「異様な静けさ」 ―


複数の投稿者が共通して語るのは、中に入った瞬間に訪れる「異常な無音状態」。

湿気の匂いはなく、風の通りもない。
蝙蝠 (コウモリ) や虫ですら存在しない。

その静寂の中を進むと、レールの終点付近に古い軍用木箱のような残骸が放置されていた、という証言が続きます。

これが次の噂へと繋がります。

― ケンタッキー旧軍事施設との接点 ―

アパラチア地域の軍事史に詳しい人々の間で、
「ケンタッキーに点在する旧軍研究施設の一部がアパラチア山脈と地下で繋がっていた」という都市伝説が昔から囁かれています。

第二次大戦期の弾薬庫、冷戦期の化学実験施設、地図に載らない軍隧道──

バニッシング・トンネルが語られるたび、必ずと言っていいほどこの「旧軍隧道ネットワーク説」が引き合いに出されます。

ただし、これらは公文書によって確認された事実ではありません。

それでも、

「異様に新しい木箱の残骸」
「最新型ではないが軍用規格の金属片」

といった証言が、都市伝説に花を添え拍車をかけているのです。

― なぜ「消える」のか ―


このトンネルが最も奇妙なのは、その存在が安定しない点です。

入口の消失
内部構造の変化
翌日には別の斜面に「似た入口」が現れる

こうした報告が続いています。

地質学的には説明不能ですが、都市伝説好きの間ではさまざまな解釈が語られています。

・炭鉱跡の自然崩落による「偶然の露出と閉鎖」説
・軍が管理していた隠し坑道が自動閉鎖されるという陰謀論
・アパラチアには地殻断層が多く地盤が「動く」ため入口が変わるという半科学的解釈
・あるいはトンネルそのものが「存在を維持できない何か」であるという超自然的解釈

ただし、これらはすべて推測の域を出ません。

唯一の共通点は、誰もトンネルの奥を最後まで確認していない――
つまりどこに繋がっているか (または終わっているか) は分からない、という事実だけです。

― 都市伝説か、それとも ―


アパラチアン・バニッシング・トンネルは、実在の炭鉱跡・旧軍施設・地元の怪談が混ざりあって生まれた、典型的なアメリカ山岳地帯の都市伝説といえるでしょう。

しかし、地図に載らない炭鉱や、戦時中の軍事隧道が数多く存在したのもまた事実です。

夜のアパラチア山中で、ふと木々の隙間に口を開く暗い穴。
それが翌日には跡形もなく消えている光景を見たなら──

誰だって、こう思うのかもしれません。

「この山には、まだ何か隠されている」と。

アパラチアの「消えるトンネル」がただの都市伝説で終わるのか。

そしてあの六人家族──
もし彼らが戻ってくることがあれば、失踪の謎も、トンネルの秘密も、すべてが語られることでしょう。

それが事実か都市伝説か、我々が答えを知る日はまだ遠いのかもしれません。

(参照サイト)

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