■人間の子供やペットまでも食べるらしい ~ キャナル・モンスター
今回はキャナル・モンスター/カナル・モンスター (Canal monster)。
キャナル・モンスター (「運河の怪物」) はエリー運河に棲息するといわれる水棲UMAです。
エリー運河は、五大湖のひとつ、エリー湖とハドソン川を繋ぐ運河で、アメリカ、ニューヨーク州に位置します。
初めて目撃されたのは1910年といわれていますが、それ以降、しばらく目撃情報がなく、21世紀になって復活したようですが、ほぼ1世紀もの間、めぼしい目撃情報がなかったことから、両者が同一の生物を指しているかは微妙なところです。
キャナル・モンスターはいかなるUMAか?
1910年にキャナル・モンスターを目撃した船長の話によれば、シー・サーペント系、つまり巨大なウミヘビのようなシルエットをしていたそうです。
全長20フィート (約6メートル) の細長い形状の怪物が、船の真下を通り過ぎて行ったといいます。
これはエリー湖の水棲UMA、ベッシーと似た特徴です。
また、目撃されたのはエリー運河であり、ハドソン川を介して大西洋と繋がっていることから一時的に運河に入った海洋生物の可能性も考えられます。
こういった環境から、キャナル・モンスターを独立した怪物とストレートに考えるのに加え、エリー湖の怪物 (ベッシー) がエリー運河で目撃された、もしくは大西洋から遡上してきたシーサーペントと捉えることもできます。
まぁエリー運河特有の怪物と考えるのが一番楽しいですけどね。
記録に残る目撃情報はほとんどないですが、キャナル・モンスターの特性自体 (いわゆる人喰いの水棲モンスター) は語り継がれており、実在するUMAというよりは都市伝説系のUMAの側面が強そうです。
ですが、1910年の目撃談は突拍子のないものではなく、「人喰い」とかのステータスを除けば実在しても不思議ではなさそう。
(アトランティック・スタージョンかな?)
(image credit: Wikicommons)
候補としてはシルエット的にも大きさ的にもやはり月並みながらチョウザメ。
ハドソン川にも棲息するショートノーズ・スタージョン (Acipenser brevirostrum) やミズウミチョウザメ (Huso fulvescens)、アトランティック・スタージョン (Acipenser oxyrinchus) なんかが候補でしょうか。
アトランティック・スタージョンであれば最大15フィート (約4.5メートル) 超の個体を期待できます。
シロチョウザメ (Sinosturio transmontanus) であればもっと都合がよく、大きさ的に20フィート (約6メートル) を期待できるだけに、こちらを筆頭候補に挙げたいのですが、なにせキャナル運河の真逆、北米の太平洋側に棲息しておりちょっと厳しいかもしれません。
さて、一般的には無名に近いUMAですが、エリー運河と繋がるジェネシー川の警備ゲートに「キャナル・モンスターにご注意を (BEWARE OF CANAL MONSTER)」と手書きの注意書きがあるのは興味深く、地元ではそこそこの知名度があるのかも?
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