■乗車も可能?夜間に彷徨うバス ~ メキシカン・ゴーストバス
今回はメキシコの都市伝説。
UMAばっかだと飽きちゃいますからね。
いま現在でも世界には崖に切り立った山岳道路にも関わらずガードレールすらなく舗装もされていない場所はいくらでもあります。
南米ボリビアの山岳道路「ユンガスの道 (Carretera de Los Yungas)」なんかはその典型です。
バスのような積載人数の多い乗り物が崖から落ちることが影響しているのもありますが、1990年代まで毎年200~300人前後、現在では減ったもののそれでも100人前後の死者が出ているといいます。
(ユンガスの道)
(image credit be Wikicommons)
さて、メキシコの都市伝説の話に入りましょう。
メキシコはかつてトルカ (Toluca) 市とイスタパン・デ・ラ・サル (Ixtapan de la Sal) 市を行き来するバスは、このような非常に危険な山岳道路を走る必要がありました。
一方は岩で阻まれ一方は崖、しかも道幅は狭く曲がりくねった道路でした。
といってもバスの運転手は慣れたもので、何年とこの危険な山岳道路を深夜に走っていました。
ある日のこと、イスタパン・デ・ラ・サル市を出発したバスに異変が起こります。
その日は夜になって雨が降り始めその勢いは徐々に強まり深夜になると豪雨となったのです。
ただでさえ危険な山岳道路は、豪雨のせいで非常に滑りやすくさらに危険な状態となっていきました。
そして山を下る途中、豪雨のせいかバスの機械的な問題のせいか、それともその両方なのか、バスは加速し制御を失ったのです。
勢いを増したバスはカーブを曲がり切れずそのまま崖から宙を舞いゴツゴツした岩の地面へ打ち付けられ炎上しました。
警察が現場に急行しましたが、残念ながら生存者を発見することはできませんでした。
現在はこの危険な山岳道を通らずとも両市間はハイウェイで繋がれ、行き来することができるようになりました。
しかし、通らずともいいその山岳道路を走るバスが目撃されるといい、そのバスはあの豪雨の日に崖から転落したバスだといわれています。
この話には続きがあり、現在、イスタパン・デ・ラ・サル市で随分と痛んだバスが走っているのを目撃することがあるといい、そのバスに向かって手をあげれば乗せてくれるといいます。
どんなに混んでいるように見えても席は必ず一つ空いているといい、座ることができます。
乗っている人々は奇妙で、遅い時間だというのに誰一人寝ているものはいないといいます。
とはいえ、バスは何の問題もなく無事にトルカへと到着しますが、最後の最後、ここで異変が起きます。
バスターミナルまでは運んでくれず、道端でバスは停まります
満員とは思えないほどの静寂のバスの中、虚ろな声が響きます。
「運賃は結構です。後ろを振り向かずに下車願います、さもないとあなたはこのバスから降りられなくなります」
従ったものはそのまま下車でき、そうでないものは永遠に降りられなくなるといわれています。
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運賃はいくらなんでしょうね
返信削除水木しげるの世界だ
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