■エリー湖に「確実に」棲息するUMA ~ チョンパー
今回はチョンパー (Chomper)。
北米の五大湖のひとつ、エリー湖に棲息するUMAです。
湖の名もくっつけて「エリー湖のチョンパー (Lake Erie Chomper)」という呼び方もありますが、他にチョンパーというUMAがいないので、そのままチョンパーと呼んで差し支えないでしょう。
さてチョンパーが現れたのは21世紀に入ってすぐの2001年夏。
エリー湖はカナダのオンタリオ州とアメリカのカナダの オハイオ州、ペンシルベニア州、ニューヨーク州、ミシガン州と接していますが、この目撃事件はオンタリオ州ポートドーバーのパンプハウスビーチ側で起きました。
暑さ凌ぎに湖に入っていたブレンダ・マコーマック (Brenda McCormack) でしたが、突如なにかが脚に巻き付いたような感触があると、それに続き激痛が走りました。
彼女は慌てて岸へと戻りましたが、ふくらはぎからは血が流れ、6インチ (約15センチメートル) にも渡り、切り裂かれたような複数の咬み跡が残っていました。
ひとつひとつの傷は非常に特徴的で、円形に近い咬み跡であったことからクッキーカッター・シャークことダルマザメ (Isistius brasiliensis) のそれに似ていました。
しかしダルマザメは淡水に棲息しておらず、しかも深海魚であり一時的にでもエリー湖に遡上して紛れ込むとは考えられません。
そもそも距離的に大西洋からエリー湖に入り込むには最短経路でも600キロメートル、順当にセントローレンス海路を遡上するとおそらく1,000キロメートル以上の長旅となりほぼ不可能です。
さてでは咬まれたというのは何かの間違いで、単に岩等で脚を怪我しただけでは?とお思いでしょう。
しかし翌日も親子連れがまたも何者かに咬まれたのです。
確実に何かがいるのは確かとなりました。
2日連続の咬傷事件となったことでにわかにエリー湖の怪物は注目されることとなりました。
いずれも犯人を目にしておらずその存在を証明するのは「咬み跡」だけ。
そのため「咬む」を意味する "chomp (チョンプ)" から、その怪物はチョンパー (chomper/「咬むもの」) と名づけられました。
先に挙げたダルマザメに続き、元々エリー湖の怪物といえばベッシーがいるため、ベッシーの子供説、遺棄されたピラニア説、ダルマザメのような特徴的な咬み跡を残すヤツメウナギの仲間、ウミヤツメ (Petromyzon marinus) 説、カミツキガメ (Chelydra serpentina) 説等々。
(ウミヤツメ)
(image credit: Wikicommons)
(ウミヤツメの咬み跡 (吸血跡))
(image credit: Wikicommons)
面白いものではエリー湖とは地理的にもかなり離れているクレセント湖のクレッシーも候補に挙がっていました。
結論を言うと、治療した医師でも咬み跡からその犯人を特定するには至りませんでした。
しかし、同医師はもっともありえそうなものとして古代魚ボウフィンことアミア・カルヴァ (Amia calva) を挙げました。
アミアは最大体長110センチ、体重10キロ、カムルチー (ライギョ/Channa argus) に似た魚雷のようなシルエットをしており、繁殖期は極めて縄張り意識が強く獰猛となります。
エリー湖にも棲息しており咬み跡も似ているといいます。
ちなみにカムルチーも最大1メートル以上に成長し、また外来種として北米に進出していますが、エリー湖には現時点では生息していないといいます。
エリー湖にはアミアやカムルチーに姿の似たカワメンタイ (Lota lota) が棲息していますが、姿こそ似ているものの歯は小さく人間が咬まれても危険はないといわれており、犯人が彼らである可能性は通常低そうです。
但し、カワメンタイには1.5メートル、34キロの記録があり、これぐらいのモンスター級ともなればそれなりに歯も大きくなるでしょうし、チョンパーの正体として可能性はゼロではないかもしれません。
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