■ノーマン・コリー教授も体験した見えない怪物 ~ ビッグ・グレイ・マン
イングランド出身の著名な科学者にして登山家、ジョン・ノーマン・コリー (John Norman Collie) 教授。
科学者でありパラノーマルな経験はそれほど好まないかといえばそうでもないようです。
教授が「体験」したのはグレイマン (Grey Man)、正式名称は「ベン・マクドゥイのビッグ・グレイ・マン (Big Grey Man of Ben MacDhui)」といいます。
ベン・マクドゥイはスコットランドの山で、ブリテン諸島で2番目に高く標高は1309メートルです。
元々はスコットランドのUMAであり、スコットランドではアム・ファー・リャー・モー (Am Fear Liath Mòr) と呼ばれます。
グレイマンは非常に多くの目撃談があるものの、そのほとんどは実際には姿を見ておらず、それは「体験」といえるものです。
但し、数少ない実際にその姿を目撃した人々によればグレイマンの身長は10フィート (約3メートル) 以上、瘦身で腕は長く肩幅は広くがっしりとしています。
なぜグレイマンの姿なくして多くの人々が遭遇体験したと主張するのか?
それは登山中にザクッザクッというグレイマンの特徴的な足音が背後に迫ってくるからです。
振り返ってもそこには空間が広がるばかり、誰もいません、しかも自分の歩みを止めるとグレイマンの足音もピタリとやみます。
この都市伝説のような体験を冒頭の科学者コリー教授も体験しました。
1891年、それはベン・マクドゥイから下山中のときでした。
「濃い霧の中、山頂から下山しているときのことです、自分以外の足音が混ざっていることに気付きました。
わたしの歩みに合わせ、他の誰かの足音も聞こえるのです、まるでわたしの後を尾けているかのように、しかもその歩幅はわたしの3~4倍はありそうな感じでした。
そんなことはるはずがない、わたしは自分にそう言い聞かせました、しかしわたしの歩みに合わせ後ろの足音はやむことはありません、歩みを止め振り向くもその濃い霧はすべてを隠します。
気を取り直し再びわたしは歩き始めるとそれに合わせ後方からザクッザクッと不気味な足音が鳴り響きます、気のせいではない、恐怖にかられたわたしは踵を返し、そこから4~5マイル (約6.4~8キロ) ほど先にあるロティ―マークスの森へふらふらになりながら逃げこみました。
どう思われようと構いません、ですがベン・マクドゥイの頂上付近には何か得体のしれないものが居り、わたしはそこへ二度と行くことはないでしょう」
教授の告白は実はグレイマンとの遭遇から34年後の1925年のこと、この体験が新聞に掲載されるや、多くの登山者が心の奥にしまっていたグレイマンとの体験を語り始めました。
著名な教授の発言でもあり、多くの人が勇気をもらったのは想像に難くありません、グレイマンの話は当時かなり盛り上がったようです。
さて目撃した人もいるとはいえ、基本は姿なきグレイマン、いったいどう説明すればいいのでしょう?
透明になるマントを持っており登山者が振り向くとマントで体を覆い見えなくなる、なんて説もありますが、おそらくはもっと夢のないことがグレイマンの正体であろうと考えられています。
それほど高い山ではありませんがそうはいっても登山です、このグレイマンを目撃する人には単独登山者が多く、孤独感からくる不安、そして登山という疲労が引き起こす幻聴や幻覚がグレイマンを創り出している可能性が示唆されています。
またそれに加え目撃した人も若干ながら存在するのは「ブロッケンの妖怪」で知られるブロッケン現象の可能性もあるといわれています。
ブロッケンの妖怪は山岳地で特定の環境下で自分の影が霧に大きく投影される現象で、これをグレイマンと見誤った可能性もあるかもしれません。
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