2024年4月8日月曜日

北米で最も汚染された湖に生息するオノンダガ湖の怪物 ~ オギー


■北米で最も汚染された湖に生息するオノンダガ湖の怪物 ~ オギー

アメリカ、ニューヨーク州オノンダガ郡にある湖、オノンダガ湖 (Onondaga Lake) に棲息するといわれるUMAがオギー (Oggile / Onondaga Lake monster) です。

オギーを語る上で、オノンダガ湖がどういう湖かに触れる必要があります。

このオノンダガ湖は細長い形状の湖で最大長7.4キロ、最大幅1.6キロ、北米大陸の湖としては決して大きな湖ではありません。

オノンダガという地名はこの地に住む先住民族オノンダガ族に由来し、この地も湖もオノンダガ族にとって神聖な場所とされています。

そんな神聖な場所がヨーロッパ移民たちの居住地になるや深刻な汚染で悩まされることになります。

何十年もの間、汚物を含む下水の水が全く処理されないまま湖に注ぎ込まれ、さらに湖周辺の開発に伴い水銀、鉛、コバルト等の重金属を含む工場排水までもが流れ込み、もっとも汚染された湖のひとつに変貌してしまいました。

湖の汚染が危険なレベルに達した20世紀初めにこの湖の氷の採取が禁止、それに続き1940年代には遊泳禁止を、1970年代には釣りすら禁止となりました。

かつて豊富に生息していた魚類たちも次々と絶滅し、1920年代の調査では僅か10種まで減少していたことが判明します。

汚染に強い魚類だけが残ったということですね。

オギーの伝説にはこの汚染に深くかかわっています。

誕生秘話はいくつかのバージョンがあり定まっていませんが以下のような感じです。

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1972年のこと、ある少年がボーイスカウトでサンショウウオ (またはイモリ) を捕まえ家に持って帰ってきました。

少年の両親はサンショウウオのことをあまり快く思っていませんでしたが飼うことをしぶしぶ認めます。

しかし暫くすると少年はサンショウウオに興味を失ってしまいました。

母親はサンショウウオを外に放してくるように少年に言いますが受け入れません。

そこである夜のこと、父親は (母親の説もあり) 少年の部屋に忍び込みサンショウウオを持ち出しました。

しかし時期は真冬、ニューヨーク、シラキュースの冬は厳しく、そこら辺に放してもサンショウウオが生きていくには万に一つもありません。

そこで父親は下水道であれば比較的暖かく、もしかすると生きていけるかもしれないと考えトイレに流してしまうアイデアを思いつきました。

そして父親は自分のアイデアを実行しました。

サンショウウオの運命は父親が心に描いていたような結末にはなりませんでした。

下水に流されたサンショウウオはそのままオノンダガ湖に辿り着いたのです。

もっとも湖が汚染されていた時期でしたがサンショウウオは死なずにその汚染水に適応していきました。

1977年以降、オノンダガ湖で奇妙な姿をした生物がたびたび目撃されるようになりましたが、それは汚染水により数度の突然変異を起こし姿が変貌したこのサンショウウオだといわれており、いつしかオギーと呼ばれるようになりました。

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この話を読んでわかる通り、とてもありそうにもない話です。

そもそもサンショウウオ等、両生類は汚染に弱く速攻で死亡します。

つまりはオギーの存在は都市伝説です。

しかし不思議なものでその発端が都市伝説であれ、誕生したバックグラウンドが設定されると実際に目撃情報が出てくるのです。

実際、なにかしら巨大生物のようなものが撮影されたりもします。

浄化プログラムが施行され湖の水質は幾分よくなってきているようで1999年の調査では棲息する魚類も54種類にまで戻ってきました。

2010年代に入るとUMAの誤認生物として代表的な巨大生物、ミズウミチョウザメも棲息していることが確認されました。

ひょっとすると調査に引っかからなかっただけでミズウミチョウザメもしばらく前から定住していた可能性もあり、オギーの目撃情報に一役買っていたかもしれません。

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