■人間のみを狩る恐怖の部族は実在する ~ エロコ族とビロコ族
今回はエロコ族(Eloko)とビロコ族(Biloko)。
アフリカ中央部、エロコロバ(Elokolobha)と呼ばれる地域一帯、とりわけオコタ湖周辺に棲むとされる、小柄な精霊、あるいはヒューマノイド型存在についての伝承です。
地域的には旧ザイール、現コンゴ民主共和国にあたり、未確認生物や怪異譚の宝庫として知られるエリアでもあります。
いわば、アフリカ最強クラスのUMA目撃地帯です。
― エロコとビロコ、その曖昧な関係 ―
ビロコとエロコの関係性については、古くから二つの解釈が存在します。
ひとつは、ビロコがエロコの複数形に過ぎないという言語的解釈。
もうひとつは、ビロコが進化、あるいは変質した存在がエロコであるという生態的解釈です。
どちらが正しいかは断定できません。
しかし、両者に共通して語られる、極めて不気味な特徴があります。
それが、カニバリズムです。
しかも単なる雑食的な食人ではありません。
完全な肉食であり、その対象が人間に含まれる、という生易しい話ではなく、人肉のみを狩り、人肉のみを食す存在。
この一点こそが、エロコとビロコを単なる精霊譚や寓話の域から引きずり出している最大の要因でしょう。
― 進化する捕食者 ―
エロコをビロコの進化形とみなす説では、エロコはビロコよりも遥かに大型化するとされます。
身長は人間と同等、あるいはそれ以上に達し、それに比例するかのように人肉への執着も増すといいます。
興味深いのは、両者の関係性です。
同系統の存在であれば友好的であっても不思議ではありませんが、伝承では、ビロコは進化したエロコを「人間」と認識し、狩猟対象とみなすとも語られます。
一方で、強力なエロコの中には、ビロコを配下のように従わせる能力を持つ個体も存在するとされ、このあたりの力関係は非常に曖昧です。
― 鈴を持つ捕食者 ―
彼らのもうひとつの象徴的特徴が、「鈴」、あるいは小さな鐘です。
野営地への侵入者を察知する警告具という説。
鈴そのものに魔力を込め、獲物を誘引し、意識を縛るための道具という説。
中央アフリカでは、鈴や音具が呪術的な力を持つと信じられてきました。
エロコとビロコがそれを使うという設定は、単なる偶然とは思えません。
― UMAか、現実の影か ―
現代においても、アフリカでは魔術的儀式やカニバリズムに関連する事件が実際に発生しています。
そのため、エロコやビロコは、食人の慣習を持つ少数民族、あるいはそのような人々への蔑称が神話化したものではないか、という見方も成り立ちます。
そうかもしれません。
そうでないかもしれません。
ただ、個人的には、これはUMAとして解釈したい。
しかも、獣人系ではなく、爬虫類的特徴を色濃く残したヒューマノイド型UMAとしてです。
(ヤギを襲うナタールニシキヘビ)
(image credit: Wikicommons)
― 異様な身体構造 ―
ビロコは身長3~4フィート、約90~120センチほどの小柄な存在とされます。
皮膚は暗く赤みを帯び、全身が草や苔で覆われています。
意図的なカモフラージュなのか、儀式的装束なのか、それとも体質そのものなのかは分かりません。
一説には、草や苔は外から付着しているのではなく、体表から直接生えているとも解釈されています。
目は狂気じみて赤く光り、そして最大の特徴が口です。
頭部に対して異常に大きな口を持ち、さらに下顎の関節を外すことができる。
つまり、獲物をヘビのように丸呑みする捕食方法を持つというわけです。
― ヘビという現実的モデル ―
アフリカには、アフリカニシキヘビ(Python sebae)とナタールニシキヘビ(Python natalensis)という、2種の巨大ニシキヘビが棲息しています。
いずれも6メートル超、場合によっては7.5メートル級に達することもあり、人間を呑み込む能力は現実に確認されています。
エロコが大型化した存在であるならば、こうしたヘビ類を原型とした誤認、あるいは神話的再構成が行われた可能性は否定できません。
― 鈴の音に誘われた妻 ―
エロコ族を語る上で、避けて通れない有名な神話があります。
"ある日、猟師は妻を連れて森へ入り、自身の小屋へ向かいました。
猟師は罠を確認するため外出する際、妻にこう言い残します。
「鈴の音が聞こえても、決して動くな。動けば死ぬ」
しかし間もなく、魅惑的な鈴の音が森の奥から響いてきました。
エロコは、とりわけ人間の女性を好むとされ、その存在を敏感に察知したのです。
やがて、子供のように優しい声が、小屋の中へ誘いかけます。
妻は約束を破り、扉を開けてしまいました。
そこにいたのは、小柄で無垢そうなエロコ。
彼女はバナナマッシュと魚を差し出しますが、エロコは静かに拒否します。
「我々は人間の肉しか食べない。長い間、何も口にしていない。あなたの腕を少しだけ欲しい」
魔力に縛られた彼女は、その要求を拒めませんでした。""
その夜、猟師が見つけたのは、森に散らばった妻の骨だけだったといいます。
森の奥で鈴の音を聞いたなら、それは歓迎ではありません。
それは、狩りの合図です。
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なんでそんな危険な所に説明もせず妻を連れてったんだ…と思っちゃいます笑
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