クリス・デ・バー (Chris de Burgh) が歌う「レディ・イン・レッド (Lady in Red)」というロマンチックな80年代のオールディーズがありますが、今回紹介するのはゴーストのレディ・イン・レッド (赤いドレスを着た貴婦人)。
アメリカ、ネバダ州トノパー (Tonopah)。
この町ができたのは1900年の春、ジム・バトラー (Jim Butler) なる人物がロバと共にこの地を訪れたことに端を発します。
バトラー氏がキャンプをしていた時のことです、朝目覚めるとロバがいません、夜の間にどこかに行ってしまったようです。
仕方なしにバトラー氏はロバを探しに出かけると、いました、いました、彼のロバがうろついています。
決して褒められた行為ではありませんが、バトラー氏はイライラして地面に転がっていた石をロバに投げつけました。
運よく (?)、その石はロバに命中せず、地面の石にぶつかって砕けました。
(!?)
割れた石の断面を見てバトラー氏はこの石がふつうでないことに気付きました。
この石の価値を測ろうと多くの人に見せましたが見向きもされません。
自分の思い違いか?価値のないものに興味を惹かれているだけなのか?
そんな中、新鋭弁護士タスカー・オディ (Tasker Oddie) なる人物に出会い、いつも通り石を見せます。
オディ弁護士は化学に詳しい友人にバトラー氏の石を渡し分析してもらうことにしました。
バトラー氏の直感に間違いはありませんでした、その石には豊富な銀が含まれていたのです。
そのことが知れるや、この地には「銀」を求めて多くの人が乗り込みます。
銀の溢れるこの町に金持ちたちが目を付けないわけがありません、まもなく多くの権力者がトノパーに流れ込み彼らが統制を取ると町はますます発展していくことになります。
そうなると銀を求めてやってきた鉱山労働者たちの泊まる安宿では到底満足できない富裕層のために、おしゃれなホテルが必要になってくるのも自然な流れでしょう。
(トノパーにあるミズパーホテル)
(image credit by Wikicommons)
今から100年以上も前の1907年、トノパーにミズパー・ホテル (Mizpah Hotel) がオープンしました。
各フロアはビクトリア調の豪奢な装飾が施され天井にはファンがゆったりと回っていました。
西部の建物で初のエレベーターを完備し、豊富なメニューを提供できるバーもありました。
特に豪華なのが5階にある宮殿を思わせるスイートルームです。
そこには赤いドレスを身にまとった女性が娼婦として働いていました。
彼女の名はエヴリン・メイ・ジョンストン (Evelyn May Johnston)。
本名で呼ばれることは滅多になく、その情熱的で真っ赤なドレスから彼女は「ローズ」と呼ばれていました。
彼女は優しく親切で、そして誰に対しても寛大であったといいます。
しかし彼女はある日嫉妬に狂った恋人に殺害されてしまいます。
首にかけていた真珠のネックレスは男との乱闘で引きちぎられ床に飛び散りました。
その日を境にこのミズパー・ホテルのスイートには彼女の霊が出るようになったのです。
スイートに泊まった男性客は深夜に耳元で甘く囁く女性の声で目を覚ますといいます。
驚いて飛び起き周りを見渡すも声の主の姿はありません。
そして、、、枕の下から一粒の真珠が見つかるといいます。
(その真珠とやらを見せてみろよ!という野暮な話はなしですよ!)
そう、エヴリン嬢が亡くなった時に床に散らばったあの真珠です。
スイートに泊まった何百という男性客 (実は女性もいます) からローズの声を聞いたと報告されたことからミズパー・ホテルはめでたく「最も霊の出るホテル」に選ばれました。
現存するホテルを霊の出るホテルに選ぶなんて営業妨害では!?
とんでもない!
(504号室)
その中の504号室は「ローズ」がテーマになっており、部屋中「真っ赤なバラ」を基調とした装飾品で彩られており人気の部屋なんですよ。
(参照サイト)
(関連記事)
0 件のコメント:
コメントを投稿