このブログを検索

2024年3月30日土曜日

汚染された湖でも生き続ける?エリー湖の怪物 ~ ベッシー


■汚染による突然変異?エリー湖の怪物 ~ ベッシー

今回はエリー湖の怪物 (Lake Erie monster)。

エリー湖は五大湖のひとつで表面積は五大湖の中で4番目、平均水深は62フィート (19メートル) と最も浅い湖です。

五大湖で4番目といっても世界では11番目に広い面積を持つ湖で、五大湖の他の湖があまりに広すぎるだけです。

で、この湖に生息するという水棲UMAをベッシー (Bessie) といいます。

エリー湖の怪物だけになぜゆえにエリー (Errie) と呼ばれないかというと、もともと湖の名前がネッシー風のエリー (Erie) ですしニックネームになりえません。

おそらくそんな理由でエリー湖の怪物のニックネームを募集するコンテストが開催されたのでしょう。

そして見事コンテストで優勝したニックネームというのが「ベッシー」というわけですが、これはエリー湖に近接するデービス・ベッセ原子力発電所 (Davis Bessie nuclear plant) に由来するといいます。

ベッシーの歴史は古く、そのニックネームコンテストのはるか昔、18世紀末もしくは19世紀初めまで遡ります。

記録にある最古のものは1793年のもの、30フィート (約9メートル) もある巨大海蛇 (サーペント) タイプの生物が目撃されたというものです。

1817年は立て続けにベッシーが目撃された年で、その大きさは20~60フィート (約6~18メートル) とふり幅が大きいですが、30フィートぐらいの目撃が多かったようです。

その中でもフランスからの移民、デュソー (Dusseau) 兄弟によるものは、陸に打ち上げられ、のたうち回るベッシーを目撃したということでとても興味深いものです。

兄弟によれば、体長は20~30フィートあったといわれ、その姿はチョウザメに酷似していましたが、ヒレではなく腕を持っていたといいます。

ふたりは未知の巨大生物に対する恐怖からその場を離れ、後で戻ってきたときには既にベッシーの姿はなかったといいます。

1896年5月5日には一度に4人に目撃され、体長はやはり30フィートほど、頭部がイヌに似ていたと主張しています。

その後も多くの目撃情報が続きましたが、20世紀に入りベッシー受難の時代が訪れます。

特に高度成長期の1960年代に入ると、エリー湖近郊の工業用排水・生活用水の流入により湖の水質が極度に悪化し、湖の生態系に壊滅的な悪影響を与え始めます。

漁業はもちろんのこと、釣った魚も食べることはできず、以前のように湖に入って泳ぐこともできないほど湖は汚染され、エリー湖は「巨大な汚水溜め」なる不名誉な名で呼ばれる始末でした。

これにてベッシーも万事休すか、と思われましたが、にもかかわらず70年代以降もその数は激減したもののかろうじて目撃は続いていました。

以前ほどは悪くないものの現在でもあまり水質は良くないようで、管理も行き届いていないようです。

180以上もの外来種にも悩まされており湖の生態系は壊滅的で、21世紀に入るとベッシーの目撃もすっかりなくなってしまいました。

(関連記事)







0 件のコメント:

コメントを投稿