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2022年8月25日木曜日

10メートルの超巨大チョッカクガイ ~ カメロケラス

(original image credit by Wikicommons)

■10メートルの超巨大チョッカクガイ ~ カメロケラス

恐竜博や博物館、場所によっては動物園や水族館でも、お土産コーナーにいくと化石が売っています。

どこに行ってもたいてい三葉虫アンモナイト、そしてチョッカクガイの化石は定番商品です。

アンケートを取ったわけではありませんが、この中でぶっちぎりで知名度・人気の低いのはチョッカクガイと決めつけています。

ほっそい5~10センチ程度の貝殻の化石、お土産コーナーの店員さんに一度聞いてみたいのですが、チョッカクガイの化石って売れているのでしょうか?

今日はこの勝手に人気のないと決めつけているチョッカクガイが主役です。

2000年代初期に起きた食玩ブームでチョコラザウルスの恐竜・古代生物コレクション第2弾でチョッカクガイのライオンノセラス (Rayonnoceras) がフィギュア化されたのは奇跡といえます。

知らない人がチョッカクガイ (直角貝) と聞けば、その名前からくるイメージで、現生のスローモーな巻貝を想像してしまいそうですが、全然違います。

外套部分がまっすぐの殻に置き換わった頭足類 (イカ・タコ) をイメージしてもらえばわかりやすいでしょう。

もちろんチョッカクガイは頭足類の仲間です。

アンモナイトの殻を螺旋状に巻かずにまっすぐに伸ばした、といったほうがピンとくるかもしれません。

ただ、アンモナイトの殻を巻かず、緩いアーチを描きながらもほぼまっすぐのバキュリテス (Baculites) が存在するので、混同を避けるためにもここはアンモナイトを例に出さない方が賢明でしょう。

(刀のように弓なりのバキュリテスの化石)
(image credit by Wikicommons)

「パーティー用の三角帽子 (パーティ帽) を被ったイカ」をイメージしていただければ遠からず (なはず) です。

今日の主役はチョッカクガイの中でもその巨体でひときわ輝くカメロケラス (Cameroceras) です。

カメロケラスはオルドビス紀中期ごろに現れシルル紀 (4億7千万年前~4億年前) 
まで繁栄していた生物で、チョッカクガイの一部はジュラ紀まで生き延びているものの、恐竜と時代を共有することなく滅んでいます。

チョッカクガイの系統はとっくに絶滅しており、その子孫は存在しませんが、現生の生物ではオウムガイが一番近縁です。

学名こそ「気房のある角 (chambered)」と地味ですが、殻の長さだけで30フィート (約9メートル)、軟体部分 (頭や足) を含めると33~37フィート (約10~11メートル) にもなる超巨大頭足類です。

軟体部分は発見されることは非常に稀ですし、カメロケラスのそれも発見されていないことから正確な大きさを知るのは今後も期待薄といえますが、殻の大きさからも全長10メートルを下ることはないでしょう。

頭と腕の軟体部分だけで、おそらく人間よりも大きかったものと推定されます。

ダイオウイカ並みの触腕をもとうものなら全長20メートル級だって夢ではありません。

現生の頭足類同様、その巨躯を活かした肉食のプレデター (捕食者) であったことは想像に難くありませんが、なにせパーティ帽だけで9メートルもあり、それに比して軟体部分は1/10~1/5程度だったことを考えると、水の抵抗の低いまっすぐな帽子とはいえ、やはり長時間に渡る俊敏な動き、つまりは遊泳は苦手だったのでは?と現在では考えられています。

それ故、捕食はもっぱら待ち伏せ型、もしくはそっと獲物に近づいての騙し討ち、と若干夢を壊す生態であったかもしれません。

10メートル前後にもなる成体では、ほぼ海底に鎮座し獲物が通るのを待っているだけだろう、なんて研究結果もあります。

今までチョッカクガイに興味のなかった方々も、これを機に、売店でパーティ帽の化石を見かけたら「おっ!」とカメロケラスを思い出してみてはいかがでしょう?

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 4年半も絶食し卵を抱き続けるタコ ~ ホクヨウイボダコ



 ポーランド王に謁見した謎の司教と魚のハイブリッド生物 ~ ビショップ・フィッシュ






 山中に生息するタコ ~ タコスッポンタケ

2022年8月24日水曜日

ベア湖のレイク・サーペント ~ ベア・レイク・モンスター


■ベア湖のレイク・サーペント ~ ベア・レイク・モンスター

アメリカ、ユタ州とアイダホ州の州境により驚くほど綺麗に両州に均等にまたがる湖、ベア湖 (Bear Lake)。

湖の最大長は約30キロとそれなりの大きさがありますが、さすが広大な土地を持つアメリカだけあって、ベア湖の面積は北米では48位に過ぎません。

湖に溶け込む石灰岩 (炭酸カルシウム) の影響で、湖の色は特徴的なターコイズブルー ~ コバルトブルーを成し、遠浅で美しいカリブ海を彷彿とさせることから「ロッキー山脈のカリブ海 (Caribbean of the Rockies)」とも呼ばれるます。

(ベア湖)
(image credit by Wikicommons)

北米大陸の他の大きな湖がそうであるように、ベア・レイクにも先住民族たちから伝わる「湖の魔物」の噂があります。

しかし、その話を入植者たちに広めたのはジョセフ・C・リッチ (Joseph C. Rich) 氏といわれています。

「インディアンたちはこのベア湖に生息する奇妙なヘビのような生物の伝説を持っており、何か月か前には彼らの戦士たち数人がその生物に連れ去られたと主張しています。

それ以来、インディアンたちが湖畔で眠ることはありません。

もちろん湖で泳ぐこともありませんし、戦士たちは女性や子供たちがベア湖に浸ることも禁じています。

そしてとうとう、インディアンたちが水の魔物 (water devil) と呼んでいる生物が現れたようです。

我々、白人入植者たちもこの目で見たことを宣言しましょう。

この魔物は、当地でベア・レイク・モンスターと呼ばれており、この怪物の出現により大きな興奮を沸き起こっています。

先日、サウス・エデン (地域の名前) のS.M.ジョンソン氏が馬に乗って湖畔を走っていると、数ヤード先に何かが浮かんでおり、彼は人間の死体がではないかと思ったようです。

彼は波が死体を湖岸に運ぶのを待っていたところ、驚いたことに、その死体だと思っていたものは波の力を借りずに動いたのです。

頭と首らしきものがあることから、それは見たこともない動物のようです。

頭部の両側にはパイントカップ大の耳、もしくは房のようなものが確認できました。

この大きさから、彼はこの怪物の体はおそらく湖底に接しているものと結論付けたのです。

しかしながら、もうその時には、ジョンソン氏は身の危険を感じ、その場を離れたため怪物の詳細はそれ以上観察できなかったといいます」

これこそ、1868年、リッチ氏がベア・レイク・モンスターについてデゼレット・ニュース紙 (Deseret News) に原稿を送り、掲載されたものです。

ちなみにデゼレット・ニュース紙は1850年に発刊されたユタ州でもっとも歴史のあるローカル新聞で、2022年より日刊から週間へと切り替わったものの、現在でも現役バリバリです。

そういうわけで、初めに火が付いたのはベア湖の半分を占有するユタ州側だったようです。

実際、ほとんどの目撃はユタ州ばかりです。

(かつて北米に存在したデイノスクス (Deinosuchus)、最大、体長12メートルに成長したのではないかといわれている史上最大のワニのひとつです)
(image credit by Wikicommons)

このデザレット・ニュース紙の掲載を機にベア・レイク・モンスターの伝説はスタートします。

そしてその怪物を一目見ようとベア湖には多くの人々が訪れることになり、怪物の目撃が爆発的に増加します。

多くの目撃情報からベア・レイク・モンスターの特徴は、体長は40~200フィート (約12~60メートル)、体色は茶色で胴回りは人間よりもすこし太い程度、大きな目をもちその両目の間隔は1フィート (約30センチ)も離れていました。

頭部は牙のないセイウチ、もしくはワニに似ており、記事通り、パイントカップ程の耳を持ちます。

四肢は体に対して貧弱で18インチ (約45センチ)、おそらく陸では体は支えられないと考えられますが、泳ぎは少なくとも時速60マイル (約97キロ) とかなり高速で泳ぐといわれています。

体長や頭部等の特徴のバラツキから考えて、異なる種類の野生動物を見てハイブリッド化しているのは確かといえます。

大きく2つのタイプに分かれており、ひとつが巨大なワニ的なもの、そしてもうひとつがヘビ体型、いわゆるレイク・サーペント的なものです。。

この怪物にはじめに興味を持ったのが、意外なことに、日本ではモルモン教として知られる末日聖徒イエス・キリスト教会 (以下LDS) であったといわれています。

LDSは、記事を投稿したジョセフ・C・リッチとその兄弟、そして多くの目撃者たちと接見し、これだけの証言を得られたのだからとベア・レイク・モンスターの実在をを確信します。

政治家にしてLDSの第二代大管長ブリガム・ヤング (Brigham Young) 氏は本格的なベア・レイク・モンスターの捕獲作戦を敢行したほどです。(もちろん失敗に終わっています)

先日、同じくユタ州にある、全米6番目に巨大な塩湖、グレート・ソルト湖 (Great Salt Lake) のUMA、ノース・ショア・モンスターの話をしましたが、ベア湖とグレート・ソルト湖は地下水路でつながっており、ベア・レイク・モンスターはそういった水路を使い行き来しているのでは?などと噂が流れたりもしました。

しかし、、、

1868年のリッチ氏の話から26年後の1894年、彼はあの原稿に書かれているすべてが壮大なホラ話であったことを認めました。

やはりこの告白の影響は大きかったようで、それ以後、目撃は激減、、、というよりはほとんど無くなってしまいました。

しかし目撃は全くなくなったわけではありません、細々と、、、人々の関心が薄れ、忘れそうになるとベア・レイク・モンスターは気紛れに人々の前に現れるようです。

(参照サイト)










2022年8月23日火曜日

古代文明の権威が宇宙人のミイラを発見したと、、、? ~ タスコの宇宙人


■古代文明の権威が宇宙人のミイラを発見したと、、、? ~ タスコの宇宙人

パブロ・エンリケ・ガルシア・サンチェス (Pablo Enrique Garcia Sanchez) 氏。

1956年生まれ、メキシコのトラスカラ州 (tlaxcala) 出身、元メキシコ軍の軍医として20年勤続、軍を離れてからも臨床医学の研究者として従事し、その傍ら、古代文明の研究にも打ち込みます。

特にアステカ文明の研究に熱心で、自国メキシコにおいてその精力的な活動により、その分野では著名な文化人として知られる存在です。

YouTubeチャンネルで考古学を題材にした "Aztlan Paraíso Perdido" のプロデューサーとして、ゴールデンマイク賞を受賞。

専門である医療活動においても、最近のものでは2017年10月に発生したハリケーン・マックスにより甚大な被害を被った住民への支援活動でも陣頭指揮を執りました。

ワールドワイドではなく、まったく知らない存在でしたが、調べてみるとメキシコではかなりの著名人であるようです。

そんなサンチェス氏が「宇宙人のミイラを発見した」と言ったとしたら?(笑)

少なくともメキシコでは色めき立ちます。

胡散臭さを微塵も感じさせないサンチェス氏のプロフィール。

メキシコでは大きく2つの反応が考えられます。

ひとつは彼ほどの人物が言うのであれば、それなりの理由があるはずであり、信頼できる!宇宙人はやはり地球に来ていたのだ!というもの。

中南米では現在でもUFOや宇宙人系はそれなりに人気のあるコンテンツであり、賛同者も多いに違いありません。

それこそサンチェス氏のような文化人が仲間に加わったものと、UFO・宇宙人肯定者には歓喜で迎えられるに違いありません。

そしてもうひとつは、医療従事者・考古学者としてサンチェス氏をリスペクトしていた人々の反応。

えっ?うそでしょ、あの英雄のサンチェス氏がいったいどうしたんだ?、大丈夫か?というもの。

賛否は置いておくとして、取り敢えず、今回の「大発見」である「宇宙人のミイラ」を見てみましょう。

ミイラはゲレーロ州のタスコ (Taxco) で発見されたものです。

謎のミイラは単独で発見されたわけではなく、当時の装飾品や武器等と共に発掘されたものです。

まず目を引くのが頭部。

フェイクではないと仮定して、状態が悪いのでしょうか、頭骨の後部が頚部を経ずに頸椎に接続しているようなシルエットです。

それ以前に、頭骨の形も異常です。

四肢は胴体と比較して相対的に長く、脚は折りたたまれており、前肢はほぼまっすぐに伸びた状態です。

こういった動物のミイラが出土されると、ふつうはまずその時代の特定、そしてその正体の野生動物で特定しようとするものですが、今回は一気に「宇宙人のミイラ」に飛躍しました。(笑)

まぁ、頭部の形状から即座に思いつく野生動物はいないことからもそれは理解できますが、宇宙人に飛躍するにはさすがに早計という気がします。

個人的にも何のミイラなのか?それともつぎはぎのハイブリッドなのか?まったく判断・特定できません。

ただひとつ朗報?もあります。

サンチェス氏とミイラが写った画像と共に宇宙人ミイラ説が飛び交っているものの、実はサンチェス氏がこのミイラを宇宙人であると語ったという確証はありません。

一応、サンチェス氏がこのミイラを、スペイン語なのでまったく分かりませんが、 "Hermano de las estrellas (天 (星) の兄弟)"、と語ったとかなんとか、そうマスコミが騒ぎ立てているだけです。

単にメキシコのマスコミが勝手にサンチェス氏の写真と共に宇宙人説キャプションをつけただけであれば、サンチェス氏は被害者である可能性も否定できません。

現時点で真相はわかりませんが、いま中南米で注目を集めているミイラであることは確かです。