■ただの極悪犯罪者、それとも国民的ヒーロー!? ~ ペラーク (怪人ペラ)
今回はペラーク(Pérák)です。
日本では「怪人ペラ」と呼ばれることが多いでしょうか。
― ペラークとは何者か ―
ペラークは、正確にはUMAではありません。
一応「謎の人物」とされていますが、そもそも実在したのかどうかも含め、謎が多すぎる存在です。
そのため、単なる「謎の人物」というよりも、「都市伝説的な人物」と表現したほうが正しいかもしれません。
また、「謎の人物」と言いながらも「一応」と断ったのは、仮に存在したとしても、それが「人間」なのか、あるいはパラノーマルな存在、つまり「ゴースト」のようなものなのか、判断が分かれるからです。
とりあえず、ペラークについて見ていきましょう。
― ドイツ占領下のプラハに現れた怪人 ―
ペラークは1940年、第二次世界大戦中、ドイツ占領下にあったチェコスロヴァキア(現チェコ共和国)の首都プラハに現れました。
スプリングマン、あるいはスプリンガーという別称を持ち、並外れた跳躍力を備えた人物として知られています。
一説には、電車を飛び越えることもできたといいます。
― ただの怪人では終わらない ―
もしペラークの能力が跳躍力だけであったなら、ドクター中松氏の先を行くジャンピングシューズを履いた(あるいは開発した)ジャンピングおじさんで終わっていたでしょう。
しかし、もちろんそんな人物ではありません。
彼は暗がりで待ち伏せし、カミソリを付けた爪で罪のない人々を襲ったとされています。
それは単なる驚かしといった軽いものから、脅迫、強姦、さらには殺人といった凶悪犯罪にまで及んだといいます。
― 恐怖から英雄へ ―
「ペラークなんて、都市伝説でもなんでもなく、ただの極悪人じゃないか。下手をすればシリアルキラーだろう」
そう言いたくなるところですが、話はそこで終わりません。
ペラークの存在が広く知られるようになると、人々は外出、特に夜間の外出を危険視し、家に閉じこもるようになっていきました。
その結果、占領下においてナチス・ドイツが行っていたチェコスロヴァキアでの武器生産の生産性が、著しく低下したとされています。
これは意図せぬ「ペラーク効果」による、思わぬ好転でした。
― ターゲットの変化 ―
そして極めつけは、ペラークがターゲットを一般市民から、占領軍であるドイツ兵へと変更した、という噂です。
その並外れた跳躍力と俊敏性を活かし、ドイツ兵の首を掻き切っては素早く姿を消す。
そんな話が広まるにつれ、ペラークの評価は一変します。
恐怖の象徴だった存在は、いつしかチェコスロヴァキア国民にとって「英雄」へと変貌していきました。
― 都市伝説としてのペラーク ―
もっとも、やっていること自体は「殺人」です。
ただし戦時下においては、そのターゲットが敵か味方かによって、評価は大きく変わります。
とはいえ、これらの話が事実かどうかは、また別の問題ですが。
ペラークは、18世紀イギリスの「バネ足ジャック(Spring-heeled Jack)」と、「切り裂きジャック/ジャック・ザ・リッパー(Jack the Ripper)」、その両方の特性を併せ持つ存在として語られます。
この点からも、創作的な要素が強いと感じられるのは否定できません。
特に、異常な跳躍力や、悪人から英雄へと変貌する流れは、バネ足ジャックと酷似しています。
ペラーク伝説の元になった、何らかの事件や人物は存在したのかもしれませんが、現在知られているペラーク像は、話が膨らみ、都市伝説化した結果である可能性も高そうです。
― 分断された二つのペラーク像 ―
戦時下、しかもナチス・ドイツの占領下という極限状態において、チェコスロヴァキア国民のストレスは限界に達していました。
その中で、些細な出来事をきっかけに、まず「極悪版ペラーク」が生み出された可能性は十分に考えられます。
ただでさえ恐怖に支配された状況で、「怪人ペラーク」の噂が広まれば、人々の不安はさらに増幅されます。
しかし、ある時を境に、その矛先が憎きドイツ兵へ向けられたとしたらどうでしょうか。
敵であれば最悪――
しかし味方であれば、これほど心強い存在もありません。
最悪の状況下での一縷の望みとして、噂が噂を呼び、「英雄版ペラーク」が誕生したのかもしれません。
もっとも、極悪人時代の話を考えると、諸手を挙げて称賛したい人物とは言えません。
できることなら、「極悪版ペラーク」と「英雄版ペラーク」は、別の人物だった――
そんな説であってほしいところです。
UMA探しの旅は終わらない (国内外1000体以上のUMAが待っています)
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