■イリアムナ湖の怪物 ~ イリー
アメリカ、アラスカ州最大の湖であるイリアムナ湖(Iliamna Lake)は、最大長124キロ、最大水深988フィート(約301メートル)を誇ります。
この湖では古くから、体長10~30フィートの巨大なレイク・モンスターが目撃されており、イリー (Illie) という愛称で知られています。
先住民族であるトリンギット族に伝わるゴナカデット(またはゴナカデト, Gonakadet)や、ハイダ族に伝わるワスゴ(Wasgo)も、イリーと同一の怪物を指している可能性があります。
― 最初の目撃 ―
移民たちによる最も古い記録は、1942年にベイブ・アルスワース(Babe Alsworth)とビル・ハマーズリー(Bill Hammersley)によってなされました。
ふたりは湖上を小型飛行機で飛行中、湖面にいくつかの黒い影を発見します。
興味を抱いたふたりは、飛行機を旋回させ、約300フィート(約90メートル)まで降下してその影の正体を探ろうとしました。
体長は約10フィート(約3メートル)、幅広の角ばった頭部と同じ幅の胴体が続き、尾に向かって先細りになっていました。
この生物は体を魚類のように左右に振りながら泳いでおり、そのシルエットはまるでジンベエザメ(Rhincodon typus)を真上から見たようだといいます。
― 目撃の続報 ―
それ以降も、イリアムナ湖上空を飛行中の人々から目撃情報が相次ぎます。
1963年には生物学者によって観察され、最大で30フィート(約9メートル)に達すると推定されました。
残念ながら、飛行機からの観察ではこの巨大生物が水面に上がることは一度もなく、正確な姿は確認されませんでした。
多くの目撃は湖面に浮かぶ魚影のシルエットのみで、詳細な形状は分からなかったのです。
― 見た目と正体 ―
総合的にみると、イリアムナ湖のレイク・モンスターはシーサーペントや首長竜のような突飛な形状ではなく、黒もしくは銀色の肌を持つ巨大魚のようです。
体長は10~20フィート (約3~6メートル) に収まるものがほとんどで、突飛な体型やサイズは報告されていません。
UMA的な正体候補としては、絶滅したクジラ類バシロサウルス(Basilosaurus)も挙げられます。
しかし、多くの目撃情報が魚類を連想させ、奇抜な形状や極端な体長ではないことから、既知の大型魚の可能性が高いと考えられます。
上空からのシルエットはジンベエザメを想起させますが、アラスカ近海の水温はジンベエザメにとって低すぎます。
候補としては、シロチョウザメ(Acipenser transmontanus)が最も適しているでしょう。
生息域も一致しており、成魚の体長は通常7フィート(約2.1メートル)に達し、最大で20フィート(約6メートル)超になることもあります。
また、ゼニガタアザラシの亜種(Phoca vitulina mellonae)が湖に生息しており、誤認される可能性も考えられます。
なお、30フィートを超えると報告された目撃の一部には、小魚の群れが大きな生物に見えた可能性も含まれているでしょう。
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